奥多摩川乗谷・逆川

時期:2013.7.7
場所:奥多摩 川乗谷 逆川
メンバー:つりし(CL),ハギ,さぶ,sa山,エビ,スガ(一応記録)
記録:
7/6夜 奥多摩駅でさぶ,スガをピックアップ.道の駅にて幕営.
(道の駅はなかなか盛況だった.)屋根とベンチのある良い場所で宴会.

7/7 4:30起床.妙に盛り上がりすぎた宴会で皆寝不足.(+宿酔の者も…)
6:00近くに道の駅出発.
7:00頃 入渓地点の目標となる「カーブミラー」付近に駐車.
発見したハシゴを下りる→が,聖滝の下流とわかり戻る.
(このハシゴは私設?クライミングガーデンのものらしい.)
もう一つ先のカーブミラー脇から入渓出来ることがわかる.
7:50頃 正しいところへ入渓.
歩き出して15分くらい?で最初の滝(3m, 7m, CS 3m)が登場.

最初の滝
最初の滝

その後,ゴーロを30分以上歩く.
ちなみに,入渓者がいないため水は澄んでいた.(人が歩くと水
底の泥が舞って濁り,汚い沢になってしまうそうだ.)
9:20頃  5m, 2m, 4mの滝.
つりし,ハギはへつる.エビ,さぶは跳ぶ.sa山,スガは巻く.
9:50頃? 核心の4mは水にDive!暑いので泳ぐのは楽しい!!
ココを超えた辺りで単独行の男性1名が抜いていった?
※ この辺りから記録が曖昧….
11:20頃  トイ状 3段10m 一番上は突っ張りで超える.
11:40頃  4m(どんな滝だったか記憶が…)
11:50頃  ウスバ林道下の10m
つりしさんがハーケンをうちつつ颯爽と登っていった.
12:30頃抜けたが,スガがとりついてるときに4〜5名の中高

ウスハ林道下?10m
ウスハ林道下?10m

年パーティーが追いつく.(ここで出会っただけだった.)
13:30頃  25mの大滝は,またもやつりしさんが颯爽とリード.
このあと沢装備を解いて,傾斜をゆるゆると上がっていく….

25m大滝
25m大滝

15:40頃  川乗山頂到着.わりとすぐに下山開始.
17:17頃 百尋の滝,18:00登山口,18:13車に到着.

穂高合宿(後発隊:総合記録&北穂南稜)

平成25年春合宿(穂高・涸沢)

●記録 :たかひで
●期日 :2013/4/30 ~ 2013/5/6(先発隊4/30~、後発隊5/3~)
●行程 :

(先発隊)
1日目(4/30~5/1、晴)涸沢
 新宿22:30(夜行バス)5:30/6:00…6:50明神…7:50徳沢…9:00横尾…10:50本谷橋付近…13:30涸沢(幕営)
2日目(5/2、晴(高所一時雪))北穂東稜
 起床4:00…涸沢BC9:00…10:20東稜…14:00北穂高小屋…16:00涸沢BC
3日目(5/3、晴)涸沢槍-涸沢岳(sa山、笹田)
起床4:00…涸沢BC7:10…10:00涸沢槍右コル…12:30涸沢BC

(後発隊)
1日目(5/2~5/3、晴)涸沢
前日23:00 新宿・・・・5:30 上高地・・・9:20横尾大橋・・・・11:20本谷橋・・・14:30涸沢着
(後発隊+先発隊)
2日目(5/4、晴(高所一時雪))
 北穂東稜(sa山、グッチー、さぶ)、
 北穂南稜(笹田、いた、部長、カト、アトム、かおり、たかひで、けんた、コバ)
4:30 起床・・・6:30 出発・・・15:00松濤岩・・・・16:30涸沢着
3日目(5/5、晴)雪上訓練、徳沢
4:30 起床・・・8:30 雪上訓練開始・・・11:30涸沢戻り・・・・13:00本谷橋・・・・15:40徳沢到着
4日目(5/6、晴)帰京
 4:30 起床・・・8:30 雪上訓練開始・・・11:30涸沢戻り・・・・13:00本谷橋・・・・15:40徳沢到着

●記録

<2013/5/3>
前日23:00に毎日アルペン号にて出発。さぶちゃん会社の顧客周りでぎりぎり。
部長はしっかり酒をしこんでいる。みなあまり眠れなかった模様。
朝5時半くらいに上高地到着。6:05上高地出発。本日は涸沢までとのことでのんびり出発。横尾でほっしーが寝不足のため調子が悪そう、荷物はコバさん?が追加でもつ。
9:20 横尾大橋着。天気は極めて良し。今年のゴールデンウィークは休みが晴れで、谷間の営業日が天気悪というすばらしい感じ。
屏風岩に人が張り付いている、さぶちゃんの知り合いの仲間らしくなんと70歳とのこと。豆粒にしか見えないが。sa山さんがかおりんをさそっていた。
本谷橋まで、軽快に進む。ほんたに、もとや、ほんや?など皆それぞれに呼ぶ。
鯉のぼりが見えてきたが、こっからが遠い。
アトムさんに無線が入る。既に先発組が涸沢に降りてきているとのこと。滝谷に行く予定だったが、別の会の滑落者が出たのをみてやめたとのこと。
14時半頃、涸沢に到着。けっこう寒くなってきたが、恒例の?テラスで生ビールだーということで、集まる。おでんが一瞬で冷えた。I沢さんはカレーが食べたかったけど言えなかったとのこと。
テント場は小屋から近く、胸くらいまである雪壁があり超快適。あまりまたせるから、がんばって整備しといたよー、と先発隊のSa山さん。ははーっ、ありがたいと感謝したが後でよく聞くとどこかのかわいい女子大生集団がきっちりつくりこんでくれた場所が開いたので入ったらしい。
本日は、涸沢までで終了。二つの4~5テンに分かれて食事。体調がいまいちのほっしーは、女子テンで休憩、懇切丁寧な介護を受け復活。夜はかおりんのキムチ鍋、タップリの野菜と肉で大満足。育ちの良いI沢さんはキムチ苦手ということで危ぶまれたがお替りされていたそうなので安心であった。

<2013/5/4>
4:30起床。本日の朝食は春雨スープ。かおりんが一食ごとに具材をビニールにわけ、「○月○日朝食用」
ときっちりしてくれおり、コバさんの手際よい調理もあり、気持ちよい朝食。
6:30北穂高岳へ出発。東稜組はSa山さん、ぐっちーさん、さぶちゃんの3名、残りの11名が南稜組となる。この時点では東稜はハイレベル、南稜は冬山だから気をつけなければいけないけれど、そうは言っても夏道の一般ルートだから危険箇所は少ないだろう・・・、というのが未経験者の予想。しかし、昨日いたさんにルートの感想を何度か聞いたところ、「もちろん東稜のほうが難しいんだけど足跡はすごいあるから迷わないのよ。でも南稜はあまり人が行かないから、ルートがわかりにくいかもねぇ・・・。」との曖昧な言い方だったのが不安を感じる。そう言えば事前にインターネットで調べたときも残雪期の東稜は結構出てくるのであるが南稜は少なかった。
まずは北穂沢を登る。既に東稜や北穂高小屋行きの多数のパーティが先行しており、数珠繋ぎになっている。ゆっくりペースであるが、体が順応していないため段々と息がきつくなってくる。潅木がでてきたところで集団とわかれ、南稜ルートへ。東稜組と北穂高小屋行きのI沢さんともここで分かれる。

いざ、北穂南稜へ!
いざ、北穂南稜へ!

南稜は本日全く他のパーティーが入っていない模様。
ここでパートナーをかと・ぶちょう・アトム組、ささだ・こば組、いた・かおりん・けんた組、ほっしー・たかひで組と分かれる。私もベテランと組まないのは始めてであるが、3人でのヒマコン・ビレイがかなり難しいのは経験していたため、二人の動きやすさのほうが良い結果を生みそうだと思い、腹をくくる。ほっしーも不安であったろうが、確かな技量で進んでくれた。
7:30頃、潅木地点からスタカットで交互に進む。最初は調子が良かったが、だんだんと傾斜がきつくなり、キックステップの連続でアキレス腱がつりそうである。また、上部でビレイをする際も、さっさと足場をつくらないと滑りそうになり危険。疲れてくると前爪でキックした後に踵が下がり、バランスを崩す。後ろにさえぎるものは無く、足を滑らせればスキーの直滑降みたいになる。
やばいぜ・・・・、と思っていると「おーい、俺降りるわ」とののんびりした声が。先ほど別ルートに行ったI沢さんがいつの間にかスタスタと寄ってきて声を掛けてきた。足の調子が悪くなりそうなので降りることにしたら、南稜組が壁にひっついてぜんぜん進んでいないので、一応声掛けに来たと。
こっちの必死さとI沢さんののどかさが対照的でやっぱり大先輩はすごいわ・・・、と一同感心。
「いや、上り下りは膝に来るけど、こんだけアイゼン効けばトラバースは楽だよね」とのこと。
確かに雪の状態がとても良く、硬くも無く崩れてもいない状態で、アイゼンが非常によく刺さり、効くのはありがたい。後にささださん、I沢さんに聞いたところによればヨーロッパアルプス並みの素晴らしさだったとのこと。
8:30頃、きついながらも気持ちよく登っていくと、潅木が多くなりルートが左にトラバースしていく地点が見えてきた。ここでパーティを少し組み替え、いたさん・かおりん組、ささだ・けんた・こば組となった。トラバースは、先行するカトさん組がフィックスロープを貼るとのことで工作にやや時間がかかる。私はフィックスロープにカラビナ通しで進むがトラバースは本当に怖い。慎重に進む。
この地点は狭いため、ビレイする場所、休む場所が混雑した。ちょっと人の位置が入れ替わっただけでロープが絡む結果になることもあり、意思疎通と配置戦略が大事と感じる。

かなりの傾斜、厳しい。
かなりの傾斜

9:30 フィックスロープを全員が渡り、ほっしー・たかひで組は最終パーティとして登る。ここは落ちても後ろに林があると思うと少し安心。まもなく稜線に出る。
稜線に出てからが厳しかった。ヒマコンで進むこととなったが基本的にナイフリッジになっており、ところどころにハイマツが露出しており足場が悪い。確実にスタカットで・・・、と思ってもビレイヤーが安心できる足場を作れる感じの場所が少ない。時折パートナーのホッシーと意見交換しつつもヒマコンで進んでいった。ずんずんアトムさんがラッセルして道をつくってくれるのは有難かった。本来なら若手の仕事かとは思ったが、余裕をかまして後でバテタのでは元も子もない。心の中でわびつつも後ろから始めの順番どおりついていった。
ここまでビレイの時を除けばまとまった休みを取っていない。緊張のせいか空腹感はないが、なんらか食ったほうが良いと感じる。しかし結局、松濤岩まで小アンパンをひとつ食べただけとなった。
ここで東稜組より無線が入る。既に北穂高小屋に到着しているようだ。アトムさんが南稜組は後1時間はかかる旨回答。
12:30 途中、大きい岩が露出し、やや平坦となっている部分でカトさん組がまっておりここでセルフビレイして小休止。ここで「パートナーをビレイしてあげて」とのカトさんの声、これはホッシーのセルフビレイを取る手伝いをしてあげろという意味だったのだが、(意味は判然としないが)肩がらみでビレイしろとの意味と勘違いし自分の肩ロープを下ろしたところ、ロープがキンク。ほぐすのに時間がかかった。
いたさん組、ささださん組もほど無くして到着、ビレイし小休止。ここまで途中、途中でカトさんからお助けロープが適宜で出ており確保はしっかりされ、すべる人は特に無し。

14:00慎重に登っていくと稜線にでた。稜線は北と西にそれぞれしっかりした道があり、どちらの方向に行くかやや迷う。ささださんの意見を確認し、北へ前進。

稜線に出ました
稜線に出ました
稜線に出てからも厳しい
稜線に出てからも厳しい

やはり稜線は高度感がやや減り、ガスが出てきたこともあり、恐怖感は随分無くなった。しかし、右をみればきりたった崖であり慎重に進む。地図を出すタイミングがなく、距離以上に時間がかかる難所もあるためこの時点では、あとどれくらいで到着するかがわからない。しかし、ここで思わぬ「ケッチボーッ」の声がした。さぶちゃんか?やや気力・体力が衰えてきたところだったが、「仲間がもう近くにいる」、そう思うと活力がぐっと入った。
すこし進むと最後の難所が出てきた。たかが5mほどを下るだけなのだが、ほぼ垂直でとっかかりが少なく足元が見えないため心情的にはきわめて怖い。ここを過ぎれば東稜組が待っており、声が聞こえる。懸垂でおりるかほっしーから提案があったが、ここぞという時は慣れた動作のほうが安心と思いここは私の判断で肩がらみのビレイで確保し降りてもらった。結果、私は下からの確保で降りてくることになり怖い目を見たが、さぶちゃんがランニングビレイをとってくれたこともあり滑ることもなく降りてきた。後続はカトさんがロープをフィックスし、懸垂もしくはカラビナで確保して降りてきた。
15:00ここが松濤岩であり、久方ぶりの平らな場所だ。アンパンを食う、水を飲む、緊張の連続であったがやっとほっとする・・・。皆もそれぞれに休憩しているようだ。

南稜隊・東稜隊、ケッチボー!!
南稜隊・東稜隊、ケッチボー!!

休息後、北穂沢を下る。下り始めはかなりの急傾斜であり注意を要する。松濤岩で緊張が切れたこともありいまひとつ集中力がでないためすべらぬよう慎重に降りていく。Sa山、かおりん、さぶちゃんが先頭になり進む。途中たかひでが遅れ気味になってきたため、ささださんが心配してコンテを組むこととなりたかひではゆっくり行った。それ以外のメンバーは順調に進んで行き、途中でシリセードなどを試してみたりして余裕であった。時々、シリセードに失敗?して歓声・悲鳴が上がっていた。
17:00頃(記録不明確) 涸沢キャンプ場到着。着くといたさんが雪をつかった?抹茶カキ氷を用意して待っていてくれた。アタマがキーンとするが抹茶カキ氷は予想以上にうまく、なんというか身にしみる。本日の夕食はポトフ、二つのテントに別れ、美味しく食する。
リーダーぐっちーさんの提案により明日の予定をどうするか幹部で検討することとなった。結果、本日かなり充実した山行ができたこと、5/6は渋滞につかまらぬよう早めに帰ることなどを考慮し、明日は奥穂の予定はやめ雪上訓練を涸沢で行い、上高地まで降りることとなった。

<2013/5/5>
4:30 本日は余裕のある予定となったので各自起床。早めに起きてモルゲンロートを待ったり、食事前までゆっくり待つ人などそれぞれ。青空となり、非常によい天気。前穂にかかる三日月が美しい。
5:30頃、長野県警のヘリが飛んできて、北穂高小屋のあたりをホバリングしている。どうも逆側にある滝谷で遭難が出て捜索している模様。昨日、捜索が時間切れになったので日の出とともに再捜索しているのであろう。どのような手はずか涸沢キャンプ場に一旦戻っては滝谷で捜索を繰り返していた。
7:00 朝食はテントの外にでて裏手で雪上ブレックファースト。野菜ソーメンがうまい。藍澤さんのコーヒーは更にうまい。開放感のある朝食はとても気持ちよく堪能した。
8:30 雪上訓練開始。テント場から前穂方面に行った斜面であるが傾斜は結構ある。笹田さんを講師に自己確保、ビレイを中心に実施。特にアックスをつかって短時間で支点をつくるやり方が印象的であった。どのような確保の仕方が正解かは雪の質、ルート行程によって変わり完璧はないとのこと。本日の雪質ではアックスでの確保が非常によく効く。私は指本日もほっしーとパートナーを組んで、指示通り4ピッチくらいかかる潅木までスタカットですすんだ。最初は皆、我々と同じコースを取るという話だったが、なぜかついてこず??。他の方たちは基本的にあまり当初地点から動かず、技術的なことを反復練習していた。滑落訓練は、古武道をやっていたほっしーが相変わらず、受身のような動きでシャープな滑落防止を行っていた。私の防止は体重のせいか?「迫力がある」とのこと。昨日、厳しいルートを経験しただけにいつにも増して真剣さがある充実した訓練となった。本日は快晴、特に力のある人は奥穂アタックもしたかったと思うが、訓練に同行していただき感謝。
11:30 訓練を終え、テントを撤収、下山開始する。晴天に美しくのびやかな穂高が広がっており皆なんども名残惜しげに振り返っていた。
13:00 本谷橋に到着、小休止。周りを見ると行きの時とやや様子が違う。真っ白だった雪面がやや汚れ、埋もれていたはずの川が水面を見せていたり、急速に雪が溶けたようだ。横尾にて小休止。
15:40 徳沢園に到着。キャンプ場の奥のほうにテントを張る。徳沢ロッジで16:30から日帰り風呂が使えるので数名で赴く。風呂は洗い場・風呂を併せて8名ほどでいっぱいになる程度の規模だがさっぱりして快適。明日は帰るだけであり心配することはなにもない。徳沢園で大量にビールを仕込み、宴会開始。全ての酒・つまみを皆差し出し、盛り上がる。ほっしーのビーフシチューも素晴らしく美味しく、お替りの声がでる。かおりんは、Sa山さんの直火あぶりキットに夢中で、よらば焼くぞとの勢いでエイヒレ、フランスパン、イカなどなどを手当たり次第にあぶっていた。われわれの会は大丈夫であったが、滑落・事故を見る機会も多かったため、熱く安全対策を語り合ったり、印象的なルート・素晴らしい景色を振り返ったりと話は尽きない。
一人づつ感想を話していったが、手ごたえのあるルートだっただけにパートナーとの信頼感が強くなったことが特に皆の中心的な感想だったようだ。たかひでとほっしーのペアは、とにかくにも2人でやりとげたということで敢闘賞?を頂いた。いたさん・かおりんのペアは谷川でも力量がわかっていたとのことだが、今回で更に信頼があつくなったようだ。また、南稜ルートでは笹田さん、カトさんをはじめとしてベテランが見守り、安全策を考えながら導いてくれたことに感謝。この日、遅くまで笑いが絶えぬ宴会が続いていった。

<2013/5/6>
6:00 起床。本日は、上高地まで帰るだけとなる。カトさんより、明神池によっていく案がでる。上高地にはなんども来ているが、有料(300円だが)の明神池行ったことがなかった。タクシーを頼んでおり予定の時間まで十分あるので、まぁそれほど期待はしないが話の種だ・・・・、と思っていたのだが、鏡面のような泉は思いのほか美しく景色を堪能。思い思いに皆写真を撮っていた。ゆったりとバスターミナルに向かう。もう一本道だと思っていたらSa山さんがやぶの中に入っていったり河原を歩いていったりする。気づけば人が通った跡がある道なものの、一種の抜け道みたいなもので傾斜が少ないルートを通っているのである。さすがは研究熱心なベテランと感じ入る。
9:30 上高地バスターミナルに到着。ちょうど良い時間でタクシーが待っており急ぎ乗車。ミニバスとタクシーで松本まで到着。タクシーの運転手さんに良いそば屋がないか聞くと、松本駅の駅前のそば屋が馬鹿にできないおいしさとのこと。素直に助言に従い駅の「榑木野」にて昼食。ここはそばも美味しかったが各地の地酒が50種類くらい小瓶で出てくるところも素晴らしい。いやも応も無く日本酒を頼む。Sa山さんは5種類も頼み、またおつまみをたくさん追加して皆に分けてくれた。本当は意気軒昂な某女子への献上品?の一部のおすそわけかもしれないが有難く頂く。
それにしてもそばも盛りが威勢良く、普通でも食べきれないくらいである。けんちゃんは最後に皆からたんまり頂いていた。やせの大食いというがペロリと食べる姿が頼もしい。
満腹し、ほろ酔いとなり、素晴らしい山行もここで〆。山行の成果に満足し列車にて帰宅した。
他の山行もそうだが、今回も先輩に助けられ、それぞれに力を出し合い成功した山行であった。リーダー、サブリーダー、幹事の皆様と先輩方に感謝。

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参加者感想

<ぐっちーさん>
春合宿参加の皆様へ
先発隊各位の支援を得、天気にも恵まれさぶSLと共に無事終えることができ、改めて皆様のご協力にお礼申し上げます。当初の計画とは大分変更しましたが、内容は頗る豊富なものではなかったでしょうか?改めて、皆様と振り返りの機会をもてればと思います。
I澤さん、北穂からテン場に到着した時に迎えて頂いた温かなココアにとても癒されました。3泊のテント泊では、酔っ払いのいびきで安眠を妨げ申し訳ありませんでした。
今日出社し、日焼けのひどさをどう弁解したものか思案しているところです。取り急ぎ御礼まで。

<さぶさん>
皆様
すばらしいお天気に恵まれみなさんと雪の涸沢をご一緒できたこと本当に幸せに思います。
いいところですねぇ。
また、事故が多発したGWにおいて誰一人けがもせずに、無事下山できたことをグッチーリーダー、諸先輩方、また、参加メンバーに感謝いたします。
今後の糧にしたいと思いますのでSLとしての行動にアドバイス等ありましたら個人的にでもご連絡いただけると幸いです。
あの雪景色が目について、仕事中にぼんやりしちゃうさぶでした。
また、行きたいですね!!
皆様、ありがとうございました。

<かとさん>
岩登り(7名)、雪山(14名)、沢登り(3名)、合計24名の参加者を得た春合宿は滞りなく終わることが
できました。参加者の皆さまにはそれぞれ充実した合宿になったことと思います。
事故もなく充実した山行になったことはリーダーの皆さまのお陰であり感謝いたします。
また、高度な技量を駆使して後輩を導いていただいた先輩の皆さまにも感謝いたします。
事故なく終わりましたことは、参加した皆さまのこれまでの精進の賜です。
私自身は多くの課題を抱えた合宿でした。参加者の皆さまもそれぞれ少なからず課題をお持ちのことと思います。
課題を克服し安全山行を続けるためにも月例山行に積極的に参加するなど更なる精進を重ねていただきたいと思います。

<S田さん>
今年の穂高の雪面は冷え込みによる稀にみる好条件で、そんな中合宿できた事は幸せでした。
短期間でしたが一段と逞しく成長した姿を頼もしく感じました。
色々ドラマも生まれました。
雪の穂高はやっぱり素晴らしい。

<I澤さん>
思いかけず、約47年ぶりに春の涸沢に入れました。皆様有り難うございました。
自分なりに鍛えて入山したつもりですが、やはり力不足(年齢とは言えない)でした。
反省していますが、これ以上は鍛えようがなく、涸沢もこれが最後の見納めかと、テントキーパーのような形になったのが、逆によかったと思っています。
痛めた左膝の大事をとって、東稜はリタイヤさせて頂きましたが、十分満足できた合宿でしたし、またいろいろ?勉強させてもらいました。カトさん、S田さんに甘えて好き勝手に参加させて頂いています が、これからもどうぞお誘いくださいますよう(私の力量を考慮のうえで)お願い致します。

<Sa山さん>
朝、コーヒーの香りに励まされ、緊張と、雄大な山容に擁かれた楽しい合宿でした。昨日は泊り勤務で、今日荷物の乾燥と整理をしています。
皆様、素晴しい涸沢堪能できました、何度行っても、どの季節行っても良いところですね。ところで、蕎麦屋で最後に会計された方どなたでしょうか、お酒代を払わないで出たのは私です、次回集会で清算いたします。

<いたさん>
合宿お疲れ様でした。
お世話になりました。
真っ青な空に聳える 穂高の白い峰・峰・・・よかったですね~。
涸沢は想い出がいっぱい詰まった、私の一番好きな所です。
雪の北穂南稜に登りたい。
いつか徳沢でテントを張って泊まってみたい。
はからずも願いがかなって、とてもとても嬉しいです。
ありがとうございました・・・。

<かおりさん>
皆様へ
グッチーリーダー・さぶサブリーダーをはじめ、皆様本当にありがとうございました。
特に、両リーダーには、山行計画・往復の手配・会計等、大変お世話になりました。
忙しい中、取りまとめていただいた事に感謝しております。
また、先輩方には厳しい実践の中で助けていただき、無事に下山できた事に、書き表せないくらい感謝しております。
南稜の尾根にまたがり、前穂を正面に見ながらザイルを引く経験が出来たのも組んでいただいたイタさんの「大丈夫よ~行けるわよぅ~」と言う優しい声と励まし・的確なアドバイスがあっての事と深く感謝しております。
またS田さんパーティが後ろに居ると思うだけで、かなりの安心感があったこと、
カトさんパーティが先頭を切り開いてくれたこと、
東稜隊の「ケッチボ~」が感動したこと、下山時のI沢さんのココア!何に感動し、感謝し、感激しているのか・・?!全部です!
涸沢での雄大な眺めの中での朝食・雪訓・抹茶味のかき氷
徳沢での楽しい夜・さわやかな朝初めての明神池私が俳人なら一句どころか『奥の山道』を詠いあげていたことでしょう。
最後に、自分の力量不足を感じ、反省しながらも、あまりに楽しい山行だったので是非また同じメンバー+で涸沢ベースの合宿をしたいです。

<ほっしーさん>
上高地着早々高度障害に陥っていたほっしーです。
その節は本当にご心配をおかけしました。こと女子寮での上げ膳据え膳の介抱、痛み入りました。翌日の活力を取り戻すことができました。
初めての雪の穂高。南陵アタックに際し、出だしから目撃した滑落の現場に心挫かれ、さらにツーマンセルでの登攀とあり、ベテランの方に頼れない中で自身とパートナーの安全の為に必死で頭を働かせていました。これまでどれだけ先輩方に頼っていたか、また、知らずしらず必要な技術をしっかり伝えられていた事を自覚する良い機会を与えて頂けたと思っています。(それでも技術面はまだまだ初歩ですので今後も学んでいかねばと気持ちを改めています。)
ひで様。こちらこそ拙いパートナーで苦慮されたことと思います。何度か奥様の顔が浮かぶ場面もあったのではないでしょうか。共にケガもなく降りてこられたこと、本当に感謝しています。ありがとうございました。言えるほど大したものでもないですが、いずれ一緒に東稜をめざしましょう!
そして皆様、特にぐっちーCL,さぶSL,準備段階の各手配から、このような素晴らしい機会を与えて下さりありがとうございます。怖さも知り、ますます山が好きになりました。遅ればせながら、感想に代えさせて頂きます。

<コバさん>
皆様本当にありがとうございました!
こんな素晴らしい山行は僕にとって人生で初めての経験です。
南陵はS田さんに引っ張り上げてもらったようなものですが、自分たちのパーティーだけで一つのルートを独占しているんだという充実感を持つことができました。
そして何よりも次につながる多くの技術や心構えを学べたと実感しています。
これからも精進して鍛えねば!
そう、I澤さんのココアは一生忘れられません。
それにしても涸沢っていい場所ですね!

<けんたさん>
皆々様
この度の合宿では、大変お世話になりました。
私もコバさんと一緒で、上にあげていただいたというのが正直なところです。
また、自分の力不足を強く認識した次第です。
自分の能力不足や仕事などで、遅々として
進まないかもしれませんが少しずつでも前進していきたいと思いますので、今後ともご指導をどうぞよろしくお願いします。

穂高合宿(先発隊)

穂高合宿(先発隊4/29-5/3までの記録)

・時期、参加者:2013.4.30(火)~5.6(月祝):sa山(L)、笹田、カト(記)
・行程:
1日目(4/30~5/1、晴)涸沢
 新宿22:30(夜行バス)5:30/6:00…6:50明神…7:50徳沢…9:00横尾…10:50本谷橋付近…13:30涸沢(幕営)
2日目(5/2、晴(高所一時雪))北穂東稜
起床4:00…涸沢BC9:00…10:20東稜…14:00北穂高小屋…16:00涸沢BC
3日目(5/3、晴)涸沢槍-涸沢岳(sa山、笹田)
起床4:00…涸沢BC7:10…10:00涸沢槍右コル…12:30涸沢BC

・記録の前に:
5月2日、とんでもないものを見てしまった。
この日は、翌日の滝谷4尾根(1日夜メンバーで相談し第3尾根に変更)のために昨日涸沢まで担ぎあげた荷を再び担いで北穂沢を登り北穂テン場まで行く予定であった。今日は一日かけて北穂テン場まで行けばよいのでゆっくりしていた。気温は低く空気は冷たい。雪は締まっている。素晴らしい天気、コンディションで朝早くから北穂岳に向かっている人を眺めていた。
出発前の朝7:20頃北穂沢の上部を北穂岳方向にほぼ直線的に登っていた人が変な動きをした。その瞬間滑り出した。あっ滑落だ、と叫んだ。「止まれ、止まれ」と声を出していた。北穂沢のインゼル大岩右の小さなデブリで一端止まったかのように見えた。しかし止まらずにまた滑りだした。涸沢小屋とほぼ同じ高さの沢の中央で止まる。標高差800m、落下距離2,000mくらいか。

滑落
滑落

sa山さんが小屋に連絡と言い残して走って事故者に向かう。私は小屋に連絡してくれと後ろに叫ぶ。口だけが達者で身体が動かない。全身が固まってカメラを構えたが手が震えている。笹田さんが事故者に向かう。涸沢ヒュッテに常駐している長野県警の二人が事故者に向かう。
事故者の命は無事だった。8:30頃ヘリで搬送される。後で聞いたところでは、上部ルートを間違えていたとのこと。
笹田さんから滝谷は中止して後発隊の下見を兼ねて北穂東稜に変更したい、また、後発隊との合流は涸沢にしようとの提案(※)があり当然同意。重い荷を担いでの北穂沢は危険、また、滑落を見て身体が動かないので更に危険との、判断。ドキドキひやひやで東稜を目指す。
※当初計画は5/2北穂テン場、5/3滝谷第4尾根(北穂テン場幕営)、5/3北穂沢途中で後発隊の南稜班、東稜班と合流。

・記録:
1日目(4/30~5/1、晴)涸沢
新宿発の夜行バスは縦3列のグリーンカー。飛行機のビジネスクラス程度に椅子が倒れるので良く寝たと思う。上高地でsa山さんから食材を預かる。キャベツ半玉、白菜1/4玉、茄子2個、他にもあったが忘れた。sa山さんの生野菜は鬼門だが、今回は定着なので植える(捨てる)ことはないと思う。昨年の北鎌尾根では2日目の朝、あまりの多くの野菜があったので白菜遺棄命令が下り林の中に植えた実績を持っている。
今回のザック重量は皆さん26Kgから28Kg程度か。私は家の秤では27Kgだったのでいつもながらハーネス、ガチャ類を身につける。預かった食材を入れてザック重量25Kg程度か。それにしても重い。ボッカ訓練では23Kgに止めているので果たして担ぎ上げられるか心配であった。しかし火事場の馬鹿力とはよく言ったもので何とか涸沢を詰めるところまで行く。涸沢ヒュッテの鯉のぼりが見えた最後の登りで堪らず休憩要求。笹田さんとsa山さんに先に行ってもらう。涸沢BCに笹田さんから遅れること10分、13:40に着く。テン場は連休前半で空いている。ヤドカリではないが整地してある場所が空いていたのでお借りする。早速生ビールとおでんのセット(1400円)をいただく。16:00頃急に冷えてきたのでテントに戻りsa山シェフの料理、トン汁をいただく。入山日の晩飯は各自だったが翌日を各自に変更。明日は北穂テン場に1日かけて行くだけなので酒量が多くなった。20:00頃就寝か。

2日目(5/2、晴(高所一時雪))北穂東稜
4:00起床。暗いうちからヘッデンをつけて北穂沢を登っている。sa山さんのスープ(玉ねぎか?)が上手い。朝飯をゆっくりとり準備のために外に出て北穂への登山者を眺めていると冒頭の事故を目撃する。
東稜までの急斜面は滑落のことで頭が一杯。sa山さん先頭でルートを見極めてくれる。本日東稜登攀者は我々パーティーだけ。雪は締まってダブルアックスが良く利く。

北穂東稜コル直下
北穂東稜コル直下

身体が温かくなり雪に慣れてきて恐怖が徐々に薄れていく。1時間強で稜に上がる。ここでコンテを組む。4年前の同時期に来た時より雪が多い。ゴジラの背は1か所を除いてほとんどは雪稜になっている。2Pをスタカットで行く。前穂、奥穂は雲がなく素晴らしい稜線となっている。槍は残念ながら雲がかかっていてその姿を隠している。パラパラと霰のような硬い雪が降ってくる。カメラを出すためにオーバー手袋を脱いだら左手を東斜面側に飛ばしてしまう。5~6m下にあるのが見えるが危険なので諦める。薄手のお気に入りのオーバー手袋だが仕方がない。替えの厚手ウール手袋を薄手ウール手袋の上につける。ウール手袋2枚をつけても左手が冷える。オーバー手袋の威力を知る。
北穂小屋に14:00に着く。スタートが遅かったので誰もいない。あまり食べていないのでレーションをほうばり下山開始。松濤岩からC沢を覗く。急斜面でここは下れないと思った。北穂沢の下りでまた滑落を思い出してスムーズに足が出ない。後ろから

ゴジラの背を行く
ゴジラの背を行く

笹田さんからのアドバイス。奥歯を噛締めずに口をあけるくらいにリラックスするようにと。
16:00テン場に着く。7時間の行動。4年前は待ち時間が多く12時間かかった。寒くても小屋に生ビールを飲みに行く。
晩飯は各自の予定だったが、sa山さんが自前の食材でポトフを作ってくれる。まるで料理人さながらの上手さだ。
3日目(5/3、晴)涸沢槍-涸沢岳(sa山、笹田)、後発隊と合流
私は休養をとらせてもらう。笹田さん、sa山さんは涸沢槍-涸沢岳-奥穂山荘-BCのルートを行く。7:00過ぎに出発し涸沢槍の右コルに消える10:00頃まで見させてもらう。ほとんど人がいない真っ白な雪面を点となった二人が少しずつ紺碧の空に向かって歩を進める。
テントキーパーは初めての経験。シュラフとシュラフカバー干し、後発隊のテン場の整地、トイレ作りなどなど結構忙しい。昼飯は小屋のラーメンを食す。あまり美味くない。高所で美味いものを求めるのが無理だ。笹田さんが出発時に帰還は13:00頃と言っていたのでのんびりしていたら12:20に帰ってきた。慌ててお湯を沸かしてインスタントカフェオレを飲んでもらう。sa山さんは20分遅れで帰還。
後発隊は14:00過ぎに到着。涸沢を行列をなして上がってきた。テント設営、荷物整理して全員で小屋のお座敷コーナーで生ビールとおでんで乾杯。14名の大部隊で壮観だ。この日も気温が低く寒いので早々にしてテントに帰る。食事は先発隊は別になっている予定だが嬉しい誤算で後発隊が面倒を見てくれると言う。キムチ鍋を美味しくいただく。
グッチーCL、さぶLが笹田さんに明日の山行の相談に来る。私は東稜組に入っていたが、前から南稜組に入ると言っていたので再度お願いする。3人Pより2人Pが良いと言うことで藍澤さんが東稜組に入ってsa山さん、グッチー、さぶさんの4人が決まる。
いよいよ明日が本番なので早く寝る。
(先発隊記録完)

先発春合宿、sa山
何年ぶりの涸沢だろうか、北陵山岳会に再入会する前は、毎年連休前に入り、連休初日に降りていた。水とトイレがあり便利ではあるが、混雑は苦手だ。

5/1日
今回は笹田様、カト様と3人で夜行バス、それも贅沢をして3列シート、若干高めの設定だが、ビール2本分と考えれば、楽チンが良い。合宿の前か後に、好きなルートを、との笹田様のお誘いに乗っかり、参加させていただきました、滝谷、もう行く機会は無いと諦めておりました。
新宿22時30分、相変わらず、見送りも、差し入れも無くバスは出発した。上高地には5時半ごろ着、腹ごしらえと、食料荷物分担を行い、また嫌われながらの出発となった。30kg近い荷物は久々だったので、たぶん横尾でダウンかなと予測しておりましたが皆様ありがとうございます、助かりました。
上高地~横尾まではそんなに感じなかったのですが、本谷に差し掛かるころは谷は雪で埋まり、例年より多いようだ。夏道を行かず、沢沿いに行けるのがうれしい、夏道通しはきついものがある、沢通しで行けるのは、6,7年ぶりではなかろうか。広い雪渓の沢沿いを、ゆっくり進む、右カーブに差し掛かるころ、上部に前穂が見えてくる、そこから一段越えると小屋の鯉のぼりが見えてくる、がそこからが涸沢までの楽しみの時間だ、近くに思えるが、そこからまだまだ1時間は掛かる。到着後早々テントを張り、おでんで乾杯。この絶景をバックに、酔いも進む、時間も進む、この時間が無性にいい。

5/2日
 今日は北穂、松濤岩基部まで、テントを背負っての移動、各自20kgを超える荷だ、これで、あの急登を行けるかなと、若干の不安があった、私はまだ若いとして良いのだが、皆さん時間をかけ行きましょう、と景色を堪能しながら考えていると、カト様が、あ、

滑落経路図
滑落経路図

滑落、との声、すぐ私の目にも飛び込んできました、最初鳥が飛んでいると見えましたが、それと同じような動きで、雪渓の上を落ちてきました、途中緩傾斜の場所で、止まると予測していましたが、そのまま通り越して、落ちてきます、涸沢ヒュッテ脇まで来て停止しました、北穂高岳の8割ほど登った処からの滑落です、とっさにこれはいかんと思い、ピッケル片手ですっ飛んでゆきました、あれだけの滑落ですから、衝撃で心肺停止、心室細動に陥っているかも知れない、早期除細動5分以内50パーセントの可能性です、1分で10パーセントの低下です(5年ほど前8月下旬白馬雪渓を下降中、大きな岩が右上方の沢(雪渓の沢を主とすると、2番目の沢から)辺りから、2個落ちてきました、最初はガラガラと大きな音を立てていましたが、雪渓上に達すると、無音で岩が落ちてゆきます、上から「ラーク」と叫ぶ、気づいた人は避け、2個目も避けたが、1個だけと思っていたのか、その人は下を向いていて2個目に気づかず、飛ばされた、急いで駆けつけたが、心肺停止状態です、ちょうど県警パトロールの2名が登って来ていて、また私の後ろを下山していた人が医師でしたので、心肺蘇生(心臓マッサージ、人工呼吸)を施し、ヘリで搬送されましたが、助かりませんでした)

 到着後、本人意識あり、状態確認、外傷は頭部の裂傷、あとは、腰が痛い、胸が痛いとの事、ザックをはずし、ピッケルをはずし、滑落で下がったズボンを上げ、これ以上落ちないよう、固定し気を配るが本人は、寒さのためか、痛みを和らげるためか寝返りを打つ。最初一緒にやってくれていた人はいつの間にかいなくなっていた。ヒュッテから救助応援に2名到着、笹田様も救助応援に駆けつける、県警が到着、毛布を頼む、救命ボートが到着、それに乗っけて、ヘリポートまで下ろす、ヘリに乗っけるまで約1時間。
 テントに戻り、笹田様は今後の計画を変更し、ベースキャンプはここ涸沢にして今日は北穂東陵とした。時間をつぶしてしまったが、9時半頃出発する。
 

東稜1
東稜1

1時間ほど登り緩斜面で1本休憩を取る、そこからsa山、笹田様、カト様コンテで北鎌沢を北尾根最低コルめざしゆっくり登る、雪は締まっていて、アイゼンが効く、上部は傾斜も増しピッケル、バイルを効かせ尾根に出る。先行パーティーも後続も無く、あせらずゆっくり登れる。生憎雲が邪魔をして槍ヶ岳は見えない。右下に北穂池まで左下北穂沢まで切れている。途中スタッカトでゴジラの背に到着、右にトラバース気味に回りこみ先の岩に始点を取る、ザイルが25mなので、後続がいたら文句が出そう。そこから雪陵40mほど進み、最後のコルに降りる。ここまでは両サイドすっぱりと切れ落ち高度感充分で、ビレーも雪で行っているので、いざと言う時は、反対側に飛び込むのが一番のようだ。ここからは尾根沿いに北穂小屋めざし登る、最後急登を20m程登りきると、小屋が用意したベンチの手前にひょっこりと出る、北穂頂上14時半、松波岩、C沢を覗いたりし北穂沢を、ゆっくり下る、涸沢キャンプ場、16時半着。生ビールは4時半までという事で、諦めきれず売店を覗くと、4時50分という事で、今日もおでんで乾杯です。夜は、トン汁に、冷凍うどんで締め。

東稜2
東稜2

 

5/3日
カト様休息日、7時、笹田様とsa山は涸沢槍右肩最低コルの左側のコルに向かう、前方にスキーを担いだ人が、最低コルに向かっている、獅子岩に向かい、その後ろの雪陵を登る、取り付くと意外と傾斜がある。コルに到着し、涸沢槍の後ろを回る、夏は鎖場になっているが、雪で埋まっている、ピッケル、アイゼンを効かせ、雪と岩のミックスを慎重に行く、涸沢槍と涸沢岳のコルに出る、広い雪原でゆっくり出来る、ここから涸沢岳最後の登りに向かう、鎖場を4,5箇所、最後の登りは、鎖の一番上に立ち、その上に雪壁が70cmほど立っている、ピッケルを打ち込み乗越す、と尾根に出る。そこからはだらだら下り10分ほどで肩の小屋に着く。
 小休止しザイデングラードを下る、各自思い思いに降りてゆく、テント場1時ころ到着。カト様、後発隊のため、テント場整地、キープ、これだけそろって、テントが張れるとはありがたい。
 2時そろそろ到着時間だ、トランシーバーで呼びかけてみる、最後の乗っこしにかかり、鯉のぼりが見えるとの返事、ここからが、涸沢の、最後の楽しみだ。
 今回、初涸沢の人が何人か居ますが、お気に入りの場所になるでしょう。私は何回来ても、いまだに飽きが来ません、早朝のモルゲンロートを、ぜひ見てもらいたい。

燧ヶ岳(山スキー)

〈期日〉2013年5月12日
〈参加者〉いた、部長、sa山、ハギ(記)、N夫妻(OB)
〈行程〉御池登山口(6:45)−広沢田代(08:05)−熊沢田代(09:15)−燧ヶ岳(10:45)−御池登山口(12:45)

金曜まで8割方中止だと思って何も準備しないでいたら、移動日の土曜は雨だが日曜は一転回復の予報になり、行けることになった。
土曜14時雨の中赤羽を出発、一路檜枝岐へ。檜枝岐は初めてだ。いたさんが涸沢と同じくらい大好きな場所だという。

予報通り雨が降っていたが、「アルザ尾瀬の郷」の軒下を借りてテントを張る。着いたのが19時、閉館時間ぴったりでタイミングがいい。道を挟んだトイレも綺麗で便器はホカホカ、電気は自動で点くし水道も使える。観光地なので当然と言えば当然なのだが…、山をやってると幸せを感じるハードル低くなるよね~、お手軽ね私たち、といたさんと二人でご満悦。と、トイレから戻るとそれまでなかった車が少し離れた場所に止まっていて、いたさんがそちらに近寄り「Nさん??」と声をかける。結果違かったが、ん??「Nさん」??なんで??

実は蔵王在住の北稜OB・Nさんご夫妻にお声掛けしていたとのこと、「遠いし天気も直前まで微妙だったから、行くと返事は貰っていたけどどうなるか分からないから、皆には黙ってたのよ」と種明かし。
ソワソワ・ワクワクしながら待っていると、宴会始めて間もなくいたさんの携帯に連絡が入り、ご夫妻登場!数日遅れのご主人の誕生日ということで、いたさんが内緒で用意していたホールタルトでお祝い。部長のカルボナーラペンネをつまみ、Sa山さんから貰い酒をし、遅くまで盛り上がったのだった。

朝、起床時間より早くテントの外に出たら雨は止んでおり雲の隙間から青空、気分も高まる。登山口の御池に向かった。道すがら、ふきのとうが目につきまくる。「帰りは山菜採りだね!」と一同ニンマリ。

御池の駐車場は除雪が行き届いているのか雪が全くないのだが、登山口から雪がたっぷりあり、最初からシール登行となった。今年は雪が多いらしい。部長いわく、「前来た時は、下の方はドロドロの道をスキー担いで登った」とのこと。うーん、ツイてるなぁ。

が、ほどなくスキー担いでツボ足で登っている人もいるなかなかの急斜面になり、山スキー初級者の私にはなかなか厳しい。ゲレンデ仕込みの斜滑降キックターンをする私に、N先輩が登るときは…とターンのアドバイスをくださった。おぉ、楽だ。。かつ、ターン失敗して滑っていかないよう、先輩方が代わる代わる私の1.5M真下にポジショニングして、見守りの態勢。すみません。。

横滑りする度に大騒ぎしながら上がった小ピークをシールつけたままゆるゆる下る。熊沢田代を過ぎれば最後の登りだ。

01燧
後方は熊沢田代

いたさんから、雪原ど真ん中突っ切りより左右のハイマツ帯(?)を舐めながら斜登行して行こうとの指示、初級者には目標物が定まることもあり心理的に安心だ。トップの部長は事もなげに急角度の斜登行を敢行、二番手のSa山さんからは(この角度で)行けるか?のお気遣い。「無理です!」と断言すると、角度を落として先導していただいた。凍結している時は、上部はクトーが必要になるらしいが、今回は不要だった。(私はクトーを持っていないので、イザに備えツボ足になれるよう、事前にスキー靴に合わせたアイゼンを持っていった。)

02燧
山頂まで、最後の登り(N先輩提供)

ようやく燧山頂直下の平坦地に到着、スキーをデポしてツボ足一分で山頂に到着。スキーの人だけでなく、沢山の登山者がいた。私は、奥鬼怒の方の尾瀬のすみっこの沢で来たのと、記憶もあやふやな3歳の時に両親に連れられ小屋泊まりで木道を歩いた経験だけで、実質物心ついて初めての尾瀬の山の登頂だ。あれが尾瀬沼、あの真っすぐ一本の線は木道、その向こうにあるのは至仏だ…と先輩の解説を聞きながらじっくり堪能した。

03燧
燧ヶ岳山頂

山頂にいたのは20分ほどか。デポ地まで降りてしばらく休んだ後、メインイベントに移る。御池駐車場まで、来た道を滑る、4時間の登りのご褒美だ。

上部広い雪原はゲレンデ様、雪が重いので、2月に新潟OBのT先輩にガイドして頂いて行った神楽の、ターンの度に身体がフワンと浮き上がるパウダーのようにはいかず、おぉっ?!ともたつくが…楽しい!!空はどこまでも青く、日差しは痛く、雪とのコントラストは眩しく、舞台設定は最高だ。

上部バーンからは上から見て左に寄り気味に進路をとる。苦手なツリーランも、雪は重いが凍ったりはしていないので、スキーは回したい時に自由に回せ、山スキー初級者でもまずまず快適に滑ることができた。

04燧
メインイベント中その1
05燧
メインイベント中その2(N先輩提供)

名残を惜しみながらあっという間に…
着いてしまった登山口!1時間半で終わってしまった。。
皆、会心の笑顔で握手。

せっかくここまで来たから帰路大内宿を観光するというN先輩ご夫妻とお別れし、我々は山菜採りへ。各々レジ袋一杯にふきのとうを採る(帰宅後ふき味噌を作り、一週間楽しみました)。温泉に浸かり、まるやという店で檜枝岐名物「断ち蕎麦」に舌鼓。最後まで大満足な二日間だった。

******
皆さまには沢山お気遣いをいただき、ありがとうございました。懲りずにまた行きたいと思っているので、今後ともよろしくお願いいたします。

穂高合宿(後発隊:北穂東稜)

春合宿 後発隊 北穂東稜組記録

5/4 晴れのち雪
sa山、グッチー、さぶ(記録)

行動予定
5:30涸沢出発ー北穂沢との分岐ーゴジラの背ー11:30北穂山荘(待機)ー北穂岳山頂ー15:30松波岩後発隊合流ー17:30?涸沢

前日、滝谷へアタックに行っているはずの先発隊と
思わぬ第三者の事故により(ここは先発隊の記録を参照)
涸沢で合流した後発隊だったが、私はその滑落の様を聞き、正直ビビっていた。
雪が例年のGWとはうって変り、気温が低いことから相当しまっているとのこと。
笹田さんより
「さぶちゃん、バイル持ってきたかい?明日の東稜は持って行った方がいいよー」
とアドバイスをもらう。
正直、お守り代わりにもってきたバイルを使う事になるとは思ってなかった。

当日、
南稜組は笹田L、カトさん、イタさん、部長、カオリ、アトム、たかひで、ほっしー、ケン、コバ
東稜組は、sa山さん-アイザワさん、グッチーさん-さぶの4人
5:30頃テン場を出発。
南稜隊は私たちより、20分ほどまえに出発。
すでに、北穂沢は列になっている。
我々もその列に並びそろそろと歩いて行く。
天気はいったってよい。北穂沢まではバケツができていて歩きやすかった。
しばらく行ったところで、アイザワさんがひざの不調を訴える。
東稜は無理とのこと。
北穂沢を一人であがるか、このまま下山するという。
ちょうど、北穂沢から南稜への分岐で南稜隊がロープセットしていたので
南稜隊の笹田リーダーに事情を伝えに走り、不要になった、ロープを人数の多い南稜隊に1本託す。

東稜への取り付きへトラバースする手前の緩斜面にてヒマコンセットしsa山-グッチー-さぶの順につながる。
ここでアイザワさんとお別れ。
(結局アイザワさんはこの後、一人下山された。この後、ヘロヘロで帰ってきた私たちを、あたたかいココアを作ってわれわれをテンバで迎えてくれました。本当にありがたかったです。ありがとうございました)

ここからは先ほどのようなバケツはなく。うっすらとアイゼンの歯の穴が小さくあいているのみ。
このトラバースが個人的には一番緊張した。トラバースきらい。。。

その後は、東稜に上がる急斜面への上りとなる。
稜線には岩が少し出ており、その岩の左、右共にルートがとれるようだが、
右のが乗っこしが楽とのsa山さんの教えにより、右のルートをとる。

01東稜取り付き
東稜取り付き sa山さんリード

稜線に出る手前でsa山さんよりバイルを出せと指示がありはじめてのダブルアックス

02北穂東稜
さぶの後ろを北穂沢を行く人、さらに後ろを南稜隊が見えます

たしかにピッケル1本より、この状態だとずっと登りやすく、安心して登れる。

稜線に出て少し行くと平らかな場所があったのでここでしばし一休み。後ろから後続があがってきたので先に行ってもらう。

前方を見ると槍がちょこんと顔を出した。
槍を見れるなんてなんてラッキーだろう。

その後は、ナイフリッジをまたぐように行く。爽快だ。

03北穂東稜
ゴジラの背手前ナイフリッジ。後ろに前穂東稜

その手前。核心部のゴジラの背の前で渋滞が発生しているのが見てとれる。
そろそろと上がっていき、渋滞の列の後ろに並ぶ。ここで約1時間ほど待機。天気がよくてよかった。
南稜を見やると、南稜隊が斜面を懸命に上る様が見えた。思わずケッチボーとエールを送る。

そのさらに奥は前穂の北尾根がよくみえる。
5.6峰その先1峰までのラインを見る。
ここを行って、北穂を超え、吊尾根、奥穂か・・・
無雪期にいった時のことを思い出す。(あの時は、おなかが痛くって大変だった・・・)
今回はアイゼンをつけてのクライミング・・・
明日、あそこにいくのか・・・と武者震い。
(今回は、行けませんでしたが、いずれ、必ず!!)

さて、やっと我が隊の番になる。
最初の雪のトラバースはコンテで行く。
道がしっかりできているが、ここで落ちたら命がないばかりかほかの二人を巻き込む可能性が大きい。
この状態で誰かがおちたら、反対の谷に飛びめるだろうかとシュミレーションする。

そのあとの岩場からスタカットになる。
ここでグッチーさんのピッケルバンドとロープが絡まって少々のタイムロス。
後ろの隊から「なにやってんのー」とヤジが飛ぶ。

次の日のトレーニングでもやったが、基本的にピッケルバンドはザックの下につけるようにしないといけない。
(雪崩そうな時は逆に危ない時に手から離せるようにしておくことが必要な場合もあるらしいのでいちがいにはいえないらしいが)

sa山さんが先行し、グッチーさんビレイ。
グッチーさんをsa山さんがビレイし、最後にグッチーさんが私をビレイしてくるようなシステムだ。
グッチーさんが行き、その後、私をビレイしてくれるのをを待っていると。
後ろのガイドのチームが
「まだ??ロープ張っているじゃん。もう行っていいんじゃない?」
とせっつかれる。
グッチーさんに確認するが、まだビレイとれてないとのこと。
待っていて急ぎたい気持ちはわかるが他の隊のことに口を出して事故でもあったらどうするつもりなんだろう。
後ろぴったり登られると、修行の足りない、私も焦ってしまい、余計怖い。。。
このときに第三者の言動に惑わされない平常心が必要だと思った。

04東稜核心部全景
東稜核心部全景。大渋滞中。。

1P行ったところで、狭い岩場だが、後ろのガイドチームはコンテで行くというので、先に行ってもらう。
雪稜から最後のコルについたところから、またコンテに変えて、北穂山荘への最後の急斜面を登る。
北穂までの登りは楽しい雪壁登りだ。
アックスもアイゼンも利いて気分よく高度を上げる。

北穂山荘に出て、みんなで固く握手。
その後、休憩して、北穂頂上にて撮影。

05北穂頂上
北穂頂上!!やりました!!

雪の北穂に登れるとは!!!
本当に、sa山さん、グッチーさんありがとうございました!

しばし、山荘前で歓談し、12時すぎ、南稜チームへ無線機で交信を試みるが
南稜隊アトムさん、それどころじゃない模様が聞いてとれる。
1時間で70メートルも動いていないとのこと。
相当、厳しそうだ。
時間がかかりそうだが、予定どおり松波岩で落ち合う事をトランシーバーで確認する。

そうこうしている内に雪がちらついてきたので、北穂山荘に入ってコーヒーを飲む。
14時過ぎトランシーバーでの交信をすると、そろそろ松波岩につきそうとの事。
北穂山頂を経て、合流地点の松波岩までおりる。
ケッチボーを叫ぶと、あちらからケッチボーの声が聞こえる。
sa山さんが急斜面を迎えに行くので、後ろをついて行くが、
登ったら、私の技量だとロープを出さないとおりてこれそうにない・・・。
足手まといになると判断し、あきらめて、下で待つ。

ほどなく南稜隊が続々とおりてくる。
みんなの顔を見てほっとし、再会を喜び記念撮影。

06松波岩
松波岩にて南稜隊とケッチボー

山で仲間と再会できる喜びをかみしめる。

一休みし、全員で、涸沢まで下る。
ここから先の記録は南稜隊にお任せします。

サブリーダーとしては、役不足な部分があり、反省点が残りますが、雪の穂高は本当によいところでした。
大所帯を取りまとめてくれた、谷口リーダー
東稜を案内してくれたsa山さん
南稜隊を率いてくれた、ささださん、カトさん、諸先輩方には本当に感謝しております。

また、北稜のゆかいな仲間たちと、有意義な合宿のひと時を一緒に過ごせたことを心から幸せに思います。
本当にありがとうございました!!

谷川岳マチガ沢雪訓

谷川岳マチガ沢雪訓

・期日:2013.4.26(金)~4.27(土)
・参加者:笹田(L)、いた、藍澤、カト、sa山、かおり、けんた(記)
・行程:
4/26 赤羽駅22:00=土合駅4/27 0:30(仮眠)
4/27 マチガ沢出会7:30…8:50マチガ沢S字末端下部…13:00西黒尾根…
15:45ロープウエイ土合駅=帰京

 何から伝えればいいのか、分らないまま時は流れて、浮かんでは、消えてゆく、ありふれた言葉だけ、そんな山行でした。

前日の22時に赤羽駅に集合。いたさんの車、笹田師匠の運転で出発。日をまたいで0時半頃、土合駅に到着。すでに、数名が駅舎で寝ていたので、我々も静かに寝る準備をして就寝。
朝5時に起床し、軽く朝食を取りましたが、加えて、あいざわさんからはネルドリップの珈琲を、いたさんからは温かい味噌汁を頂きました。4月末とはいえ、まだまだ寒い谷川。あたたかいものが本当に有難かった。

氷河結びにて
氷河結びにて

6時過ぎに谷川ロープウェイの駐車場に到着・準備をし、6時半過ぎに駐車場を出発。7時半頃にマチガ沢出合に到着。ここで、アイゼンを履くとともに、ザイルを出して氷河結びでコンテを組むことに。私はカトさんと組ませて頂きました。

 しばらく沢筋を進み、入山禁止エリア手前で、ヒマコンに結び変えて西黒尾根に向けて進む。入山禁止エリアほどの険しさはないものの、それなりの傾斜のある斜面でした。最初、私が登り始めましたが、アイゼ

ンとピッケルの使い方を理解しておらず、

滑落。かおりさん、あいざわさんが先へ進むことに。

ダブルアックスで攻める
ダブルアックスで攻める

その後は、斜面のトラバースの連続。下を見ると高度感があり、正直、かなりびびっていました。カトさんの指示をいただき、緊張しながらもゆっくりと進み、なんとか西黒尾根上へ到着することができました。ただ、西黒尾根へ付く頃には天候がすっかり崩れており、また、到着が遅れたこともあり、ピークを踏まずに西黒尾根を下りることに。

ここまででかなりの体力を消耗しており、ここで気の緩みがあったのも事実です。また、まだ雪山だという認識もありました。帰路は、全員黙々と降りていました。そんな時に遭遇してしまったのです。足下ばかり見ていた私は、後方からの声で初めて前方を

熊の足跡
熊の足跡

見ました。先頭を歩いていたささださんに向かって、クマが突進しているところでした。私はそれを見て、ピッケルを持つ手に力が入ったのを覚えています。おそらく、メンバー全員が似たような状況だったでしょう。ささださんの話によると、周囲の確認のために上を見た時、クマと目が合い、向かってきたとのことでした。ただ、クマと会った場合、目をそらさずにゆっくり後方へ移動するのが良いと言われています。目をそらさなかったささださんの判断により、クマは逃げに転じたのではと信じています。

その後、音を出し我々の存在をアピールしながら慎重に尾根を下り、15時45分頃にロープウェイの駐車場に無事到着しました。

そんなこんなでいろいろあった1日の帰りの車の中で流れていた曲は、小田和正『ラブストーリーは突然に』。あの日(平成25年4月27日)、あの時(午後2時半頃)、あの場所(西黒尾根)で、君(クマさん)に会えなかったら、僕ら(私たちとクマ)はいつまでも見知らぬ2人のまま。

できるなら、一生見知らぬ2人のままでいたかった。

入山禁止エリアの様子
入山禁止エリアの様子

ちなみに、このクマのおかげで私のポカ(4回滑落うち1回はかおりさんをまきぞいにしかかった+忘れ物をしたと思って無理を言って引き返した)は、メンバーの皆さんの頭から忘れ去られているに違いないと思ったのですが、そうは行きませんでした。この場をお借りし、お詫びいたします。

谷川岳雪訓

2013年4月13日(土)~14日(日)

 

●参加者
・泊まり組:アベ(L)、sa山(SL)、グッチー(SL)、サブ(SL)、部長、ハギ、ミナト、ホッシー、コバ、カト(記)
・日帰り組:アトム、かおり、スガ
●行程
・1日目(4/13、晴)
 水上駅8:51(バス)9:00ロープウエイ土合駅-天神平駅10:10-11:00熊穴沢避難
 小屋(幕営)
・2日目(4/14、晴)
 起床5:00-熊穴沢避難小屋7:00-熊穴沢ノ頭1441m下斜面で訓練(日帰り組11:00
 合流)13:00-熊穴沢避難小屋14:00-15:10ロープウエイ土合駅18:00(バス)18:20水上駅18:45-帰京

●記録、感想
4/13(1日目、晴)
水上駅9:00発のバスに乗りロープウエイ駅に行く。車のアベL、ミナトさんはすでに到着していた。ホッシーが予定の電車に乗り遅れ水上駅からタクシーでロープウエイ駅まで来る。出発時間に支障なく天神平駅で合流。
10:00過ぎ出発。スキー場のポールを辿って天神峠への急登を行く。この短いルートは春の雪山だけのもので楽しい。出発時は少し寒さがあったが急登したことによって汗だく。雨具の上着を脱がせてもらう。サブさん、コバさんは半そでになる。1時間弱で熊穴沢避難小屋。小屋は雪で2/3ほど埋まっている。小屋前を整地して4・5テン2張を張ってから訓練開始。sa山さんはテント設営の間に到着。泊まり組全員がそろう。
最初はアベL、サブSLの指導により搬送訓練。事故者に見立てたコバさんをツエルト、銀マット、空ザック(柔らかいものを詰めた天蓋を首部分に背中位置)、ダウンジャケット・フリース(腰や膝下の位置)などをセットした(シュラフは省略)梱包場所まで移動させる。移動は事故者の下に手を差し入れて方膝にのせてからヒューマンチェーンを組んで運ぶ。靴紐をほどき靴と手を軽くテープで巻く。ツエルト内側から靴底、両膝、両腰、両肩、頭にカラビナをアンカーとして外側からシュリンゲでクローブヒッチ。両膝、両腰のアンカーに結束したシュリンゲをシートベントで結び横の線を決める。靴底のシュリンゲを横の線のシュリンゲにシートベントで結び縦の線を決める。更に、両肩のアンカーに結束したシュリンゲと腰のシュリンゲをYの字になるようにシートベントで結ぶ。最後に細紐(7mm×10m程度)で足のアンカーにクローブヒッチし、膝、腰、肩、頭のアンカーにクローブヒッチで結び両サイドを決める。余丁はエイトノットで結束。頭、両肩、細紐エイトノットを長いシュリンゲで流動分散をかけて結ぶ。搬送は8か所に設定したアンカーにかけた細紐にカラビナをかけてデイジーチェーンで長さを調節して引きずる。頭と足を担当する者はコントローラーの役目。4人パーティーの場合は4人で搬送するしかない。また、細紐などなければ持参のザイルを使う。
二度目は、ヘビー級の部長が事故者になりリーダーはほとんど手と口を出さずに行ったが最初より早く(20分程度)しかもしっかりと梱包できた。参加者のレベルの高さが推察できる。

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搬送訓練

次はビーコンを使っての捜索訓練。講師はサブSL。電波の特性、行動の手順など基本的事項の説明の後、サブSLリーダーのパーティー行動中に「一人が雪崩に流された」との設定で本番さながらの訓練を行った。サブSLリーダーがグッチー、ミナトをビーコン担当、部長、ハギ、ホッシーをプローブ担当、sa山SL、コバを掘り出し担当にそれぞれ指名し組織的な行動とるよう指示し行動開始。15分程度で確保する。
 2回目はハギリーダーのもと1回目の設定と同様の訓練。各担当の指示後捜索。12分程度で確保する。3回目は少し深いところに埋めるが10分程度で確保。捜索ビーコンはマムートとピープス2種類。操作性、分かり易さ、スピードはマムートが数段優れている。
実際は、人間を掘り出す際には低体温症対策、作業スペース確保、事故者収容スペース確保など掘り出しにはかなり時間がかかる。これらを含めて生存限度の15分以内で完了させることはかなりの習熟度、体力が必要とされる。雪崩経験者の私としては2度と同じ間違いをしないためにも山様や雪層を絶えず確認し雪崩にあわないような行動しなければいけないと戒めるばかりだ。

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捜索訓練

最後の訓練はスノーマウント設営。7つほどのザックを並べてその上にシートをかけて雪で埋める。春の雪は湿雪で見る見るうちに小山ができる。側面の下側に穴をあけてザックを取り出す。斜面なので丁度ザックの底あたりを掘るようになる。ザックを取り出したら底面を掘る。ホッシーは今晩ここに寝ると言って穴倉に入って懸命に掘る。いい加減に代われと言ってもなかなかやめない。sa山SLが代わってもこれまた穴倉に入って出てこない。穴倉生活が常であった原始時代の人間の本能がこんなところで出るのか。ツエルトで囲ったトイレを作る。18:30頃終了。スノーマウントにザックを収容する。

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スノーマウント

晩飯は部長のすき焼き。大量の肉を胃袋に収容しながらそれぞれ持参した大酒を飲む。ハギさんはなんとロング缶ビール5本を背負ってくれた。いつも大量のアルコールを担ぐsa山SLは今回遠慮気味。私はいつものウイスキーを他の方も飲むだろうとダブルで5杯分くらいを持ってきたが皆さん相当の量を持ってきていたので一人で消化してしまった。飲み過ぎ。コバさんが初めての山行なので皆で自己紹介をする。皆さん個性的な紹介をした記憶があるが定かではない。20:00頃就寝。

2日目(4/14、晴)
起床5:00。朝飯はホッシーさんのにゅう麺。ホウレン草、キムチなどのトッピングで色を添える。
ヒマラヤンコンテで小屋から少し戻り熊穴沢ノ頭から天神峠に向かって左側の熊穴沢と天神沢の間のなだらかな尾根斜面に下る。コンテは、阿部L-コバ、谷口SL-sa山SL、サブSL-ハギ、部長-ミナト、ホッシー-カトの5組。斜面上部を削り10名が立てるスペースを作る。阿部Lが土嚢に雪を詰めてアンカーを二つ作り、また、サブSLが木の枝をアンカーに設定して支点を作る。確保や引き上げ訓練に使う。滑落停止は阿部L、sa山SL持参のそりを尻に当てたので猛烈なスピードで落下する滑落者をヒマコンや肩がらみで止める訓練を行う。引き上げは1/3システムで歩行できる事故者を想定してつるべ方式で引き上げる訓練を行った。また、別の1/3引き上げシステムでは完全に動けない事故者を引き上げることもしたが、湿雪の斜面では二人掛かりでも重く引き上げが困難のことを実感する。
斜面につくったテラスの上部が雪庇乗越訓練に良い場所だなどとsa山SLがけしかけるのでその気になったグッチーさん、ホッシーさんがトライし軽がると超える。新人のコバさんがトライするが敗退。私も簡単に行くだろうと高を括ってチャレンジするが、2度3度やって足元が決まらずずるずると落ちるばかり。ピッケルのシャフトを衝きたててやっと上がれる。年相応にしなければと反省。コバさんが再チャレンジして私同様にシャフトを立てて乗超す。頼もしい新人が入ってきたものだ。

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肩がらみ確保訓練

11:00過ぎに日帰り組が到着。何とアトムさんの足元をみるとビニールのゲートルが巻かれている。スパッツを探したが見つからず応急措置をしたとか。大笑いをしたがいろいろ知恵が出るものだと一方では感心する。早速、かおり-スガ、部長-アトムの組でヒマコンをセットして斜面の歩行訓練、滑落停止などの訓練行う。13:00頃引き上げて熊穴沢避難小屋に戻り日帰り組はビーコンでの捜索訓練。他はテントの撤収など。14:00全てを終了して下山開始。天神峠からは雨具パンツの者はシリセードで降りる。
下のロープウエイ駅で車の阿部SL、ミナトさん、sa山SLと分かれる。16:00発のバスまで時間があるのでビールで喉を潤す。電車は16:45と接続が良いので車内での打ち上げとなった。

新年度に入って初めての月例山行。雪訓に合わせて雪山セルフレスキューを行うことができた。雪山セルフレスキュー訓練は私が入会した2007年以降初めて行われる。アベさん、サブさんが今年の都岳連雪山セルフレスキュー講習に参加したことによって実現したものだ。雪山に向かう会員が増えてきたのでこのような訓練を行う必要性が認識されてきたものと思う。救助活動はない方が良いがこのような訓練をすることによって保温対策、アンカーや支点の構築、結束など様々な技術の取得が得られ岩登り本チャンにも活かされる。万が一何かあった際にはリーダーの指示のもとにそれぞれが役割を理解して自然に身体が動くようになればよいと思う。
月例山行担当のグッチーさん、sa山さん、雪山セルフレスキュー担当のアベさん、サブさんには良い企画を立てていただき、実戦さながらの実のある訓練ができたことに感謝したい。レスキュー訓練などで事故後の対策がいかに大変か実感できる。安全登山にはこの大変さの感覚を忘れないことだと改めて思う。

乾徳山

日:2013年3月31日(日)
参加者:かおり、ほっし-、のり、カト(記) 
新宿6:00(16番線)-6:38立川6:43-8:12塩山8:20(タクシー4,130円)8:50登山口9:10…10:00銀昌水…10:40国師ヶ原…11:10月見岩…12:00頂上下第1鎖場…12:20頂上直下鎖場…12:40頂上…14:30国師ヶ原(避難小屋後)…16:20バス停-登山口16:51-山梨市駅17:36(特急かいじ)19:06新宿

 塩山8:12着の中央線電車で行く。かおりさん、ほっし-さんは久しぶりの山行。乾徳山は入会当時から良い山だとの評判を聞いていたので行きたいと思っていた山だ。
 今日は冬のように寒い。曇っているが風もなく順調に登る。月見岩まで来ると風が強く雨が落ちてくる。レインウエアーを着る。草原のような平らになっている扇平を過ぎると樹林帯に入り登山道は凍結箇所が多くなる。凍結箇所はゴミや踏み跡で汚れたりでそう難儀をするほどではない。なるべく凍結箇所を踏まずに進む。
 岩稜帯をほどなくいくと第一の鎖場の岩場に出る。のりさんが先に上がりロープを下ろす。かおりさんはロープで確保して登る。かおりさんはこの程度の岩場は十分こなすが安全第一。他はフリーで登る。更に岩場を過ぎると凹角状の岩壁に突き当たる。最初の一歩はクラックに足を入れてフットホールドにするが濡れていて滑る。ここもかおりさんにはのりさんが下したロープを使ってもらう。滑るので鎖を持って力ずくで1歩を上げるしかない。2歩目からは横に割れ目があり良いハンドホールドになっている。

頂上直下
頂上直下の鎖場

頂上に上がったら風が強く霙が食ってきた。早々に下山するが下山道の選択に迷う。予定では登ってきた先に進み地図上の下山道を予定していたが登山道が不明瞭。のりさん、ほっし-さんは十数回の経験があるとのことだが今回の下山道に入ったことがないと言う。いつもは上がってきた岩場を下りて下っていたとのこと。私が様子を見に岩場を下りると雪に踏み跡があり行くことにする。かなり雪が残っているが滑るほどではない。リボンとペンキを頼りに尾根を五つほど超えてやっと避難小屋後がある国師ヶ原の平坦な場所に出る。ここまで急斜面の下りの上部は雪と凍結の道で思ったより時間がかかり約2時間弱かかる。
 国師ヶ原14:30、バス停までCT1:40なので15:36には間に合わない。16:51に乗るつもりでゆっくり下山する。お久しぶりメンバーは疲れが出ているのか数回転ぶ。
 16:20バス停に着く。下は雨が上がっている。バスで山梨市駅に出てタイミングよく特急電車に乗れる。駅で買ったビールなどで乾杯。
 噂にたがわず広葉樹、唐松など樹林帯、草原、岩場など変化にとんだよい山であった。

蔵王・山スキー

2013年2月26日~28日

 

●場所
蔵王スキー場、刈田岳~熊野岳
●参加者
いた(L)、すすむ、sa山、カト(記)
●日程
1日目 蔵王スキー場黒姫ゲレンデ~地蔵山
2日目 刈田岳~熊野岳~黒姫ゲレンデ
3日目 蔵王スキー場ライザワールドゲレンデ

(1日目2/26曇)
蔵王のスキーはsa山さんと昨年からの持ち越し。すすむさんが野口ペンションに行こうと言いだしたらしい。いたさんのお誘いで樹氷の蔵王スキーが実現した。
5:00家まで迎えに来てくれる。11:00ころ蔵王黒姫ゲレンデ。よい天気。前日は強風でリフトが止まっていたとか。広くて空いていて雪質が良く素晴らしいゲレンデ。ゴンドラを2本乗り継ぐと地蔵山直下の樹氷原に出る。2本目まではガスでよく見えなかったが、最後の1本を皆で上まで行く。晴れて遠くまで樹氷原が見渡せる。地蔵山までスキーを脱いで歩く。来てよかったと思う。16:00まで気持ちよく滑る。
野口ペンションは昨年秋以来。野口夫妻は元気だ。美味しい手料理とビール、ワイン、焼酎で21:00頃まで歓談。
山スキーをやるつもりではなかったが、話の流れで明日の山スキーをやるはめになった。野口さんがスキー板とシールを貸してくれ、私のスキー靴にビンディングを合わせてくれる。ならばやらざるを得ない。

(2日目2/27晴れ時々曇)
充実した朝の料理をいただき、8:00出発。野口さん、いた夫妻、sa山さんと野口夫人運転の野口車に乗りライザワールドスキー場に行く。リフト一番乗り。2本目のリフトはまだ点検中で待たされる。2本目のリフトの終点が刈田岳への山スキ-の始まり。
ここですすむさんと分かれて野口夫妻、いたさん、sa山さんと歩き始める。ビンディングの操作はややこしい。板は軽いのだが靴が重いので引きずりながら歩くのは疲れる。すぐに右足ふくらはぎの筋肉痛が始まる。しかし、シールのお陰で登るスピードは歩くよりはよほど早い。11:00ころ刈田岳。野口夫人とここでお別れ。用事があり下りてすすむさんと合流して一緒に滑るとか。

20130327蔵王1
苅田嶺神
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苅田岳へ

刈田岳からは熊野岳までは稜線を行く。熊野岳12:00頃。引き返して避難小屋あたりからトラバース気味に下る。ここからが難儀となった。山スキー愛好者はゲレンデ以外の積雪のスキーを楽しむだろうが、私はゲレンデ以外滑ったことはなく苦痛が始まる。板に慣れないしスキーが下手糞だから前に進むことができない。地蔵山の斜面では立ち往生して挙句の果てに倒れて起きあがれない。深く潜った板を重い雪で上げることができず、ストックを差し込むとずぶずぶもぐり支えにもならず重い雪との格闘となった。皆さんを大分待たせてやっとゴンドラ駅まで行く。

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熊野岳へ

この日は天気が良く樹氷見物観光客がものすごく多い。中国人団体だ。やっとスキーで滑れると思ったが、板に慣れずボーゲンで平らなところまでやっと行く。少し慣れてきたため、皆さんにはそんなに遅れずにレストハウスの終点まで行く。休憩してラーメンを食べるがこれがしょっぱい。15:00野口夫人がレストハウス下の駐車場まで迎えに来てくれる。15:30野口ペンション着。昨日風呂に入らなかったので早めに入らせてもらう。小さいが良い風呂だ。本日の夕食も豪華でビール、ワイン、焼酎で歓談。21:00頃就寝。

(3日目2/28晴)
素晴らしい天気。8:00野口さん運転でライザワールドスキー場に行く。ゲレンデは凍っていてガリガリと音を立てながら滑る。道路を滑るコースもあり楽しく滑れた。帰りは滑って野口ペンションまで行くと言うのでいた、sa山の両氏についていくが途中から林に入るので私は道路を行くことにした。すすむさんを追うが分からず、道路を滑って行くと野口ペンションが分からず道迷いとなる。ペンション村の看板があったので安心したが、2回ほど聞いてやっと辿り着く。皆さん心配して道路まで出ている。12:00頃野口ペンション着。お昼を出していただき私はスパゲッティー、コーヒー、デザート付600円を食す。13:00頃名残り惜しいが帰路に着く。19:00ころ帰宅。自宅まで送ってもらう。

冬の蔵王を初めて訪れた。天気に恵まれて素晴らしい体験をした。広いゲレンデ、なめらかな雪質、下手な自分の滑りが上手くなったような錯覚を起こさせる。
こんな素晴らしい機会を与えてくれたいたさん夫妻に感謝したい。sa山さんのスキー技術は見惚れるほど上手であり、また、先輩、野口夫妻のキャパの広い心に打たれ、皆さんに助けられたおかげで楽しい3日間を過ごせた。
初めての山スキーは、登っているときはアイゼンより早いし快適なので山スキー道具はどのようなものを揃えるかなどの妄想をしながら歩いていた。熊野岳からのトラバース、下降になった時からスキーが進まず、一転して地獄にはまったようになった。スキーの素人は山スキーに手を出してはいけないことを思い知らされた。また、一瞬でも違った世界を覗き山スキー愛好者の気持を少しだけ理解できたことと自分のレベルの低さを確認させてくれた蔵王であった。

浅間山

浅間山登山
期日:3月20日~21日
参加者:Sa山(記)、カト

来週も暇なので、次何処行こうかと、「山レコ」を眺めていたら、浅間山の記録が目に付いた。昔噴火後入山禁止になり、登れないものと思っていたが、いつからなのか登られていた。
それではと、カトさんをお誘いし行くことにしました。
カトさんに面倒を頼み、宿泊先の予約願ったのですが、今は便利な宿も在るものです、中軽井沢「ファミリーロッジ旅籠屋」宿は寝るだけ、宿泊設備はそれ以外のおもてなしは一切無し、飲食は各自お客の自由、ですので酒を買って部屋で明るいうちから宴会です、山や、としては使いやすい宿ですね。一人二人では安くはないのですが、3人以上だとお勧めです、ベッドはキングサイズ使用で4,5人用テントのスペースありそうです、私なぞのサイズだと横寝で5人はOKです。

3月21日(木)
朝5時起き、6時前出発、私の山行にしては雲ひとつ無い良い出足です。夜明けの道を、ナビを頼りに黒斑山と浅間山の最低鞍部目指し車を進める、先々週、八方に向かったときは真っ白だった浅間山も、昨日見た時は、ほぼ雪が解け黒々としていた。本日も暖かく道路に雪は無く安心して走れる、浅間山荘駐車場7時20分出発、強い風が枝をゆすっている。このコースは沢沿いに最低鞍部めがけ登ってゆく。ゆるい傾斜の車道をしばらく進み、同じようなゆるい山道を進む、一部残雪の斜面を横断し(ここは雪が在ると下の谷まで続き、きつい斜面をトラバースすることになる)、分岐に差し掛かる、沢の左道のほうが日当たり良く、そちらを進む。不動滝過ぎで合流するが、滝を見たいときは右の道を進んだほうが良さそうです、帰りにそちらを下ることも出来ますが。
長坂を過ぎ、カモシカ平にくると視界が広がり、黒斑山、と牙山の間を右下の赤く染まった川が近づき、硫化水素の匂いがしてくる。前方に縦縞模様の浅間山が見えてくる。この沢を一またぎして間もなく火山館に着く、ここまで出発して2時間の行程です。火山館はログハウス作りで宿泊は出来ないが年中営業のようです、木炭ストーブを焚いており暖かく休憩できる。この所暖かい日が続きここ10日ほどで積雪が1mほど解けそうです。小屋は中央アルプス、八ヶ岳、蓼科山が眺められ良い場所に立っている。風が強いと、大変との情報が有ったが風もほとんど止み良い調子だ。

火山館
火山館に到着

火山館から5分、積雪80cm程の、まばらな低い樹木の中を進むと、黒斑山の分岐に差し掛かる、ここは湯の平、黒斑山と浅間山に挟まれた開けた場所で見晴らしがいい、ここから踏み跡頼りに樹木の中を進むが、傾斜もゆるく、目印も無く何処でも歩けるので、そこらじゅうに踏み跡が付いている、そのうち木々が絶え浅間山の斜面にたどり着く、火山独特のガレた足場に変わるが、踏み跡沿いはしっかり固められている。傾斜も増し、足元の感覚は富士山を登っているようだ。
上に着くと近くは四阿山、草津白根が眺められ、遠くには、妙高、北アルプスが端から端まで一望でき、いつまで見ていても飽きない素晴しい景色です。ここから火口に踏み跡があるが立ち入り禁止です、火口側に100mほど下に進むとシェルターが2個有る、直径2mほどの土管を転がしてあると言ったふうで爆発時は耐えそうも無い。

20130421浅間山2
強度が不明なシェルター

しばらく休憩を取り、10時、前掛山に向かう。上に出ると、猛烈な風が進路をはばむ、足場を雪面からガレ場に移動し、しばらく耐風姿勢でこらえ、弱くなる風の目を突いて進もうとしたが、一向に弱まらない、ザックを持ってゆかれそうな勢い、カトさんは杖替わりのストックが手から飛ばされる、私は出した足が風に取られ転倒、なんとも危なかしい、相談し撤退することにした、後300mほどでしたが、いたしかたない。10時30分、そうと決まればとっとと下山。
火山館に着くと、小屋の人は「風強かったでしょう」とのこと、小屋の周りは無風状態、何処でわかるのでしょう、前掛山には行けませんでした、とは言えず「そうですね」と相槌を打ち11時30分そこそこに下山。途中ツアーの人たちにすれ違う、この時間に登っても、途中下山と言う事になろう、ツアーは取りあえず、行けばいいといった雰囲気、どっち道給料は出ているので、と言った感じ。ガイドはピッケルも、ストックも無し。お客様も、きつい登りはしたくない、と言った感じ、でどっちもどっち、と言った私の妄想的感想。「すみませーん」と叔母様が、すれ違いざま、道でも聞かれるのかなと思っていたら、「ザックに差した、ストックを取ってください」との御達し、「なんじゃこれは」と思ったが、おとなしく「はい」と取ってあげる、弱いの~。
13時、浅間山荘で駐車料金を払い、ついでに風呂に入る、日本一の赤い湯だそうです、浸かると何とも気持ちが良いオレンジの湯、透明度は低く、10cm程で手が見えなくなる。湯の落ち口は、普通の水のような感じですが、空気にふれ、赤くなるそうです。
中軽井沢から直通バスが出ていると言うことで、カトさんを、中軽井沢駅まで送る。
浅間山のこのコースはゆるい登りで、景色は一級です、初級ハイキングコースとして良い所です。今回は最後まで行けず残念でしたが、季節を変え、また誰か誘って行きたいお勧めの場所です。