(S)銅親水公園駐車場~松木川~ウメコバ沢(泊)~中倉尾根~中倉山登山口~(G)銅親水公園駐車場
■日 付:2022年7月2日(土)~7月3日(日)1泊2日
■天 候:7月2日(土)快晴→小雨 7月3日(日)快晴→雷雨
■メンバー:こば(L)、うえ、ささじ(記)
■装 備:標準沢装備、8×30mロープ、タープほか沢泊グッズ
■活動概略:
合計行動時間:約12時間/行動距離:16.2km/上り/下り:1240m/1248m(累計)
<1日目>銅親水公園~ウメコバ沢F4(泊)
行動時間:4時間50分(内休憩1時間30分)
距離:7.1km 上り/下り555m/126m
<2日目>ウメコバ沢F4~中倉尾根~中倉山登山口~銅親水公園駐車場
行動時間:7時間(内休憩1時間50分)
距離:9.1km 上り/下り 685m/1122m
■記 録:
7月2日(土)※1日目<5:00>
東京を出発、首都高、東北道を経て7:30に銅親水公園(あかがねしんすいこうえん)駐車場に到着した。
幸い車1台が駐車出来るスペースはあったが、この時期早い時間から駐車場は満車になるようなのでご注意願いたい。ちなみに乗用車約30台、バス4台分程度駐車出来る広さである。
1日目<8:30~11:00>林道歩き
沢靴を履いて銅親水公園駐車場を出発。ゲートをくぐり松木川沿いの林道を歩く。
今年は異例の速さで梅雨明けし、すでに40℃を超える気温を記録した地域もある。
この松木川沿いの林道も例外ではなく、しばらく日陰の無い林道が続き小休憩しながら進む。初日の核心はこの猛暑のなかの林道歩きであったと遡行を終えた今でも感じている。
しばらく歩くと第2堰堤が現れる。我々は左側から堰堤を越えた(右側からも越えられるかも。未確認)。堰堤左側はロープも張っており難なく超えることが出来た。
堰堤を越えた後、対岸に戻り廃林道をしばらく歩く。
この辺りからは樹林帯を歩くことが出来る。
ウメコバ沢出合いに到着するまでしっかりした踏み後があるが、所々に崩落した場所があるので注意が必要である。
1日目<11:00>ウメコバ沢出合いに到着
出合いがいきなり10m程度の「F1」である。ここで本格的な沢支度をする。
岩登り要素が多いとの情報だったので、今回は3人ともラバーソール。
結果正解だったと感じている。
右側にロープが張ってあるラインを各々フリーで登っていく。ホールドはしっかりしている。しかしそれなりに高度があり出だしということもあり緊張しながらの登攀だった。
F1を登るとすぐさまF2?が現れる。直登はせず右側の草付きを高巻く。
この後も小滝が続くが登れる小滝なのであえて濡れながら超えていくスタイルでクールダウン。
しばらく進むと前方遠くにF3の大滝が見えてくる。
1日目<12:20>F3に到着
F3は30m程度の滝で水量もそこそこの大滝だが、水が滝つぼに轟音とともに落ちる瀑布ではなく、流水がほどよく岩にあたり日が当たれば綺麗な水花火が拝める静かに落ちる美しい滝である。滝に打たれてクールダウンもできる。ここでしばらく撮影タイムを兼ね大休憩をとった。
やはりF3も直登はできない。右側に沢筋がありそこを少し登り、途中からF3右の岩壁を巻く感じで藪に入り高巻き崖上に出る(黄色のライン)。藪中はよく見ると薄いながら踏み後があるが経験とルーファイ力、そしてやはり感が必要。F3を高巻くとすぐそこにはF4が現れる。
1日目<13:20>F4に到着
F4は50mほどの大滝である。
この滝もF3同様に落差がありどっしりとした大きな滝だが、そこはかとなく優しい感じのする滝であった。これまた美しい。また振り返ると今まで登ってきた壮大な景色が楽しめる。
今回はこの辺りを幕営予定地として考えていた。しかし開けた平の地面は少なく各々が分かれて平の場所で寝ることとなる。まぁいつものことのような気がしたが…
薪は太いものは少ないが、乾燥した薪は不足しない程度に集まった。枝沢はないので本流の水を飲料水として使用することとなる。お腹の弱い方はご注意を。
本日は夕方から雲が出始め小雨が降った。雨宿りするほどの雨ではなかったが雨具の上だけ着ておいしい食事と焚火を楽しんだ。焚火を前にしていると些細なことは気にしなくなる。焚火の魔力か。結局雨はひどくなることはなく、夜には満天の星空を楽しめた。
7月3日(日)※2日目<6:30>F4を出発
他の記録ではF4右側のルンゼ(黄色ライン)から高巻いている。しかし今回我々はテンバ(画像左下)から岩壁を巻くような(赤色ライン)ルートで高巻きを試みた。途中からはルンゼルートと合流することとなる。
赤ラインルートは壮大な景色を眺めながら登ることの出来る解放感のあるルートだ。若干岩登り的な要素が含まれるが技術的に難しいことはなく普通に歩ける場所が多くあるが高度感がある。ルート中には植生もあり高度感はあるものの安心して登ることが出来るルートだったが油断は禁物である。
赤ルートを高巻き中、左側の岩壁に「M字」形の門のような岩が見える。このM字門の先はルンゼルートに合流することが出来るがかなりリスクのあるルートであった(自分のみ確認)。無理して行くルートではないのでM字の門が見えても高巻くルートはまだ先であるので注意すること。
高巻きは黄色ラインにしても赤ラインにしてもF4より高い高度を高巻くことになる。F4直上あたりは高度感のあるトラバースであるが足場はしっかりしている。
このトラバースを進むと途中でF4の落ち口に降りることが出来るがF4のすぐ上に滑りそうな滝(F5?)がある。このままトラバースを続けると一緒にF4上のF5?も巻くことが出来る。
2日目<7:10>F4、F5を高巻き完了
F4、F5は40分で高巻くことが出来た。予定していたより早く、また危険なところもなくF4の高巻きも大成功だったと思う。リーダーのルーファイに感謝。
F5を巻いたところで沢に降りることが出来る。
降りた先にCSがあるF6が見える。遠目ではわかりにくいが2段の滝である。F4の高巻きが少し早かったこともあり、ここで20分ほど写真撮影タイムを取ることにした。
2日目<7:30>F6登り始め
休憩も終わりF6を登り始める。1段目は右側を登る。
2段目のCSはくぐれるかなと期待していたが、登ってみるとくぐれないことが分かった。CS横を登ろうにも岩が立っていることとヌメリが強そうで少し厳しそうだ。そこで右側を見るとルンゼがあるのでそこを登ることとする。一応ホールドもしっかりしているので問題はないかと思うが、念のためリーダーが登ったのちロープを出してもらった。
今回の遡行中、最初で最後のロープの使用であった。
このF6をもってウメコバ沢の主要な滝は終了する。
これからはしっかり地図読みしながら1615mあたりのコルを目指して詰め上げる。この山域の特徴は基本的に岩稜帯である。よってひたすら斜面を詰め上げるというよりは、一つ一つは高くないが岩壁を4足歩行でグイグイ登って高度を上げるといった岩登り的な感じで詰め上げることとなる。浮石も多くガレ場もあるので注意すること。
グイグイ詰め上げるとコル直下付近からは植生が増えてくる。時間的に気温も上がり、日差しも強くなってきた。歩きやすい場所を求め植生の中を積極的に進むこととなる。シカの糞が増えてきたら詰め上げ終盤で目標のコルは近い。
2日目<9:30>1615m付近のコルに詰め上げ
疲労と暑さでヒイヒイ言いながらやっと予定していた1615m付近のコルに詰め上げることが出来た。そしてそこには今までのモノクロで岩々した景色が一変し、緑美しいカラーの稜線が待っていた。日光付近の山々は割と近場で、尚且つ低山でありながら美しい景色を見せてくれるので自分的には大好きなエリアである。
しかし先程から気になっていたのだが、雨は降っていないがゴロゴロと雷鳴が聞こえる。嫌な予感。そんな中、とにかく休憩は後回しにして近くの樹林帯の下まで移動し沢装備を解除する。
沢装備を解除し少し休憩の後中倉山方面へ下山をはじめるがやはり来た。「ゴロゴロ」ではなく「ガラガラガラ!!」と近くで落ちている音が聞こえる。この中倉尾根は樹林帯がない見通しの良い稜線であるため、雷が落ちるとすれば高確率で我々に。いったん沢入山ピーク下の樹林帯に入って様子を見ることに。若干雷が落ち着いてきた頃合いを見て下山を再開したが、標高もだいぶ下がったところで雨も強くなりまた雷も近くでなり始めた。結局その日はずっと雷雨。なんだか沢中より濡れた2日目であった。
<13:15>下山、銅親水公園駐車場着
■感想
今年2回目の沢登り。今回は沢登り要素よりクライミング要素が強い沢だったと感じている。何といっても初日の暑さには参った。雨が降らなくても林道歩きには日よけのための傘が必要だと思った。これまた勉強が出来た。ウメコバ沢は決して大きな沢ではない。しかしそれ故に予習と現地での地図読みをしっかりしないと全く違った沢に入り込み、手詰みになってしまう可能性も感じた。何年何回と沢登りを続けてきたが基本の重要性を再確認できた沢だった。
こばリーダー、うえさん今回も大変お世話になりました。