上州武尊記録

上州武尊(前夜発日帰り) 2015年3月15日(日)

【行程】

リフト乗車 8:10 ― リフトトップ出発 8:40 ― 剣ケ峰山 9:10 ― 武尊山 10:35 ― リフトトップ 12:20

【メンバー】

サイトウ(L)、タカタカ、カオリ、トヨ(記)

前夜、車で川場スキー場に向かう。通常は関越経由だが、関越で事故があり、東北道経由となる。川場スキー場の駐車場5階で仮眠。

リフトが8時運行とのことで、翌朝7時過ぎに、7階リフト券売り場へ向かう。

リフト券購入時に登山届(車の駐車階、車種、ナンバーを記載)を提出すると、リフト券と共に人数分の登山届提出済証を渡される。リフトに乗車する際、リフト券とこの登山届提出済証を提示し、下山時、リフト券売り場にこれを返却することで下山を確認するシステムとなっている。

ゲレンデに出ると、山の上の方は少しガスがかかっていたが、予報では午後に向かって天気がよくなるとのことだったので期待する。

8時過ぎに運行を開始した桜川エクスプレスとクリスタルエクスプレスの2本のリフトを乗り継ぎ、リフトトップへ。ゲレンデを区切るロープを越えたところで、アイゼンをつけ身支度を整える。徐々にガスがあがり、白と黒のまだら模様となっている剣ヶ峰山の山腹が見えてくる。

8:40 出発。目の前の斜面を登り、尾根にとり付く。

尾根にあがり、しばらく進むと、数メートルに渡り狭いクラックが走っている箇所があった。今回は視界もよくはっきり認識することができたが、視界不良時や雪で隠れてしまうと怖い。尾根自体は幅があるので、あまり右にルートをとらない方がよいと思われる。それ以外は特に危険個所もなく進む。暫くすると徐々に傾斜がきつくなり、剣ヶ峰山への登りとなる。

9:10 剣ヶ峰山到着 スタート時より更に青空が広がる。この後は本日のルートの核心、剣が峰の下りだ。それほど長くはないが、高度感も傾斜もあるので慎重に進む。

剣が峰山から先は、緩いアップダウンを繰り返し、武尊へ向かう。危険個所もなく、ベイマックスもどきのスノーモンスターの間を縫って行く。

やや傾斜のきつい武尊への登りを越えて、10時35分山頂到着。雪の白と青空とのコントラストが美しい。360°のパノラマの中、山の山座同定を暫く楽しんだ後、下山を開始。

途中、谷川岳方面にかかっていたガスがきれ、天神尾根、西黒尾根、一の倉の岩壁等がジオラマのように認識できたのには感激した。

帰路は気温の上昇と共に雪がゆるみ、アイゼンに付着しやや歩きにくかった。

12:20過ぎにゲレンデトップに戻る。

以上

那須・朝日岳山行記録

那須・朝日岳

時期:2015年2月21日(土)

参加者:OB1期T氏(L)、カト(記)

記録:

大丸温泉P8:40…10:30峰の茶屋跡11:00…12:20朝日岳…13:40峰の茶屋跡…14:40大丸温泉P

奥多摩の蕎麦ではつとに有名らしくまだ行ったことのない御嶽駅のそば屋「玉川屋」でそばを食べる目的で、奥多摩駅から大岳山・御岳山山行の計画書をすでに提出していた。前日昼頃OB1期の稜友会T氏からTELがあり、明日21日の那須岳は現地の風もなく絶対良い天気になるので行かないか、とのお誘いがあった。この時期那須岳に行ってみたいと思っていてバス便を調べたところ以前あった黒磯駅8:10発がなく断念していた。いつも那須岳には風雪に悩まされていたので、狙った山が絶対天気でないと出かけないと言う知る人ぞ知るお天気博士のT氏のお誘いは渡りに船。

鳩ヶ谷駅5:30合流。東北自動車道那須ICから那須温泉を通り大丸温泉駐車場8:00過ぎ着。下の駐車場は満杯で上に駐車。聞くとスキー客の車らしい。登山者も多い。8:40出発。朝日岳へは行ったことがないと言う私のために朝日岳を先に行くことにする。天気は良く風もない、こんな那須岳は初めてだ。避難小屋まで上着を脱いでシャツだけになる。T氏は先の八ヶ岳北横岳より足の調子はよさそうだ。それにしても80歳になろうとする人が雪山をやるとは普通では考えられない。朝日岳へは夏道だと牛首から剣が峰の東斜面をトラバースしてコルに出るのだが、雪の急斜面は危ういので稜線通しで剣が峰に登った後急斜面を転げ落ちるごとくコルに下る。牛首から稜線の雪は温かいせいで腐っている。地肌が出ている所も多く歩きづらい。朝日の肩手前、西面の鎖場の一部は雪に埋まっている。急斜面の雪面トラバースはピッケルを雪面深く差し込み慎重に行く。朝日の肩に出ると三本槍のなだらかな稜線が美しい。その稜線を縦走している人が小さく動いている。ここでT氏から三本槍岳の地名の由来を教わる。昔この山頂の領地がはっきりしないため、周辺3藩(会津、那須、黒羽)が領地談合するため定期的に集まって槍を立てた故事による、とか。三本の槍が立っているような急峻な地形を想像していたが、見渡すとなだらかな丘陵地帯と言っていいほどの広い山域になっている。

朝日岳頂上へは肩から5分ほどだがミニエベレストを髣髴するようにそびえている。頂上直下の踏み跡が不明で先に行くT氏はそのまま進んだが、私は先の斜面が急らしく見えたので戻る。岩の左上に緩斜面になっているしっかりした踏み跡がある。T氏に呼び掛けるが戻らない。頂上に行くと裏から出てくる。そっちが正解らしいね、などと言って涼しい顔をしている。この辺の見極めが1期たる所以か。

那須・朝日岳山頂
那須・朝日岳山頂

男体山、燧ケ岳などガイドよろしくT氏からいろいろ教わる。下山は登ってきた道をたどる。T氏は休み休み行くが歩き出すと早いのは何時ものこと。14時前に峠の茶屋跡非難小屋に着く。この時間なので茶臼は当然パス。大丸温泉Pに向かって下山する。避難小屋からのトラバース道の途中でアイゼンを脱ぐ。岩、石で歩きにくい。15時前に下山する。鹿の湯温泉に寄るが残念ながら休業。少し下りて「H立花屋はなや」の「小鹿の湯」に入る。知っていて寄ったのではなく駐車場が空いていて何となく良さそうなので入っただけ。入ってみるとこれが鹿の湯のミニ版で、地方の部落の共同風呂のような造りでまことにひなびた温泉浴場に入った気分。木造りの湯船は二つあり高い方は46度だと地元の方に教わる。5分も入っていられない。全身しびれてしばらくは汗が引かない。T氏には車内で20分ほど仮眠をとってもらう。私は近くの酒屋に入り酒粕1Kg540円を買い時間つぶしをさせてもらう。

東北自動車道は案外渋滞もなく順調に鳩ヶ谷駅に着く。毎度ながら往復の運転をさせてしまったT氏には申し訳ないと思う。

ところで、80歳にもなるT氏が何で雪山に行くのか率直に聞いた。曰く、「昔から雪山が好きで途中のブランクはあるがその時々のパートナーがいてこれまで続けて来た」、「最近は3期I氏と一緒する機会があるがI氏も体調次第でいつもと言うわけではない」、「これからはお前も雪山メンバーだ」と言う。1期の大先輩から仲間だと言われることが嬉しい。更に聞けば、日常的に移動するときも電車に乗らず歩くと言う。要はやる気があるかないかと言う気力の問題だとも言う。最近はあまり聞かないが、よく結婚式の祝辞で披露されたサミエル・ウルマン「青春の詩」冒頭の一節を思い出す。「青春とは人生のある期間を言うのではなく、心の様相を言うのだ。優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦を却ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心、こう言う様相を青春と言うのだ。」を実践する生き方ではないか。帰りの車中で、家族との関係、老後の態度など貴重な示唆を頂いた。山の先輩、人生の先輩は有難い。私には、創造力も、強固な意志も、情熱も、猛勇心も、冒険心も、何にもねえ!!。先輩の爪の垢でも煎じて飲んで性悪・煩悩の塊のごとき私の良薬としたい。

以上

蛭が岳山行記録

山行報告(150110-11 蛭ケ岳南稜)

蛭が岳山行記録 2015年01月10日

【行程】

1月10 日(土)

小田急新松田駅 7:30集合 ― タクシー ― 寄大橋 8:00 ― コシバ沢 9:30 ― 稜線 10:40 ― 下りはじめ 11:00 ― 休憩 11:20 ― 熊木沢出合 12:30 ― 行動終了 14:00 ― ビバーク地設営14:20

1月11 日(日)

起床 5:00 ― 出発 7:50 ― 蛭ヶ岳山頂 10:30 ― 下山開始 11:00 ― 姫次 12:40 ― 東野バス停 15:10

【メンバー】

コバ(L)、つりし、ハギ、エビ、キム兄(記)

【報告】

1/10土曜日

小田急新松田駅に集まり、5名のため2台のタクシーで移動。料金は1台4300円程度。何だか寒い。丹沢を少々見くびっていたようだ。

コシバ沢までは雨山峠に向かって歩く。最初は林道、そのうち寄(やどりき)沢沿いを歩く。地形図では右岸がメインだが出水が多いのか実際は左岸沿いが多い。細かい枝沢が多く惑わされるがコシバ沢には結局道標が設置されていた。

コシバ沢は涸れた沢のようで、沢の詰め上げをしているかのようだった。標識には「危険」とあったが確かにガレて不安定な石場を進まなくてはならないし、陽の当たり始めた右岸の東斜面からはしばしば落石が発生していて確かに一般向きではなかった。

蛭が岳1
蛭が岳1

稜線に出る可能性を探るため、まずつりしさんが右斜面に上がる。その後、コバ隊長が左斜面を偵察、ハギさんが続く。残るエビさんとキムは最後まで詰め上げて一般登山道に出た。詰め上げ組が早かったが、旧登山道は左斜面にあり、こちらが正解のようだった。

少し登って北面を下る分岐、そこからはまた今は使われていないルートを行く。所々不明瞭ではあるが、踏み跡と思しき箇所もある。

 

蛭が岳2
蛭が岳2

読図しながら進むが、簡易な案内やテープなどに惑わされる。結局予定と異なるルートを辿ってしまった。

少々遠回りはしたが予定通り熊木沢へ。ここまで来ると正面に目標の蛭ヶ岳がどどぉーんと見える。1日目はできるだけこの山に迫っておきたい。

 

蛭が岳3
蛭が岳3

蛭ヶ岳南稜の取りつき近くまで行き、ビバークすることにした。露を凌ぐためタープを張るが風が強くて難儀する。結局沢から少し林に入った風の弱い場所で何とか落ち着いた。この日は星がキレイであったがその分放射冷却が厳しく、厳冬期用のシュラフを用いても外寝は寒かった。

明朝、予定通り5時に起きるも慣れないビバークで手際が悪く、朝食を済ませるまでにずいぶん時間がかかってしまった。行動開始までに1時間以上オーバーして出発。南稜は予定通り登るが、下山の臼ヶ岳南尾根は行程が長いので見直さなければならないかも知れない。

南稜は取りつきに○印があった。その後はやはり不明瞭な個所が多いが、基本は尾根であるので、ぐいぐいと登ってゆく。朝は寒かったが急登に加え日当たりのよい南斜面ですぐに温まる。高度が上がるにつれて景色がどんどん変わってゆく。振り返ると昨日越えた鍋割峠やその向こうに相模湾、箱根や伊豆の山々も。

 

蛭が岳4
蛭が岳4
蛭が岳5
蛭が岳5

最後まで急登は続いた。頂上直下は事前情報通り崩落していて注意を要する。やっと雪を見かける。しかし野バラの棘が散在していて痛い!隊員の悲鳴(や罵声)が響く…

 

蛭が岳6
蛭が岳6

そんなこんなで頂上に辿り着く。我々の進路は一般路ではないので柵を乗り越えての蛭ヶ岳登頂。頂上には数パーティーがいた。今回の山行、初めて会う他パーティーである。

理想的には9:00着であったが出発の遅れで10:30着、エスケープを余儀なくされる。塔ノ岳経由大倉尾根も検討したが、バリッバリに凍っているわけでもない、との情報の北面から下山することに決定。コースタイムは一番短い。

 

蛭が岳7
蛭が岳7

軽アイゼンを持っていないメンバーもいたので、ゆっくり慎重に下山。積雪は姫次(ひめつぎ)までだと思っていたが、さすがは北斜面、結構下まで雪は残っていた。

東野バス停に下山すると、1日2本しかないバスが1時間後に来るという。丁度、とばかりに目の前の旅館の食堂でビールを飲みながらバスを待った。

蛭が岳8

以上

八ヶ岳冬合宿山行記録

冬合宿 八ヶ岳(東天狗岳~赤岳) 記録

・参加者 つりし(L)、ササダ、フカサワ、カト、キム兄、ミドリ(記)

・期日  2014 年12月31日~2015年1月2日 (2泊3日)

・行程

12/31【1日目】

新宿駅(7:30)~茅野駅 (9:51)  バス茅野駅(10:25)~渋の湯(11:20)

渋の湯(11:30)→黒百合ヒュッテ(13:50)幕営

1/1  【2日目】

黒百合ヒュッテ(5:30)→東天狗岳(7:09)→根石岳(8:08)→箕冠山(8:25)→夏沢峠(9:08)→硫黄岳(10:40)→赤岳鉱泉(12:07)→行者小屋(13:00)幕営

1/2  【3日目】

行者小屋(6:30)[地蔵尾根]→地蔵の頭(7:50)→展望荘(8:20)→赤岳(8:55)

[文三郎尾根]→行者小屋(10:00) 行者小屋(11:00)→美濃戸口(13:00)

バス(13:20)~茅野駅~帰京

・記録

12/31 曇りのち晴れ

新宿駅からあずさ3号に乗り、集合場所の茅野駅で復帰後初めての雪山山行となるフカサワさんと、塩見岳から帰って来たばかりのカトさんと合流。カトさん、3泊4日のラッセル山行を終えてかなりゲッソリとしているかと思いきや、いたって元気。

今回の冬合宿、元々はかおりさんが企画したものだったが、足の傷が癒えずにドクターストップで不参加に。(まさかかおりさんが行けなくなるなんて..なんて事だ!)

かおりさんの意思を引き継ぎ、新隊長つりしさんのもと6人で茅野駅からバスに乗り込み渋の湯で下車。

11時半、アイゼン無しで今日の幕営地を目指して私を先頭に歩き出す。

ゆっくりゆっくりと歩いているつもりだが、つりし隊長からもっとゆっくり!の掛け声が3回ほどかかる。(おかしいな?こんなにゆっくりと歩いているのに、なんでだ?)

1時間程歩いて分岐で休憩。丁度1年前の同じ日にも訪れているのだが雪が比べものにならないくらい多い。歩き出してから2時間20分で黒百合ヒュッテに到着。時間はまだ午後2時。

ジャンボテントを設営して、ここから9時の就寝時間まで楽しい宴会に突入。

ワインを皮切りに男性陣から出てくる出てくる日本酒が、ウイスキーが、つまみが、皆さん一体何キロ担いで来たの?と驚く量だ。

先刻、私が先頭で歩いていて、もっとゆっくりコールが掛かかった理由がやっと分かった。これだけ担いで来たら早く歩けませんよね。皆様。

今日は私の誕生日。かおりさんからの申し送りで、つりし隊長がロールケーキを持ってきてくれてお祝いをしてくれるという嬉しい出来事があった。

つりし隊長、かおりさん、ありがとうございました。

外の気温は-15度。テントの中はアウトドアと文学についての話題と英語の発音講座で盛り上がり寒さ知らず。

宴会の締めはつりし隊長の黒毛和牛のすき焼き。山の上でなんて贅沢。

大晦日にもかかわらず明日のために21時に就寝。夜中に外で明けましておめでとうの声と遠くの方で打ち上げ花火の音が聞こえた。

1月1日 曇り時々小雪

3時起床。キム兄のゆずの風味が絶妙な具沢山うどんを頂きテントを撤収し時間通り5時半に出発。

ダイヤモンドダストがキラキラ光る中、ヘッドランプの明かりを頼りに東天狗岳に向けて歩き出す。樹林帯を抜けて岩稜帯に出た所で私のアイゼンの紐が緩み、キム兄のアイゼンが外れてしまった。付け直す間、強風の吹く中で皆を待たせてしまい申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

先行者が一組先に歩いているのだが、踏み後が所々無くなり道が分かりづらい。

岩の間を右往左往して東天狗岳に登頂。今回で3回目の東天狗なのだがこんなに苦労して登頂するなんて思わなかった。

風が強よく展望も利かないので東天狗岳は休憩なしで通過。

東天狗から根石岳に向けての下りは先行者なしで踏み後もなし。爽快に下って行くのだが道が広く分かりづらい。

つりし隊長、カトさんの誘導により根石岳を通過後程なく箕冠山に到着したが、根石岳から箕冠山までの道もかなり分かりづらかった。

箕冠山は樹林帯にあるので今までの風が嘘のようにピタッと止んだ。ここで本日一回目の休憩を取る。

小休止後、夏沢峠に向けて出発。ここも途中までは踏み後なし。樹林帯の中の気持ちの良い道を下って行くと程なく夏沢峠、やまびこ荘に到着。

さあここからが私の今回の一番の心配の種、硫黄岳の登りである。

地形図を見ると等高線の間隔が非常に狭い。標高差300メートル 時間にして一時間位か。息が続くか心配である。

それと硫黄岳の山頂は広いので視界が悪いと道迷いが起こる可能性がある。

つりし隊長が用心深くコンパスの向きを合わせる。

深呼吸をして自分に気合を入れる。そしていよいよ硫黄岳に向けて出発。

踏み後はしっかりと付いていて分かりやすい。風も思っていたほど強くはない。曇り空で小雪が舞っているが視界は良好。

結局1時間半かけて道に迷わずに山頂に着くのだが、思っていた通りきつかった。

歩き出して後半、山頂がすぐそこにあるのになかなか辿り着かない。自分を励まして歩く、でもまだ着かない、また励ます、の繰り返し。山頂に着いた時には本当に嬉しかった。

硫黄岳の山頂は沢山の人がいた。

硫黄岳山頂
硫黄岳山頂

小雪が舞い展望もないので記念撮影をして早々に赤岳鉱泉に向けて下山を開始。

夏沢峠で合わせたコンパスの方向に向かって歩き出したのだが、コンパスがさす方向と道標の位置が少しだけ違っていた。

あれ、こっちなんだ、という感じだった。

皆が言っていた通り視界が悪かったら下降点が分からずに本当に道迷いに遭いそうな山頂である。

続々と登って来る人をかわしながら途中1回休憩をして赤岳鉱泉に到着。

ここから本日最後の登り。息を切らしながら50分後、今日の幕営地 行者小屋に到着。時間はまだ13時。テントを設営後 小屋でおでんをつまみにビールで乾杯。その後テントに戻り楽しい宴会の始まり。本日もお酒とつまみに不自由なし。

びっくりしたのはいつもなら絶対につまみなどを持って来ない(カトさん談)ササダさんがブルーチーズとフランスパン、はたまたつまみも沢山持ってきていた事だ。

ササダさん曰く登攀道具がなかったのでその分の重量をつまみに回せたとの事だった。

男性陣は皆、独特の匂いのブルーチーズが大好き。

本日の夕食は私が担当の鍋餃子。我ながら美味しく出来き、ホッと一安心。

山では早寝早起きが基本。今夜はキム兄、フカサワ、つりしでの山の名前のシリトリ合戦を聞きながら19時に就寝。

1月2日曇りのち晴れ

4:30 カトさんの寒い!の一声が目覚まし代わりとなって皆が起き出す。

ササダさん作の大きなお餅と貝柱入りフカヒレ雑炊をお腹一杯頂き、身支度を整え6時半に地蔵尾根経由で赤岳に向けて出発。

踏み後が付いている歩きやすい道をゆっくりと進み、1回休憩の後、樹林帯を抜けて最初の難関、鉄梯子の下にさしかかる。

この辺りは急斜面で所々雪も深い。アイゼンをキックステップで斜面に真直ぐに蹴り込む。左手でピッケルのピックを雪面にさし込み右手も使って登って行く。慎重に鉄梯子、鎖場、ナイフエッジを通過。間もなく地蔵の頭に到着。

ここまで1時間20分程。岩の陰で小休止を取り強風の中、程なく展望荘に到着。

小屋のテレビで箱根駅伝が映し出されていた。あぁ、お正月なんだな、としみじみ思ったりする。

コーヒータイムの後、再び強風の中に身をさらす。追い風で歩き安い。耐風姿勢を取る程ではないのでこれは強風とは言わないのかな、とか思いながら歩き頂上山荘を通過後、8時55分赤岳の山頂に到着。

赤岳山頂
赤岳山頂

山頂は視界良好、遠くに富士山も見える。新年2日目にして初日の出を拝む。

岩陰で小休止後、文三郎尾根で下山開始。下り始めの岩稜帯が急なので慎重に降りて行く。

鎖場も慎重に通過してふっとカトさんの顔を見たらまつ毛が凍ってツララ状になっていた。

樹林帯で休憩を取り10時に行者小屋に到着。

天気が良く日が差す中でテントを撤収し11時に南沢コースで美濃戸口に向けて出発。

ササダさんとキム兄がアイゼンを付けずに歩き出す。

ササダさんはまるで雪なんか無い土の上を歩いているような自然な歩き方で、

キム兄さんはクロスカントリー経験者だけあってスイスイと気持ちよさそうに滑りながら歩いて行く。

途中で休憩を1回取り13時に美濃戸口に到着。

茅野駅で終わってみれば楽しかった2泊3日の山行の打ち上げをし、

あずさに乗車→甲府でかいじに乗り換えて車内でも2回目の打ち上げで盛り上がり帰路につく。

以上

北横岳山行記録

北横岳、三ツ岳(八ヶ岳連峰)

期 日:平成27年1月25日(日)快晴

参加者:OBT氏(L、1期、稜友会、79歳)、OBI氏(3期、稜友会、81歳)、カト(記)

記 録:北八ヶ岳ロープウエイ9:40~北横岳10:50/11:10~北横岳ヒュッテ11:20/11:40~三ツ岳12:00~天池山12:50~天池峠13:10~北八ヶ岳ロープウエイ13:30

1/25(日)北稜の日帰り山行がないので雪山ハイクをしたくて足の便が良い諏訪、富士見の入笠山を予定していたが、OBのT氏から予てから八ヶ岳の北横に行こうと言っていた話が舞い込んできた。二つ返事でOK。

5時に赤羽新大橋たもとの小山酒造前で拾ってもらう。星が天空に輝き風がなく良い天気だ。T氏夫人も参加と聞いていたが風邪で不参加とのことで残念。王子でOBのI氏が乗車して板橋本町で首都高速に乗り中央自動車道から諏訪ICを目指して一走りと思いきや、山手トンネル中央自動車道分岐に入らずに東名方面に突っ走ってしまう。右車線を走っていたので当然分岐を右の中央自動車道方面に入ると思っていたが高速スピードでは右と言う暇もない。登山より身の危険を感じた瞬間であった。渋谷で首都高速を降りてやり直して無事に中央自動車道に入る。

八ヶ岳ロープウエイはスキーヤーに交じって登山者が多い。ロープウエイ山頂駅からハイカーが続々と出ていく。半分くらいがスノーシューを履いている。坪庭は広い雪原になっていて風に晒された波打つ雪紋が美しい。I氏はスタートからアイゼンを履く。T氏と私はツボ足。樹林帯の登りにかかると暑い。途中で雨具の上着を脱ぎ帽子を手拭いに変え二枚の長そでシャツの腕をまくる。T氏はここでアイゼンをつける。私は北横岳ヒュッテでアイゼンをつける。どうせ装着するなら早い方が良いのにと反省する。三ツ岳分岐を見るとトレースがついている。ワカンを持参していたのでラッセルもよいかとも思ったが楽な方がもっと良い。

北横岳

北横岳北峰は人で賑わっている。快晴で360°の展望。快晴の八ヶ岳でこんなに展望が良いのは初めて。T氏に山を教えてもらう。まるでガイド山行のごとし。蓼科山の奥には北アルプス、左を見れば中央アルプス、南アルプス、八ヶ岳連峰、右を遠くに妙高など、近くに浅間山、見事に3,000m級の日本の屋根が一望される。来てよかったとつくづく思う。

ここまでT氏、I氏の歩行スピード、特に上りはとてつもなく速い。私はついていくのが精一杯でヒーヒー言いながらやっとで後を追う。今年80歳と82歳になるという先輩の往年のスタイルがしのばれる。

北横岳ヒュッテから先に行ったI氏の姿が頂上で見えない。手前のピークに戻り声を出して呼ぶとヌッと現れる。三人で写真を撮り満足して下山に入る。頂上直下の急斜面でスノーシューの面々が下りられず上りも下りも大渋滞。これも天気の良い人気ルートの代償と忍耐と寛容の大人の態度を決め込む。

三ツ岳へはI氏はパスしてT氏と私で向かう。T氏には足の具合が悪いにもかかわらず三ツ岳未経験の私のために無理をしてくれたようだ。トレースはあるもののⅢ峰までは2パーテイーしか出会わない。私たちのコースからはⅢ、Ⅱ、Ⅰ峰と辿るが岩稜帯を踏みながらの静かな雪山は気持ちが良い。トレースがなければルーファイに苦労するのだろう。Ⅰ峰を超えたところからは急降下。天池山までがだらだらと長い上りでT氏は足と相談しながら休み休み上る。しかし歩き出すと早いので一体どんな肉体構造なのかあきれる。雨池峠雪原までがまた急降下。T氏は二つの急降下を尻セードで巧みに下る。

ロープウエイ駅13:30着。14:00くらいかなと思っていたので案外早く着いた。I氏が出迎えてくれる。12:15に下山したようだ。1時間以上も待たせてしまった。

ビーナスライン途中、プール平の蓼科温泉共同浴場に入る。入浴料金500円と安いがお湯が熱い。42度と言っていたがそれ以上の熱さで茹蛸のようになって上がる。帰路、T氏が中央自動車道からの富士山が素晴らしいという。南の空は霞がかかって条件は良くないが長坂から双葉までに真正面に見える富士山は大きく迫ってくる迫力のある姿であった。これまであまり意識してこなかったが改めて富士山の雄大さを知ることになった。圏央道から関越に入り三好SAで晩飯を食い、環八通りに入って自宅前まで送ってもらう。

T氏は天気の良い時を狙って山行すると言っていたが真にその通り。今回の北横はこれまでの雪山八ヶ岳で最高の天気に恵まれた。最近の医療TVドラマでヒロインの女医が言う「私失敗しないもん」との格好いい決め台詞に似て、T氏のお天気山行は真に「俺天気、失敗しないもん」と言いたげだ。

T氏、I氏とは雪山は初めてだが、これまで積み重ねた経験が随所に垣間見られた。これからも時々ご一緒していろいろご教示を仰ぎたいと思った。

以上