南アルプスから太平洋へ

南アルプスから太平洋へ

【メンバー】けんた(L・記)・キム兄

8月20日(水) 22:00竹橋集合
8月21日(木) 畑薙~荒川小屋
8月22日(金) 荒川小屋~椹島ロッジ
8月23日(土) 椹島ロッジ~千頭
8月24日(日) 千頭~大井川河口

01_海へ
海へ

正直、海が見えても淡々と走るんだろうなと思っていた。荒川を下り東京湾へよく走りに行くし、この企画の前月に100kmのトレランレースを完走していたので、次は100マイルレースの完走を目指していたからだ。単純に南アルプス南部の赤石岳と荒川三山を縦走し、その後、海を目指して走るだけだったら、淡々と走っていただろう。
海からの暖かい風が吹き始め、この1ヶ月の間に多くの部隊がアルプスを歩き、線を繋いできたという事実を思い出した時、鳥肌が立ち、胸にこみ上げるものがあった。思わず舗装道から一段上の防波堤の上に飛び上がっていた。

8月20日
集会に出席後、皆に拍手で見送られる。拍手をすることは頻繁にあるが、自分が拍手を受けることなんて何年ぶりだろうか。北とぴあを後にし、竹橋でキム兄と合流し、バスに乗り込んだ。

8月21日
5時に畑薙ダム臨時バス停に停車。乗客が一斉にバスからいなくなる中、我々はゆっくりと支度をし、入念にストレッチを行う。5時50分、出発。基本、上りは歩いて、下りや平地は走る。太陽はまだ低く、走るのにちょうど良い。
椹島に到着し、トイレ休憩もかねて、椹島ロッジへ立ち寄る。9時に椹島を出発。快調に登山道を登っていき、11時30分に赤石小屋に到着。昼食をいただく。
13時40分に赤石岳到着。ちょっとガスっており、眺めはよくはなかった。その後、荒川小屋に向けて出発する途中、知り合いと遭遇。平日の木曜日、人は少なく、偶然の出会いにお互いがびっくりする。
15時10分に荒川小屋到着。夕食では、荒川小屋名物のカレーをいただく。独特のスパイスが食欲をそそった。夕食時、窓からは富士山が見え、皆それぞれ夕景を楽しんでいた。

8月22日
4時30分に起床し、朝食をいただく。5時35分、荒川小屋を出発し、1時間ほどで、前岳に到着。天気が良く、昨日歩いてきた赤石岳からの縦走路がきれいに見えた。緑に覆われた3,000m級の山々、南アルプスの魅力だ。

南アルプス南部の縦走路
南アルプス南部の縦走路

途中、中岳に立ち寄り、7時40分に荒川岳に到着。天気は最高。南は伊豆、北は妙高、西は穂高・槍まではっきりと見ることができた。しばし、景色を楽しみ下山を開始する。途中、千枚小屋で休憩。ソウルミュージックやボサノバがかかる洒落た山小屋で、小屋内もきれい。電気がまだ動いていないということでケーキセットは食べられなかったが、ドリップコーヒーをいただく。ここで、1時間ほど休憩。キム兄は昼寝、私は「山と渓谷」剱岳特集を読む
その後は一気に、椹島ロッジまで降りる。受付を済ませたのち、テントサイトにて、下山祝いの酒を酌み交わす。開けた平地で、山々も見える。上高地のような高原の避暑地な雰囲気がかもし出されている。山に登らないでここでボーっとするだけでも良いという話になる。

8月23日
椹島ロッジで朝食を頂いた後、6時30分のバスで畑薙ダム臨時バス停へ。
7時55分 走り開始。基本、先頭がキム兄、トンネルは自分が先行して進んでいく。途中、素朴な道の駅で休憩し、ざるうどんをいただく。
【03_消化を考慮しざるうどん.jpg】

消化を考慮しざるうどん
消化を考慮しざるうどん

午後になり、雨が降り出す。すぐ止むと踏んで高をくくり、雨宿りしたが、これが大変なことに。雨はいっこうにやむ気配がなく、ひどくなるばかり。このままだと宿に到着できなくなりそうなため、雨具を着込んで強行する。坂では雨水が流れ、くるぶしまで水につかりながら進むことになった。後で知ったことだが、我々が走っていたエリアは静岡県でもかなりの降水量があった地域だそうだ。
16時頃 何とか宿に到着。宿でタオルを借りて、すぐに温泉に入りリラックス。夕方、少し町を散策する。夕食は、居酒屋(中華料理屋?)でいただく。給仕されていた方がとても素敵な方でした。

8月24日
4時に起床し、5時に出発。最初少しだけ小雨が降るが、だんだんと晴れ間も見えてくる。新道(国道)と旧道(県道)が並行して走っており、アップダウンが少ない方を選びつつ走る。山と山の合間を縫って、時々トンネルを抜ける。
【04_お茶畑を進む.jpg】

お茶畑を進む
お茶畑を進む

島田市からは街に入った雰囲気となり、人家が多くなり、自販機も増える。山道を抜けて街に入ると無性にうれしくなる。国道1号手前でセブンイレブンを発見、ここで大休止を取る。休憩の後、河川敷に上がる。本日は、大井川花火大会らしい。
河川敷沿いは、強い日差しにさらされアスファルトの照り返しを浴びて、体が熱くなる。ペースが落ちる。河川敷は程よく水道が整備されていたので、首筋などを冷やしながら、歩いたり走ったり歩いたりを繰り返す。最後2km、ゴール直前で再び走り出す。海が近くなり、テンションが少し上がる。生暖かいが、優しい風に吹かれる。河口基点0kmを過ぎると、海は目の前まで迫っていた。

2014年8月24日午後3時
2014年8月24日午後3時