白毛門
期日:2014年2月22日(土)~23日(日)
メンバー:ミナト(L)アトム・スガ・ケンタ・コバ・サイトー・いしつかみ(記)
行程:
2/22・・水上駅8:51集合・・バス8:57・・土合バス停・・白毛門登山口9:40→松ノ木沢の頭手前平担地(幕営)3:20
2/23・・起床4:00~テント(出発)7:00→白毛門8:45→テント地9:15→ テント回収10:00→白毛門登山口11:25・・土合バス停・・バス12:17・・水上駅12:52出発
記録:
2/22 曇り時々小雪や晴れ
土合バス停留場をおりると、そこは雪国だった・・。(当たり前)一週間前に大雪に見舞われたので物凄い積雪を想像。しかし、思ったより大雪ではなさそうなので一安心。小雪がちらつくなか、小屋の軒下で準備を整える。登山靴に直接わかんを装着し準備万端。白毛門ラッセツ隊、いざ出発。
先頭からコバ、いしつかみ、サイトー、ケンタ、アトム、スガ、ミナト?だったか??・・順番に関しては記憶が定でなく、途中何度も変化。そして、なにより前を歩く人の足元しかみれてない、余裕のない歩きっぷり。そんな訳で前後以外はあまり覚えていない。何度も記録を担当しているはずなのに、情けない。今年はこの曖昧な記憶を克服したい。
さて、話しは戻り・・出だし付近のラッセルの深さは膝下ぐらい。登山口付近では他のパーティーを確認しなかったが、場所によってうっすらトレースがついている。それでもここは豪雪地帯。先頭を行く隊員は、気力、体力、全て出し切らないと進めない。しかし、楽しそうにコバさんは進んで行く。一歩一歩、足元を固めながら進む。重い雪も場所によってはサラサラで、なかなか足元が決まらない箇所もあるが、ルンルンに進んで行くのであった。
一時間ほど歩いて最初の休憩。汗をかかないように登るのが冬の掟なのだが、たっぷりと汗かきまくり。ニット帽もインナーも全て外し薄着に。毎度このような事態になるのだが、準備段階で薄着になる根性がない。体質的なこともあると思うが、サイトーさんは最初からヤッケの下は下着一枚。たまにチラッとみるとチャックがオープンに。暑さ調節だ。それにニット帽はかぶらずヤッケの帽子で調節。なるほど・・。サイトーさんからは色々教わった。言葉だけじゃなく無言で(こちらが勝手に解釈)伝わることもある。
薄着になった後は快調。初めてのラッセルも経験。ピッケルで雪を掻き分け、膝で雪を固める。そして足を踏み込んで行く。その繰り返し。息が上がり、同時にテンションも上がっていく。(何これ?楽しいー!やばい、最高―!!)
興奮したのもつかの間、物凄い体力を消耗する。踏ん張りどころだが、ラッセルマシン化した兵だらけ。ついつい甘えが発生してしまう。ほんのわずかで交代した。今日、この日はコバさん、ケンちゃん、アトムさん、そしてサイトーさんが大活躍だった。
2/23 晴れ時々曇り
翌朝4時起床。さあ、いよいよ白毛門頂上を目指す時が来た。
昨夜、降っていた雪もそんなに大袈裟なものでもなく、かえって綺麗な白銀の世界を造っていた。状況次第でピーク断念かもしれない。タイムリミット12時。スガさんの調子が悪くテントに留まることになる。
そんな条件つきで6名のラッセル隊は出発。
今日もトップバッターはコバさん。大変なんだろうけど楽しそうに、楽しそうに登る。少年のような、はしゃぎっぷり。これって大事なことで後を歩く私までもが楽しさが伝染してくる。辛いのに楽しい。面白い現象だ。コバさんの後を歩くとマルコのように、何千里でも歩けそうだ。
次にケンちゃん。やはり持久戦チャンピオンとでもいうのか、息も切らさず進んで行く。足が長い?否、身長があるからだろうか、歩き幅が他の誰よりも長い。文句一つ言わない姿勢に脱帽。細身の身体だけど体力十分、スピードもある。ケンちゃんだけにはお姉さん風を吹かせたい。息が上がるが聞こえないよう堪えた。辛さアピールも控えた。必死の努力、気付いていたのだろうか・・。
さて、アトムさん。全身筋肉で鍛え上げられた体はまさにラッセルマシーン。身を持って私たちを危険から救ってくれた。それは二度もクレパス風(雪の下が空洞)に填まった。しかし全身の筋肉をフル回転させ、登り返す。あの技はまさに、アトムさんのオリジナル、日ごろからのトレーニングの賜モノ。立派だった。あの空洞は今でもはっきり目に焼きついている。怖い、切り立った尾根よりも怖い。まるで落とし穴みたいで予測不能。山ってすごい・・。
そして、この白毛門ラッセル山行ラッセル部門に輝くのは、なんと言ってもサイトーさんだ。同期だが数多くの雪山を経験している先輩だ。
一人真白な銀世界の急勾配を漂々と進むその姿は美しかった・・・。その姿は美しくて足が止まる程だ。感動を覚える。人ってこんなに美しいものなのか。山と一体化している。今、こうやって想い返すだけで心が静止する。幸せだ・・。
わかんを外している間にかなり先に進んでいった。魅了されながら後を追う。思ったより急勾配。積雪も膝上まである。ものすごい運動量なのだろうけど、真っ直ぐに伸びた姿勢、変わらない表情。あ、まさしく山男なのだ・・。
隊長のミナトさん。今回はほとんど、ラッセルすることがなかった。しかし、頂上付近での鎖場では、先頭をきり導いてくれた。それにアトムさんに続いて私も、空洞に片足をとられた。その時は引き上げてくれ助かった。それに頂上付近以外はずっと列の最後にいてくれた。何て言えばいいのか、底知れぬ安心感がある。決して見放さない、裏切らないブレナイ安心感。終始変わらずの安心感を与え続けてくれた。それに大事な寝床、幕営地での整地作り。スコップがとても似合っていて、早くて綺麗。まさに職人技、完璧だ。あっという間に平に仕上げた。松の木沢の頭手前のわずかなスペースを快適な寝床にしてくれた。
出発から1時間45分で頂上到着。頭の部分がちょこんと出た標識以外、何もない頂上。ふみ後一つない雪の上。「やったー!」記念写真を撮る。
見上げると谷川岳が姿をみせる。頂上付近にガスが、かかっているがはっきりと眺めることが出来た。風もなく爽快だ。
テントまではふかふかの雪を一気に下った。やわらかい雪を駆け下りるのは快感すら覚える。登り綺麗に描かれたトレースは、ぐちゃぐちゃに変わる。白毛門を独占。童心にかえる。贅沢な大人の雪遊び・・。
そんな勢いで駆け下りたので、30程度で到着。あっという間だった。
幕営地から登山口までの下りは1時間30分程度。しかし以外に大変だった。
ふみ後が変形していて歩きづらくなっていた。天気もよく気温も上がってきて、下りなのに汗が滲む。わかんは外れる。だけども、はじけながら下って行く。
それでも、みんな、予定通り無事下山。12時のバスに乗車し白毛門を後にした。
最後に、テントの中で笑い転げた時間なしでは語れない、山行だった。
とりわけガタイのいいメンバーが4.5テントに終結。足をたたんだり伸ばしたり、時には、つりながらも、尽きない時間。辺りには静けさの他何もない。だから遠慮なくドンチャン騒ぎ。気付けば10時を回っていた。笑いセラピーとかがあるが、負けてない気がする。翌朝もテント内は笑い転げた。いったい何の話をしていたのか。気になるところだが、またしても記憶が曖昧。楽しかったことだけはしっかり覚えている。
白毛門ラッセル山行。楽しかった。天候にも恵まれ・・、天気じゃなくても、きっと楽しかった。くどいが、とにかく楽しかった。さらに楽しい山行は進化していく。
みなさま、ありがとうございました!