楢俣川前深沢

場所:楢俣川前深沢
日程:2016年7月22日(金)~24日(日)
メンバー:コバ(L)、つりし、ハギ、トヨタ、あずさ(記録)

【1日目】7月22日(金)

21:00 近場の駅に集合。コバ車で水上方面へ。
23:30 ならまた湖畔着。オートキャンプ用の大きなテントを立て、24:30過ぎ就寝。

【2日目】7月23日(土)

04:30 起床
約4時間しか眠れなかったことに嘆きながらも、準備を開始。
自分たち以外には、先行者の車が1台と、通りかかった洗ノ沢へ入る1パーティのみ。
写真1

05:40 出発
長~い3時間の林道歩きが始まった。
今回は鳩待峠へ抜けてしまうプランの為、この林道を引き返してくる必要が無いことが、唯一の救いだ(と、面倒くさがりの私は思っていた)。
途中、今晩のおかずになりそうなフキや蕨、コゴミを採取。秋になると、この林道は山ブドウの畑のようになるという。
以前は崩壊していたようだが、整備された為目立った崩壊は1ヵ所程度だった。

07:20 休憩
湖畔で一息取る。
おそらくクルマユリと思われる花の橙色が眩しい。背後の奈良俣ダムは、だいぶ水位が低いようだ。
写真2

09:10 入渓
ヘイズル沢を過ぎて数分後、道幅が広くなっている場所で装備の準備をし、ピンクテープを横目に狩小屋沢から入渓。
写真3↑せっかく良いカメラを持ってきたのに、F値が高くてなんだか暗い。しかも、譲っていただいたものなのでまだ使い勝手が分からず、元に戻せない…。

09:15 楢俣川本流出合
本流のスケールは非常に大きく、楢俣初心者の私は感嘆の声が止まない。
横幅が広く連瀑が美しい階段状の滝や、滑らかなスラブ滝などなど。
しかし、以前訪れた時より数10cm水位が低いらしい。
カメラはどうやらマニュアルモードだったらしく、初心者の私はおずおずとオートモードへ戻すこととなった…。

写真4↑わざわざ泳いで滑滝に取付こうとするコバリーダー

写真5↑同じ滝でたわしを使ってホールドのぬめりを取るも、滑り落ちていくつりしさん

写真6↑特にこの連瀑は美しい!

10:30 前深沢出合
幅広の4m滝のところで、本流とはお別れする。
前深沢は本流より沢幅が狭そうだ。
写真7↑楢俣川本流にかかる4m滝

11:37 12m滝
途中、数分の河原に意気消沈するも、奥に待ち伏せていた12mの滝に「おぉ~」という歓声(?)が上がる。
ここは、水流を横切ってシャワークライムする。
写真8↑意を決して先陣を切るコバL

写真9↑すぐ先にある10m滝は、コバLがリード。

ハーケンの打ち抜き練習と称してつりしさんが滝の中間点にハーケンを打ち、続く私→ハギさん→トヨタさんの順で、抜いては打つ、を繰り返した。
私の打ったハーケンは、簡単に抜けたらしい。練習あるのみ!

その後も、美しいナメ床と階段状の滝が続く。

写真23↑途中、かわいい雛鳥がいる巣を発見。踏まないように気を付けて通り抜ける。

そろそろビバーク地を、ということで探し始めるが、どこもいまいちだ。
そうこうしている間にも、大滝近くのトイ状連瀑が現る。
写真10
写真11↑最後の4mはつりしさんが最初に登り、上からお助け紐を垂らしてもらう。

シャワークライム気味で、上の方が若干難しい。

14:30 大滝
結局その後もビバーク適地は無く、大滝下の小さめな平地に幕営することとなった。
写真12↑奥に見える大滝は、霧で霞んでいる。

私たちが着いた時には2人組が取付いており、滝上でビバークすると話していた。
その後も3人パーティが通りかかり、霧のかかる大滝を越えて行った。

夕食は私の担当で、キムチ鍋とシメはうどん。
が、いつものごとく大量のつまみを持ってきてくれるメンバーや、林道で採取した山菜に助けられ、満腹状態に。
20:30には就寝した。

【3日目】7月24日(日)

04:30 起床
寒さに目を覚ますと、女性陣の寝ていたツエルトは前日の霧と若干の定員オーバーにより、凄まじい結露が起きていた。
朝食は、トヨタさんのクリームリゾット。とろけるチーズの濃厚な感じがとても良い。
と、ここで前日まで使っていた“いいカメラ”ことOM-Dの電源が夜中中入りっぱなしだったことが発覚。電池が無くなってしまったため、コバLのコンデジを借りることとなった。

07:00 出発
朝一番から大滝登攀に取り掛かる。
写真13↑40mの壁に、どう登るか思案中のコバLとつりしさん。

写真14↑途中、一瞬だけ水線に入りつつも、ガイドや事前の記録通り右側の乾いた壁を登るコバL。アクアステルスは快調の様子。

ハーケン1枚と、カムでいくつかランニングを取る。
途中の狭いテラスで1ピッチ切り、ビレイヤーのつりしさんもそこまで登る。
テラスからコバLがもう1ピッチ登るが、ロープは50mあるので落ち口上から固定ロープを張り、残りの女性陣3人は1ピッチで滝上へ。
高所恐怖症の私には、スリルたっぷりの登攀だった。ホールドも、ガバというよりカチ。

09:00 大滝上
5人いたこともあり、大滝攻略には約2時間かかってしまった。
しかし長い登攀を終えると、滝上の美しいナメ床や快適に登れる気持ちの良い滝の数々が私たちを待っていた。

写真16

写真17↑視界は開け、雲の中に稜線が見え隠れする。

写真18↑途中、会のクライマーたちが好みそうな岩壁を発見。クラックにカムが良く効きそう!

10:40 二俣
両岸からゴルジュ状に稜線が迫る石積み連瀑帯を通り抜けると、最後の二俣に直面する。
ここは右の5mCS滝へ。
写真19
その後まもなく水が無くなり、ウスユキソウなど高山植物を愛でながら灌木のツメを進む。
私が花を片っ端から写真に収めていると、コバLから「時間押してるよ!」とお叱りを受けてしまう。ごめんなさい…。

稜線へ出る直前の岩壁が視界に入るころ、前日滝に挑んでいるのを見かけた二人組が藪漕ぎしているのを発見。私たちも同様に、岩壁の付け根へ向かってハイマツの藪を漕ぐ。ハイマツは頼りになるが、マツヤニがベトベトして気持ち悪い。
写真20

12:10 登山道
茶色い岩壁の真下まで来ると、登山道のロープがすぐそこにあるのが見える。ようやく遡行終了だ。
先行の二人は、4日間使ってゆっくりと楢俣川周辺を堪能しているらしい。隊員からは、思わず「いいなぁ」という声が漏れる。

12:30 至仏山山頂
登山道に詰めあがった場所の岩陰に貴重品以外をデポし、至仏山へ。
前回ヘイズル沢へ行ったときは、終了点からの遠さに登頂を諦め、小至仏山の「小」の字を隠して写真を偽造したらしい(面倒くさがりもここまで来ると…笑)。

14:10 鳩待峠
デポした荷物を回収し、鳩待峠へ下山。
途中、たくさんの登山者とすれ違う。天気も悪くなかった為、一般道は混雑していた。
写真22↑鳩待峠は、見渡す限り人、人、人。
奈良俣ダムへは、金に物を言わせてタクシーを手配。およそ35分で峠まで来てくれるらしい。

16:00 奈良俣ダム
無事ここまで戻ってきた…。
前日からデポしていた車の中はムシっと暑い。無事に帰ってこられたことに感謝し、一路東京方面へ。

私にとって初めての楢俣川でしたが、ぎっしり詰まった良い沢でした。一緒に遡行したメンバーの皆さんには感謝、感謝です!

コースタイム

1日目
23:30奈良俣ダム
2日目
05:40ダム出発-09:10入渓-09:15楢俣川出合-10:30前深沢出合-14:30大滝下
3日目
07:00幕営地出発-09:00大滝上-12:10登山道-12:30至仏山-14:10鳩待峠-16:00奈良俣ダム