東沢乙女ノ滝アイスクライミング
2013 年1 月26 日~27 日
メンバ笹田、山田(典)、高野(賢)、阿部記
1 月26 日
AM7:00 いつもの西大宮駅でタカちゃんと合流。そこで湊さんからテントとアイススクリ
ューを借用する。
湊さんは仕事で3 日間も自宅に帰れていないとかで、疲れきっているように見える。
気の毒で掛ける言葉が見つからない。本人が一番行きたがっているアイスクライミングな
のだが・・・。
湊さんの見送りを受けながら圏央道を通って中央高速に入る。順調に走っていたのも笹子
トンネルの手前まで。天井の落下事故で片側通行の渋滞に捕まる。予想はしていたのだが、
想像以上の大渋滞に待ち合わせ時間までに到着できるか不安になっていると、ちょうど笹
田さんからの電話が入る。山ノリさん車は一般道を快調に走行しているとのこと。
それでも何とか集合時間5 分前に西沢渓谷駐車場に到着。
笹田さんは大月駅で下車したのだが、偶然にも“上高地散策隊”と同じ列車になったとの
こと。強い冬型なので長野方面は降雪していることが予想されるが、目的の半分は飲み食
いのようだから心配は無用かも。
駐車場を出発してすぐアイゼンを車に忘れたことに気づき慌てて戻る。危なかった。
西沢と別れ、東沢に入ったところでアイゼンを装着する。
左岸側に登山道があるのだが、所々に倒木があり行く手の邪魔をする。夏は一般道のはず
だが、滑落したらただでは済まないような所もあり気は抜けない。清兵衛沢で小休止し、
ホラの貝沢を大きく高巻き、山の神を過ぎればあと少しで乙女ノ沢のはずなので、適当な
場所に幕営地を求める。幾分高台になった場所にテントを設営し、夕方まで乙女ノ滝F1 で
登降の練習をする。斜度はきつくないが50 メートル一杯登る必要があり、途中休めないの
でふくらはぎがパンパンになる。ピックの打ち込みも普段使うことのない筋肉を使ってい
るようで、上部の方になるとピックの刺さりが甘くなる。練習の途中風雪が一時強くなっ
たが練習を切り上げる時間には穏やかな天気に戻る。
乙女ノ滝取り付き付近には男女ペアがテントを設営している。「どんぐり山の会」だとか。
結局この2 日で乙女ノ滝を登りに来たのは我々とこのパーティのみであった。
今回は氷のコンディションは最高で、誰も手を付けていないピカピカの氷瀑が堪能できた。
テントに戻り、山ノリさんの常夜鍋と磯部餅と適度なアルコールでお腹を満たす。
笹田さん持参のベーコンがスコッチウィスキーに良く合う。
1 月27 日
AM4:00 起床。天気快晴。
懸垂下降の時間を考え、行動は11:00 までとする。
タカちゃん特製の野菜いっぱいラーメンの朝食を済ませ出発。AM7:00 乙女ノ滝取り付き
に到着。「どんぐり山の会」ペアに先を譲る。彼らは荷物を背負って尾根を越え西沢渓谷側
に下りるようだ。
今日は笹田さんのご指示でペアを変え、笹田&山ノリ、アベ&タカでクライミングを開始。
今日はF1 では途中にアイススクリューを1 本打っただけで上に抜ける。
昨日の練習から氷が硬くピックの効きが良いことと、スクリューをねじ込むのが結構大変
だということが分かったので。
くの字の小滝を越えると次の50 メートル位の滝が見える。我がパーティはスタカットで登
っているので、ここで笹田パーティに追い抜かれる。
次の50 メートルは傾斜が緩いのだが、やはり疲れる。右岸の潅木に支点を作る。タカちゃ
んも相当疲れているようで、ピックを打つ力が足りていないのが分かる。
ここを登るといよいよ80 メートルの大滝になる。乙女ノ沢では一番急な滝である。私は左
岸側を、山ノリさんは右岸側にルートを取り、クライミング開始。氷が硬くアイススクリ
ューがなかなか入らない。その間にふくらはぎに疲労が溜まって苦しい登攀になる。アイ
ゼンを何度も蹴り込みステップを作り、スクリューを打ち込む作業を繰り返しながらやっ
との思いで潅木のビレィ点に着く。すぐ横にはチョロチョロと水が流れている。確保して
いると取り付き点で何か騒いでいる。問題が起きたようだ。タカちゃんが借りてきたバイ
ルのねじが緩んでしまったようで、タカちゃんはここでリタイア。
代わりに笹田さんにフォロー回収をお願いすることに。笹田さんには山ノリさんの残置支
点を回収し、さらにトラバースして、こちら側のアイススクリューも回収というご苦労を
掛けることになってしまった。相当疲れる作業のはずだが、何事も無かったかのように登
ってくる。普段どんなトレーニングをしているのでしょうね・・・
ビレィポイントに到着すると「アベくん、次リードするか?」と聞かれて、「いや、ここで
終わりにしましょう。」と答える。行動終了目標11:00 までにはちょっと時間が早いが、
引き上げることに決定。多分、山ノリさんもタカちゃんもほっとしたのでは?
ここから潅木を利用しての懸垂下降の連続となる。懸垂下降に苦労したような記録もある
が、ロープが最後の下降点で解くのに時間がかかった事を除けば、スムーズに降りて来ら
れた。人が少なくとても静かで、山の中に居る充足感を味わうことができた山行でした。
帰ってきて道具を見るとバイルの先も、アイゼンの先も少し丸くなっていました。
尖っているかどうかで刺さり具合に、それが疲労具合に影響するはずです。
そんなことを考えながらヤスリを掛けています。