二 王 子 岳

青空の中すべります

期 日:2013年3月14(金)~17日(日)
参加者:案内:田中(OB)、L高嶋と夫人(友人)、いた(記)

14日 高円寺9:00~聖籠IC~旅館「庭山」0254~25~2028 泊
15日 南俣に車駐車9:15~二王子神社10:45~一王子避難小屋13:10
16日 出発5:45~独標7;20~山頂小屋9:50~10:40~一王子避難小屋12:00~12:40

~二王子神社14:00~車14:30 旅館 泊
17日 帰宅

二王子岳は とても、とても良い山でした。 1420mと標高は低いのですが、登り始めが200mなので、約1200mを登るのです。
日本海の強風がまともに当たり地形が複雑で、何度も登っている新潟の田中さんの案内と、同行してくれた高嶋夫妻のおかげで登ることが出来ました。

15日、快晴
旅館で待ち合わせ~南俣に駐車。すぐに雪道になりシールを滑らします。樹林の中を二王子神社へ歩き始める。
二王子神社で旅の安全を祈り、水を汲んで山道を歩きます。

二子神社
二子神社

途中三ヶ所雪の付いた細い橋を緊張して渡り一王子避難小屋へ着きました。小屋にはスコップが置いてあり、二階から入ります。太陽がさんさんと暖かいので、外にベンチを作りさっそくビールで乾杯。

と・・・長部さんが滑り降りて来ました。鳥海山の千蛇谷を一緒に登った人で75才です。
再会を喜び「あさっても山に行く」と言うのにはびっくり、元気をいただきました。
と・・・間もなく田中さんの娘さんが歩きで降ってくるではないですか。地元の人はいいな~。
お父さんのうれしそうな顔は当然ですねぇ。  夜・・・満天の星空にみとれていました・・・。 

16日、晴れ~曇り
4:00起床。田中さんが持ち上げてくれた石油のお陰で温かく寝る事ができました。
雪面が硬いので途中でクトーを付けゆっくりゆっくり歩きます。
独標では標識の棒があり積雪4mを示していました。眺めが良く日本海が見えます。

青空の中すべります
青空の中すべります

傾斜が急になってきたので、スキーを担いだ方が早いとひさしぶりに背負っての登りです。
風が強くなり、凍った雪面を蹴り込みながら登っていると、左手はるかに頂上の小屋が見えてきました。
風がいっそう強くなり背負っているスキーがあおられて、フラッとよろけ、・・・小屋まで・・・小屋まで・・・といいきかせ、やっと着きました。
スキーごと小屋に入り込みホ~~。
小屋では二王子の主、長谷川さんとしばし談笑。

 
飯豊連峰のパノラマを眺め・・・・さあ、シールをとって、滑りです!

素晴らしい山行ですね!
素晴らしい山行ですね!

強風の中、カリカリの氷と雪とめまぐるしく変わる雪面を・・・・転ばないよう・・・転ばないよう・・・。
高嶋夫人が後で「大丈夫だから思い切って!」と声をかけてくれます。

 

ご主人はスキーはおてのもの、すいすい滑っています。
独標で小休憩 フゥ~~。 小屋までは風も少なくなり、快適に?滑り降りました。
ここからは重くなった荷を背負って、樹林の中の滑りになり、木に当らないよう枝の落ちている雪面を田中さんの先導で右に左に滑ります。
とても分かりにくいところです。
マンサクの花に会いました、うれしい!わたしの好きな花です・・・しばらくすると日本カモシカが博士のような顔をしてこちらをじっと見ているではないですか、
いいね~~。
二王子神社に着いて ホッ~ 自然に手を合わせていました。
参道を滑り南俣の車の所でオ・シ・マ・イです・・・。 新潟へ帰る田中さんと別れがたく、村の雪割草展を眺めて、さよならをしたのでした。
田中さんに呼びかけて頂き、念願の二王子岳に登れました。
ありがとうございました。

17日 真っ白に輝く二王子岳をふり返りふり返り新発田を後にしました。

東沢乙女ノ滝アイスクライミング

東沢乙女ノ滝アイスクライミング
2013 年1 月26 日~27 日
メンバ笹田、山田(典)、高野(賢)、阿部記
1 月26 日
AM7:00 いつもの西大宮駅でタカちゃんと合流。そこで湊さんからテントとアイススクリ
ューを借用する。
湊さんは仕事で3 日間も自宅に帰れていないとかで、疲れきっているように見える。
気の毒で掛ける言葉が見つからない。本人が一番行きたがっているアイスクライミングな
のだが・・・。
湊さんの見送りを受けながら圏央道を通って中央高速に入る。順調に走っていたのも笹子
トンネルの手前まで。天井の落下事故で片側通行の渋滞に捕まる。予想はしていたのだが、
想像以上の大渋滞に待ち合わせ時間までに到着できるか不安になっていると、ちょうど笹
田さんからの電話が入る。山ノリさん車は一般道を快調に走行しているとのこと。
それでも何とか集合時間5 分前に西沢渓谷駐車場に到着。
笹田さんは大月駅で下車したのだが、偶然にも“上高地散策隊”と同じ列車になったとの
こと。強い冬型なので長野方面は降雪していることが予想されるが、目的の半分は飲み食
いのようだから心配は無用かも。
駐車場を出発してすぐアイゼンを車に忘れたことに気づき慌てて戻る。危なかった。
西沢と別れ、東沢に入ったところでアイゼンを装着する。
左岸側に登山道があるのだが、所々に倒木があり行く手の邪魔をする。夏は一般道のはず
だが、滑落したらただでは済まないような所もあり気は抜けない。清兵衛沢で小休止し、
ホラの貝沢を大きく高巻き、山の神を過ぎればあと少しで乙女ノ沢のはずなので、適当な
場所に幕営地を求める。幾分高台になった場所にテントを設営し、夕方まで乙女ノ滝F1 で
登降の練習をする。斜度はきつくないが50 メートル一杯登る必要があり、途中休めないの
でふくらはぎがパンパンになる。ピックの打ち込みも普段使うことのない筋肉を使ってい
るようで、上部の方になるとピックの刺さりが甘くなる。練習の途中風雪が一時強くなっ
たが練習を切り上げる時間には穏やかな天気に戻る。
乙女ノ滝取り付き付近には男女ペアがテントを設営している。「どんぐり山の会」だとか。
結局この2 日で乙女ノ滝を登りに来たのは我々とこのパーティのみであった。
今回は氷のコンディションは最高で、誰も手を付けていないピカピカの氷瀑が堪能できた。
テントに戻り、山ノリさんの常夜鍋と磯部餅と適度なアルコールでお腹を満たす。
笹田さん持参のベーコンがスコッチウィスキーに良く合う。

F1取り付きで登降練習
F1取り付きで登降練習

1 月27 日
AM4:00 起床。天気快晴。
懸垂下降の時間を考え、行動は11:00 までとする。
タカちゃん特製の野菜いっぱいラーメンの朝食を済ませ出発。AM7:00 乙女ノ滝取り付き
に到着。「どんぐり山の会」ペアに先を譲る。彼らは荷物を背負って尾根を越え西沢渓谷側

に下りるようだ。
今日は笹田さんのご指示でペアを変え、笹田&山ノリ、アベ&タカでクライミングを開始。
今日はF1 では途中にアイススクリューを1 本打っただけで上に抜ける。
昨日の練習から氷が硬くピックの効きが良いことと、スクリューをねじ込むのが結構大変
だということが分かったので。
くの字の小滝を越えると次の50 メートル位の滝が見える。我がパーティはスタカットで登
っているので、ここで笹田パーティに追い抜かれる。
次の50 メートルは傾斜が緩いのだが、やはり疲れる。右岸の潅木に支点を作る。タカちゃ
んも相当疲れているようで、ピックを打つ力が足りていないのが分かる。
ここを登るといよいよ80 メートルの大滝になる。乙女ノ沢では一番急な滝である。私は左
岸側を、山ノリさんは右岸側にルートを取り、クライミング開始。氷が硬くアイススクリ
ューがなかなか入らない。その間にふくらはぎに疲労が溜まって苦しい登攀になる。アイ
ゼンを何度も蹴り込みステップを作り、スクリューを打ち込む作業を繰り返しながらやっ
との思いで潅木のビレィ点に着く。すぐ横にはチョロチョロと水が流れている。確保して
いると取り付き点で何か騒いでいる。問題が起きたようだ。タカちゃんが借りてきたバイ

ルのねじが緩んでしまったようで、タカちゃんはここでリタイア。
代わりに笹田さんにフォロー回収をお願いすることに。笹田さんには山ノリさんの残置支
点を回収し、さらにトラバースして、こちら側のアイススクリューも回収というご苦労を
掛けることになってしまった。相当疲れる作業のはずだが、何事も無かったかのように登
ってくる。普段どんなトレーニングをしているのでしょうね・・・
ビレィポイントに到着すると「アベくん、次リードするか?」と聞かれて、「いや、ここで
終わりにしましょう。」と答える。行動終了目標11:00 までにはちょっと時間が早いが、
引き上げることに決定。多分、山ノリさんもタカちゃんもほっとしたのでは?
ここから潅木を利用しての懸垂下降の連続となる。懸垂下降に苦労したような記録もある

が、ロープが最後の下降点で解くのに時間がかかった事を除けば、スムーズに降りて来ら
れた。人が少なくとても静かで、山の中に居る充足感を味わうことができた山行でした。
帰ってきて道具を見るとバイルの先も、アイゼンの先も少し丸くなっていました。
尖っているかどうかで刺さり具合に、それが疲労具合に影響するはずです。
そんなことを考えながらヤスリを掛けています。

80メートル滝全景
80メートル滝全景

赤岳主稜

8ピッチ目(sa山リード)

八ヶ岳赤岳西壁主稜

1 日  平成25年2月5日・6日
2 山域  南八ヶ岳
3 ルート  赤岳西壁主稜
4 目的  アルパインクライミング
5 メンバー  笹田(L)、カト(食担)、sa山、のり(記録)
         ひだまり山荘 荻原(OB)ほか2名
6 行動
2月5日  
 茅野駅 午前9:30集合~美濃戸口(2車両に分乗)午前 11:00~美濃戸午前 11:50出発(赤岳山荘駐車場、のり車のみ)~行者小屋(南沢登山道)午後 3:10着、(幕営)
2月6日
 行者小屋午前 6:30出発~文三郎登山道~赤岳沢上部トラバース~主稜取付き~チムニー(Ⅳ-)から凹角を登りリッジを右上~小フェースを越えてリッジを登る~やさしい雪稜~正面の凹角(Ⅲ+)を越えて右上ぎみに登って左のリッジへ~やさしいリッジ~雪の斜面~赤岳山頂(sa山・のり組 午後0:11、笹田・G女組 午後0:25、荻原・カト・N雄組 午後1:09)~行者小屋テン場 午後2:50、テント撤収 午後4:00~美濃戸 午後6:00~美濃戸口 午後7:05~茅野駅解散

7 記録
 山行日、5日は概ね快晴、6日に南岸低気圧が発達しながら通過するため天候は崩れる予想。6日から八ヶ岳周辺は風雪が強まるようだ。
 5日朝、茅野駅に参加者全員が集合、初顔合わせの方や、それぞれが今山行の成功を祈願しながら挨拶を交わす。
 2台の車に電車組の荷物を載せ、それぞれが分乗し一路美濃戸口へ向った。
 美濃戸口からは路面もアイスバーン状態、四駆でチエーン装着のジムニーに7人の荷物を載せ、もう一台はここへ置いてくことにし単独運転で先行、6人は空荷で歩く。 
 美濃戸までの道程はツルツルで、下り坂ではスタッドレスタイヤも効かずハンドルを切っても思うように進まない。
 沢に車ごと落ちないように、アクセル、ブレーキ、ハンドル操作を駆使し何とか赤岳山荘駐車場に到着した。

歩きの6名も到着し、装備の点検と出発の準備を
歩きの6名も到着し、装備の点検と出発の準備を

 装備を整え、八ヶ岳山荘へ用足しにの為に先行したsa山さんを除いて出発する。八ヶ岳山荘前でsa山さんと合流し、山荘前で南沢登山道に入り行者小屋を目指す。今年は積雪が多く南沢も歩き易い、カトさんを先頭に徐々に南沢を詰めて行く。
 南沢は北沢に比べ、地形の具合か、或いは中山乗越の高低差がプラスされている関係か登りが続く。予想通り5日の天気は上々で、雪目を警戒し皆さんサングラスを掛ける。
 南沢大滝、小滝の分岐を過ぎ、行者小屋までの距離は、残す処3分の1程度、更に進むと、開けた場所では、南八ヶ岳の重鎮達が視界に入ってくる。

南八の重鎮たち
南八の重鎮たち

なんとも爽快な景色を目の当たりにし、嬉しくなってくる。
そんなこんなで、ちょっと遅めも全員元気に行者小屋に到着した。
早々にテント2張りを設営、お約束通りに宴会へ突入したのであった。夕餉のキムチ鍋や荻原さんから差入れて頂いたスパイシーなインド風料理に舌鼓を打ちながら、盃が進む。酔いは舌のまわりも滑らかにし、山談議に花を添えながら今宵は更けてゆく。

 翌2/6日 午前5時起床、予想通り天候が悪化している。夜半から降り出した雪は止む気配がない。

天気悪い・・・
天気悪い・・・

 早々にカトシェフが用意した麺を昨夜のキムチ汁に投入し、速攻の煮込みラーメンを頂く。喉が渇きそうだ。身支度を整え、装備を纏めて午前6時30分出発した。
 新雪の積もった文三郎道を隊列を整えsa山さんをトップに主稜分岐を目指す。昨日とは打って変わり降雪のため展望は望めない。樹林帯を抜け、急登を越え文三郎道が右へぐっと曲がるところに到着。主稜取り付きへのトラバース箇所だ。ここからロープを出しスタカットでルンゼをトラバースに掛る。トップは私が務め50m目一杯まで伸ばしsa山さんをビレイする。

※主稜取り付き点から文三郎方面を、トラバース中の諸氏。
※主稜取り付き点から文三郎方面を、トラバース中の諸氏。

 7名が行動するため先頭を切る我々(sa山、のり組)はサッサと主稜取り付きから1ピッチ目を登り始める。
 1ピッチ目(のりリード)チョックストーンのⅣ級-をアイゼンとアックスを使って乗越して行く。

1ピッチ目チョックストーンのⅣ級
1ピッチ目チョックストーンのⅣ級

 チムニーは雪が詰まっているため雪面にアックスを効かせ左手でホールドを掴みながらコルまで到達、更に右手のバンドに入りちょっと嫌らしいミックス箇所を越えて支点に到達しピッチを切った。岩が乾いており、ベルグラは付いておらず一安心。
 2組目リードの笹田さんもsa山さんの直後に上がってきている。
 2ピッチ目は(sa山リード)支点左の立ったフェースのやや左側から登り、しばらく行ったところから開けたリッジに抜ける。
 3ピッチ目(のりリード)リッジ上を歩きに近い状態でどんどん登って50m一杯に伸ばすも、あと3m位で中間の岩場支点に届かず、仕方なくアックスを埋め支点にして、肩絡みビレーでsa山さんを迎える。ここでちょっと一服、温かいココアとクリームパンで喉と胃袋を満たす。笹田さんも到着。
4ピッチ目(sa山リード)すぐ左に見えている凹角へ突っ込んでいく。ちょっと手応えのある凹角からリッジに抜けてビレイ。このあたりから風雪が厳しくなってきた。
 5ピッチ目(のりリード)上部岩壁の右端目指して両手両足を使い、息せき切りながら上部核心部の支点へ到達した。ぺツルのハンガーボルトが打たれている。ここでピッチを切ってsa山さんを迎える。
 6ピッチ目、(sa山リード)上部岩壁Ⅲ級+、出だしの小垂壁にちょっと手こずりながら上がっていった。が、しばらくして「ビレイ解除」コール。登っていくと、何とミックス壁部分(嫌らしい箇所でトラバース気味に右上する所)とチムニーの手前でピッチを切っていた。結局、上部岩壁の核心部分はオイラが受け持つ羽目に。
 7ピッチ目(のりリード)トラバース気味の部分がちょっと嫌らしく、下まで切れ落ちている。以前ここから滑落したソロクライマーは一番下まで落ちたと聞いており、一つ一つを丁寧に慎重にこなす。しかし、ランニングをとる支点が見当たらない、チムニー部分も雪が付いてるせいか同じである。何とかアックスを上手く雪に効かせてバランスを取りながら抜け出て、そのままロープを伸ばしてピクナルでビレイ。笹田さんも別ルートから上がってきた。
 8ピッチ目(sa山リード)ここからはミックス帯になりルンゼを登り凹角手前で左のリッジに取りついた。(正規ルートはそのまま凹角を直上)

8ピッチ目(sa山リード)
8ピッチ目(sa山リード)

リッジを登り始めるも途中でモジモジしているのが下から見てとれる。きっと難しいのだろう。姿見えなくなって間もなく「ビレイ解除コール」。
 荻原さんがピクナルのところまで到達したので凹角部分の情報を伝えて登り始める。その間に笹田さんは凹角を右に回り込んでいった。
 リッジを登り始めると、それほど難しくはないが、正規ルートではないようでピンが1本も見当たらない、そのためにsa山さんは踏ん切りがつかなく「モジモジ」していたようだ。ここもアックスを決めて登っていく。
 ビレイ点に到達すると笹山さん笹田さん二人がビレイしていた。脇を通りそのままリードで登り始める。
 9ピッチ目(のりリード)ここからは徐々に傾斜も落ち、ロープを50m一杯に伸ばし、山頂へ残すところ20mほど手前でピッチを切った。
 あとはコンテで午後0時11分赤岳山頂に到達した。
 笹田、G女パーティーは午後0時25分、荻原、カト、N雄パーティーは午後1時9分に到着した。(荻原パーティーは登頂に1時間近く遅れたが、特に問題はなかった。)

 赤岳山頂で記念撮影をした後、コンテで踏み跡の消えた文三郎道を行者小屋へと下山を開始した。今日の無事を山ノ神に感謝m(__)m