仙ノ倉山北尾根

【日程】2019年3月9日-10日
【メンバー】ハギ(L)、つりし(記録)
【コースタイム】
9日…土樽駅6:45→毛渡橋登山口7:10→タカマタギとの分岐7:25→群馬大避難小屋9:30/9:40→北尾根取9:50→1182m11:50→1495m幕営地14:10
10日…1495m幕営地6:20→1627m6:55→シッケイノ頭7:35→仙ノ倉山頂8:50→シッケイノ頭9:35→1495m幕営地10:30/11:40→1182m13:00→群馬大避難小屋14:30→毛渡橋登山口16:05

 

1日目

前夜土樽駅前で車内泊、駅前は車6台ほどしかのスペースがなくすでに満車、我々の横の車は7名パーティー、聞くと我々と同じ目的地、前日にだいぶ雪が降ったとのことで、かなりのラッセルになるのではないかと時間的にもタイトになりそうなので明日は6時出発とのこと、リーダーとおぼしき方の話に気が引き締まる。

しかし明朝、我々は結局6時45分出発、登山口につくと踏み跡多数、新雪が深く心配していたがトレースは意外としっかりついている、しかし大方タカマタギに行くパーティーのようで、歩き始めてから30分ほどの鉄塔を左に曲がる分岐からは踏み跡が少なくなりワカンを装着。

行く手に仙ノ倉山

川沿いの平らな林道を2時間ほど歩くと群馬大学避難小屋に到着、昨夜土樽駅で話した7人パーティーに追いつく、北尾根にとりつくのはどうやら我々だけのようだ、いままでつけてもらったトレースにお礼を言い、今度は先に出発する。
橋を渡って真正面にある小高い台地をあがるとすぐに稜線の取りつき、木には赤いペンキ目印がある。

はじめからなかなかの急勾配が続く、股下までのラッセルをはぎちゃんと交互に行う。
息がだいぶあがってきたところで、先ほどのパーティーのうち男性陣4人が追いつき「一緒にやりましょう」と声を掛けてくれる、以後この即席ラッセル隊で幕営地付近まで共に進軍した。


先頭でのラッセルを終え隊列の最後方につくと楽になるその間に体力を温存し息を整える、そして15分ほどすると再び自分に先頭が回ってくる、「よし!」と気合を入れる、急こう配な登りに腰まで潜るふかふか雪、太陽がじりじりと照り付け汗が噴き出る、膝で手前の雪を固め足場をつくる、息があがり速度が落ちてきたところで、後ろの人から「そろそろ交代しましょう」との声、後続を先に行かせるため横にずれるのも辛い、「お疲れっす」「グッドジョブ!」などと横を通る隊員たちに声を掛けられる。

隊列の最後尾に回りこみ、ふと顔をあげると目標とする稜線は真っ白な新雪、雲一つない青空、遠い山々から来る風が気持ち良い、やりきった満足感もあり至福のひと時である。

そんなことを繰り返し14時過ぎまで、すでに全員へろへろ、一番長いこと先頭で頑張ってくれていた20代とおぼしき男子は足が攣って痛そうである、ほんと感謝しかない。

明日は今日来た道を下降する我々は幕営地を1500m付近に、向こうへ抜けて交通機関で土樽に戻る彼らの幕営地は1600m付近にどちらも1時間ほどの土木工事は必要ではあったが、甲乙つけがたい稜線上の眺望のよい素敵な幕営地でした。

尾根上の幕営地(翌日帰幕時の写真)

 

2日目

幕営地に荷物をデポし6時20分出発、7人パーティーはすでに出発しており遠くに見える、本日も先行していただいた。
昨日ほどではないが、それでも所々深い雪になっており、苦労のあとがうかがえる。

今日も雲ひとつない晴天、稜線の勾配が緩急がはっきりしていて、見事な自然の造形美がひろがる。

しっけいの頭の下は雪壁とまではいかないくらいの急斜面になっていて、今回はロープを出してはいないが雪質、力量によっては出したほうが安全、支点で使えそうな灌木もじゅうぶんあった。

シッケイの頭

しっけいの頭からは傾斜も緩やかになり雪面も適度にクラストしているので歩きやすい、空荷の我々はこのあたりで先行パーティーに追いついたのだが仙ノ倉山頂まではあと少し、ここまでトレースをつけてくれた彼らに敬意を表し休憩をいれて彼らの登頂を待つことにした。

山頂まであと少し。肩に先行Pが見えます

8時50分 仙ノ倉山に登頂、先行パーティーにお別れの挨拶をして、すぐに元来た道を下る。

下山は我々がつけた踏み跡を下るので楽ちんかと思いきや、気温も上がったため雪が腐り始め、あちこちで踏み抜く、太陽も照り付け季節外れの熱中症状態に陥る、これは平標に抜けたほうが良かったなどと、最後はぶつぶつ言いながら下りましたが、へとへとの体になりながら無事登山口に着いたときは気持ちの良い達成感に満たされました。

ちなみに我々が到着したときには7人パーティーの車はすでに無くなっていました。

***

終わりに、天気に恵まれ眺望も素晴らしく、また記憶に残る山行になりました。
前日降った大雪に苦労はしましたが、大所帯のパーティの方々のおかげで敗退せずにすみました。
たぶん我々だけであったら、最後まで行けていなかったかもしれません。
ただ、できれば北稜山岳会のパーティーだけの力で突破できたら、もっとよかったとも思いました。
はぎリーダーさま、お世話になりました。
毎年恒例になっている越後シリーズ、次はこの隣の尾根ですかね、ありがとうございました。