谷川岳マチガ沢雪訓

谷川岳マチガ沢雪訓

・期日:2013.4.26(金)~4.27(土)
・参加者:笹田(L)、いた、藍澤、カト、sa山、かおり、けんた(記)
・行程:
4/26 赤羽駅22:00=土合駅4/27 0:30(仮眠)
4/27 マチガ沢出会7:30…8:50マチガ沢S字末端下部…13:00西黒尾根…
15:45ロープウエイ土合駅=帰京

 何から伝えればいいのか、分らないまま時は流れて、浮かんでは、消えてゆく、ありふれた言葉だけ、そんな山行でした。

前日の22時に赤羽駅に集合。いたさんの車、笹田師匠の運転で出発。日をまたいで0時半頃、土合駅に到着。すでに、数名が駅舎で寝ていたので、我々も静かに寝る準備をして就寝。
朝5時に起床し、軽く朝食を取りましたが、加えて、あいざわさんからはネルドリップの珈琲を、いたさんからは温かい味噌汁を頂きました。4月末とはいえ、まだまだ寒い谷川。あたたかいものが本当に有難かった。

氷河結びにて
氷河結びにて

6時過ぎに谷川ロープウェイの駐車場に到着・準備をし、6時半過ぎに駐車場を出発。7時半頃にマチガ沢出合に到着。ここで、アイゼンを履くとともに、ザイルを出して氷河結びでコンテを組むことに。私はカトさんと組ませて頂きました。

 しばらく沢筋を進み、入山禁止エリア手前で、ヒマコンに結び変えて西黒尾根に向けて進む。入山禁止エリアほどの険しさはないものの、それなりの傾斜のある斜面でした。最初、私が登り始めましたが、アイゼ

ンとピッケルの使い方を理解しておらず、

滑落。かおりさん、あいざわさんが先へ進むことに。

ダブルアックスで攻める
ダブルアックスで攻める

その後は、斜面のトラバースの連続。下を見ると高度感があり、正直、かなりびびっていました。カトさんの指示をいただき、緊張しながらもゆっくりと進み、なんとか西黒尾根上へ到着することができました。ただ、西黒尾根へ付く頃には天候がすっかり崩れており、また、到着が遅れたこともあり、ピークを踏まずに西黒尾根を下りることに。

ここまででかなりの体力を消耗しており、ここで気の緩みがあったのも事実です。また、まだ雪山だという認識もありました。帰路は、全員黙々と降りていました。そんな時に遭遇してしまったのです。足下ばかり見ていた私は、後方からの声で初めて前方を

熊の足跡
熊の足跡

見ました。先頭を歩いていたささださんに向かって、クマが突進しているところでした。私はそれを見て、ピッケルを持つ手に力が入ったのを覚えています。おそらく、メンバー全員が似たような状況だったでしょう。ささださんの話によると、周囲の確認のために上を見た時、クマと目が合い、向かってきたとのことでした。ただ、クマと会った場合、目をそらさずにゆっくり後方へ移動するのが良いと言われています。目をそらさなかったささださんの判断により、クマは逃げに転じたのではと信じています。

その後、音を出し我々の存在をアピールしながら慎重に尾根を下り、15時45分頃にロープウェイの駐車場に無事到着しました。

そんなこんなでいろいろあった1日の帰りの車の中で流れていた曲は、小田和正『ラブストーリーは突然に』。あの日(平成25年4月27日)、あの時(午後2時半頃)、あの場所(西黒尾根)で、君(クマさん)に会えなかったら、僕ら(私たちとクマ)はいつまでも見知らぬ2人のまま。

できるなら、一生見知らぬ2人のままでいたかった。

入山禁止エリアの様子
入山禁止エリアの様子

ちなみに、このクマのおかげで私のポカ(4回滑落うち1回はかおりさんをまきぞいにしかかった+忘れ物をしたと思って無理を言って引き返した)は、メンバーの皆さんの頭から忘れ去られているに違いないと思ったのですが、そうは行きませんでした。この場をお借りし、お詫びいたします。

谷川岳雪訓

2013年4月13日(土)~14日(日)

 

●参加者
・泊まり組:アベ(L)、sa山(SL)、グッチー(SL)、サブ(SL)、部長、ハギ、ミナト、ホッシー、コバ、カト(記)
・日帰り組:アトム、かおり、スガ
●行程
・1日目(4/13、晴)
 水上駅8:51(バス)9:00ロープウエイ土合駅-天神平駅10:10-11:00熊穴沢避難
 小屋(幕営)
・2日目(4/14、晴)
 起床5:00-熊穴沢避難小屋7:00-熊穴沢ノ頭1441m下斜面で訓練(日帰り組11:00
 合流)13:00-熊穴沢避難小屋14:00-15:10ロープウエイ土合駅18:00(バス)18:20水上駅18:45-帰京

●記録、感想
4/13(1日目、晴)
水上駅9:00発のバスに乗りロープウエイ駅に行く。車のアベL、ミナトさんはすでに到着していた。ホッシーが予定の電車に乗り遅れ水上駅からタクシーでロープウエイ駅まで来る。出発時間に支障なく天神平駅で合流。
10:00過ぎ出発。スキー場のポールを辿って天神峠への急登を行く。この短いルートは春の雪山だけのもので楽しい。出発時は少し寒さがあったが急登したことによって汗だく。雨具の上着を脱がせてもらう。サブさん、コバさんは半そでになる。1時間弱で熊穴沢避難小屋。小屋は雪で2/3ほど埋まっている。小屋前を整地して4・5テン2張を張ってから訓練開始。sa山さんはテント設営の間に到着。泊まり組全員がそろう。
最初はアベL、サブSLの指導により搬送訓練。事故者に見立てたコバさんをツエルト、銀マット、空ザック(柔らかいものを詰めた天蓋を首部分に背中位置)、ダウンジャケット・フリース(腰や膝下の位置)などをセットした(シュラフは省略)梱包場所まで移動させる。移動は事故者の下に手を差し入れて方膝にのせてからヒューマンチェーンを組んで運ぶ。靴紐をほどき靴と手を軽くテープで巻く。ツエルト内側から靴底、両膝、両腰、両肩、頭にカラビナをアンカーとして外側からシュリンゲでクローブヒッチ。両膝、両腰のアンカーに結束したシュリンゲをシートベントで結び横の線を決める。靴底のシュリンゲを横の線のシュリンゲにシートベントで結び縦の線を決める。更に、両肩のアンカーに結束したシュリンゲと腰のシュリンゲをYの字になるようにシートベントで結ぶ。最後に細紐(7mm×10m程度)で足のアンカーにクローブヒッチし、膝、腰、肩、頭のアンカーにクローブヒッチで結び両サイドを決める。余丁はエイトノットで結束。頭、両肩、細紐エイトノットを長いシュリンゲで流動分散をかけて結ぶ。搬送は8か所に設定したアンカーにかけた細紐にカラビナをかけてデイジーチェーンで長さを調節して引きずる。頭と足を担当する者はコントローラーの役目。4人パーティーの場合は4人で搬送するしかない。また、細紐などなければ持参のザイルを使う。
二度目は、ヘビー級の部長が事故者になりリーダーはほとんど手と口を出さずに行ったが最初より早く(20分程度)しかもしっかりと梱包できた。参加者のレベルの高さが推察できる。

2013041213谷川岳1
搬送訓練

次はビーコンを使っての捜索訓練。講師はサブSL。電波の特性、行動の手順など基本的事項の説明の後、サブSLリーダーのパーティー行動中に「一人が雪崩に流された」との設定で本番さながらの訓練を行った。サブSLリーダーがグッチー、ミナトをビーコン担当、部長、ハギ、ホッシーをプローブ担当、sa山SL、コバを掘り出し担当にそれぞれ指名し組織的な行動とるよう指示し行動開始。15分程度で確保する。
 2回目はハギリーダーのもと1回目の設定と同様の訓練。各担当の指示後捜索。12分程度で確保する。3回目は少し深いところに埋めるが10分程度で確保。捜索ビーコンはマムートとピープス2種類。操作性、分かり易さ、スピードはマムートが数段優れている。
実際は、人間を掘り出す際には低体温症対策、作業スペース確保、事故者収容スペース確保など掘り出しにはかなり時間がかかる。これらを含めて生存限度の15分以内で完了させることはかなりの習熟度、体力が必要とされる。雪崩経験者の私としては2度と同じ間違いをしないためにも山様や雪層を絶えず確認し雪崩にあわないような行動しなければいけないと戒めるばかりだ。

2013041213谷川岳3
捜索訓練

最後の訓練はスノーマウント設営。7つほどのザックを並べてその上にシートをかけて雪で埋める。春の雪は湿雪で見る見るうちに小山ができる。側面の下側に穴をあけてザックを取り出す。斜面なので丁度ザックの底あたりを掘るようになる。ザックを取り出したら底面を掘る。ホッシーは今晩ここに寝ると言って穴倉に入って懸命に掘る。いい加減に代われと言ってもなかなかやめない。sa山SLが代わってもこれまた穴倉に入って出てこない。穴倉生活が常であった原始時代の人間の本能がこんなところで出るのか。ツエルトで囲ったトイレを作る。18:30頃終了。スノーマウントにザックを収容する。

2013041213谷川岳3
スノーマウント

晩飯は部長のすき焼き。大量の肉を胃袋に収容しながらそれぞれ持参した大酒を飲む。ハギさんはなんとロング缶ビール5本を背負ってくれた。いつも大量のアルコールを担ぐsa山SLは今回遠慮気味。私はいつものウイスキーを他の方も飲むだろうとダブルで5杯分くらいを持ってきたが皆さん相当の量を持ってきていたので一人で消化してしまった。飲み過ぎ。コバさんが初めての山行なので皆で自己紹介をする。皆さん個性的な紹介をした記憶があるが定かではない。20:00頃就寝。

2日目(4/14、晴)
起床5:00。朝飯はホッシーさんのにゅう麺。ホウレン草、キムチなどのトッピングで色を添える。
ヒマラヤンコンテで小屋から少し戻り熊穴沢ノ頭から天神峠に向かって左側の熊穴沢と天神沢の間のなだらかな尾根斜面に下る。コンテは、阿部L-コバ、谷口SL-sa山SL、サブSL-ハギ、部長-ミナト、ホッシー-カトの5組。斜面上部を削り10名が立てるスペースを作る。阿部Lが土嚢に雪を詰めてアンカーを二つ作り、また、サブSLが木の枝をアンカーに設定して支点を作る。確保や引き上げ訓練に使う。滑落停止は阿部L、sa山SL持参のそりを尻に当てたので猛烈なスピードで落下する滑落者をヒマコンや肩がらみで止める訓練を行う。引き上げは1/3システムで歩行できる事故者を想定してつるべ方式で引き上げる訓練を行った。また、別の1/3引き上げシステムでは完全に動けない事故者を引き上げることもしたが、湿雪の斜面では二人掛かりでも重く引き上げが困難のことを実感する。
斜面につくったテラスの上部が雪庇乗越訓練に良い場所だなどとsa山SLがけしかけるのでその気になったグッチーさん、ホッシーさんがトライし軽がると超える。新人のコバさんがトライするが敗退。私も簡単に行くだろうと高を括ってチャレンジするが、2度3度やって足元が決まらずずるずると落ちるばかり。ピッケルのシャフトを衝きたててやっと上がれる。年相応にしなければと反省。コバさんが再チャレンジして私同様にシャフトを立てて乗超す。頼もしい新人が入ってきたものだ。

2013041213谷川岳4
肩がらみ確保訓練

11:00過ぎに日帰り組が到着。何とアトムさんの足元をみるとビニールのゲートルが巻かれている。スパッツを探したが見つからず応急措置をしたとか。大笑いをしたがいろいろ知恵が出るものだと一方では感心する。早速、かおり-スガ、部長-アトムの組でヒマコンをセットして斜面の歩行訓練、滑落停止などの訓練行う。13:00頃引き上げて熊穴沢避難小屋に戻り日帰り組はビーコンでの捜索訓練。他はテントの撤収など。14:00全てを終了して下山開始。天神峠からは雨具パンツの者はシリセードで降りる。
下のロープウエイ駅で車の阿部SL、ミナトさん、sa山SLと分かれる。16:00発のバスまで時間があるのでビールで喉を潤す。電車は16:45と接続が良いので車内での打ち上げとなった。

新年度に入って初めての月例山行。雪訓に合わせて雪山セルフレスキューを行うことができた。雪山セルフレスキュー訓練は私が入会した2007年以降初めて行われる。アベさん、サブさんが今年の都岳連雪山セルフレスキュー講習に参加したことによって実現したものだ。雪山に向かう会員が増えてきたのでこのような訓練を行う必要性が認識されてきたものと思う。救助活動はない方が良いがこのような訓練をすることによって保温対策、アンカーや支点の構築、結束など様々な技術の取得が得られ岩登り本チャンにも活かされる。万が一何かあった際にはリーダーの指示のもとにそれぞれが役割を理解して自然に身体が動くようになればよいと思う。
月例山行担当のグッチーさん、sa山さん、雪山セルフレスキュー担当のアベさん、サブさんには良い企画を立てていただき、実戦さながらの実のある訓練ができたことに感謝したい。レスキュー訓練などで事故後の対策がいかに大変か実感できる。安全登山にはこの大変さの感覚を忘れないことだと改めて思う。

乾徳山

日:2013年3月31日(日)
参加者:かおり、ほっし-、のり、カト(記) 
新宿6:00(16番線)-6:38立川6:43-8:12塩山8:20(タクシー4,130円)8:50登山口9:10…10:00銀昌水…10:40国師ヶ原…11:10月見岩…12:00頂上下第1鎖場…12:20頂上直下鎖場…12:40頂上…14:30国師ヶ原(避難小屋後)…16:20バス停-登山口16:51-山梨市駅17:36(特急かいじ)19:06新宿

 塩山8:12着の中央線電車で行く。かおりさん、ほっし-さんは久しぶりの山行。乾徳山は入会当時から良い山だとの評判を聞いていたので行きたいと思っていた山だ。
 今日は冬のように寒い。曇っているが風もなく順調に登る。月見岩まで来ると風が強く雨が落ちてくる。レインウエアーを着る。草原のような平らになっている扇平を過ぎると樹林帯に入り登山道は凍結箇所が多くなる。凍結箇所はゴミや踏み跡で汚れたりでそう難儀をするほどではない。なるべく凍結箇所を踏まずに進む。
 岩稜帯をほどなくいくと第一の鎖場の岩場に出る。のりさんが先に上がりロープを下ろす。かおりさんはロープで確保して登る。かおりさんはこの程度の岩場は十分こなすが安全第一。他はフリーで登る。更に岩場を過ぎると凹角状の岩壁に突き当たる。最初の一歩はクラックに足を入れてフットホールドにするが濡れていて滑る。ここもかおりさんにはのりさんが下したロープを使ってもらう。滑るので鎖を持って力ずくで1歩を上げるしかない。2歩目からは横に割れ目があり良いハンドホールドになっている。

頂上直下
頂上直下の鎖場

頂上に上がったら風が強く霙が食ってきた。早々に下山するが下山道の選択に迷う。予定では登ってきた先に進み地図上の下山道を予定していたが登山道が不明瞭。のりさん、ほっし-さんは十数回の経験があるとのことだが今回の下山道に入ったことがないと言う。いつもは上がってきた岩場を下りて下っていたとのこと。私が様子を見に岩場を下りると雪に踏み跡があり行くことにする。かなり雪が残っているが滑るほどではない。リボンとペンキを頼りに尾根を五つほど超えてやっと避難小屋後がある国師ヶ原の平坦な場所に出る。ここまで急斜面の下りの上部は雪と凍結の道で思ったより時間がかかり約2時間弱かかる。
 国師ヶ原14:30、バス停までCT1:40なので15:36には間に合わない。16:51に乗るつもりでゆっくり下山する。お久しぶりメンバーは疲れが出ているのか数回転ぶ。
 16:20バス停に着く。下は雨が上がっている。バスで山梨市駅に出てタイミングよく特急電車に乗れる。駅で買ったビールなどで乾杯。
 噂にたがわず広葉樹、唐松など樹林帯、草原、岩場など変化にとんだよい山であった。

蔵王・山スキー

2013年2月26日~28日

 

●場所
蔵王スキー場、刈田岳~熊野岳
●参加者
いた(L)、すすむ、sa山、カト(記)
●日程
1日目 蔵王スキー場黒姫ゲレンデ~地蔵山
2日目 刈田岳~熊野岳~黒姫ゲレンデ
3日目 蔵王スキー場ライザワールドゲレンデ

(1日目2/26曇)
蔵王のスキーはsa山さんと昨年からの持ち越し。すすむさんが野口ペンションに行こうと言いだしたらしい。いたさんのお誘いで樹氷の蔵王スキーが実現した。
5:00家まで迎えに来てくれる。11:00ころ蔵王黒姫ゲレンデ。よい天気。前日は強風でリフトが止まっていたとか。広くて空いていて雪質が良く素晴らしいゲレンデ。ゴンドラを2本乗り継ぐと地蔵山直下の樹氷原に出る。2本目まではガスでよく見えなかったが、最後の1本を皆で上まで行く。晴れて遠くまで樹氷原が見渡せる。地蔵山までスキーを脱いで歩く。来てよかったと思う。16:00まで気持ちよく滑る。
野口ペンションは昨年秋以来。野口夫妻は元気だ。美味しい手料理とビール、ワイン、焼酎で21:00頃まで歓談。
山スキーをやるつもりではなかったが、話の流れで明日の山スキーをやるはめになった。野口さんがスキー板とシールを貸してくれ、私のスキー靴にビンディングを合わせてくれる。ならばやらざるを得ない。

(2日目2/27晴れ時々曇)
充実した朝の料理をいただき、8:00出発。野口さん、いた夫妻、sa山さんと野口夫人運転の野口車に乗りライザワールドスキー場に行く。リフト一番乗り。2本目のリフトはまだ点検中で待たされる。2本目のリフトの終点が刈田岳への山スキ-の始まり。
ここですすむさんと分かれて野口夫妻、いたさん、sa山さんと歩き始める。ビンディングの操作はややこしい。板は軽いのだが靴が重いので引きずりながら歩くのは疲れる。すぐに右足ふくらはぎの筋肉痛が始まる。しかし、シールのお陰で登るスピードは歩くよりはよほど早い。11:00ころ刈田岳。野口夫人とここでお別れ。用事があり下りてすすむさんと合流して一緒に滑るとか。

20130327蔵王1
苅田嶺神
20130327蔵王2
苅田岳へ

刈田岳からは熊野岳までは稜線を行く。熊野岳12:00頃。引き返して避難小屋あたりからトラバース気味に下る。ここからが難儀となった。山スキー愛好者はゲレンデ以外の積雪のスキーを楽しむだろうが、私はゲレンデ以外滑ったことはなく苦痛が始まる。板に慣れないしスキーが下手糞だから前に進むことができない。地蔵山の斜面では立ち往生して挙句の果てに倒れて起きあがれない。深く潜った板を重い雪で上げることができず、ストックを差し込むとずぶずぶもぐり支えにもならず重い雪との格闘となった。皆さんを大分待たせてやっとゴンドラ駅まで行く。

20130327蔵王3
熊野岳へ

この日は天気が良く樹氷見物観光客がものすごく多い。中国人団体だ。やっとスキーで滑れると思ったが、板に慣れずボーゲンで平らなところまでやっと行く。少し慣れてきたため、皆さんにはそんなに遅れずにレストハウスの終点まで行く。休憩してラーメンを食べるがこれがしょっぱい。15:00野口夫人がレストハウス下の駐車場まで迎えに来てくれる。15:30野口ペンション着。昨日風呂に入らなかったので早めに入らせてもらう。小さいが良い風呂だ。本日の夕食も豪華でビール、ワイン、焼酎で歓談。21:00頃就寝。

(3日目2/28晴)
素晴らしい天気。8:00野口さん運転でライザワールドスキー場に行く。ゲレンデは凍っていてガリガリと音を立てながら滑る。道路を滑るコースもあり楽しく滑れた。帰りは滑って野口ペンションまで行くと言うのでいた、sa山の両氏についていくが途中から林に入るので私は道路を行くことにした。すすむさんを追うが分からず、道路を滑って行くと野口ペンションが分からず道迷いとなる。ペンション村の看板があったので安心したが、2回ほど聞いてやっと辿り着く。皆さん心配して道路まで出ている。12:00頃野口ペンション着。お昼を出していただき私はスパゲッティー、コーヒー、デザート付600円を食す。13:00頃名残り惜しいが帰路に着く。19:00ころ帰宅。自宅まで送ってもらう。

冬の蔵王を初めて訪れた。天気に恵まれて素晴らしい体験をした。広いゲレンデ、なめらかな雪質、下手な自分の滑りが上手くなったような錯覚を起こさせる。
こんな素晴らしい機会を与えてくれたいたさん夫妻に感謝したい。sa山さんのスキー技術は見惚れるほど上手であり、また、先輩、野口夫妻のキャパの広い心に打たれ、皆さんに助けられたおかげで楽しい3日間を過ごせた。
初めての山スキーは、登っているときはアイゼンより早いし快適なので山スキー道具はどのようなものを揃えるかなどの妄想をしながら歩いていた。熊野岳からのトラバース、下降になった時からスキーが進まず、一転して地獄にはまったようになった。スキーの素人は山スキーに手を出してはいけないことを思い知らされた。また、一瞬でも違った世界を覗き山スキー愛好者の気持を少しだけ理解できたことと自分のレベルの低さを確認させてくれた蔵王であった。

浅間山

浅間山登山
期日:3月20日~21日
参加者:Sa山(記)、カト

来週も暇なので、次何処行こうかと、「山レコ」を眺めていたら、浅間山の記録が目に付いた。昔噴火後入山禁止になり、登れないものと思っていたが、いつからなのか登られていた。
それではと、カトさんをお誘いし行くことにしました。
カトさんに面倒を頼み、宿泊先の予約願ったのですが、今は便利な宿も在るものです、中軽井沢「ファミリーロッジ旅籠屋」宿は寝るだけ、宿泊設備はそれ以外のおもてなしは一切無し、飲食は各自お客の自由、ですので酒を買って部屋で明るいうちから宴会です、山や、としては使いやすい宿ですね。一人二人では安くはないのですが、3人以上だとお勧めです、ベッドはキングサイズ使用で4,5人用テントのスペースありそうです、私なぞのサイズだと横寝で5人はOKです。

3月21日(木)
朝5時起き、6時前出発、私の山行にしては雲ひとつ無い良い出足です。夜明けの道を、ナビを頼りに黒斑山と浅間山の最低鞍部目指し車を進める、先々週、八方に向かったときは真っ白だった浅間山も、昨日見た時は、ほぼ雪が解け黒々としていた。本日も暖かく道路に雪は無く安心して走れる、浅間山荘駐車場7時20分出発、強い風が枝をゆすっている。このコースは沢沿いに最低鞍部めがけ登ってゆく。ゆるい傾斜の車道をしばらく進み、同じようなゆるい山道を進む、一部残雪の斜面を横断し(ここは雪が在ると下の谷まで続き、きつい斜面をトラバースすることになる)、分岐に差し掛かる、沢の左道のほうが日当たり良く、そちらを進む。不動滝過ぎで合流するが、滝を見たいときは右の道を進んだほうが良さそうです、帰りにそちらを下ることも出来ますが。
長坂を過ぎ、カモシカ平にくると視界が広がり、黒斑山、と牙山の間を右下の赤く染まった川が近づき、硫化水素の匂いがしてくる。前方に縦縞模様の浅間山が見えてくる。この沢を一またぎして間もなく火山館に着く、ここまで出発して2時間の行程です。火山館はログハウス作りで宿泊は出来ないが年中営業のようです、木炭ストーブを焚いており暖かく休憩できる。この所暖かい日が続きここ10日ほどで積雪が1mほど解けそうです。小屋は中央アルプス、八ヶ岳、蓼科山が眺められ良い場所に立っている。風が強いと、大変との情報が有ったが風もほとんど止み良い調子だ。

火山館
火山館に到着

火山館から5分、積雪80cm程の、まばらな低い樹木の中を進むと、黒斑山の分岐に差し掛かる、ここは湯の平、黒斑山と浅間山に挟まれた開けた場所で見晴らしがいい、ここから踏み跡頼りに樹木の中を進むが、傾斜もゆるく、目印も無く何処でも歩けるので、そこらじゅうに踏み跡が付いている、そのうち木々が絶え浅間山の斜面にたどり着く、火山独特のガレた足場に変わるが、踏み跡沿いはしっかり固められている。傾斜も増し、足元の感覚は富士山を登っているようだ。
上に着くと近くは四阿山、草津白根が眺められ、遠くには、妙高、北アルプスが端から端まで一望でき、いつまで見ていても飽きない素晴しい景色です。ここから火口に踏み跡があるが立ち入り禁止です、火口側に100mほど下に進むとシェルターが2個有る、直径2mほどの土管を転がしてあると言ったふうで爆発時は耐えそうも無い。

20130421浅間山2
強度が不明なシェルター

しばらく休憩を取り、10時、前掛山に向かう。上に出ると、猛烈な風が進路をはばむ、足場を雪面からガレ場に移動し、しばらく耐風姿勢でこらえ、弱くなる風の目を突いて進もうとしたが、一向に弱まらない、ザックを持ってゆかれそうな勢い、カトさんは杖替わりのストックが手から飛ばされる、私は出した足が風に取られ転倒、なんとも危なかしい、相談し撤退することにした、後300mほどでしたが、いたしかたない。10時30分、そうと決まればとっとと下山。
火山館に着くと、小屋の人は「風強かったでしょう」とのこと、小屋の周りは無風状態、何処でわかるのでしょう、前掛山には行けませんでした、とは言えず「そうですね」と相槌を打ち11時30分そこそこに下山。途中ツアーの人たちにすれ違う、この時間に登っても、途中下山と言う事になろう、ツアーは取りあえず、行けばいいといった雰囲気、どっち道給料は出ているので、と言った感じ。ガイドはピッケルも、ストックも無し。お客様も、きつい登りはしたくない、と言った感じ、でどっちもどっち、と言った私の妄想的感想。「すみませーん」と叔母様が、すれ違いざま、道でも聞かれるのかなと思っていたら、「ザックに差した、ストックを取ってください」との御達し、「なんじゃこれは」と思ったが、おとなしく「はい」と取ってあげる、弱いの~。
13時、浅間山荘で駐車料金を払い、ついでに風呂に入る、日本一の赤い湯だそうです、浸かると何とも気持ちが良いオレンジの湯、透明度は低く、10cm程で手が見えなくなる。湯の落ち口は、普通の水のような感じですが、空気にふれ、赤くなるそうです。
中軽井沢から直通バスが出ていると言うことで、カトさんを、中軽井沢駅まで送る。
浅間山のこのコースはゆるい登りで、景色は一級です、初級ハイキングコースとして良い所です。今回は最後まで行けず残念でしたが、季節を変え、また誰か誘って行きたいお勧めの場所です。