メンバー こば(L)、うえ、たま(記)
天気晴れ 風やや強い
駐車場8:40スタート
峠の茶屋9:10
四番の看板9:55
10:00東南稜取りつき
雪が少ない
門で懸垂下降
登り返し
相変わらず雪は少ないが風がとても冷たい
山頂までもう少し
朝日岳山頂12:35
下山中、東南稜を眺める
峰の茶屋跡避難小屋13:14
峠の茶屋13:43
駐車場14:08
天気が良く気持ちよい山行になりました。
東京都山岳連盟加入団体
年末の寒気で、前日に大雪警報。どうなることかと思いましたが、アタック日大変良い天気に恵まれ、素晴らしい景色と共に素晴らしい登山となりました。
9:30 尾瀬戸倉スキー場出発
先日からの大雪はないものの、冬型の天候が続く初日。舗装道路の上に積もった雪道を延々と進みます。
20-30cmほどに積もった雪道がひたすら続き、雪が降る中を単調に進みます。本日はアプローチの為、雪道歩きが大半となります。コバさんが持ってきてくれたスノーシューが大活躍。坂道には向きませんが、単調な平たい道には最適で1パーティーに1名いるとかなり重宝します。(ありがとうございましたm(_ _)m)
13:20 鳩待峠分岐
4時間弱ひたすら進み、分岐までやってきました。津奈木橋を渡るとすぐに標識が見えます。水上方面へと緩やかな登り坂を進み、取付きを探します。
13:45 津奈木橋先取付き
左に林が見えてきます。200-300mほど進んだところで小至仏方面へ入っていきます。時間も遅くなってきたので、テント場を探しながら進みます。
14:30 テント場
1-2名用のテントと4-5名用のテントを2つ設置。スペースも大きく取れ、とても良いテント場です。(←写真は後ほど) 夜はコバさんが、絶品しゃぶしゃぶを作ってくれ明日に向けて英気を養いました。
6:30 出発
アタック日。雪がやみ、青い空がキレイです。風もほぼありません。雪の量は多いので、ラッセル開始です。
7:13 朝日
朝日が青い空に映えます。
10:04 深雪ラッセル
津奈木橋先取付きから稜線までは、坂道が続きます。私の初ラッセルとなりとても良い訓練になりました。腰まで埋まる深雪をかき分けながらひたすら進みます。
ラッセルは大変ですが、天気がとにかく素晴らしい。昨日の単調な道とは異なり、元気が出ます。
深い雪が続きます。坂道より平らな道になるとコバさんのスノーシューが大活躍。スノーシューの後続につくと、女性陣は快適に進むのですが、私はどうしても雪に深く沈んでしまいます・・ダイエットが必要ですね 汗
綺麗な樹氷の林道を進みます。思ったより雪が深く稜線に出てもアイゼンの出番はありません。。頂上までは難しいと判断し、景色が良さそうなオヤマ沢田代まで進むことに。
12:45 オヤマ沢田代
途中からスキーヤーの踏み跡もあり、スピードアップ。素晴らしい景色が見渡せるオヤマ沢田代へ到着しました。
一面の銀世界です。この下に湿地帯が埋まっています。
いきたかった小至仏山、また次回ですね。
素晴らしい尾瀬ヶ原の景色。
樹林帯と山麓のコントラストが素敵です。
素晴らしい景色を堪能した後、帰路につきます。帰りは私たちの踏み跡が残っており、とにかく早い早い。
13:50 登山道(林道)から離れ、テント場へ。
往路は、5時間半。帰りは2時間。あっという間でした。結構な傾斜がありよく登ってきたものです。坂道はやはりワカン ですね。
15:17 テント場
広々としたテント場に到着。ゆったりと過ごせる良いテン場です。
落ち着いたところで、宴会開始。テント生活に大切な水を作成しながらお酒タイムです。2日目は、ペミカン風豚汁をウエさんが作ってくれました。プラス、帆立とイクラの海鮮丼(!) 山ではありえません。超美味な食事を楽しみ2日目の夜は終了です。
7:05 出発
今日は再び単調な舗装路を進みます。朝から雪が降りアタック日のみ最高の天気に恵まれました。2日前につけた踏み跡があるので楽チンです。
8:53 スノーシェッド
スノーシェッドで小休止。こちらでワカン(スノーシュー)を外します。
最後は雪の降る中をひたすら進みます。
10:00 尾瀬戸倉スキー場到着
テント場まで、往路は6時間。復路は2時間。かなり短縮できました。
〈雑感〉
天気に恵まれた素晴らしい山行でした。私以外は、経験豊富な皆さんなのでへばることがなく無事に着いて行けて、実はほっとしました。ラッセルやテント場での整理整頓等、教えていただくことばかりなので早く役に立てるよう経験を積んでいきたいです。山岳会に入り始めての冬休み、みなさんと色々な話もでき有意義な時間でした。ありがとうございました!
(記録:セキモト)
新年あけましておめでとうございます。
この山行へ行ったのはもう3ヵ月も前のことですが、写真整理中にPCが故障してしまい、年を越した今やっと筆を執った次第です。
さて、言い訳はほどほどにして、さっそく記録に移っていこうと思います。
10/05
09:30頃 白毛門登山口
今回は車を出せるメンバーが居ないので、電車で土合駅へ。
天気もそこそこ良いので、他にも同じ沢へ入渓するパーティがあるのではないかと思っていたのですが、登山口で沢の準備をしているのは自分たちのみ。それほどマイナーな沢ではないと思うんですが…。
前日の10月4日は、台風18号から温帯低気圧となったものが雨を降らせていたため、増水を懸念したのかもしれません。
09:45入渓
登山口からほんの少し白毛門方面へ入山し、東黒沢と出合ったあたりですぐ入渓となりました。本当にほんの数分で入渓なので、入渓準備は登山口の駐車場で済ませてしまった方が楽です。
心なしか、水が笹濁りしています。
もともと少し茶色いのか、雨でそうなったのか。この時点ではそこまで増水しているようには思えませんでした。
ハナゲの滝までのナメは、フェルトだと少し登りにくい場面もあるかもしれません。ただ、東黒沢上部やウツボギ沢はコケもあるので、ラバー遡行によほどのこだわりがない限りはフェルトで良いと思います。
それにしても、低気圧通過の反動か日差しが非常に強く、影も濃いので写真は少し撮りにくいです…。見えずらくて申し訳ない限りです。
笹濁りも琥珀のようできれいですね。
そんなことを言っていられるのもここまでですが。
10:08 ハナゲの滝
水量増量中なので、とても立派なハナゲです(?)
名前はひどいですが、迫力のある良い滝です。
人が写っていないのでわかりにくいかと思いますが、全長約50m、幅30mほどの大滝だそうです。
ここは水流脇左を登っていきます。
ハナゲの滝の上は、下流と似たようなナメが続きますが、流心が狭まったため水圧が増し、渡渉するのも少し勇気がいります。
上の写真の小滝も、水中へ足を入れると吹き飛ばされそうになるので、右へ渡って小巻き気味に回避。
10:30 白毛門沢出合
左から白毛門沢が入ります。
今回は東黒沢をこのまま詰めるので右へ。
沢が右へ大きく曲がっている部分です。この水路の先にも小滝があります。
この付近でタマさんがコンパスをなくしたらしく探しはじめますが、結局見つからなかったので仕方なくスルー…。
右から枝沢の滝が入る、出口に5mほどの小滝を持った小ゴルジュ。
右から小さく巻き、小滝手前で左へ移ります。
小滝も水量のせいなのかヒョングっていました。
きれいな水路状のゴルジュでした。
盛大にヒョングっていますが、ここは右から簡単に登れます。
ヒョングリ滝の後は、天国のナメ帯へ入っていきます。
ナメ滝も美しいです。
ナメの合間に多段の滝も入ります。
日当たりも良好なのでここで一息。
そのあとも快適な滝とナメが続き、すっかり東黒沢の虜に。
快晴の空と茶色の沢床のコントラストが美しいです。
この後は何故か写真もなく記憶も彼方へ行ってしまったので不明ですが、14時台のうちに丸山乗越へ到達。
乗越へ近づくほど沢は狭まっていき、滝も小さくなっていきますが、ちょっとしたテクニックや工夫を要求されたような覚えがあります…。
(だから文字だけでも先に起こしておけとあれほど…)
乗越は少し笹薮になっていますが、それほど時間もかからずウツボギ沢の枝沢へ入ることができました。
15:00 ウツボギ沢本流
そろそろ日が傾き始めた15時頃、ウツボギ沢本流へ降り立つことができました。
下降中はいくつか滝もありましたが、どれも易しく簡単に降りてこられます。
15:40 幕営地
本流へ出てから、上流へ行ったりナルミズ沢方面へ下ったりと宿探しに奔走しましたが、結局下降してきた枝沢の出合から少し下った先の右岸にある砂地に幕営しました。あまり高台ではありませんでしたが、ここが一番快適そうです。
他にもナルミズ沢出合付近に2ヵ所確認できましたが、釣り師の常宿だったりタープが張りにくかったり人臭かったりで、あまり私たち好みではありませんでした。
シーズンも終わりに差し掛かる10月だからか、薪を集めるのも一苦労。これは人気のナルミズ沢とお隣である弊害かもしれません。
薪拾いも大変でしたが、タープの形状との相性が悪く、設営にも少し苦労。
食担はウエさんで、おいしかったのは覚えているのですが、メニューが何だったかはこれもまた記憶の彼方です…。
10/6
07:45 遡行開始
ちょっとゆっくり気味に遡行開始です!
天気は曇り。少し肌寒いので雨具を羽織って防寒していきます。
ウツボギ沢は、東黒沢とはまた変わった雰囲気の沢です。
岩質は似ているような気がしますが、東黒沢より滝の比率が多く、しっかりとした釜を持つ滝も見られます。
2日間で色々な渓相を見ることができるのも、継続遡行の醍醐味ですね。
08:10頃、遡行開始早々この沢のハイライトともいえる20mの逆くの字滝へ到達します。
絶賛水量増量中なので水線がはっきりとして、紅葉し始めた樹林と相まって純日本的な美しさを感じます。
写真では見えませんが、右手前にあるバンドから中段へ移り、右の小尾根から小さく巻きました。巻きのきれいな踏み跡を見つけられなかったので、落ち口への下降に少し手間取りましたが、それほど時間をかけずに突破できました。
ウエさんはしきりに上段右壁を観察していましたが、水量が多く私からすると直登は考えにくい状況でした。普段はアルパインクライミングがメインのウエリーダーなので、クライマーの血が騒いだのでしょうか…。
その後も、昨日の笹濁りとは打って変わって、美しい緑色の釜を持つ滝が私たちを迎えてくれます。
滝は尽きることがなく、どんどん高度を稼いでいきます。
水量も減っていきますが、割と最後の方まで滝があって楽しめた印象です。
詰めは高度を上げすぎる前に左からの枝沢へ入り、笠ヶ岳と白毛門の間の登山道へ出るのがセオリーですが…。
私たちはその枝沢をスルーしてしまい、かなり上の方まで詰めてしまいました。
途中で気付いてリカバリーできましたが、危うく笠ヶ岳に登頂してしまうところでした。
今思うとここだったのかな?という枝沢はありましたが、非常に細く、ありえないだろうと思い込んでしまっていたのかもしれません。
11:45頃 登山道
笹薮のような細い沢筋から抜け出すと、そこには草紅葉が広がっていました。
天気はあまり良いようではなく霧がかかってはいますが、それもまた一興です。
草原を少し登って左方向へ移動していくと、すぐそこに登山道が見つかり、遡行終了。
装備を解除していると、笠ヶ岳方面からナルミズ沢遡行のパーティと湯檜曽川本谷遡行のソロ遡行者の下山と出会いました。
下山中も、尾根は終始霧の中でしたが、色付き始めた紅葉と霧の白が美しい情景を作り出していました。
大きく天気が崩れることもなく、無事遡行できたことをお天道様に感謝しながらの下山となりました。
丹沢モミソ谷出合の岩場セルフレスキュー訓練を行いました。
コバさん、ウエさんが中心となりご指導していただきました。
訓練内容は以下のとおり。
•ビレーからの脱出
•懸垂下降からの停止、仮固定、登り返し
•介助懸垂下降
•1/3引き上げシステム
•ザックを使用した搬送方法
•ヒューマンチェーン
•横引きを用いた急登の搬送
また、以下のロープワークを使用するがここでの説明は割愛する。
・エイトノット
・ミュールノット
・フリクションノット
−クレイムハイスト
−オートブロック
また、今回の岩講習ではダイニーマがフリクションには適していないかという議論があったが、
これには諸説あるようで明確な答えは見つからなかった。
以下、岩講習の詳細。
リード者が負傷し、意識がない時に自分がビレーから抜け出し助けを求めに行く際の想定でのレスキューとなっている。
1.支点が確保できそうな場所まで行き、ミュールノットでビレー中のロープを仮固定する。
ミュールノットが作成できたら両手を離しても問題ない。
バックアップを取ることを忘れずに。
2.支点を流動分散で作成する。(ボルト2つでレスキューに耐えうる支点というイメージ)
3.ビレイデバイスからリード側のロープにスリングでクレイムハイストを作り、機能しているかを確認する。
4.フリクションノットと作成した支点を環ビナで接続し、クエイムハイストを持ち上げて支点とロープにテンションがかかる位置まで引き上げる。
5.ビレイを解除してクレイムハイストの下方にエイトノットを作り流動分散した支点にバックアップを作成する。
ここで救助を呼びにいく。
6.固定を解除する時はバックアップを外し、ビレイデバイスにロープをセットし、ミュールノットを結び、クレイムハイストを外し、ミュールノットをゆっくり解除する。
1.懸垂下降中のロープ2本を使いミュールノットで仮固定をする。
2.ミュールノットより上方でスリングでフリクションノットを2つ作る。
ここではオートブロックでもクレイムハイストでも好きな方のフリクションノットで結ぶ。
3.上のフリクションノットに自分のハーネスに固定しているスリングを接続する。
4.下のフリクションノットに環ビナとスリングを接続する。
このスリングは足を掛けて登るためのスリングになるができるだけ短い方が登る効率が良い。
身体の柔らかさと相談である。
5.上方のスリングをギリギリまで持ち上げ下方のスリングを足が届く範囲まで持ち上げる。
6.足でスリングに乗り、体を持ち上げる。
7.上方のスリングをギリギリまでもちあげる。
8.上方のスリングに体重を預けて下方のスリングを持ち上げる。
9.以下、6〜8を繰り返して登り返していく。
1.ビレイデバイスの環ビナ側に約3:7の割合で結んだスリングをかける。
2.短い方を要救助者側、長い方を自分のハーネスにそれぞれ環ビナで固定する。
3.要救助者と自分のハーネスをクイックドローで固定する。
4.ビレイデバイスの下方にクレイムハイストでバックアップを作成する。
5.懸垂下降で降りていく。この時、懸垂下降なので膝は曲げないこと。
1.支点2つにアッセンダーや滑車のようなものを取り付ける。
2.支点と支点の間に写真のように環ビナにフリクションノットを取り付ける。
3.引き上げる側からロープを引っ張り、クレイムヘイストの位置をずらしながら引き上げていく。
これはハーネスを装着していることが前提の搬送方法である。
1.ザックの両方のショルダー部分にクイックドローをつける。
2.クイックドローを交差して要搬送者のハーネスの腰部分に装着する。
3.ザックを背負い、周りの介助を借りて立ち上がる。
これは短距離の要救助者の移動を複数人で安定して行いたいときに用いる。
今回は5人で要救助者を運んだ。
1.要救助者を仰向けで横たわらせる。
2.3人と2人に分かれ要救助者の左右に交互に立つ。
3.要救助者の下から手を伸ばしお互いの手首を握り、そのまま立ち上がり安全な場所へ移動する。
1.搬送者の上方に支点を作成する。
2.スリングにアッセンダーや滑車のようなもの、なければ環ビナを2個交互にかける。
2個使う理由は、ロープを引く際に少しでも摩擦を減らし軽くするためである。
3.ロープの片方を搬送者に装着し、もう片方を視点から真横に引く。
以上が今回の岩レスキューでの講習内容となる。
非常に有意義な講習でしたが、実際に使う機会がないことを祈りたい。
この日のために準備をしていただいたコバさんうえさん、この場を借りてお礼申し上げます。
また、丁寧に補足等していただきご指導していただいた参加者の皆様ありがとうございました。
1日目
前夜土樽駅前で車内泊、駅前は車6台ほどしかのスペースがなくすでに満車、我々の横の車は7名パーティー、聞くと我々と同じ目的地、前日にだいぶ雪が降ったとのことで、かなりのラッセルになるのではないかと時間的にもタイトになりそうなので明日は6時出発とのこと、リーダーとおぼしき方の話に気が引き締まる。
しかし明朝、我々は結局6時45分出発、登山口につくと踏み跡多数、新雪が深く心配していたがトレースは意外としっかりついている、しかし大方タカマタギに行くパーティーのようで、歩き始めてから30分ほどの鉄塔を左に曲がる分岐からは踏み跡が少なくなりワカンを装着。
川沿いの平らな林道を2時間ほど歩くと群馬大学避難小屋に到着、昨夜土樽駅で話した7人パーティーに追いつく、北尾根にとりつくのはどうやら我々だけのようだ、いままでつけてもらったトレースにお礼を言い、今度は先に出発する。
橋を渡って真正面にある小高い台地をあがるとすぐに稜線の取りつき、木には赤いペンキ目印がある。
はじめからなかなかの急勾配が続く、股下までのラッセルをはぎちゃんと交互に行う。
息がだいぶあがってきたところで、先ほどのパーティーのうち男性陣4人が追いつき「一緒にやりましょう」と声を掛けてくれる、以後この即席ラッセル隊で幕営地付近まで共に進軍した。
先頭でのラッセルを終え隊列の最後方につくと楽になるその間に体力を温存し息を整える、そして15分ほどすると再び自分に先頭が回ってくる、「よし!」と気合を入れる、急こう配な登りに腰まで潜るふかふか雪、太陽がじりじりと照り付け汗が噴き出る、膝で手前の雪を固め足場をつくる、息があがり速度が落ちてきたところで、後ろの人から「そろそろ交代しましょう」との声、後続を先に行かせるため横にずれるのも辛い、「お疲れっす」「グッドジョブ!」などと横を通る隊員たちに声を掛けられる。
隊列の最後尾に回りこみ、ふと顔をあげると目標とする稜線は真っ白な新雪、雲一つない青空、遠い山々から来る風が気持ち良い、やりきった満足感もあり至福のひと時である。
そんなことを繰り返し14時過ぎまで、すでに全員へろへろ、一番長いこと先頭で頑張ってくれていた20代とおぼしき男子は足が攣って痛そうである、ほんと感謝しかない。
明日は今日来た道を下降する我々は幕営地を1500m付近に、向こうへ抜けて交通機関で土樽に戻る彼らの幕営地は1600m付近にどちらも1時間ほどの土木工事は必要ではあったが、甲乙つけがたい稜線上の眺望のよい素敵な幕営地でした。
2日目
幕営地に荷物をデポし6時20分出発、7人パーティーはすでに出発しており遠くに見える、本日も先行していただいた。
昨日ほどではないが、それでも所々深い雪になっており、苦労のあとがうかがえる。
今日も雲ひとつない晴天、稜線の勾配が緩急がはっきりしていて、見事な自然の造形美がひろがる。
しっけいの頭の下は雪壁とまではいかないくらいの急斜面になっていて、今回はロープを出してはいないが雪質、力量によっては出したほうが安全、支点で使えそうな灌木もじゅうぶんあった。
しっけいの頭からは傾斜も緩やかになり雪面も適度にクラストしているので歩きやすい、空荷の我々はこのあたりで先行パーティーに追いついたのだが仙ノ倉山頂まではあと少し、ここまでトレースをつけてくれた彼らに敬意を表し休憩をいれて彼らの登頂を待つことにした。
8時50分 仙ノ倉山に登頂、先行パーティーにお別れの挨拶をして、すぐに元来た道を下る。
下山は我々がつけた踏み跡を下るので楽ちんかと思いきや、気温も上がったため雪が腐り始め、あちこちで踏み抜く、太陽も照り付け季節外れの熱中症状態に陥る、これは平標に抜けたほうが良かったなどと、最後はぶつぶつ言いながら下りましたが、へとへとの体になりながら無事登山口に着いたときは気持ちの良い達成感に満たされました。
ちなみに我々が到着したときには7人パーティーの車はすでに無くなっていました。
***
終わりに、天気に恵まれ眺望も素晴らしく、また記憶に残る山行になりました。
前日降った大雪に苦労はしましたが、大所帯のパーティの方々のおかげで敗退せずにすみました。
たぶん我々だけであったら、最後まで行けていなかったかもしれません。
ただ、できれば北稜山岳会のパーティーだけの力で突破できたら、もっとよかったとも思いました。
はぎリーダーさま、お世話になりました。
毎年恒例になっている越後シリーズ、次はこの隣の尾根ですかね、ありがとうございました。
戸隠山と云うと、真っ先に蟻の戸渡が浮かんで来ます。キレキレのナイフリッジを渡る姿からこの名前が付いたと言われます。山登りをしていると、どうしてもこのような場所に行ってみたくなります。
今回のメンバーは、高度の技術をもつリーダーとアベさん。岩場に強いのり。力自慢の丸ちゃん。そして中年の域に突入した私の5名でアタックしました。
深夜東京を出発し、午前3時頃、戸隠キャンプ場に到着しました。50台ぐらいは駐車可能な大きい駐車場です。眠気でもうろうとしながら車から降りると、満天の星空。プラネタリウム並みです。なかなか遭遇しない貴重な瞬間、息をのむ光景でした。
わずかな仮眠から目覚めると、約束されたような晴天。マイナス3度の標高1,200メートルの世界は霜が降りています。吐く息は白く冬の一歩手前を知らせているのでしょうか。そして長野からやって来たマルちゃんと合流。車一台をデポし、走ること10分で戸隠神社入口駐車場へ。こちらの駐車場は有料でした。
駐車場目の前に鳥居があり、ここらかスタートです。
鳥居をくぐると、まっすぐな参道の両脇には立派な大木が並んでいます。
ちょうど、朝日が昇り私たちの影を作りました。参道なだけに神秘的な画です。ここは奥社までの参拝者もいます。50分程で到着し、みなで参拝。
奥社から、いよいよ登山道が始まります。急こう配が続きますが、葉が落ちた木々の間からはパノラマ景色が見られます。鎖場も始まりますが、スタンスも手もしっかりしているので登りやすいです。途中の百間長屋はリーフ状になっており、クライミングを連想させられます。
蟻の戸渡りに到着しました。看板もあり緊張が走ります。幅50センチ、長さ20メートルのナイフリッジ。落ちたら300メートル真っ逆さま。フィックスロープを張るためリーダーが先頭をきります。このリーダーの凄いところは、この岩稜帯を薄っぺらの(ワークマン風)靴で渡りきることです。かつて先人達、愛用草履の域です。ボルトが打ち込んであり、4~5か所にランニングをとり50メートルロープいっぱいでした。ハーネスにスリングを通し、ビナにロープをかけ、誰一人怪我することなく無事クリアーです。
蟻の戸渡から戸隠山頂上までは1時間もかからず、到着。展望がよく晴天ときています。北アルプスの山々には雪が降りかかり、遥か遠くの雲海の先には富士山も見えました。
戸隠山から一不動避難小屋まで、急なアップダウンが続きますが気を付けて歩けば問題ありません。避難小屋分岐から、大洞沢沿いに降りて行きます。小屋からすぐ近くだと思っていた氷清水は25分下った所にありました。マルちゃんが沢の水を飲んでいましたが、美味い!とのことです。立派な登山道なのですが、沢登りと言いたくなるほど、水が流れていました。鎖も張られていますが、足元が滑るので気が張ります。それに下山後の戸隠そばを思うあまり、皆おなかをすかせていましたので、お気楽から遠い状態でした。何度か渡渉を繰り返し、やっと牧柵が見えて来ました。
大人の青春山行でした。深夜0時に、集合し深夜の高速を飛ばし戸隠山へ。山岳信仰の山とあって神社やキャンプ場もあり、賑わいのある場所です。ハイク、参拝、鎖場、アップダウン、沢登り、ハイク、温泉、観光と盛りだくさん。帰宅したのが深夜0時に近く、24時間活動していたわけです。好きで始めた登山、ご利益があったのか、ますます大好きになりました。みなさん、ありがとうございました。
後は、天気だけでした。天気さえもってくれれば、完全遡行できる!
ここまでくるのに、たくさんの時間を要しました。たんに私が、覚えが悪いと言うのも一応にありますが、今でかつてないほど記録を読み、まとめ、試行錯誤で装備整えました。
三人そろっての練習は、新潟県にある早出川中杉川に行きました。更に、個々にトレーニングを重ねていきました。
やることはやった、後は、天気だけ。晴れて増水してなければ、行ける!
運よく願いは叶い、全行程終日晴れ、無事完全遡行出来ました。それも計画より一日はやく。
しかしながら、簡単に遡行出来たわけではありません。やはり厳しい所です。恐怖で足がすくんだり、水流にながされ息ができなかったりと、波乱の連続でした。
入渓前に、倒木に足を滑らせのけ反るように転倒。グッギ!と何かが切れるような音がしました。2~3分位固まりましたが大丈夫そうだと、不安はありましたが沢に入って行きました。その時は靭帯を損傷したとは思いもせず、冷たい沢の水がとても心地よかったのを覚えています。痛みは当日より2日目、3日目と徐々に現れて行きましたが、気が張っていたせいかどうにか下山に至りました。よく頑張ってくれた足に感謝です。
新宿より深夜バスにて、ここ扇沢に到着です。ここから黒部ダムまでトロリーバスで向かいます。始発に乗るべく切符売り場の先頭に並びます。売り場窓口が、開かない箇所がありましたので注意です。そして時期によって始発のバス時刻が異なりますので、確認が必要です。切符を購入したら、乗り場は2階になります。今回私たちの始発の出発は7時半でした。
15分ぐらいの乗車で黒部ダムに到着します。黒部ダムから堰堤を渡り、平の小屋まで湖岸歩きが続きます。丸太の橋や階段がたくさんありますが、比較的整備されており歩きやすいです。しかし、ザックの荷が重く汗をかきながらのアップダウン。10時の渡し船を目指していましたが、間に合いそうもないので途中からゆっくり向かいます。
約3時間半歩き、平の小屋に到着しました。
平の小屋から少し降りた場所から乗車。対岸まで10分弱で到着。関西電力が運営しており無料で乗車できます。運行時刻は季節によって異なります。私たちは12時発の船に乗りました。
渡し船の対岸から、また湖岸歩きが続きます。長い階段なども現れ、汗をかきながら進み、2時間強で奥黒部ヒュッテに到着しました。
小屋のご主人に廊下の様子を尋ねました。前日に大雨が降ったとのことです。安心できる言葉を期待していましたが、濁し言葉から厳しい様子が伝わり、より一層気が引き締まりました。
テン場と小屋は目と鼻の先、水場は小屋の脇にあります。24時間利用できます。
9月13日。いよいよ上ノ廊下へ入渓。テン場から10分弱で東沢出合にでます。前日に偵察に行きましたが、若干水量がすくなくなっている様子かなと・・(想いたい)。
入渓してすぐに徒渉が始まりました。リーダーが先頭に渡り、同じラインをウエちゃんとスクラムを組み渡って行きました。徒渉したり、へつったりしながら、進みます。東沢出合から1時間程進むと、熊ノ沢出合手前左岸にいいテン場がありました。
その後進むこと2時間程で、口元のタル沢。いよいよ、一番の核心部、口元のタルに突入します。
まず、リーダーが右岸をへつりから泳ぎました。水流は左岸方面から右岸にぶつかるようにながれていたので、右岸の壁と水流の間に体をねじ込んで行きました。ねじ込んだ先には水流が壁沿いに若干上流に向かって巻いてあったので、それに乗って進み突破しました。
フォローの私たちは、一緒に連なってロープで引き上げてもらいました。
泳ぎながらの突破が4~5回あり、3時間弱あまりでようやく抜けました。
記録やガイド本には突破方法が記されていますが、現地判断が主です。リーダーの判断が危険を左右します。この日の水量や水圧は過去の記録と比べることは難しく、無事越せたのは間違いなくリーダーの的確な判断のお蔭でした。
口元のタルを無事に超えたと安心する間もなく、ゴルジュを超えた直後、2m程の渡渉に失敗。流されてしまいました。流れが早くあっという間に10mの補助ロープギリギリまで流され、あわや、と云うところでリーダーが、足がつく中州まで上手く誘導してくれ助かりました。軽い低体温症気味になりましたが、大休憩と日差しの下での河原あるきで、徐々に回復。30分以上時間をロスしてしまいました。
上の黒ビンガ手前にスゴ沢があります。ガイド本ではエスケープとして記載されており、尾根を使って2,431mの無名のピークを目指す、とあります。しかし、どうみても入り込めない急峻な地形。河原で停滞しても決して入り込めないところです。
計画ではスゴ沢の出合で幕営予定でした。しかし、時間にして午後1時前。体力もまだあるし、このまま金作谷まで行くことになりました。この上ノ黒ビンガは、上ノ廊下最大の景勝地と言われています。深いゴルジュになっており、特に激しい徒渉や泳ぎなどありませんでした。入り込む日差しと重なり圧巻な世界が広がっています。しばし心奪われます。
スゴ沢から2時間弱で金作谷出合に到着。まだ雪渓がありました。出合手前の右岸側に、河原から一段高い平地に絶好のテン場があります。枝沢から水もとれます。薪も不自由しません。入渓一日目に申し分のない場所でした。焚火で体を温めながら、衣類も、乾け、乾けと至福のひと時。9月の北アルプスは寒暖差があり夜は冷え込みます。テント設営でしたが、それでも寒かったです。
9月14日。入渓2日目。このペースだと、今日中に薬師沢小屋に抜けられる予定です。
朝6時出発。沢の水は冷たく体を縮めさせられます。泳ぎを回避したく、最初は泳ぎではなく右岸を高巻きました。最初にハーケンを打ってセルフをとり、ウエちゃんのビレーで、リーダーは階段状の壁を、へつり気味で登って行きました。水深が浅くなっている所までくると残置ハーケンがあります。ここでピッチを切って、5m程の高さをクライムダウンしました。100mにも及ばない距離ですが、1時間弱かかりました。やはり泳いだ方が早いと言うことで、その後は迷うことなくリーダーは水に飛び込んで行きました。
三番目の難所、スゴの淵。ここは絶対に落ちることの出来ないへつり。左岸を進みます。高度もあり膝をついたまま前進しました。残置がありましたが、新たに残置ロープを設置し、ロープをつかみながら下降しました。高さにして3mぐらいです。
金作谷のテン場を出発して、泳ぎやへつりの連続をくりかえし6時間半。一先ず安心の出来るエスケープ地、ここから高天原山荘へ抜けられます。水圧も少しずつですが、緩やかになってきて、張り詰めていた緊張が徐々に解けていきます。しかし、まだまだ先は長く続くのです。立石奇岩は思っていたより感動は小さかったです。やはり上ノ廊下での最大の感動は、徒渉や泳ぎなどを突破した時の方が大きかったです。難儀をしたところほど、感動が大きかったです。
ゴルジュ状で左岸を高巻き、残置があるので支点をとり5m程懸垂下降。右岸へ徒渉します。これが最後の渡渉で、この後、大道新道に合流し登山道や、河原歩きを繰り返します。所処矢印で導いてくれますので、迷うことはありません。B沢出合から進むこと1時間、薬師沢小屋に到着。小屋の夕食20分前とあって余韻に浸ることなく装備を解除しました。
計画から実践にいたるまで、責任を背負っての覚悟からか、時には厳しくもありましたが、最後まで無事に遡行出来たのは、リーダーのお蔭です。ウエちゃんは、徒渉の際には常に一緒でした。流されトラウマ気味の私を、力強くハーネスを掴み、勇気付けてくれました。
二人には、心から感謝しています。
応援してくれた仲間や家族にも感謝です。
みなさんのお蔭で、念願だった上ノ廊下完全遡行できました~ありがとう!
8月23日(月)真名井沢
天気:霧雨→曇り
メンバー:こば(L)、うえ、きよ(記録)
7時29分川井駅発のバスに乗り込み上日向で下車。
天気はあいにくの霧雨。
5分ほど歩くと林道に入りそこからさらに30分ほど歩きとりがや橋の脇から8時半ごろ入渓。
最初に4つの石堤を越え、山葵園の隣をあるきながら野山葵を摘みつつ30分ほど進む。
9:00ごろ480m地点で6mほどの滝が現れる。
うえさんが先頭で余裕で登り私が苦労しながら登り振り向くともうコバさんが登ってきていた。
霧雨はいつの間にか上がっていたが、すごく薄暗い沢を遡行していく。
10時ごろ、630m地点で大きな二股の分岐に到達。
進行方向左手側に進みここからは1ランクレベルが上がる感じがした。
この頃から流木が増え、歩きにくくなってきた。
10時半ごろ、700m地点では4mほどの滝が現れたがシャワー状で足場がなくうえさんもコバさんも登るのを諦め、
ここは右側を巻いて進んだ。
その後800m地点で6mほどの滝をお助けロープを出して貰い登ったが、私は一度落ちてしまった。
まだまだ実力が足りないようだ。
いよいよ大詰めで11時50分ごろ最後に6mほどの滝をお助けロープを出して貰い登りきり、
左側に踏み跡を見つけ遡行終了。
急な坂を登りきり、12時半ごろに登山道に出てきた。
帰り道はとても整備された歩きやすいく、猿にも出会い楽しい下山だったが、
古里駅への下山道を近道をしようと地図上を頼りに破線を目指して進んだが予想以上の急斜面で私の中では今回で一番の核心となった。
急がば回れとはよく言ったものだと感じた。
私のわがままに付き合い急遽沢を計画していただいたコバさんありがとうございました。
色々丁寧にアドバイスを下さったうえさんありがとうございました。
まだまだ実力のなさを感じる遡行となりましたが、精進していきたいと思います。
●2019年9月14日〜16日
●メンバー:(L)ケン、ノダ、セキモト(記録)
今回は久しぶりにのんびりの尾根歩き。ただガレ場の多い餓鬼岳、沢沿いの登山道で危険も多く気を抜かず歩いてきます。
登山道のはじまりです。
ひたすら沢沿いの道を進みます。天気が良い日だったので沢沿いはとても気持ちがいいです。ただ足場はしっかりしていますが、へつり、高巻きが多い道で落ちるとアウトです。気をつけて進みます。
最終水場で2日分の水を各自2-3リットルほど用意して行きます。餓鬼岳小屋では、水は有料(雨水)なので、もし自前に確保したい方はこちらで。
アップダウンの続く山道が続きます。
街中が稜線より見えます。よい風景です。
餓鬼岳小屋に到着。3連休ということもあり、予想外にテント場が混雑。それでも、なんとかよい場所を確保でき早めに宴会を開始。
天気がとにかく良い。最高の眺め。ノダさんがなんと赤ワインをボトルで、さらにケンさんはコーヒーを豆で持ってくるというサプライズ、山頂直下でコーヒーをひくという始めての経験! 良い眺めと共に至福の時間でした。明日は12時間以上の長丁場となるため、16時過ぎに宴会は終わらせ早めの就寝です。
ヘッドライトをつけて真っ暗の中、行動開始です。
暗闇の中突き進みます。
夜が徐々に開けてきました。太陽と山並みが幻想的です。いつ見ても夜明けは綺麗ですね。
餓鬼のコブから唐沢岳までは、険しい山道が続きます。アスレチック感もあり面白い山道です。また山頂からの眺めは素晴らしい、北アルプスの表銀座より先の最深部より穂高、常念方面の山々が全て見渡せます。
本日はテント場からここまで2時間で到着する予定でしたが、予想以上に時間がかかり唐沢岳から燕の合戦小屋までの行動を断念。別ルートも考えましたが、今回は皆でゆっくりしようと決め、あまりに頂上が気持ちいいので、頂上で昼寝(朝寝)。3時間ほどゆったりとして最高に気持ちよかったです。
唐沢岳良い山でした。
森からの槍が岳。全て山が見渡せます。
本日は早く着いたため、まずはビールで乾杯の後、昼寝です(笑)
本日は4:00おきで、下山して温泉の後、12時頃に気になっていた蕎麦屋を目指します。半分旅行気分ですが、最後は気を引き締めて下山します。
今日も天気が良く、沢沿いの道が綺麗です。
登山口を離れ、温泉に浸かった後、念願の蕎麦屋です。長野のそばは美味しいですね。近くに風車がありとてものんびりした場所でした。
〈最後に〉
今回は、ケンさん、ノダさんと始めての登山。二人がはまっているクライミングの話も聞けてとても勉強になりました。楽しい時間をありがとうございました。
久しぶりの尾根歩き、やはり百名山もいいですね!
蔵出し記録シリーズ。
爺ヶ岳の東尾根から鹿島槍を目指す、2年前のリベンジを果たすため挑戦だ。
5:00 東京発
9:30 登り始め
鹿島集落の駐車場に車を停めさせていただき、狩野家の前の登山ポストに計画書を投函。オババの碑の奥が登山口だ。
登り始めはいきなり急登。2年前は雪があったのだが今回は全くない。木の根を掴みながら、さながら沢の高巻きのような状態で登っていく。1476mピークのあたりからようやく雪がでてきたが、とても少なく歩きづらい。
すごい斜度の樹林帯をひたすら登っていく。
12:30 ジャンクションピーク1767m
ようやく東尾根の稜線に出たので歩きやすい積雪を期待したが、気温が高いので雪が腐っている。
この日は我々が先頭だったので、踏み抜きラッセルに苦労し、予定よりだいぶ時間がかかってしまった。
はるか遠くに爺ガ岳山頂、鹿島槍が見えた。
14:30 p3幕営地
本当はp1まで行きたかったのだが、時間と体力の問題でこの日はここまで。
明日の早朝、雪面の状況がよくなることを期待しよう。
ささやかな風除けを作りテントを張った。この日ここにビバークしたのは、我々ともう1パーティだけ。
一時的に風が強まったが、2年前に泊まったp1よりはるかに快適だ。
夜は満月で、美しい山頂と星を眺めることができた。
5:00 出発
昨日の遅れを取り戻すべく早めの出発。
雪面がクラストして歩きやすくはなったのだが、アップダウンがつらい。
p2周辺には痩せ尾根がいくつもあるが、雪が少なく柔らかくなっていた。崩れるのも時間の問題かもしれない。
7:00 p1
p1手前の雪壁を越えてようやくp1に到着。p1は一昨年に幕営した場所だ。
ずっと目の前に見えているのに、爺ヶ岳山頂までがとても長く感じた。歩きやすい広い尾根だが雪庇やクレバスに注意して歩いた。
8:30 爺ガ岳中峰
ようやく到着。到着したころにはガスってしまったが、次第に正面に立山と劔岳が見えるようになった。
ここから夏道を辿り、爺ヶ岳の西側斜面をトラバースして冷池山荘に向かう。富山側に出た途端、西風が強くなった。
尾根上は巨大な雪庇ができていて、登山道すぐ横まで亀裂が走っていた…
10:50 冷池山荘
ようやく冷池山荘の冬季避難小屋に到着。
小屋は屋根まで雪に覆われていたが、出入り口周辺には雪がなく、すんなり入れた。
11:15 出発
小屋に荷物をデポして、〜布引山〜鹿島槍ヶ岳を往復。
出発した時の天候は高曇りだったが次第に西風が強まり、天候悪化が目に見えていた。
明日はもっと悪くなる予報なので、登頂のチャンスはこの時だけ。一刻の猶予も許されないと、小屋で休みたい気持ちを封印して必死に歩いた。
小屋の周辺から布引山、鹿島槍山頂までは至る所に10m以上の雪庇が発達していて、夏道の近くまでクラックが数多くできていた。今回の全行程を通して、雪庇が一番すごいのはこの辺りだったように思う。
13:26 鹿島槍ヶ岳
山頂への九十九折りに差し掛かったあたりで、無情にも霧が立ち込め、山頂に立った時には真っ白になっていた。
タイムリミットが迫る中、なんとか山頂に立てたことに安堵しつつ、即下山。
15:00 冷池山荘
小屋に帰ってきた15時頃には粉雪が舞い始め、夕方以降は風雪がかなり強く(風速20m以上?)なっていたようだ。
小屋の中には我々以外に2パーティと、さらに外に1パーティが幕営していた。
ちなみにこの小屋は、冷池山荘が休業中にだけ解放していただいている冬季避難室だ。下山後に、周辺状況をお知らせするお手紙とともに利用料をお支払いする。
この日のような吹雪の日には、小屋の存在は本当に心強い。
6:40 出発
翌朝は厳しい行動となった。
小屋に泊まっていた他のパーティと共に赤岩尾根を目指すものの、途中の尾根では強風に煽られて必死に耐えながら前進。
赤岩尾根に取り付くトラバース道は、昨夜積もった15cmほどの積雪のため厳しいと判断し、急斜面を100mほど下降して様子を見たが、そちらも雪崩の危険がありそうだった。
他パーティはロープを出して斜面の途中からトラバースするようだったが、我々の装備と技術では危険があると判断し、元来た道を引き返し爺ヶ岳東尾根から下山することにした。
ちなみに、同日に先行していた屈強な4人パーティは、最初夏道でのトラバースを試みるものの断念し、ロープを使用して尾根通しで下降していたと思う。
8:30 赤岩尾根敗退
ここからは昨日と同じ道だが、西側斜面をひたすら歩く道のため、2時間も西風の強風に吹かれ続けた。風上側の右手や右頬が冷たさで痺れたが、隠れる場所もないので摩ったり動かしたりしながらとにかく進んだ。
この時の風で右頬がごく軽い凍傷になり、なかなか跡が消えなかった…(涙)。
10:30 爺ガ岳中峰
爺ヶ岳の東側に出た途端、今までの強風がぴたりと止み天候が回復!
ふわふわのパウダースノーが広がる天国のような場所だ。東と西でこんなにも気候が違うとは…
富山側を無事に抜け出したことに心の底からホッとした。
12:40~50 p3
天候が回復すると今度は気温上昇に伴い、初日以上の腐り雪に苦しめられた。
しかもこちらの斜面はさほど降雪がなかったようで、樹林帯の泥山は相変わらず。
一昨年同様、息も絶え絶え下山することとなった。
15:50 下山
最後に…
今回、2年越しの念願が叶い鹿島槍に登頂することができたものの、爺ガ岳下部の腐った雪や最終日の強風にはかなり苦しめられ、春先とはいえ北アルプスの難しさを思い知らされた。
だがそれと同時に、恐ろしくも美しい巨大な雪庇や、ふわふわのスノーパウダーなど貴重な体験も数多く、忘れられない山行になった。