西穂~奥穂縦走

メンバー: ケンタ(L) ・ ミドリ ・ タケ(記)

9/10 上高地~西穂山荘(幕)
9/11 西穂山荘~西穂高岳~天狗の頭~奥穂高岳~涸沢(幕)
9/12 涸沢~上高地

台風接近中。週末の天気予報がイマイチ良くない。
しかし、日頃の行いが良いからであろう。金曜の午後になり、急に日曜の天気に☀マークが!
「ボールはまだ生きています」
「このまま天気予報が変わりませんように!」

9/10(土)
深夜バスに乗り、上高地へ。やはり天気予報が悪いせいだろうか。いつもより人が少ない。
リーダーの最終判断の元、西穂高へ向かう。
上を見上げれば青空。もう秋の空である。9時前にはテントを設営し、3人で西穂ラーメンを食べる。
期待は上回らなかったが、やはり山でのラーメンは美味しい。続いて生ビールもいただく。
「ザ・最高の週末」である。ミドリさんはお酒が足りなかったらしく、この後、酎ハイを飲まれていたらしい。
会に入ってまだ3か月足らずだが、女性のお酒が強い会だなと思う。
その後、ケンタ隊長&みどり先生によるロープワーク講習。ロープワークはおもしろい。
この日は19時前に就寝。隣のテントは遅くまで話し声がした。

9/11 (日)
1時起床、2時15分西穂山荘出発。
みどりさんの卵雑炊をいただく。あっさりしていてスッと胃に収まった。
1時間余りで独標に到着。まだ真っ暗だ。独標でご来光を待つのかと思ったら先に行くと言う。
さすが山岳会。まさか西穂までカモシカ山行するとは。ミドリさんは楽しそうだ。
西穂から先は明るくなるまで待機。5:15から明るくなり、再出発。

いざ出発!
逆層スラブ

思ったよりルートのマル印がついている。西穂から奥穂のルートは上りメインのルートであるが、
意外と下ったりもする。不本意だが下った分、上らなくてはならない。息が上がってきた私とは反対に、ケンタ隊長は先頭に立ち、さらっと登ってゆく。ミドリさんも仕事後トレーニングしているだけあって足取りが軽い。
逆層スラブを上り、天狗の頭へ。岳沢との分岐では、3時間強で上がってきた西穂で会った若者2名に先を越されたり、ヘルメットなしの不安げなおじさんとすれ違ったりした。
10時、ついにジャンダルム頂上を踏む。やっと着いたー。あの有名な天使がいる。穂高山荘が見える。

あと少しでジャンダルム
頂上着~!

馬ノ背を上る途中、ソロの女の人が後ろから迫ってきて横から追い越そうとし、少し怖かった。馬ノ背は意外とあっさり通過できた。馬ノ背を越すと奥穂がもうすぐである。ここでケンタ隊長が高山病になったようだとカミングアウト。最後の最後まで弱音を吐かず、体調悪くても頑張ってくださった隊長には頭が上がらない。穂高山荘で小休止。穂高山荘で売っていたバンダナを買っておけばよかった。涸沢までは単調な道が続く。通りすがりの女性に「一昨日ここで人が亡くなったのよ」と言われ、慎重にザイテングラードを下る。涸沢着。ここで衝撃が走る。なんと、涸沢小屋のおでんがタマゴしかないと言う。そんな馬鹿な!大根は?!糸コンは?!と思ったが、ビールが冷えていたので良しとした。
夜ご飯はケンタさんの野菜入りスープ。ご本人からラーメン失敗したなど、いろいろ聞いていたので、どんなものが出てくるかと心配したが、キャベツたくさんでおいしかった。ミドリさんはここで焼酎を少し嗜んでいた。

馬の背Riding
涸沢からのモルゲンロート

9/12(月)
4時起床、となるはずが、「あと30分」と言う鶴の一声で4:30までまた寝る。
9時間睡眠である。穂高を照らすモルゲンロートを鑑賞し、上高地までまったり下る。
途中、徳沢でソフトクリームを食べた。ケンタさんは今回の山行で涸沢・徳沢・上高地と3回もソフトクリームを食べていた。丈夫なお腹である。徳沢のソフトクリームおいしいなと思ったが、ミドリさんは更に高級な○○○のバニラアイスを先日食べており、これが最高だと言う。高級アイス、いつか私も食べてみたいものである。
上高地バスターミナルで100円/3分 シャワーで汗を流す。しかし、簡易的なものなので、シャワーは2台しかなく、シャンプーも購入しなければならない。ドライヤーなし。ゴミ箱は持ち帰り。次は温泉がいいかな。
松本で蕎麦を食べた後、特急で帰京。

お試し山行後の飲み会時に話がまとまり、まさか本当に計画に至るとは思いませんでした。
ケンタ隊長、忙しい中、企画・準備・判断と、本当にありがとうございました。何もかもバッチリでしたね。
ミドリさん、山行前の的確なメール、および山行中の素敵な笑顔をありがとうございました。癒されました。
お二人には、新人で至らない点や気を遣わせてしまった部分が多々あったかと思います。
それでもジャンダルムにご一緒させていただき、充実した山行で感謝しております。御礼申し上げます。

南会津・黒檜沢

2016年8月28日
つりし(CL)、コバ、ハギ(記)

黒檜沢_GPS軌

〈CT〉
小豆温泉駐車場(6:00)〜登山道横断点(6:25)〜1110M二俣(7:40)〜1400M二俣(8:50)〜3段大滝(9:50/12:20)〜三俣状(12:30)〜登山道(16:15)〜小豆温泉駐車場(19:40)

〈記録〉

窓明温泉が休業とのゲートの告知を横目に、小豆温泉スノーシェッドの駐車スペースを出発した。なるべく時間に余裕を持ちたいし、前回は下部から遡行しているから今回は登山道横断点から入渓する、とのリーダーのお達し。今回は「前回」のリベンジだ。3年前の7月、私たちは雪渓のために標高差200Mあまりを薮漕ぎし…、さらに大滝の巻きでルートを見失い、そのまま稜線まで薮尾根を標高差300Mあまり薮漕ぎするという経験をしてしまった。きちんと遡行し直したいという思いが、ずーっと心の中にあった。

お達し通り、登山道横断点から入渓する。なんか記憶より地味だなぁという印象を持つが、白い綺麗なゴルジュ地形の中に連続する滝があったのは横断点より下流域だったと思い出した。
とはいうものの、ちょいちょい現れる小滝を越えていく。ナメ床もあるのだが、岩がゴロゴロしていてちょっと残念。ゴーロ地帯の先に右岸が大きく崩壊している1110M二俣。10Mほどの滝を左から歩いて越えると、またゴーロで、おそらくこのゴーロ帯で雪渓に阻まれたのだと思う。3M滝は腰まで浸かってシャワーで左から越え、ナメ滝を越え…またゴーロかぁ。…と、その先に滝がみえた。前回薮漕ぎの末に懸垂で降り立った1400M二俣、左俣の出合の滝だった。

滝もたまにありますが…滝もたまにありますが…
中流域の主はゴーロ中流域の主はゴーロ

少し前からガスってきていて舞台設定はよろしくないが、ここからがある意味本番。当然左俣に入る。ゴーロが多めの中間部と打って変わっての滝の連続になった。出合の滝は左から、上部がホールドが少ない。30分くらい先の5Mくらいの滝は左壁からバンド伝いに安易に巻けそうに見えたが、落ち口に乗る所が意外と悪く、下から薮に入って巻いた方が安心だ。

左俣出合の滝左俣出合の滝

ゴーロ歩きの鬱憤を1時間晴らし、いよいよ真打ち登場、前方に宿題の3段大滝。巻きの前に腹ごしらえ、じっくり休憩しながら眺める。
つりしさんがトップで登る。右壁の岩を巻くように草付をトラバースした後、直上。広いテラスからさらに岩稜を上がり、左上して岩と薮の境目へ。前回はここで左ではなく右の方へ行ってしまったんだとわかった。コバさんがつるべで薮の中に偵察に入る。OKとの合図でフィックスを辿ると、一枚岩を2〜3Mトラバースしてさらに薮の中へ。こちらの薮に入ると、地面がよく踏まれていることに気づく。薮の中の広いスペースにいったん集合し、その後は灌木を伝い笹を伝って、滝の落ち口のぴったり上に降りた。時間は少々かかったが、終わった〜。
(今回はルートがはっきり見えた。当時、積雪のある地域の沢は谷川とか等は複数回行っていたが人が入るので踏み跡がしっかりしているので、それをあてにルーファイをしていたのではなかったか(あと情報も多かったし)。いわゆる自分の目で地形、植生などを見てルートを選定していなかったのが原因であった。〈つりしさん談〉)

三段滝登場三段滝登場
写真5

ほどなく前方が開けて三俣状、ここは右の滝を登り、次の二俣は水の多い左へ。最後の滝らしい滝6M滝は登れず、右の乾いた岩の凹角から。ラバーソールのコバさんが嬉々として登り確保してくれる、フェルトだとちょっと登りにくい+ちょっと遠かった。水が冷たくなってきた…と思ったら、あっけなく水枯れ。窪になってしまった沢型を進むが、とうとう薮漕ぎに突入した。

三俣状三俣状

シャクナゲ、蔓がミックスしていた前回と異なり、根曲り竹メインの薮だったが。背丈より大分高く、濃密猛烈な薮でなかなか前に進まない。右へ右へと心がけていたはずが、進みやすい方へ導かれていたらしく、GPSで確認したら地形図の1900M岩マークの左側に入ってしまっていた。前方の岩を避けて右上へ、右上へと漕いでいくと、飛び出したのは三岩岳直下2020M付近、登山道からちょっと三ツ岩方面に入った所。先ほどの前方の岩=三ツ岩だったらしい。少し歩くと登山道に出た。

激薮激薮

もう夕方。大滝巻いたらすっかり終わった気分でいたが、最後まで濃厚すぎた。やれやれ。そして最後はお約束?ヘッデン下山になる。改めて、日帰り沢にしては長めで厳しいなぁと思った黒檜沢だった。

ともあれリベンジ。成りました!

徳本峠

【日程】平成28年8月26日~28日
【メンバー】けんた(記)、みやのり、みやゆみ

8/26(金)  島々宿~岩名留小屋~徳本峠
8/27(土)  徳本峠~明神~徳沢
8/28(日)  徳沢~上高地

【1日目】

前日の木曜日に、王子セブンイレブン前に集合。みやのりさんのご厚意で、車を出して頂き、島々宿近くの道の家へ。そこで仮眠を取った後、島々宿の徳本峠入口の駐車場に移動。
徳本峠入口は朝の5時。車は一台も止まっていない。そこへ、マウンテンバイクに乗った男性が軽装で現れた。徳本峠を越えて上高地まで行った後、また戻ってくると言う。大量の荷物を背負った我々とは真逆のスピード山行に、ただただ感服するのみ。
滑り出しは平坦な林道を淡々と歩いて行く。今年は熊がよく出没していることも有り、熊鈴は鳴らしながら歩いて行く。1時間半ほどで二俣に到着。ここから西に方向を変え、沢沿いを歩いて行く。道は良く整備されており、沢の左岸・右岸を行ったり来たりしながら、進んで行く。途中倒木を活用した橋を渡るときはちょっとだけ緊張した。

倒木の橋

出発して4時間ほどで岩名留小屋に到着。想像していたよりも、廃屋感のある小屋であった。軒下に座ってゆっくりしていると、みやゆみさんが、雨戸を開こうとチャレンジしていた。さすがB型。雨戸を開けたら見てはいけないものが見えてしまいそうな小屋だったので、開けられなくてよかった。
岩名留小屋からは、急登区間に突入する。途中に湧き水(力水)が出ており、ここでまず給水。その後も休み休み進んだ。つづら折りの山道ではあったが、かなりきついと感じていたとき、ようやく徳本峠小屋に到着した。天気は曇、展望台に上ると明神岳が眼前に拡がっていたが、すぐに雲で見えなくなった。

明神岳

夕方食事を取った後、雨がぽつぽつと降り始めた。

【2日目】

朝4時に起きて出発しようと言うことになっていたが、テントに振り付ける雨は弱まることはない。「起床、6時にしましょう」、意思の弱い私は、また眠りへと落ちていった。
朝6時に起床するも、雨は変わらず。とりあえず、朝食を食べ、雨が小降りになるのを待つが、なかなかやむ気配がない。諦めて、徳本峠小屋へ行き、珈琲を頂きながら、小屋の主人と、会話を交わす。台風が近づいているため、今日明日と天候は期待できない。今日帰るか明日帰るか悩んでいると、雨が小降りになってきたので、とりあえず、明神まで降りることにする。
明神までの下りは淡々と下る。お昼頃に明神に到着したので、小屋で昼食にカレーを食べる。加えて、みやゆみさんはおしるこ、私はソフトクリームカフェラテをいただく。ちなみに、みやのりさんは、生ビール。これが決定打となり、徳沢で上高地を満喫することに。
徳沢までの道のりは、雨に打たれるが、徳沢に着いたときには、打って変わって、晴天に。雨で濡れていたテントや衣類を乾かすことができた。おきまりの徳沢園ソフトクリームを堪能しつつ、穏やかな徳沢は日が暮れた。

徳沢園

【3日目】

朝4時起床。雨は降っていない。早々に出発の準備をして、徳沢園を後にした。
上高地までの道のりは2時間弱。最後に書くが、実は我々は、カメラや交換レンズ、三脚などを背負った写真山行であったが、天気に恵まれず、ただただ重い荷物を背負っただけであった。私は天気を呪いつつ、リベンジを誓った山行であった。

ゴール
みやのりさんコメント
撮影山行なるものは初めての経験でしたのでカメラ素人の私はパッキングをどうしたもんかかなり悩みました。雨には絶対濡らしてはいけないし衝撃も良くない。仕方がないので梱包用の衝撃吸収材を使用しましたが結構かさばりました。普段の荷物+カメラ、三脚等で重量もかなりです。冬山に備えてのボッカなんて軽口を叩いても、疲れても水のように捨ててはいけません。歩き始めからほとんど高度の上がらない林道を延々歩き、二俣を過ぎてからは沢沿いの山道になり崩落しているところに道がついてました。最後の急登はそこまでの長いダラダラ登りが結構効いておりヘロヘロでした。峠では古風な小屋と思いきや、それは保存して残しているだけで宿泊する小屋は結構綺麗でちょっとがっかりしました。しかし、もっとがっかりしたのはせっかく担ぎ上げた三脚等を使用する場がなかったことです。夕方から雨になり翌日は概ね雨。星空を撮ってみたいという私の願いはむなしく消え去りました。またの機会ということでよろしくお願い致します。
みやゆみさんコメント
出発前。星空撮りましょう!と3人はウキウキしていました。
「写真山行」のはずが、撮った写真は12枚でした。
カメラは防水バッグとゴミ袋でぐるぐる巻きにされ、ザックの奥で厳重に保管されたままでした。
三脚は物干しになっていました。
こんなはずじゃなかった?そんなことはありません。
撮影しながら山を歩くことの大変さ、また、改善点なども分かり、次回につながる良い山行だったと思います。

虎毛山塊 皆瀬川春川本谷ダイレクトクーロワール

 

メンバー: こば(L)、あずさ(記)
日程:2016年8月31日(前泊)~9月3日

事の始まりは、釣り雑誌Fly Fisher2015年2月号の表紙だ。二段目に丸く美しい緑の釜を持つ、三段の滝。それこそが、春川の三滝のうち、本流に掛かる正面の滝だった。
それから1年半。私が事あるごとに「春川に行きたい~」「ダイレクトクーロワールってルートが、山頂に突き上げるからいいらしいよ~」などと言い続けた甲斐もあって、こばLが「この8月に行こうか。」と、同行してくれることとなった(本当は私がリーダーをするなどという話もあったが、そこはやはり経験値の差があるのと、前情報が少なかった為にお願いすることになってしまいました…)。

【一日目】8月31日(金)
19:30 東京出発

23:00 あ・ら・伊達な道の駅
別にふざけている訳ではない。こんな名前の道の駅が本当にあり、そこで前泊したのだ。静かで広く、過ごしやすい場所だった。

【二日目】9月1日(土)
04:00 起床
↓車移動
06:30 大湯温泉出発
例の道の駅から車を1時間半ほど走らせると、皆瀬大湯の阿部旅館付近までたどり着く。皆瀬川に掛かる林道は、阿部旅館から少し離れた場所に入口がある。
最終日には、虎毛山から赤倉橋方面へ下山し、秋ノ宮温泉郷からタクシーで大湯まで戻ってくる算段だ。

正面のピンクテープが林道の入口。手前は、駐車出来る広いスペースがある。

虎毛沢との出合いまでの林道には、例の通行禁止の橋が…。
渡った先も、ものすごい梯子。

林道から見た皆瀬川は、心なしか水量が多めに見える。
こんなかわいいキノコも生えていた。食べられなさそう…。

08:25 虎毛沢出合

地形図では対岸へ渡る林道が続いているようだが、近くには見当たらないので徒渉。

08:50 春川入渓
対岸へ渡って少しだけ藪を通ると、すぐに春川となる。

出合から三滝までは平凡な河原歩きが続くが、所々スラブ壁の片鱗が見え隠れする。

それにしてもいい天気だ!

最初の滝は、左岸にロープが下がっているので、その助けを得て越える。

この滝の上からは、少しだけ滑床が出始める。

10:15 三滝

写真左が本流の滝で、Fly Fisherの表紙になっていたものだ。

本当は、更に左にも沢が合流していてその奥にも滝があり、合わせて三滝という。
本流の滝は、一番右の滝のバンドから中間の尾根に入り、難なく高巻く。

高巻き中に、右の滝から見た本流の滝

緑の美しい釜は見る影もない。なんてことだ…半分くらいこの為に来たというのに…。
林道で感じた水量の多さは、どうやら勘違いではなかった様だ。台風のせいだろう。

失意の三滝だったが、ここからは美しい亀甲模様のナメが続く

虎毛模様
中でもこの場所は一番奇怪だった。まるで、プールのウォータースライダー。

11:30 万滝沢出合

写真は、万滝沢側からのもの。

私は見に行っていないが、万滝沢出合手前の幕営地はすごーく快適そうな草地だったらしい(リーダー談)

万滝沢から先は、アクアステルスなら快適に登ることのできるスラブ滝が続く。
台風の影響だろうか。釜の緑が濁って見える

泳いで取付く

この滝は、本来なら正面から取付くことのできる水量だが、今日は勢いが激しすぎて右壁の微妙なクラック沿いに上がる。

美しいスラブにはしゃぐこばL。カメラの水滴が玉に瑕

12:05 四滝
四つのスラブ連瀑から、四滝と呼ばれるらしい西ノ又沢出合前の滝場。
全て快適に登れるので、他のパーティのコースタイムからして、ここで遊びほうけていたに違いない。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA上から見ると、釜が見事な円形を描いている。まるで人工物の様だ。

12:15 西ノ又沢出合
地形図上では西ノ又沢との記載はないが、皆ここをそう呼んでいる。
この沢を詰めると、虎毛山北東のコルに突き上げ、そのまま虎毛沢へ下降することが出来る。次来る時は、こちらを使って皆瀬川周遊も楽しいだろう。

予定では西ノ又沢近くで幕営するつもりだったが、出来るだけダイレクトクーロワールに近付きたいのと、二人だけで狭い場所でも幕営できる為、更に進むことにする。
(西ノ又沢出合より手前には、狭いが幕営できる場所があった。)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA時間に余裕があるからか、巨岩で遊ぶリーダー。

10mスラブ滝は左から登り、
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
その上の20m滝は右から高巻く。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

13:30 幕営
三俣少し手前の左岸で幕営することに。それほど広くないが、二人なので丁度良い。

夕食は、リーダー特製の和風ポトフ。ジャガイモの代わりに使った里芋のとろけ具合が絶妙で、ほっぺたが落ちそうだった。白米と一緒に食べると、とろろごはんを食べている気分になるのがまたいい。

【三日目】9月2日(日)
04:30 起床
06:00 出発
幕営地を出てすぐで三俣に入るので、左右に気を付けながら真ん中の本流を進む。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA本日最初の滝は、左から登る。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA今日も天気がいい。滝の奥に、虎毛山の尾根が見える。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA登れないと評判の三連瀑、一番下の滝が見えてくる。

ここは、近づきすぎないうちに左岸の尾根から高巻くが、どうにも取り付けず、灌木とハンマーを頼りによじ登る(地形図的には、少し戻れば楽に取り付ける尾根なのだが、面倒くさがった結果だった)。
この高巻きは、沢側に近付く程に山ブドウの藪が酷くなり、一時的に藪漕ぎ6級状態だった。もう行きたくない。

07:40 ダイレクトクーロワール出合
評判通りパッとしない出合で、見過ごしてしまいそうだ。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ダイレクトクーロワールの代名詞とも言える、60mスラブは、思ったより規模が小さい。
70mや40mとも言われるが、50mロープが少し足りないくらい(2ピッチで登った)なので、やはり60m位なのではないだろうか?
1ピッチ目は左から登り、2ピッチ目は右から。
1ピッチ目は意外とゴム靴が効かないので、ホールドの多い左からが行き、途中で右に移る。2ピッチ目は難しくない。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA1ピッチ目を登るリーダー。私は、2ピッチ目でリードさせてもらう。
OLYMPUS DIGITAL CAMERAこの二連瀑は、一段目:左壁から、二段目:灌木を掴みながら右壁。

こばLは、二段目をエイドで登ろうと苦心していたが、諦めたようだった。
私は、二段目は先に登ったリーダーに引っ張ってもらい、ゴボウで登った。つらい。

この後の5mくらいの滝で、ゴム靴では登れないぬめりだったため、右のルンゼから高巻き、2つ程滝を飛ばす。ここは、目的の滝を丁度良く巻くことが出来た。GPSとリーダーの観察眼さまさまだった。

高巻き後は、いくつかの小滝を越して、ツメに入っていく。
その間は、終始コンテ(?)状態になっており、正直歩き辛かったが、結果的には私の腕の力だけでは心もとないツメだったため、時間短縮につながったのではないかと思う。

最後のツメは、灌木を掴みながら、スタンスの少ない壁をよじ登り続ける地獄だった。
※辛すぎて写真はありません。
しかしその甲斐あってか、飛び出した先の頂上は、素晴らしい草原が広がっていた。

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14:10 虎毛山山頂

結局、ダイレクトクーロワールの攻略には6時間半近くかかってしまったが、明るいうちに山頂へ到着することが出来た。今夜は、山頂避難小屋で夜を明かすこととする。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
OLYMPUS DIGITAL CAMERA小屋の周りにはかわいい花が咲いていた。何というのだろう?

余談だが、この避難小屋は何故かタイガース一色だ。「虎」毛山だから…?
夕飯はカレー。疲れた時のカレーは食が進む。
避難小屋は非常に居心地がよく、快適な一夜だった。

【四日目】9月3日(月)

04:30 起床
06:00 出発
短い時間だったが、虎毛山ともさよならだ。
登山道で振り返ると、朝日を浴びた虎毛山が、まるでダイヤモンドヘッドの様(?)。
名付けて、ダイヤモンド虎毛。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
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下山路も、美しい森だった。
途中、ミツバやミズ、フキなどが群生しており、手土産に採取する。

08:45 赤倉橋下
ここまで約3時間。疲れているからか、ミツバに気を取られていたが、若干遅め。
この先の車道で電波が入り、仙秋タクシーさんに電話し、高松岳の登山口近くで拾ってもらう。

11:00 車デポ地(皆瀬大湯)
タクシーで1時間弱揺られ、ようやく出発地まで戻ってきた。
タクシーの運転手さんは流ちょうな東北弁の方だった。
その後は、阿部旅館さんの日帰り風呂に入り、5時間近くかけて東京へと帰京した。

最後に、私の我儘に付き合って下さったリーダー、本当にありがとうございます!一人じゃ一生来られなかったと思います…。
しかし、結論から言うとダイレクトクーロワールは6時間の壮大なるツメです。次春川へ行くときは、虎毛沢へ下降する西ノ又沢を行きたいですね!!

コースタイム:

1日目 19:30東京-23:00あ・ら・伊達な道の駅
2日目 06:30大湯-08:25虎毛沢出合-08:50春川入渓-10:15三滝-11:30万滝沢出合-12:05四滝-12:15西ノ又沢出合-13:30三俣手前幕営地
3日目 06:30出発-07:40ダイレクトクーロワール出合-14:10虎毛山山頂
4日目 06:00出発-08:45赤倉橋-11:00大湯

大キレット

日程:H28.8.26~28
参加者:L・記録_ミナト、たけ

8/24の朝、勤め先のPCで1通の不穏なタイトルのメールを開いてみると、
『三つ峠が中止になったみたいなので、槍穂縦走に同伴してください。私は新人なのでリーダーやってください。ついでに計画書も。あと、8/26のAM5:00に上高地に集合です。私は夜行バスで行きます。ミナトさんも適当に来てください。 byたけ』
なにぃー、8/26って明後日じゃん!ということは本日中に計画書を作って提出しなきゃヤバイじゃん!でも今日が提出期限の見積書がまだ終わってないし、午後からサイトーさんとのエナジー練もあるし、どうしよう?少ない脳みそで考えた結果、以下のような不等式が成立しました。
[ 計画書 > エナジー練 > 見積書 ]
その後は、ルートや共同装備や食担やらのメールを十通近くやり取りし、何とか午後イチに計画書を提出し、そしてエナジーへGO!です。あれっ見積書は…まぁいいや。

8/26(晴れのち曇り):上高地~横尾~天狗原分岐~氷河公園~南岳小屋(幕営)

前夜、自車(会社の)で沢渡へ行き仮眠をし、朝一のタクシー相乗りで5時15分に上高地へ到着です。15分の遅刻ですが、たけちゃんはおにぎりを頬張りながら待っていてくれました。
「サイトーさんに文句を言われたから、ウェアーを新調しましたよ」などと話すたけちゃんとすっ飛ばし、あっという間に横尾です。ここでたけちゃんは水を大量に汲んでいます。疑問に思ったのですが、聞くと怒られそうなので黙っていました。横尾から先は登山道らしくなり、斜度も増してきます。次第にたけちゃんの息遣いが荒くなってきました。「大丈夫?」と聞くと、「み、水が、お、重い…」とたけちゃん。「何リットル背負ってるの?」、「炊事用4リットルと行動用1.5リットルと、ジュースと、えーと」…唖然とする私。ここはリーダー権限でプラティパを奪い取って私が1リットル程がぶ飲みし、残りは捨てさせました。「ザック、かる~い♪」と喜ぶたけちゃんですが、当たり前ですよ!
荷が軽くなったので快調に飛ばし、登山道が槍方面と南岳方面に分かれる天狗原分岐に到着です。休憩しながら何となく協議しました。
「俺は槍に4回登ったけど、たけちゃんは槍に登りたい?」
「2回登ったので、どっちでもいいですよ」
「ふ~ん、今夜のテン場を槍から南岳へ変更すると明日が楽なんだよなぁ…」
「槍に未練は無いし、今回は大キレット狙いなのでそれでもいいですよ~」
と、なんとなく日和った感じですが、このいい加減な決定が後の大キレットの成否を左右する重要な決定であったことを、この時はまだ知らない二人でした。
天狗原分岐からは、天狗池、氷河公園を経て南岳へ直行です。途中にクマ糞が大量にあり、しかも、数十分前と思われるものもありましたが、たけちゃんが怖がるので黙っていました。

クマ糞地帯クマ糞地帯
槍ヶ岳が見えました槍ヶ岳が見えました
やっと稜線へ出ましたやっと稜線へ出ました

15時頃に風力発電機のある南岳小屋のテント場に到着し、テントを設営したら取りあえずビールで乾杯です。食担失格者の汚名を晴らすべく久々に私が夕食を担当しましたが、パスタがビーフンみたいになってしまい、やはり失敗してしまいました。なんでうまくいかないのだろう…。

ビーフンのようなパスタビーフンのようなパスタ

8/27(雨のち曇りのち雨):幕営地~大キレット~北穂高岳~涸沢~横尾(幕営)

朝目覚めると、テントを叩く雨音はかなりの音量です。クラッカーとお菓子の朝食を食べながら今日の行動を検討します。大キレットを越えるか、昨日のルートで槍沢へ降りるか、停滞するかと思案していると、「7時頃には雨が上がるみたいですよ!」と、スマホで天気を見ていたたけちゃんの情報です。
「じゃあ様子を見ながら大キレットへ行ってみるか?」
「行くっきゃないですよね!」
大キレットへは、まず最低コルへ大下ります。所々に鎖があってけっこう急です。雨は上がっているのですが、岩が濡れて滑りやすいので慎重に進みます。たけちゃんは新調した靴のグリップが良いので喜んでいますが、調子に乗らないようにお願いしますよ!

大キレットへ突入します大キレットへ突入します

最低コルから長谷川ピークまでは普通の縦走路並みです。長谷川ピークが第一核心部となります。岩が濡れていなければ面白い岩稜だと思うのですが、今回はツルツルなのでちょっと怖いです。鎖を伝ってトラバースする所では、鎖が太すぎて手の小さいたけちゃんは苦労していました。長谷川ピークを過ぎるとA沢のコルで一休みです。同じく北穂に向かう3人パーティが休憩していましたが、長谷川ピークを第二核心部の飛騨泣きだと勘違いしていて、「飛騨泣きはこの先ですよ」と教えたらガッカリしていました。このパーティ、ちょっと心配です。
A沢のコルからは傾斜の緩いフェースと岩稜を鎖を頼りに50m程登り、そしていよいよ第二核心部の飛騨泣きに突入します。最初の岩壁は鉄杭を足場によじ登り、次の岩峰を右から回り込むと写真でよく見るステップ付のナイフリッジのトラバースです。ここでは我々も写真を撮ったりして遊びました。たけちゃんは長谷川ピークの方が悪かったと主張しますが、手の大きい私には同じくらいの感じでした。

飛騨泣きで遊ぶ飛騨泣きで遊ぶ

さあ、後は上空に見える北穂小屋目指して頑張りましょう。急登30分で小屋に到着です。朝出発してからここまで約2時間半でしたが、対向パーティは2組、同方向は1組と渋滞皆無の状況だったからですね。天気が良ければ渋滞は必至で、3時間以上はかかると思われます。
大キレット越えの成功をジュースで祝っていたら、急に雨脚が強くなってきました。
「昨日槍に行っていたら、今日の大キレット越えはダメでしたね」とたけちゃん。
「うん、この雨じゃ南岳から下りちゃっただろうな」
「私たちラッキーですね!」
と話していると、先ほどの3人パーティが元気に登ってくるのが見えました。ああ良かったです。3人に手を振ってから、北穂頂上へ向かいました。

北穂の証拠写真北穂の証拠写真

北穂頂上で証拠写真を撮り、この雨じゃ奥穂までの縦走は危険であることをたけちゃんに言い聞かせ、涸沢に下りることにしました。ここで注意がひとつ。北穂頂上からすぐの地点で涸沢方面へ下るペンキ矢印がありますが、これは東稜(バリエーション)への分岐です。涸沢へ下る一般登山道はそのすぐ先の標柱がある所ですので間違えないように!
土砂降りの涸沢にはテントが数えるほどしかなく、こんな寂しい涸沢は初めてです。涸沢ヒュッテのテラスでパンをかじりながらまた協議します。
「飛ばせば最終バスに間に合うかも。でも、家に着くのは深夜になっちゃうな」と私。
「この雨の中、上高地まで走るのはイヤですね…」とたけちゃん。
「俺も嫌だな」
「じゃあ、横尾に泊まりましょうよ。食料はいっぱい残っているし、ビールも飲みたい!」
横尾への道すがら、残雪期の横尾尾根の取付きを探しますが、何となく此処だろうと思う場所はありましたが確証は得られませんでした。来年の春にはぜひとも行きたいですね!
15時位に横尾のテン場着。広々としたテン場には我々のテントがぽつんとひとつ、ちょっと寂しいですね。

テントがぽつんとひとつテントがぽつんとひとつ

白馬でリュウちゃんから教わった「じゃがりこサラダ」をつまみにビールで祝杯を上げます。昨夜失敗した私は夕食を作る気が失せて、リーダー権限でたけちゃんの大量のお菓子を夕食とすることにしました。お菓子ウマー!

8/28(晴れ):幕営地~上高地~帰京

昨夜、徳本峠越えのケンちゃん達と徳沢で合流出来ないこと(ケンちゃん達に合わせると3時起き!)が分ったので、今日の起床はゆっくりです。さらに二度寝までしてしまい、普段の山行では考えられません。余っているお菓子を朝食とし(いったいお菓子をどれだけ持ってきているんだ?)、のんびりと上高地へ向かいます。天気は上々で、前穂東壁や明神も良く見えました。コバさんとエビちゃんが行った明神を仰いで、よくあんな所を登ったよなぁと二人で感心してしまいました。

朝の明神岳朝の明神岳

その後、せせらぎの湯へ行ったら、駐車場でケンちゃん達に遭遇しました。ケッチボーできて良かったです!

今回は天候不順により当初計画を縮小しましたが、第一目標の大キレット踏破は達成しました。雨の間隙を突いての踏破でしたが、初日に槍に向かっていたら達成出来なかったことを考えると、つくづく運なのかなぁと思ってしまいます。
また、反省点としては、計画が早急過ぎて会での十分な審査時間が得られない状況になってしまったことです。一般ルートでもあり、ダメ元で計画書を提出しましたが、承認して頂いたリーダーの皆さま、本当にどうもありがとうございました。今後はもっと早く計画を表明できるように、参加者のたけちゃん共々反省しております。

白馬岳

日程:H28.8.19~20
参加者:L・記録_ミナト、ウエ、リュウ

今年に入って腰を痛めてしまい山行に参加出来なかったウエちゃんの復帰山行として、北アルプスでは比較的易しくて展望の良い、白馬大池からの白馬岳往復を計画しました。
サポート体制としては案内役執事がミナト、ボッカ役執事がリュウちゃんで臨みます。

8/19(曇り):栂池高原~天狗原~乗鞍岳~白馬大池小屋(幕営)

長野駅に集合した3人は、特急バスで栂池高原へ。その後、ゴンドラ~ロープウェイと乗り継ぎ登山口へ到着です。
それではここで3人のファッションチェックの時間です。まずはウエちゃん、とっても可愛いい山ガールファッションで決めています。オシャレですね!しかし、足元の武骨なゴロー靴がただの山ガールではないことを主張していますよ。
次はリュウちゃん。当会の男性最年少です。なんたって24才独身ですからね。着ているものもブランド品です。ザックも何だかカッコイイ!
そして私はというと、ワークマンの980円Tシャツにホームセンターで買った9000円の靴。もうこれ以上は言いません。勘弁してください…。

写真1カッコいいウエちゃんとリュウちゃん
写真2それに比べて…

今回はリハビリなので、すべてウエちゃんの思いのままになることが、私たち執事のミッションとなります。
登山口で荷作りをしていると、何だかウエちゃんが不機嫌になってきました。「どうしましたか?」「荷物が私のザックに入りきらないのよ!」これは大変です!早速ボッカ役執事リュウちゃんの出番です。「ご安心ください、入らない荷物は全部私がお持ちします」「あら、そうなの。助かるわ」ふ~、やれやれです。
登り始めて1時間くらいの水場で喉を潤し、そして天狗原湿原へ。生憎ガスっていますが、木道が設置されていて雰囲気の良い所です。木道が終わると乗鞍岳への急登になります。樹林帯を喘ぎつつ登り、雪田跡の大きな岩塊地帯になると、ペンキ印が錯綜しルートが判然としません。先頭のウエちゃんが段々と不機嫌になって「もう、どっちへ行けばいいのよ!」と怒り出しました。これは大変です!ここは案内役執事ミナトの出番です。「ここはあちらの印を目指して、あそこを上に向かってください。くれぐれも足元にお気を付けください」「あら、そうなの。わかったわ」ふ~、やれやれです。
急登が終わると広い高原状になり、大きなケルンが乗鞍岳の頂上の目印になります。ここまで来れば今夜の泊り場の白馬大池まではもうすぐそこです。
テントを張り終えたら、まずはビールで乾杯です。夕食はウエちゃんが腕を振るってくれました。献立は茄子とベーコンのトマトパスタ、舞茸のスープ、じゃがりこサラダ、そして自家製梅酒が食欲をそそります!とっても美味しくて、三つ星級でしたよ!!

写真3トマトパスタと舞茸のスープ

8/20(晴れのち曇り):幕営地~白馬岳往復~幕営地(テント回収)~栂池高原~帰京

3時半に起床しテントから顔を出すと、満天の星空です。リュウちゃんが実家からパクってきたラーメンを流し込み、そそくさと白馬岳へ向けて出発、時刻は4時半でした。
雷鳥坂を登っていると陽が昇り始めました。素晴らしい御来光にしばし見入ります。

写真4素晴らしい御来光

稜線に出ると風が強いですが、最高の展望が広がります。左側は長野の平野、中央は五竜~鹿島槍方面へ続く稜線、そして右側には日本海に浮かぶ佐渡ヶ島が見渡せます。

写真5稜線からの展望
写真6長野の実家を俯瞰するリュウちゃん

ウエちゃんからは「今年はあきらめていたけど、来れてよかったぁ!北アルプス最高!!」とのありがたいお言葉を頂けて、執事の二人も感激です!
どこまでも続くなだらかな稜線を、のんびりと白馬岳目指して進みます。至福の時間です。

写真7白馬岳へ続く道

白馬岳には8時過ぎくらいに着きましたが、生憎ガスって視界がありませんでした。白馬岳は4回目ですが、全てガスっていましたので私との相性が悪いのかもしれませんね。立ち去り難いのですが、帰りのバス時刻がギリなので、頂上を後に幕営地に戻ります。

写真8ガスの白馬山頂

幕営地に戻りテントを回収し、昨日来た道を戻ります。滑りやすいので慎重に下りましたが、バスの時刻には十分間に合いました。ちなみに、立ち寄ったゴンドラ発着所の近くの栂の湯はガラガラで快適でしたよ。

今回はウエちゃんのリハビリ山行ということで細心の注意を払いましたが、まったく問題ありませんでした。特に2日目は9時間に及ぶ行動時間でしたが、通常コースタイムで元気に歩き通しておりました。まずは復帰できて良かったです、おめでとうございます。
それと、リュウちゃんにはボッカ役を引受けてもらって、大変助かりました。どうもありがとうございました。

朝日連峰

日程:2016年8月11~14日
メンバー:ツノダ(L)、軍曹、ママ、アトム、つかみ(記)

朝日連峰は山形県と新潟県の県境にまたがる東北屈指の山岳地帯。その規模は南北60km、東西30kmにも及ぶ。今回は、泡滝ダムから古寺鉱泉へ下降するルート約32km。5人のメンバーで2泊3日、ゆっくりと進む大人の山旅である。

(11日)古寺駐車場6:00→泡滝駐車場8:10…8:40出発→七つ滝吊り橋10:40…11:40出発→大鳥小屋キャンプ場13:00(幕営)
(12日)大鳥小屋キャンプ場5:20→以東岳9:20…10:20出発→狐穴小屋12:40→寒江山14:05→竜門避難小屋15:20(宿泊)
(13日)竜門小屋4:40→西朝日岳6:30→大朝日避難小屋8:10…大朝日岳8:30…大朝日避難小屋出発9:10→一服清水9:35→古寺鉱泉13:45→古寺駐車場13:50

記録:

11日。昨夜、東京を出発し山形自動車道の月山湖PAでリーダーのツノダさんと合流。眠い体に鞭打って、もうひと頑張りと古寺駐車場へと向かった。翌朝、5時起床。ママさんが朝食にサンドイッチを作ってくれた。2時間ほどしか寝ていないので寝ぼけ半ばに食べられるかな~、と思い気や・・ひと口いただくと美味しい!なんだ、このパンは!みな、残さず食べた。リーダーもメロンを出してくれた。初日からなんとも豪勢な朝食だった。そう、この後に続く食事も縦走とは思えない程、豪華だった。
ゴールとなる古寺駐車場にツノダ車を泊め、スタートとなる泡滝駐車場へアトム車で向かった。駐車場から登山口は目と鼻さき、いよいよ出発。大鳥池迄、コースタイムが3時間ほど。急な登りもなく、楽々と七つ滝吊り橋にさしかかる。時間もあるので、大休憩をとる。釣り竿持参のリーダーと軍曹さんが釣りを始める。1時間ほど釣り糸を垂らすが、無念に終わった。

写真1七つ滝吊り橋
写真2イワナ釣り

暑い日差しがブナの木の隙間を照らす。癒される沢の音を聞きながら、大鳥キャンプ場到着。整地されたキャンプ場は申し分ない環境。水は惜しむことなくジャバジャバと24時間放水。トイレも綺麗だし、沢もながれている。テントを張り終えると、早速リーダーと軍曹さんは2回目の釣りへと出掛けた。その他のメンバーも自由に過ごした。空を直視できないぐらい、天気がいい。芝生の上に寝っ転がる至福のひと時。しばらくするとイワナを釣った二人が戻り、みんなで調理を始める。イワナは三匹。一つは塩焼き。あとはムニエル。やはり新鮮は格別だ。フレッシュサラダにビール。それとママさんが、カレーを作ってくれた。専門店で嗅ぐような匂いのカレー。まさか山で食べるとは、想像もしなかった。標高千メートルの上空で、日が暮れるまで楽しんだ。

写真3大鳥キャンプ場
写真4フリータイム

12日。大鳥池から以東岳まで標高差800mを一気に登り詰める。急登コースと穏やかコース。時間にして1時間ほど違いがある。計画通りオツボ峰経由の穏やかコースを歩く。しかし、結構な勾配だった。4時間弱で到着したが、頂上でしばしの大休憩をとる。眺めは最高だ。昨日に続きの晴天。眼下に大鳥池。峰から除く麓の奥には日本海。そして飯豊連峰や月山、鳥海山など東北の山々が見える。

写真5大鳥池

さあ、穏やかな稜線を歩く。小さなアップダウンを繰り返しながら、竜門避難小屋まで約5時間ほどかけて・・ゆっくりと休み休み、進む。

写真6どこまでも続く稜線

竜門避難小屋は賑わっていた。収容人数50名とあるが、板場がほぼ埋まっていたのでそのぐらいいたのかも知れない。やはりお盆休みだけある。持ち場のスペースを確保するため、リーダーが現場を仕切ってくれた。わずかな陣地だが快適さを司る大事なこだわり。お隣さんと丸く収まった。山では色々な場面に遭遇する。そのつど、適切な対応が要求される。
外で宴会を始める。この日は私の作る麻婆茄子だ。定番の料理だがちょっと味を変えてみた。
優しい先輩たちはみな美味しいと食べてくれた。今夜は流星群が夜空を駆け巡る知らせ。アトムさんと夜中に起きて観察しようと約束。しかし、二人とも熟睡。起きることはないまま朝を迎えた。

写真7一日の終わり

13日。いよいよ、朝日連峰最高峰の大朝日岳へ向かう。この日も抜群の天気。穏やかな、東北の山々をみながらの稜線歩きが続く。真夏だが、早朝は少し肌寒いぐらいの風が吹く。一本とりながら、衣類を調節する。小屋を後にしてから、ゆっくり歩くこと2時間弱、西朝日岳に到着。それから進むこと1時間半大朝日避難小屋到着。三階建ての小屋。三階部分の窓には格子がない。冬に備えての設計なのかもしれない。
ザックをデポし、頂上へ。混雑もなく20分ぐらいで到着。変わらぬ景色を堪能。大朝日岳東側斜面をスキーで滑り下りた先輩の話を聞き驚いた。かなりの急斜面である。厳冬期、こんなコースを滑り下りるなんて、まるで映画の世界だ。最高なんだろうな。

写真8大朝日岳
写真9大朝日からの眺め

大朝日岳から古寺鉱泉へ向かう。土曜日とあってか、登ってくる人と何度もすれ違う。小朝日岳をトラバースでまく。特別危険な箇所もない。この下山道はとにかく水が豊富である。銀玉水、三沢清水、一服清水。冷たくて美味しい水だ。携帯している水を摂取しなくても、途中の水場の補給で十分だった。約4時間半かけて古寺鉱泉に到着。標高は582m。やはり暑い。稜線上は汗をかいているのだが、涼しかった・・・。
こうして、2泊3日にわたる朝日連峰の縦走を終えた。

蔵王

合宿には、まだ続きがある。
14日。朝日連峰を楽しんだ翌日、蔵王へ向かった。昨夜合流した、かおさんも一緒だ。軍団に一段と賑わいが増した。蔵王ハイラインの終点まで行くと駐車場になっている。2~3分で展望台に到着。そこから御釜を眺めながら蔵王連峰の最高峰、熊野岳に向かう。ここは一般の観光客で賑わう、ハイキング道だ。太陽に照らされた御釜は、吸い込まれそうな美しいエメラルドグリーンに輝いていた。写真をとったり遊んだりしながら、40分位で到着。穏やかな景色が広がる。ここ蔵王はスキー場にもなっている。ゲレンデを眺めながら、樹氷を想像した。次はスキーにチャレンジしよう。遊び心が止まらない。他のメンバーも個々に色々な想いに心染められていたと思う・・・。高山植物の女王コマクサを眺めながら下山し駐車場へ。混雑していた。やはり有名な観光地、大勢の人が訪れていた。

写真10蔵王の御釜

本格的な登山、観光地巡り、ペンションでのくつろぎ、ドライブ、釣り、遊び、大笑いと内容が盛りだくさんの2016年夏合宿。贅沢な大人の旅・・感謝、感謝である。

丹波川小常木沢

・日程 2016年7月31日(日帰り)

・メンバー つりし(L、記録)、はぎ

・コースタイム(全体的にかなり余裕をもった行動でした)

余慶橋P 7:50発→一瀬川本流入渓8:00→花ノ木沢出合9:30着/9:45発→兆子ノ滝9:50着→逆くの字滝10:20着→不動ノ滝10:35着/11:45上発→20m大滝11:55着/12:50上発→ねじれの滝13:00着/13:50上発→岩岳沢出合14:00→登山道16:30→再び入渓17:40→余慶橋18:10着

小常木谷といえば置草履の悪場という滝の連続する悪渓、私のように沢といえば、たき火に酒、あとは岩魚に山菜やきのこ、と順に連想する人間にはとても敷居が高いところだったのですが、今年の夏合宿(利根川本谷)に向けての練習ということもあり行ってまいりました。

駐車スペースから余慶橋のたもとの登山道まですぐ、そして登山道に入ってすぐのところに丹波川に降りる道がある、車から入渓まで1分

入渓してから丹波川を上流に遡行し右から流れ込む沢をいくと火打石沢と小常木の分岐である。

小常木沢に入り遡行するが水量も少なく平凡な渓相が延々1時間半続く、花ノ木沢が左から流れ込んでくると、いよいよ置草鞋の悪場である。

兆子ノ滝10mは滝の水流左にハーケンが連打してある、立ってはいるが手足とも良いので快適に登れる。

兆子ノ滝

逆くの字滝は通常はつっぱりで超えるようだが、今回は倒木が真ん中にあったので、それを使って越えた、特に問題なし

不動ノ滝は被り気味なので巻き、ガイド本通り左岸の滑ったルンゼを一段上がってからロープを出す、左の乾いたスラブを登るがすこしスタンスが細かいのと高さがあるので、安全のためカムと途中の枯れ木で支点を取る。

一度立木で切ってはぎちゃんをあげた後、沢筋にそってトラバース、高さがあるのでロープをだす。5mほど残置のトラロープが張ってあったが、その先の一歩がすこし悪いそして良い支点が取れなかった。

ちなみに逆くの字滝の右岸にもしっかりとした踏み跡があった、こちらが良いという記録もあるが今回は行ってないので詳細不明

不動ノ滝

2段20m大滝 1段目は問題なし2段目は左側の滑った水流脇の階段上を登っていく、ここにも古いハーケンが連打されている、途中からシュリンゲが垂れ下がっている乾いた岩をあがっていくのだが、少しかぶり気味なのと手足がいまいちうまくきまらないので一歩が踏み切れない、最後は残置シュリンゲをA0して体をあげてそして次のシュリンゲも掴んで登る、どちらのシュリンゲも古いので気持ちの良いものではない。

途中水流沿いのほうがスタンスがありそうにも見えたが、登って滝上からみると落ち口はつるつるで水流沿いに入らなくて正解であった。

大滝
大滝/ルートは左

ねじれの滝2段20mの1段目は滝の水流脇右側を登っていくと4m位上がったあたりの水流脇にハーケン、そこから右の乾いたスラブにもシュリンゲが垂れ下がって「こっちのルートだよ~おいでおいで」しているが、そのルートはどうみても手足乏しく残置シュリンゲに全体重を預けてゴボウで登らないと突破できそうもないので、滝落ち口の流れのなかに細かいスタンスをみつけ、そろーりと登る。

ねじれの滝一段目

 2段目は滝の左側の乾いたスラブを登っていく、ここも4mほど上がると残置ハーケンがある。下は快適に登れるが最後の2歩ほど良いスタンスがないので、左岩のガバをつかいレイバック気味に足をスラブに押し付けて登る、そういや広沢寺でこんなとこあったな~と今回一番楽しい登りができたところ。

ねじれの滝二段目
ねじれの滝二段目/ルートは左凹角沿い

置草鞋の悪場も終了である、少し行くと岩岳沢の出合、今回はその岩岳沢を入って二股を左に入り途中から右岸の尾根に乗ったが、沢の中はガレていて一か所小滝でお助け紐をだす、尾根もはじめ傾斜がきつい(はぎちゃんはここが核心でないの!といつもの〇節を連発しながら詰めてたが、もちろんそんなことはない)

下山岩岳登山道は急なところもなくとても良い道であった。(今回詰めあげたところは地形図と若干ずれて稜線より向こう側に登山道があった)

快適登山道に至るまでが約1名的にNG

その他

・入渓点 橋脇の登山道を入ってすぐのロープをくぐり本流から上がっていくのが増水してなければ圧倒的に楽 帰りも同じコースなので沢靴のまま登山道を降りた。

・滝の難易度

大滝>ねじれの滝>不動滝の巻き>兆子の滝といったところか

ザイルは30mでも足りるが、40mあると安心(今回不動滝のトラバースで支点がなく立木で折り返してロワーダウン気味に確保したので)

・靴底、沢自体は滑っているのでフェルトで正解、しかし今回通った各滝の核心部はほとんど乾いた岩だったのでアクアステルスがメンバーに一人いたらトップを交互にできるかも。

・ハーケンは使わなかった、BD製カムは1番~0番の5種類を携行した、残置は総じて古いのでカムが決まると精神的余裕が違った。

・今回時間的に核心部を中心に遡行したので、フェルトで岩トレをしたような印象であった、残置多く練習には良いかも。

明神岳東稜

目的地: 北アルプス明神岳東稜~主稜下降

日時: 2016年8月6-7日

メンバー: コバ(記録)、エビ

<1日目>

24時少し前にバスターミナル最寄の第三駐車場に到着。車内で仮眠をとって、朝4時半頃バスターミナルへ向かうとタクシー会社が相乗りの斡旋をしている。大型のタクシーで一人800円。安いし楽なのでこれに乗って上高地に向かう事にする。釜トンネルのオープンが5時なので、中湯で少し時間待ちをして5時20分頃には上高地入りすることが出来た。

RIMG2377

 明神まで1時間弱歩き、明神池の前の喜平次小屋でプラティパス2本分の水を補給する。

梓川沿いを少し上流に行ったところで左に道が別れ、奥に小さな木造の建物がある。これが信州大学の施設で、向かって左手のボロい丸木橋を渡るとヒョウタン池に続く一般道となる。

一般道なので所々にペイントがあり踏みあともはっきりしている。森の中をしばらく歩くとガレた涸れ沢、下宮川谷に突き当たる。谷の右岸につけられた急登の道を辿ると、10分程で左岸から入る小さな枝沢に導かれる。出合には赤丸と矢印のペイントがあり迷うことはないだろう。傾斜はさらに急になり、ガレて非常に登りにくい。登るに従い開けてくる。ペイントを見逃さないようにしないと登りすぎてしまいそうだ。

RIMG2381

■宮川のコルあたりからⅤ峰の東面を望む

宮川のコル周辺は全体的に曖昧な地形で、ペイントをたどっていくといつの間にか上宮川谷に入り、左手の岩場の基部を通過して東稜の取り付きであるヒョウタン池に向かって行く。陽射しが暑い。ヒョウタン池直下の辺りでどこからかクライミングのコールが聞こえるので見上げると4人くらいのパーティーが岩混じりの尾根をロープを使って登っているのが見える。あの辺りが第一階段だろうか。

 ヒョウタン池は本当に瓢箪の形をしていて、小さい。

RIMG2384■ヒョウタン池

一般道はここまで。とはいえ藪の中には明瞭な踏みあとがあり問題ない。ただ暑い。藪を掴みながらの急登を行くと岩っぽい場所に突き当たる。第一階段だ。ブッシュ混じりのスッキリしない岩場を注意しながら登る。ロープは使わなかった。

RIMG2386 RIMG2387

■第一階段はロープなしでもOK。ただブッシュ交じりでちょっとうっとおしい。

第一階段の先はただひたすら登る。暑さと草の臭いに体力を奪われる。時折現れるブルーベリーの酸っぱい実で元気を付けながら暑さに耐えて登る登る登る。右手に見える前穂と左手の主稜、振り替えれば梓川が徐々に姿を変え、着実に高度を上げているという実感を与えてくれる。

RIMG2385

■下から望むと前穂は三本槍ヶ岳の趣

13時ころ。ようやく東稜の頭。目の前に東稜の核心であるバットレスの全貌を見渡すことができる。先行パーティーが1ピッチ目を登りきったところのように見える。バットレス手前のコルが今日の僕らの寝床。核心の楽しみは明日にとっとおいて、今日は鋭気を養うこととする。ツエルトを張ってゴロゴロする。陽射しが刺すようだ。虫も多い。それがなければ展望も最高の良いテンバなのだが。

RIMG2390

■明神主峰とバットレス

<二日目>

二日目は朝から岩場に取り付く。1P目エビリード。最初3m位上がり、左に回り込んでブッシュ混じりをトラバースぎみに進む。屈曲が多くロープが重いこともあり、ブッシュの中でピッチを切る。

2P目コバリード。ブッシュ混じりの岩場を10mほど登って広いテラスに出る。目の前に今日の核心スラブ。そのスラブの取り付きで腰がらみビレーとし、エビに上がってきてもらう。

3P目エビリード。スラブはわりと寝ていてフリクションもきいて登りやすい。アプローチシューズのままのエビも難なくクリア。スラブの上にはもう一つ一枚岩が横たわるがこれは左から簡単に巻ける。その上で切って終了。

RIMG2399

■核心の凹角スラブを登るエビ登攀隊長

4P目はガレガレの斜面。コバリード。この先はロープなしでも良さそうだったが、念のため頂上までスタカットで登ることにする。ロープ一杯まで伸ばしてハイマツ帯で終了。

5P目エビリード、踏み跡は頂上に向かって左から巻きこむように続いているが直登を選ぶ。岩が動くとかハイマツが抜けそうとか妙な緊張感のあるピッチ。頂上直下で終了。

6P目コバリード。せっかくフラットソールを持っていったのにいいところはエビに持っていかれ、ガレ場をフラットソールで歩き続けた僕に最後に花を持たせてくれた数メートルのピッチ。実感3手くらいで頂上。7時半。

RIMG2401

■頂上直下のピッチ

RIMG2407■明神主峰頂上ではしゃぐ。

明神頂上からは素晴らしい展望。来て良かったと思うと同時に目の前にある明神Ⅱ峰の岩壁が。達成感の後にもう一度気を引き締める。主峰からⅡ峰まではまたしても急なガレ場でⅡ峰取付きに至る。Ⅱ峰は2ピッチと考えじゃんけんでどっちが先に登るか決める。

RIMG2409■Ⅱ峰。遠目には結構立ってる!

1P目コバリード。一段上がって左に移るあたりがちょっと怖い。少し上がるとテラス状になるのでカムで支点を取ってピッチを切る。

2P目エビリード。Ⅱ峰は思ったより短かったというのが実感。ひょこりと稜線に上がり終了。

Ⅱ峰は冬にのぼられるからか色々なところに支点があって迷いやすいが、弱点をきちんと狙っていけば問題ないと感じた。

Ⅲ峰以降の主稜の下りは基本的にはっきりとした踏み跡があり迷うことは無さそう。ただⅤ峰からの下りは踏み跡が複数ある。上高地の方角に見えるちょっとした広場にに向かって下って行くが、少し起動修正が必要になってしまった。それにしても長く暑い下りを思い返したくない程つづけ、ようやく14時ごろ上高地。

RIMG2412■主稜に延々と続く踏み跡

僕らとしては3度目の正直の明神岳。自分たちで1からやろうと決めて少しずつ積み上げてきた結果が実り、最初のステップを踏み出せた山行として感無量でした。やはりアルプス。大きな山でした。

 

西穂高岳

◇日程 : 2016年7月16日~17日(前夜発1泊)

◇メンバー: サイト(CL)、トヨ、ササ、タケ(記)

◇コースタイム
7/16(sat)
西穂高登山口(5:30)~休憩(6:28)~休憩(7:27)~西穂山荘(8:20)着
西穂山荘(9:10)~丸山(10:45)~休憩~西穂山荘(11:50)
夜ごはん(16:30)~就寝(19:00頃)

7/17(sun)
起床(2:15)~朝ごはん(2:30)~西穂山荘(3:48)~独標(4:50)~
ピラミッドピーク(5:28)~西穂高山頂(6:15)~独標~(7:34)~西穂山荘(8:22)着
~下山口(10:25)

金曜日夜21時、鴻巣駅。ミナトさんがお見送りに来てくださり、出発。
土曜日深夜過ぎ、沢渡駐車場に到着。天気予報が不安定の為か、駐車場はとても空いている。
朝は、タクシーの人がすぐタクシーを呼んでくれ、5時過ぎには出発できた。
帝国ホテル前で下車。朝ご飯を近くのベンチで取る。
変な虫が多く、早々に出発。
トイレはあるものの、水場がなく、水を沢渡で汲んでおけばよかったと後悔。
中尾根は、ほとんど登山者がいなかった。途中で齋藤さんに見事なオレンジを頂き、癒されながら上った。
西穂山荘到着時には、ほとんどテントはなく、開放されていたヘリポートにテントを張らせてもらった。

ミナトさんの差し入れのジャガリコとともに一杯 笠をバックに、快晴の丸山
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明日、あの山を越えるんだな~ シャクナゲも満開
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下山後は、各自お昼寝。
その後は、なんと豪華ひつまぶし!!!
山でこんな美味しい料理が食べられる(作れる)のかと感動。

~お品書き~
ひつまぶし、タラモサラダ、胡椒効かせたスープ、わかめサラダ。

すべて工夫と軽量化を凝らしており、味も最高であった。
飲めないメンバーだったせいか、日の入りも見ずに早々に就寝。
ササさんは耐寒に強いのか、シュラフなしで寝ていました。

翌日は2:15起床。
朝食はまたもやおいしい鶏肉入りフォーをいただく。
外は小雨(霧)で、風もややあり。
隣のツェルト2張は夜に退散したのか、早出か、いなくなっていた。
とりあえず出発。
とりあえず西穂まで行ってみたが、天気が改善する気配はなく、そのまま引き返す事に。
同じくジャンダルムに行く2人パーティとすれ違ったが、途中で引き返す前提で行くと言っていた。

視界なし 良いこともあるもので、雷鳥の親子が姿を現す
ガスの中 OLYMPUS DIGITAL CAMERA

下山は、休憩なしで足早に下りる。
途中、ヘビ出現。カエルは10匹くらい出現し、先頭に立つメンバーを驚かせていた。

最後に、ご一緒させていただいた、皆さん御礼申し上げます。
また、隊長にはテント本体を持っていただいただけでなく、すべて運転もしていただき、ありがとうございました。
ジャンダルムは越えられなかったものの、北陵での初宿泊山行の中、勉強できることも多く、楽しい山行でした。
慣れていなく、皆様にお気遣いいただく場面も多かったと思いますが、少しずつ慣れていきたいと思います。