コバ(L)、ウエ、ツリシ、ハギ、トヨタ、キム、ササジ、たま、ノダ、キヨ(記録)
丹沢モミソ谷出合の岩場セルフレスキュー訓練を行いました。
コバさん、ウエさんが中心となりご指導していただきました。
訓練内容は以下のとおり。
•ビレーからの脱出
•懸垂下降からの停止、仮固定、登り返し
•介助懸垂下降
•1/3引き上げシステム
•ザックを使用した搬送方法
•ヒューマンチェーン
•横引きを用いた急登の搬送
また、以下のロープワークを使用するがここでの説明は割愛する。
・エイトノット
・ミュールノット
・フリクションノット
−クレイムハイスト
−オートブロック
また、今回の岩講習ではダイニーマがフリクションには適していないかという議論があったが、
これには諸説あるようで明確な答えは見つからなかった。
以下、岩講習の詳細。
●ビレーからの脱出
リード者が負傷し、意識がない時に自分がビレーから抜け出し助けを求めに行く際の想定でのレスキューとなっている。
1.支点が確保できそうな場所まで行き、ミュールノットでビレー中のロープを仮固定する。
ミュールノットが作成できたら両手を離しても問題ない。
バックアップを取ることを忘れずに。
2.支点を流動分散で作成する。(ボルト2つでレスキューに耐えうる支点というイメージ)
3.ビレイデバイスからリード側のロープにスリングでクレイムハイストを作り、機能しているかを確認する。
4.フリクションノットと作成した支点を環ビナで接続し、クエイムハイストを持ち上げて支点とロープにテンションがかかる位置まで引き上げる。
5.ビレイを解除してクレイムハイストの下方にエイトノットを作り流動分散した支点にバックアップを作成する。
ここで救助を呼びにいく。
6.固定を解除する時はバックアップを外し、ビレイデバイスにロープをセットし、ミュールノットを結び、クレイムハイストを外し、ミュールノットをゆっくり解除する。
●懸垂下降からの停止、仮固定、登り返し
1.懸垂下降中のロープ2本を使いミュールノットで仮固定をする。
2.ミュールノットより上方でスリングでフリクションノットを2つ作る。
ここではオートブロックでもクレイムハイストでも好きな方のフリクションノットで結ぶ。
3.上のフリクションノットに自分のハーネスに固定しているスリングを接続する。
4.下のフリクションノットに環ビナとスリングを接続する。
このスリングは足を掛けて登るためのスリングになるができるだけ短い方が登る効率が良い。
身体の柔らかさと相談である。
5.上方のスリングをギリギリまで持ち上げ下方のスリングを足が届く範囲まで持ち上げる。
6.足でスリングに乗り、体を持ち上げる。
7.上方のスリングをギリギリまでもちあげる。
8.上方のスリングに体重を預けて下方のスリングを持ち上げる。
9.以下、6〜8を繰り返して登り返していく。
●介助懸垂下降
1.ビレイデバイスの環ビナ側に約3:7の割合で結んだスリングをかける。
2.短い方を要救助者側、長い方を自分のハーネスにそれぞれ環ビナで固定する。
3.要救助者と自分のハーネスをクイックドローで固定する。
4.ビレイデバイスの下方にクレイムハイストでバックアップを作成する。
5.懸垂下降で降りていく。この時、懸垂下降なので膝は曲げないこと。
●1/3引き上げシステム
1.支点2つにアッセンダーや滑車のようなものを取り付ける。
2.支点と支点の間に写真のように環ビナにフリクションノットを取り付ける。
3.引き上げる側からロープを引っ張り、クレイムヘイストの位置をずらしながら引き上げていく。
●ザックを使用した搬送方法
これはハーネスを装着していることが前提の搬送方法である。
1.ザックの両方のショルダー部分にクイックドローをつける。
2.クイックドローを交差して要搬送者のハーネスの腰部分に装着する。
3.ザックを背負い、周りの介助を借りて立ち上がる。
●ヒューマンチェーン
これは短距離の要救助者の移動を複数人で安定して行いたいときに用いる。
今回は5人で要救助者を運んだ。
1.要救助者を仰向けで横たわらせる。
2.3人と2人に分かれ要救助者の左右に交互に立つ。
3.要救助者の下から手を伸ばしお互いの手首を握り、そのまま立ち上がり安全な場所へ移動する。
●横引きを利用した急登の搬送
1.搬送者の上方に支点を作成する。
2.スリングにアッセンダーや滑車のようなもの、なければ環ビナを2個交互にかける。
2個使う理由は、ロープを引く際に少しでも摩擦を減らし軽くするためである。
3.ロープの片方を搬送者に装着し、もう片方を視点から真横に引く。
以上が今回の岩レスキューでの講習内容となる。
非常に有意義な講習でしたが、実際に使う機会がないことを祈りたい。
この日のために準備をしていただいたコバさんうえさん、この場を借りてお礼申し上げます。
また、丁寧に補足等していただきご指導していただいた参加者の皆様ありがとうございました。