東北・飯豊連峰 石転び沢 山スキー

日程:2017年5月20日(土)~21日(日)
メンバー:ツノダ(記)

今回は白馬雪渓の2倍、約5キロを登って、下る修行をして来ました。

5月19日(金)

20時に石巻を出発し東北道、山形道、山形中央道から山形上山ICを降りて13号線へ。
南陽市から飯豊町、小国町を進み倉手山駐車場に深夜0時に到着。一人入山祝い。

5月20日(土)

6時に通行戸止めの舗装道3キロを、春合宿隊の下山尾根を思いながら休館中の飯豊温泉へ。
途中自転車活用の2名パーティーに抜かれる。後ろ姿に嫉妬を感じる。

銀輪隊銀輪隊
温見平より梅花皮雪渓温見平より梅花皮雪渓

温見平に7:10到着。遠くに梅花皮小屋が小さく見える。時々残雪交じりの登山道をへつり、平坦になった滝沢出合下から雪渓へ8:50降りる。
長靴からウロコ板に変えて焦らずゆっくり歩く。遠くに先行者2名確認。
雪渓が大きいので北股岳への門内沢と石転び沢が中々分からず、しばらく地図と照合する。
右の沢を少し行き門内沢を確認。途中から石転び沢へ戻ってデブリを避けながらクトーが効くまで斜面を登る。
石転び沢

石転び沢

斜度が45度になり板をザックへ固定しアイゼンで約1時間、やっとこ梅花皮小屋へ14:10到着。
梅花皮小屋にて

梅花皮小屋にて

ビールを雪渓で冷やす。きれいで美味しい水場があり2階で今夜の準備をする。
小屋からは大日岳は見えるが烏帽子岳があり飯豊本山が見えない。
明日は下るだけなのでその前に北股岳に登って杁差(えぶりさし)岳、頼母木(たもぎ)山も含めた飯豊の山々を見るため少々変更を考える。

北股岳より飯豊本山北股岳より飯豊本山
北股岳より大日岳北股岳より大日岳

夕食は仙台からの建築関係の人、新潟県土木職員、村上市消防隊員2名の方々と飯豊の山の話で盛り上がる。
飯豊の殆どの尾根は整備されていないが、やぶ道があるとの事。二王子岳から門内岳へ縦走する人もいるらしい?残雪期なら藪漕ぎはないのでは?

5月21日(日)

5時過ぎ小屋出発、気温が高くキックステップで6時に北股岳へ。遠く飯豊本山から
大日岳のゆったりした尾根を見る。真冬は豪雪と思うが春の飯豊は優しい山々を感じる。誰もいない小屋に戻り少し掃除をする。
ドロップ前

ドロップ前

石転び沢上部石転び沢上部
石転び沢下部石転び沢下部

7時過ぎ45度の斜面を慎重に下るが馴れて大回りもいれた滑りをする。
北股沢出合からは緩斜面なのでビデオや写真を撮りながら約50分で板を外す。途中、10名ほどの山スキーや登山者に会う。
みんなが登っているのに、こちらは一仕事を終え下るのは少し優越感を感じる。
4月に蔵王、秋山沢で会った白石の山スキーヤーの熊谷さんパーティー5名とすれ違う。
熊谷さん

熊谷さん

ソロも良いが仲間も良いもんだなぁ(笑)
7時50分、斜面が緩くなりシュルンドを気にしながら前日の山スキーの出発地点で板を外しザック脇に固定、重い。
夏に近い朝の登山道をゆっくり進む。カタクリの花が初々しい。
カタクリ

カタクリ

滑走終了滑走終了
ゲート手前・足が痛い(笑)ゲート手前・足が痛い(笑)

9時に温見平に着く。10時10分、倉手山駐車場に到着。
途中で採ったトリノアシをラーメンに入れ喰い梅花皮温泉の露天風呂で今回の山行をしみじみ思い出し石巻に白石経由で帰る。
石転び沢はアプローチは辛いが滑走は達成感があり、チャンスがあれば行きたい東北の山ですね。

霞沢岳

2017.05.05-06
メンバー:サブ(L)、アトム、タケ(記)

5/5 上高地(5:40) – 明神館(6:30) – 徳本小屋(9:20)-ジャンクションピーク(10:20)- K1(12:30)-霞沢岳(13:20)-K1 (14:15)-徳本小屋(16:50) <幕>
5/6 徳本小屋(起床6:00) – 撤収(8:15) -上高地BT(10:20)

5月4日、東京駅、夜。
サブさんは既に半袖である。アトムさんのリクエストにて、3列独立シートバスにて出発。
快適快適。そう思ったのもつかの間。同乗者のアラームが1時間置きになり、熟睡できないまま上高地に到着。

5月5日、上高地。
白沢出合からほどなく行くと、軽快に下りてくる二名と会う。これが噂に聞くSさんKさんかと山の狭さに驚く。
お二人とも若い。徳本小屋でデポして登っちゃったら~とのアドバイスをいただき、ひたすら登る。
サブさん、アトムさんは筋肉量が違う為か、この季節なのに汗を絞っている。。。

写真1白出沢登り
写真2徳本小屋

徳本峠につくと、すでにテントが数張り。アドバイス通り、登る事になった。
リーダーの指示で、ビーコン・プローブ、ショベル、ロープは持参。私のビーコンは電池が切れており、反省である。
ジャンクションピークは開けた平坦な場所で、雪も綺麗。穂高もはっきり見える。ここでテント張ると心地良さそうである。
ジャンクションピークから2261m地点まではアップダウンの連続。なかなか着かない。

写真3ジャンクションP
写真4アップダウン
写真5K1までの登り
写真6K1まであとちょっと

ようやくK1らしきピークが見え、テンションが上がり出す。(実際のK1はもう少し先)
K1ではすでに4名パーティが休憩していた。K1からは涸沢カールや笠ヶ岳がどーんと見える。圧巻である。
これが200名山だなんて、深田久弥はきっと、ガスった時に登ったに違いない。

写真7K2まで
写真8穂高が全部見える
写真9もう少しで頂上
写真10霞沢でぐりベルポーズ

隣に壮大な穂高を見つつ、頂上まで進む。風もほとんどなく、爽やかな尾根歩き。
途中、六百山から登ってきたとみられるトレースもあった。雪が腐っており、途中ズボズボと足が雪にはまった。雪庇もある。
頂上で写真撮影。サブさんに無理やり山ガール写真を一緒に撮ってもらった。
戻り道、先ほどの4名パーティとすれ違った。1名不慣れな人がいるらしい。足元も少し不安だった。
下山時、さぶさんが雪穴にはまった。雪が重く出られない。その中をアトムさん登場!アトムさんが背負ってくれたショベルで、サブさんの足を掘り起こす。三種の神器、どんな時でも重要だと感じた瞬間だった。
戻り道は長く、辛い道のりだった。ジャンクションピークにすら、なかなか着かない。3人でビールビールと叫びながらひたすら歩く。
到着は17時前。とりあえず、予定通りの日の入り前に到着。
テント設営、ビール。アトムさんが3本もビールを担いでくれていた。疲れかの為か、飲む量は少なく20時半に就寝。
K1で会った4人パーティは、結局21時に戻ってきたとの事。無事でよかった。

5月6日、徳本小屋。
温泉の時間に合わせて下山しよう、との事で朝はゆったり。外は既に雨が強くなっている。アトムさんのビーフンを朝ご飯に戴き、撤収。アルペンホテルで温泉に入ろうと思ったが、営業時間が7:00~10:30、12:00~14:30の為、入れず。
100円シャワーで済ませて帰京。

最後に。
久しぶりの出席の中、無理を言って参加させていただいた雪山山行。サブさん、アトムさんに深く御礼申し上げます。
山行中も雪山であってはならない事等、多々ご迷惑をお掛けしました。それにも関わらずお二人には、暖かく迎え入れて下さり、嬉しかったです。感謝申し上げます。

苗場・雁ヶ峰 山スキー

日程 : 2017年3月19日-20日
メンバー : アンドー(L)、いた、アトム、あず、ハギ(記)

【19日】
宿に前夜23時すぎ着、起きてみれば雨で、皆のモチベーションはだだ下がる。 とりあえず行ってみましょう、ということで出かけると、上は雪。雨でなくてよかった。 しかし本格的な降雪となり稜線にはガス、当初は本日が雁ヶ峰、明日は神楽峰ルートか中尾根ルートの予定だったが、ゲレンデスキーに変更した。 夕方宿に帰ると、私はすぐさま温泉入ってビールが飲みたくソワソワするが、そう簡単にはいかない。 裏庭でアンドーLによるビーコン訓練。ビーコンを使うのは久しぶりであやふやなこともあったのでありがたい。夕食後は部屋で宴会、すっかり気持ちよくなり、皆のたのしそうな声を聞きながら居眠り。

【20日】
第5ロマンスリフト上(10:15)=中尾根の頭(11:05)=清八の頭(12:25/12:40)=黒岩ノ平(12:55)=雁ヶ峰(14:25)=スキー場下山ルート終了地点(15:30)

GPSの軌跡

ロープウェー、ゴンドラ、リフトを乗り継いでスキー場トップに到着。 10:15計画書を提出し、ビーコンチェックを受けてゲートを通過。 ちょこっと登るだけでもダメなのか、と後ろでゲレンデボーダーのグループが交渉していたが、「ここから先は登山の領域ですから」とあえなく却下されている。 何年か前に来た時は計画書の提出のみで、ゲレンデから「ちょこっと」登る人も沢山いた。厳しくなってるんだなぁ。。。

神楽峰の方へ行くトレースと途中で分かれて、中尾根との鞍部へ向かう。昨日と打って変わっての天気で、既に汗ばみ、アトムさんの「脱いでいいですか!」を待っていたように揃って上着を脱ぐ。広い斜面をのんびり登って、中尾根の頭へ到着。 どうせすぐ登りだから、とシールをつけたまま、霧ノ塔手前の清八の頭の鞍部を目指して下る。ここは面倒でも、アンドーLに倣ってシールを外した方が楽しかったと思う。

清八の頭のピークまでは、今回のルート中、所要時間は短いが一番傾斜がキツい登り。ジグザグにゆっくり登る。雪が固い時はアイゼン必須だろう。暑い。日焼け防止に鼻まで覆っているせいもあるが汗だく。暑いよ〜。最年少のあずちゃんは山スキー2年目とは思えない巧みなスキーさばきで、サクサク登っていってしまい羨ましく見送る。汗だくの登りの後は、昨日の悪天候も今日の晴れのためだったに違いないぞと、景色最高のピークを堪能。存在感ありまくりの苗場山へと、稜線は続いている。

清八の頭への登り

ここから雁ヶ峰へと繋ぐルートを地図と実際の景色と照らし合わせて全員で共有して出発した。ピークを少し外してから、トラバースしてピーク直下の気持ちのよいオープンバーンの広い尾根に回り込み、黒岩ノ平という平坦な場所にすべりこんでいく。昨日の新雪で雪が思いのほかよく、フワフワの雪を満喫!といいたいところだが、ゲレンデの圧雪面のイメージで突っ込み、スキーを引っ掛けてまずしょっぱなからコケる。ふかふか!!と再認識して、雪まみれになりながらニヤニヤしてしまう。気を取り直し、まだ誰も滑っていない斜面をたのしく堪能して、傾斜が緩くなる大雪原へ。 ここらへんがテンションが最大上がったところ。

黒岩の平へ
黒岩ノ平から清八の頭を見上げる

黒岩ノ平の端まで来たら現在地を確認し、進行方向を切り替えて雁ヶ峰に向かう。右側の雪庇に近づきすぎないよう、左側の谷に下り過ぎないよう注意しながら下り、最後の登りへ。雁ヶ峰のピークは広く、のんびりしたい場所だ。真っ白な谷川の国境稜線が連なっているのがくっきりと見え、改めて今日の穏やかな好天に感謝。

中央左のPが清八の頭(たぶん)

あとはスキー場に向かって下るだけ、最後の滑りを楽しみたいが、雪は大分重くなってターンが難しくなってくる。 さらには段々傾斜がキツくなってきて、木々の間を縫いながら斜滑降+横滑り+キックターンで騙し騙し。もはや快適とは無縁、集中して黙々と下る。何度か進行方向を調整し、すぐ下にゲレンデが見える所まできた。最後の落差10M程度が一番緊張した下り、私的にはスキーを担いで後ろ向きに四つん這いで降りたくなる傾斜だったが、そういえばピッケルがない。残念。いたさんのルート取りを真似てなんとか降り、ゲレンデに合流。よかった〜。いやーまだまだだ。 まだまだだけど、好きこそものの、なんとやら。また、よろしくお願いいたします。

 

爺ヶ岳東尾根

日程:2017年3月18~19日
メンバー:コバ(L)、ウエ(記)

コースタイム
3/18 7:30 登山口〜10:40 JP〜11:40 P3〜14:00 P1
3/19 7:30 P1〜9:00 爺ヶ岳山頂〜9:45 P1〜10:15 下山開始〜12:00 P3〜13:00 JP〜15:00 登山口

3/18(土)快晴

前夜23時頃に都内を出発し途中のSAで仮眠をとった後、早朝旧鹿島山荘前へ。
7時頃到着の時点で6台ほどの駐車スペースはほぼ満車だ。
準備を整えて7:30に出発する。
民家の脇を通り抜け、おばばの碑が登山口の目印。
かつては鹿島槍の最も一般的な登山口はこの鹿島集落で、「おばば」こと鹿島山荘の狩野きく能さんは歴史的な登山家を幾人ももてなした有名な方なのだそう。
その向かいには「爺ヶ岳東尾根冬期登山口」の看板も。冬の北アルプス入門ルートとして人気のようで、同じ日に8パーティくらい入山していたのではないだろうか。

Ggatake01おばばの碑

登山口からはイキナリの急登だ。
稜線に出るまでの約2時間半、ひたすら登る。幸いトレースはしっかりだが、晴天すぎて暑さがつらい…

Ggatake02急登!

稜線に出てしばらくすると丸山から派生する尾根と交わるジャンクションピーク(JP)に出る。爺ヶ岳も鹿島槍も見える。素晴らしい展望にテンション上がる。

Ggatake03鹿島槍が見えてきた

山頂はすぐ近くのように見えるが、その手前にはこれから通る予定のP3、P2、P1が連なっている。手強そうな予感だ。

Ggatake04右奥から鹿島槍、爺ヶ岳北峰、中鋒、P1。その手前にP2、P3

今回の計画は初日P1でビバークし、2日目に爺ヶ岳経由で鹿島槍まで往復するA案と、初日にP1まで到達しない場合はP3に幕営し、2日目は爺ヶ岳だけを往復するというB案を用意していた。鹿島槍にアタックする場合は2日目に冷池で幕営する縦走スタイルが一般的なようだが、重荷での行動に不慣れな私のために、コバさんがP1からの往復を提案してくれたのだった。
なので、翌日の鹿島槍に希望を残すため、なんとしてもP3を目標タイムで通過してP1で幕営したいもの。
ペースを上げてP3の目標タイムはクリア。しかし…バテていた。
P3は本日の幕営の準備をするパーティーで賑わっていた。豪華な風除けが残置されていたり、なかなか寝心地が良さそう…

Ggatake05P3は快適そうなテン場だ

でももうひと頑張りして、さらに進む。
P2の手前は少し痩せ尾根。この日は幸い快晴無風なので風景を堪能しながら気持ちよく歩けた。

Ggatake06P2は高度感がある

その後再び樹林帯を通り、最後に急登を必死の思いで乗り超えるとP1の広大なテラスに到着だ。
P1は遮るものがなく、間近には爺ヶ岳の山頂と鹿島槍、遠く槍ヶ岳まで見渡せる絶景が広がっていた。

Ggatake07槍が見えた!

ここまで辿り着けた達成感を感じつつ、ビバーク準備を整える。
地面はアイスバーンの上に薄い雪が乗った状態。コバさんががんばって風除けを掘ってくれたが、だいぶ苦労した。

Ggatake08P1から爺ヶ岳山頂を背景に

テント内で宴会をしているうちに日が落ちて、気温が下がり、風がでてきた。
風がどんどん、どんどん強くなり、テントが傾き始めた…。
この風は激しくなる一方で、夜中中風がテントを煽る「ドドドド」というマシンガンのような音は止まず、ただただテントが飛ばされないことを祈って眠りについたのだった。

3/19(日)吹雪のち晴れ

翌朝、風は幾分収まったが、外は雪。視界はほぼゼロ。
出発を遅らせ様子をみたが、天候は回復しそうにないので、軽身での爺ヶ岳往復だけ決行することにした。
P1の広い尾根に一晩で30センチあまり雪が積もった為、シュルントや雪庇に注意しつつ歩いた。視界が悪くトレースも消えてルーファイも難しい。昨日とは何もかも違う状況の中、新雪と強風で思うように歩けない。
なんとか頂上に立ったものの視界ゼロ。証拠写真だけ撮影してそそくさと下山した。

Ggatake09撤収前のP1

撤収して、昨日通った道を下山していくが、ここからが長かった。
下山中に天候は回復し気温も上昇、雪はみるみるうちに腐っていく。涼しい顔でスタスタ降りていくコバさんを必死に追いかけながら、なかば滑り落ちるように無様に降りていく私であった。

最後に…
気長に見守ってくれたコバさんには感謝してもしきれない。
自分の歩きや雪山での振る舞いは大きな課題が見つかったが、天候によって全く違う姿を見せる冬の北アルプスを体感できたことは得難い経験だった。
そしてこの時、爺ヶ岳の山頂から見えるはずだった雪の劔を見たいと強く思い、GW合宿の五竜岳山行への参加を決めただった。

妙義 木戸壁右カンテ(西上州シリーズその2)

日程: 2016年12月30日
メンバー: みなと、けんた(記)

5:52 霞ヶ関駅(埼玉県)集合・出発
7:45 駐車場到着・準備
7:55 出発
8:30 取り付き
10:40 登頂
12:10 取り付き
12:55 下山

みなとリーダーにお誘い頂き、西上州シリーズその2である。
前回の筆頭岩からおよそ1ヶ月後、軽い気持ちで家を出たが、南浦和駅での電車の接続待ちが、寒い。朝霞台での電車の接続待ちが、ものすごく寒い。霞ヶ関駅でみなとリーダーと集合した際には、すでに戦意喪失。寒くて手がかじかんで、岩を登れないのではということで、ハイキングにしようという話になる。
国民宿舎の駐車場に到着して準備をする。気温は低いが向かう岩場は日が差しており、とりあえず行けるのではないかということで取り付き点へ向けて出発。取り付き点へ向けての登山道は、ちょっとした岩場のアップダウンを繰り返しながら進む。ところどころ、初心者は引き返してくださいという看板が見られ、さすが裏妙義という気がした。
30分強で取り付き点へ到着し、岩屋根の下で準備をする。この時点ですでにたどん状の岩が見られる。試しに、岩を握って力を込めてみると、取れた! 他の岩でも試してみるが、取れた!!
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
この時、前評判通り、ここの岩場のホールドは、信じられないことを悟る。
ここでもやはり、みなとリーダーから何ピッチをリードしたいか聞かれ、即座に奇数ピッチを希望。事前の情報を見て、やはりラクに快適のモットーを優先させる。
とはいったものの、1ピッチ目は、全く持っての垂壁。ホールドはあるのだが、こいつ本当に信頼できるのという思いから「スタートできないんじゃね」という不安に駆られる。ネットの山行記録にあった3点支持を意識し、ホールドが取れないことを確認しながらおっかなびっくり登る。
2ピッチ目、たどん状のホールドやボルトが豊富にあることはあるのだが、みなとリーダーもなかなか進まない。やはりホールドが取れないか確認をしているようだ。

3ピッチ目は、松の木を目指して登るピッチで、ルートが分りやすく、また2ピッチ目より斜度も緩やか。登りやすいピッチであった。
4ピッチ目。全ピッチの中でいろいろな意味でここが一番登りづらいピッチであった。ルートを右上に取った後、カンテを左上するのだが、まず左に切り替わる地点がいやらしい。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
ホールドの少ない垂壁なのだが、1つだけいかにも乗ってくださいと言わんばかりのたどんが1個(上の写真でも見られます)出っ張っていた。みなとリーダーは、このたどんに足を乗せて良いものやら、大分悩まれていた。他にホールドがあれば、それに越したことはないのだが、どうやらこのたどんしかない。最後は思い切って、このたどんに足を乗せて、上へ上がられていた。ちなみに私は、みなとりーだーが乗って大丈夫なら、自分は確実に大丈夫なはず、ということで迷わず足を乗せることができた。また、みなとりーだーが登り切った後、私のフォローの際に、青のダブルロープがたどんに引っかかって、うまくロープが張れなかったため、赤ロープのみをたよりに登ることとなった。セカンドで登るにも緊張するピッチだった。
5ピッチ目も、3ピッチ目と同様、緩やかなルートかつ短いルートであっけなく終了。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
インターネット上の山行記録を見ると、5ピッチ目よりも上へ登られている記録もあるのだけれども、特に眺望が望めるわけではなく、このピッチで終了させ、懸垂下降に移る。懸垂下降ルートも上ったルートを辿るように降りる。たどんにロープが絡むことを恐れて、ダブルロープ一本で下降を開始。最初の3ピッチは問題なく降りられたのだけれども、次のピッチでロープが絡んでしまった。二人で力を入れて引いても、全然動かない。仕方なく、もう一本のロープでみなとリーダーが登り返し、事なきを得る。やはり本番のルートではダブルロープが必須である。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
振り返ってみると、それほど難しくはないルートではあったが、絶えず緊張が強いられたルートであった。ただ、その緊張のおかげで、岩を落とすことなく集中して登ることができた。今後の本番ルートに向けてのいい経験になったというのが実感である。

<ミナト記>
全てのホールドが信用できない… しかし、これでもか!という程打たれているボルトのおかげで登ることができた。もう見るからに「このホールドはヤバいな」という場面では、躊躇なくA0しちゃったし、「足を置いたホールドが落ちたら、ケンちゃんに直撃しちゃうかも」なんて場面でも、躊躇なくボルトに足を乗せちゃいました。
最初にこのルートを登った人は相当な精神力の持ち主だったに違いない!ハーケンは効かないので、取れちゃうかどうか判らない「たどん状ホールド」にスリングを掛けてランニングにして、登って行ったのだと想像すると…私には絶対に出来ません!!
でもこの岩場のロケーションは素晴らしいですよ。たかだか千メートル程の山とは思えない岩山景色です。南面なので日当たりは良く、赤城おろしの風も遮られてけっこう暖かいし、スカッとした高度感が最高です!ルートも易しいし(ホールドが大丈夫なら)、初級者のマルチピッチ練習にちょうどいいと思いました。ただ、アプローチがヒルの生息地なので5月~10月はNGですね。

2016年12月雪上訓練 谷川岳

日程:2016年12月17~18日

メンバー:サブ(CL)、ケンタ(SL)、ツカミ、ミナザ、ミヤユミ、ササ(記)

■12月17日(土)
9:30   谷川岳ロープウェイ駅集合(佐々木遅刻10:50着)
12:20  熊穴沢避難小屋到着
テント設営
14:20  テント内にてロープワーク復習
・ヒマラヤコンテ
・諸注意
16:40  夕食
20:00  就寝

しょっぱな電車遅延で遅刻。
本来の集合場所ではなく、谷川岳ロープウェイで待ってくれているサブさんと合流する。
他のメンバーは先に出発していたためすぐに追いかける。
雪はパラついて平地でもひざ下まで積もっていた。ロープウェイ側の斜面では5~6組ほどのパーティーがラッセルや滑落停止訓練を行っていた。

待ってくれていたメンバーと合流し、幕営予定の熊穴沢避難小屋を目指す。
道中は人もテントも多くトレースはばっちりついていたので歩行はかなり楽だった。

1日目テント幕営地熊穴沢小屋

ケンタ、ササが先行し熊穴沢小屋へ到着し幕営スペースを確保。
全員合流しテント設営。

テント設営後は中でサブ、ケンタにてロープワーク講習。
2日目の実習に備える。

夕食担当はツカミ。

ツカミさんの美味しい夕食

とてもおいしく品数も多かった為、少々食べ過ぎた。
各自持参の酒でささやかな宴会をし1日目終了。

 

■12月18日(日)
4:00   起床
6:00   出発
8:15   肩ノ小屋到着
8:45   トマの耳到着
9:50   熊穴沢避難小屋到着
・テント回収
・アイゼン装着
11:05  熊穴沢小屋出発
12:10  谷川岳ロープウェイ駅付近の斜面にて雪上訓練。
・滑落停止訓練・・・初期制動
・ヒマラヤコンテ
・スタンディングアックスビレイ(あくまで参考として)
12:40  谷川ロープウェイ駅発
日の出前の暗いうちから出発。

日の出。今日もお天気は良さそうだ
準備を整えて出発

風は強いが雪も降っていないので行動しやすかった。ふと気づくと既にずっと先まで
トレースがついていた。天狗の留まり場に到着する前にラッセルをしていたパーティーに合流した。若い男性3人のパーティーで話を聞くと早朝から延々ラッセルしていたという。
私たちも混じりラッセルする。やっと雪訓らしいことができた。

ようやく雪の量もそこそこになってきた

雪は時に腰までありとても深い。浅い部分は足を上げなくていいので疲れないが腰ラッセルは踏む→膝で固める→足で固めるこの一連の流れが辛く体力を消耗する。

交代しながらなんとかトマの耳へ到着。
強い風が吹いているが晴れていてとても眺めがよかった。

トマの耳

今回はトマの耳までで下山。
最後に谷川ロープウェイ駅の前の斜面で滑落停止、ヒマラヤコンテの練習をして
今回の雪上訓練は終了した。
谷川は積雪も多い為、多くのパーティーが訓練していて異様な光景だった。
だが実際歩いてみて雪訓にはもってこいだと感じた。

 

 

妙義 筆頭岩(西上州シリーズその1)

平成28年12月4日
【メンバー】みなと、けんた(記)

5:52 霞ヶ関駅(埼玉県)集合・出発
7:30 駐車場到着・準備
7:40 出発
10:20 登頂
11:30 下山

みなとリーダーにそそのかされてダブルロープを購入したのは、1年半以上前、それ以降ダブルロープを使ったのは、雪訓で1回とサブリーダーの元での岩トレで1回の2回のみ。今回、ようやくみなとリーダーにダブルロープの使い方をご指南頂く運びとなった。ちなみに今回ご案内頂いた筆頭岩は、日本の山を世界に紹介したかのウェルター・ウェストンさんも登られたということで、俄然やる気が出てくる。
早々に出発したことが奏功し、まだ人が少ない、駐車場に到着する。手早く準備を済ませ、出発。しばらくは車道歩きが続くが、だんだんと目の前に筆頭岩が迫ってくるのが圧巻だった。見た目はプチ槍ヶ岳。
車道から登山道に入るのだが、各種記録に見られるように、ここが核心であった。狭い道を進むのだが、浮き石がゴロゴロ、すぐ下には車道が走る。当然、岩を落としてはならないが、自分が落ちるのではないかという恐怖におののく。慎重に、慎重に進み、取り付き点へ。
みなとリーダーから何ピッチをリードしたいか聞かれ、即座に奇数ピッチを希望。事前の情報を見ていても、厳しいピッチは、偶数ピッチに集中していた。ラクに快適にがモットーです。
1ピッチ目は、階段状の登り。練習のため、こまめにランニングを取りながら登る。

1ピッチ目

2ピッチ目から斜度が増していくが、みなとリーダーの落ち着いたクライミングにより、難なくクリア。

2ピッチ目

3ピッチ目も傾斜は急であるが、ピークを越えた先がナイフリッジになっている。リードという事もあり、恥も外聞もかなぐり捨てて、這い這いで進む。みなとりーだーからは見えない位置だし、証拠写真は撮られないので安心だ。ちなみに、左側を見ると切れ落ちた崖なのだが、右側を見ると単なる雑木林になっていた。落ちるとしたら右だなと縁起でもないことを思いながら進んだ。

3ピッチ目

そして核心の4ピッチ目へ。垂壁に近い壁。自分はリードしたくないなあと思いながら見ていたが、みなとリーダーは淡々と登っていった。セカンドで登ると、安心感からすんなりと登ることができた。

4ピッチ目

頂上からの眺めは良く、遠くまでしっかりと見ることができた。

頂上

頂上で軽く食事を取り、下降を開始する。今回はダブルロープ2本を使用して、2ピッチで下降。1ピッチ目は岩を落とさないように注意しながら下降。特に問題なく降りたが、2ピッチ目で私が支点に思いっきり負担をかけてしてしまいながら、懸垂下降を行ってしまった。みなとリーダーから本ちゃんルートでの懸垂下降は支点に負担をかけないようにしっかりと教えて頂くことに。
取り付き点に戻ってから、また車道までの登山道を戻ることになるが、最初と同様、かなり注意しながら歩く。車道を見ると峠を攻める車やバイクが頻繁に登ってくる。岩を落としたら本当に大事故になってしまい、最初よりも緊張しながら慎重に歩く。車道についてようやっと安心できた。安心からか、帰りの車では爆睡してしまい、途中から記憶がない・・・。みなとリーダー失礼しました。
ダブルロープを使った本番のルートは、今回が初めて。筆頭岩はそれほど厳しくなく、経験を積むのにちょうど良かった。また、西上州の山々が楽しめ、関東からも近い。今後も西上州の岩場を楽しんでいきたいと思う。(ただし、ヒルの出ない時期で。)

筆頭岩
<みなと記>
初めての西上州なので、最も易しい岩場にしました。ちょっと岩慣れた人ならロープ無しでも行けちゃうと思う。一応の核心となる最終ピッチには鎖もあるし(ボロボロですが)。
ですので、岩登りの楽しさ的には期待できないが、ハイグレードハイキング的な面白さや、初心者のマルチピッチ練習にはちょうどいいと思います。あと、妙義の岩峰群の景色が素晴らしいです。新緑の頃にまた行きたい!

鶏冠尾根

日程:H28.8.19~20
10/15 東上線霞ヶ関駅集合9:30=圏央道=中央道=西沢渓谷駐車場0:00幕営
10/16 駐車場5:30~鶏冠第3岩峰11:00~鶏冠山12:00~木賊山15:30~徳ちゃん新道~駐車場19:30=帰玉
参加者:ミナト(L・記録)、ウエ、ユイ、ミヤユミ

10/15(土)晴れ

リーダー権限で私の最寄り駅で集合とし、レンタルした愚妻車で一路目的地へ。西沢渓谷駐車場の端っこの落ち葉の上にテントを張り、ユイさん持参のワインで軽く酒盛りしてAM1:00に就寝。この駐車場はトイレは遠いが快適な幕場だ。

10/16(日)快晴のち曇り

4:30起床、5:30出発。林道をしばらく歩き東沢を吊り橋で渡ると、すぐ右に東沢沿いの登山道があり、そこを行くと自然に鶏冠谷出合へ導かれる。心配していた東沢の徒渉は問題なく、道標に従い鶏冠尾根へ取付く。ここでヘルメットやハーネスを装着し気を引き締めるが、道は立派な登山道並みで、ちょっとガッカリしつつも黙々と稜線を目指す。天気は秋晴れ、空気も爽やかで急登も気にならない。「あんなところにブルーシートがある!」とウエちゃんが叫ぶと、「あれは青空だよ?」とユミちゃんに返され一同大爆笑!いったいどうしたらそこまで勘違いできるのだろうか?不思議だ…。
稜線手前の岩壁帯を登る所でちょっと迷うが、ウエちゃんから「ここに登った跡があるよ」と助言してもらい、めでたく稜線へ出られた。残置ストックの手書き道標によると、ここはチンネのコルという所らしい。ここから樹林帯をしばらく登るといよいよ岩稜帯のお出ましだ。

写真1登山道並みの良い道
写真2岩稜帯のお出ましだ

所々に鎖やトラロープが設置されているが、それらを使わずとも適所にガバホールドがあり、岩のフリクションも良いので快適に登れる。ちょっと怖い所もあるが、それもスパイスとして楽しみましょう!クライムアップ、ダウンを繰り返すと核心の第3岩峰に突き当たった。今までの岩稜・岩峰に比べ高さと角度が段違いで、鎖やロープも無く、これはクライミングの領域。不安そうな顔のユイさんとユミちゃんに「巻道で行くかい?」と問うと、二人とも思いっきりうなずいて笑顔に戻った。さてウエちゃんはどうかな?「私は登る!絶対に!!」、ハイハイわかりました。

写真3第2岩峰から第3岩峰を見る
写真4第3岩峰取付き

ユイさんとユミちゃんには巻道で行って上で待っててもらうこととし、私とウエちゃんは登攀の準備をしレッツ・クライム。正面フェースはフラットソールじゃないと無理。左へ回り込んでみると右上するクラックが中間テラスへ続いていて「ここを登りなさい」と岩が教えている。まず2m程上のピナクルでランニングを取り、適度にあるガバで順調に登りカムでランニングしようと思ったらハーケンが2枚打ってあった。1枚はヤバそうだが、もう1枚はガッチリ効いているので、それにランニングを取る。そこから2m程登ると中間テラスでビレイポイントも設置されていた。まだ10mも登っていないのでピッチを切らずそのまま上へ。このテラスから左の石を足場にして1段上がって正面フェースに取付く所が核心だろう。フェースに取付いてそのまま上がろうとしたら行き詰り、一旦テラスに降りて仕切り直し。下から「私のビレイで大丈夫ですかぁ~」と不安げなコール。大丈夫も何もここまで来たら行くっきゃないでしょ!真面目にルーファイすると、少し右に行くとガバっぽいのがある。再度取付いてそのガバ目指して登ってみると目論見通り、おまけにハーケンも打ってありヌンチャクでランニングしてひと安心。ここから上はガバの連続で快適なクライミングを楽しんで終了点に到着。
立木を確保支点にして、ウエちゃんに「登っていいよ」のコール。ウエちゃんはスルスルと順調に登ってきたが、例の核心で迷っている。よしよし、それでよいのよ。迷って自分で解決して、それで力が付いてくるのだから。何とか核心を解決し、完登したウエちゃんは満面の笑顔で「楽しかった~!」だって。すぐ上にはユイさんとユミちゃんが待っていてくれて、お待たせしました。そこからちょっと歩くと鶏冠山の山名標があって、登頂おめでとうございます!

写真5ニセ鶏冠山・山頂

時刻は11時。「来た道を戻るか、尾根伝いに木賊山へ登って一般道で下山するか、どっちにする?」と私。「戻るより進みたい!」との全員の意見。この先は特に危険な所も無いとの情報なので、それではそうしましょう!シャクナゲがうるさい踏み跡を1時間ほど登ると「あれれ、鶏冠山の看板がある!」ええっどうゆうこと??どうやらこっちが本当の鶏冠山頂みたい。木賊山到着が14時頃と見積もっていた私は「ヤバい、1時間まちがえた!これじゃ木賊山到着は15時過ぎで、ヘッデン下山確実かも」とひとり焦るが、皆が不安にならないよう「木賊山まであと1時間」と適当にうそぶいたら、ウエちゃんに「そんなに早く着くはずないじゃない!」とたしなめられてしまった。

写真6本当の鶏冠山・山頂
写真7藪漕ぎデビューのお姉さまたち

ここから先はシャクナゲがさらに濃くなり、おまけに下ったりもするものだから、遅々として進まず不安な空気が漂い始める。慣れない藪漕ぎと先が見えない行程に段々とお姉さまたちの機嫌が悪くなり、出てくる言葉は愚痴とため息ばかり。こんな時は申し訳ないが奴をネタにするしかない。そう、あの怪しい東洋人「キム兄」だ!「あいつはさ、あんな顔して…なんだぜ」と私。「そうなんですよね~、あれでも…なんですよ!アハハ~」とウエちゃん。「キム兄さんにはどうやったら会えるの?私も会いたい~♪」とユミちゃんも乗ってきて、あっという間に場は和やかになった。キム兄よ、キミは今、東北の山をさまよっていて知らないだろうが、こうして我々を癒してくれているのだよ!ありがとうキム兄!
先頭のユイさんの絶妙なルーファイで木賊山頂30m手前の登山道に飛び出してひと安心。ユイさんは、「藪漕ぎって面白いですね!」と言い放つ奇特な人で、私にとっては先が楽しみな人材だ。

写真8木賊山にやっと到着

下山は尾根ルートの「徳ちゃん新道」を選択し、途中からヘッデンを点けての下降になる。駐車場に辿り着いたのは19時半。14時間に及ぶ長い1日であった。
今回は、読図、岩稜、藪漕ぎ、夜間歩行、長時間歩行と大変内容の濃い山行であったが、いつの日か、この経験が今後の皆の山行に活かされる日が必ず来るであろうと思う。

きのこ採り沢2016 福島県滑谷沢

期日:2016年10月1~2日
場所:滑谷沢左俣下降~三本松右俣遡行~栗子山~三本松左俣下降
メンバー:つりし・(L)ハギ・こば・あずさ・つかみ(記録)

週末の天気が・・・。
前線の影響で、週末雨が予想されていた。当初計画していたのは、奥只見に位置する白石沢スラブ。残念ながら中止が決定。それでも諦めきれず、相談を始めた。雨から逃れ、なおかつ水量がすくなく、秋・・きのこだ!と、言うことで2年前に訪れた、栗子山塊、滑谷沢に行くことになった。

【一日目】

6:00 王子駅前セブンイレブン前~東北自動車道・福島飯坂IC経由~
9:45 東栗子トンネル駐車場到着。全員沢靴に履き替え出発。

写真1前線を抜け見事な天気

駐車場の脇道を進むこと5分程で、林道に入る。この林道はかつての国道。(昭和41年に廃止されている)万世大路と呼ばれる旧国道は勾配も穏やかで、歩きやすい。
10:35 二つ小屋トンネルに到着。

写真22年前より整備されている

トンネルを抜け、しばらくすると大きなキノコを発見。次いで紫色したキノコ。図鑑で詳しく調べる。食べられると判明すると袋の中へ。それから入渓地までキョロキョロ収穫しながら進む。キノコだけではない、山ぶどうもある。粒が大きく甘い。もちろんこちらも袋の中に。宴会での葡萄酒、とても楽しみだ。そして歩きながらも山ぶどうを頬張った。

写真3大きいキノコ
写真4図鑑で検索
写真5スギタケモドキ

12:20 太平橋到着。ここより入渓。

写真6太平橋

日差しがブナの隙間からこぼれる。時より美しいナメ床が出現する。平坦で遡行しやすいのだが、キノコを探すのに夢中で何度か見逃す。みんな袋をぶら下げながら幕営地となる裏見の滝手前の二俣へと進む。前回は大収穫のため、今年もと・・期待をよせた。が、しかし・・大量収穫とまではいかなかった。

写真7きのこハンター
写真8美味しそうなナメコ

13:40 幕営地到着。右岸には人臭い気配が残っていた。向かって左岸はどうにか、人工的なものがない。なので、こちらに決定。タープを張り、テントを設営。次いで、個人の準備を整え、上流へとキノコ採りへと出発。裏見ノ滝を少し過ぎた辺りで倒木にはりついたクリタケを発見。その後は真剣に探すも、腐れていたり古かったりで無念に終わった。2年前に比べると不作らしいのだが、コッフェルいっぱいにキノコを収穫出来た。

写真9ご覧あれ、きのこ尽くめ

夕方には宴会が始まる。今までにないビールの量。今日はハギさんの誕生日前夜祭。こば料理長の料理はいつもながらプロ級だ。写真でお見せ出来ないのが残念だが、どうにか伝えたい。旬の芋煮は牛肉、キノコ入りと、贅沢な具が盛りだくさん。しかも白菜が溶け込んで、たまらない美味さだ。芋煮だけじゃない、豚の味噌漬け。焼き鳥。まさか山で三種類のお肉を食べるなんて想像もしなかった。ミズのお浸しは鰹味と梅味を楽しみ、採れたて葡萄とバーボンのコラボ酒。米は収穫したてのコシヒカリ。あっ・・これ以上、望むものなんて・・主役はハギさんのはずだが・・負けじと、みんな幸せに包まれた夜を過ごした。

【二日目】

5:30 起床。予定より30分遅れた。まさかの全員寝坊。今日は荷物をデボして6時間程の行動予定だから、押した分急がないといけない。しかし慌てる様子もなく、約一時間後の6:40分出発した。

テン場の滑谷沢左岸から三本松沢右岸の奥へ進み、そのまま沢床へ降りる。遡行図では栗子山までの間、2~5m、3~7mの小滝連続と大雑把に記されている。次から次へと滝が続く。大きなものはないのだが、ナメがあり慎重になったり、濡れるのを回避しまいたりした。いくつ滝があったかは数え損ねたが、ロープを出すこともなく楽しめた。

写真10ナメ床を進む
写真11快適に登る

9:35 栗子山到着。三角点をみつけられなかったのだが、ドラム缶が放置してあり、そこを頂上とした。

写真12栗子山のドラム缶

藪漕ぎをしながら稜線を南に南下。稜線にはピンクの紐で標がされている。背丈ほどある藪を抜けると見晴らしの良い台地になっていて、吾妻連峰や麓の町がよくみえた。しばらく休憩・・何もかも吹っ飛んでしまう程、癒される・・。

写真13藪を抜けると絶景が
写真14稜線からの眺め

10:30 稜線から三本松左俣下降に入る。小滝が連なるが、比較的簡単に下降できる。中俣、右俣と出合いしばらくすると、滑谷沢出合いでる。
12:20 幕営地に到着。撤収を行い
12:40 出発。帰りはキノコ採りに夢中だったので気づかなかった部分を何度か確認しながら進んだ。場所によっては新鮮な感覚を覚える。

写真15昨日通ったはずなのに・・

13:35 太平橋~14:45 二つ小屋トンネル 林道の万世大路を下って行く。
トンネル内は舗装されているので、歩きやすい。整備されている気配だが、崩落している箇所があったりもして、気が引き締まる。木漏れ日に当たりながらあっという間に、駐車場到着。15:30。

自然の恵に、感謝せずにはいられない。
きのこ採り沢、このまま秋の定番コースになりそうだ。

コースタイム
【一日目】東栗子トンネル駐車場出発9:45~二つ小屋トンネル10:35~太平橋(入渓)12:20~二俣(幕営地)13:40
【二日目】二俣幕営地6:40~栗子山9:35~三本松左俣下降10:30~幕営地12:20~太平橋13:35~二つ小屋トンネル14:45~東栗子トンネル駐車場15:30

谷川岳 馬蹄形縦走

日程: 2016年10月8~9日
メンバー: ミナト(CL)、アトム、ウエ、ユイ(記)

CT: 10/8 土合橋駐車場(7:05)〜松ノ木沢の頭(09:40)〜白毛門山頂(10:50/11:20)〜笠ヶ岳山頂(12:25/12:40)〜朝日岳(14:00/14:35)〜ジャンクションピーク(14:50)〜清水峠(16:25:幕営)
10/9 清水峠(7:30)〜七ツ小屋山(08:25)〜蓬峠(09:25)〜白樺避難小屋(10:20/10:45)〜芝倉沢巡視小屋(12:30/12:50)〜マチガ沢駐車スペース(13:50/14:00)〜土合橋駐車場(14:25)

1日目、早朝に集合、先ず、土合橋駐車場から霧の中、白毛門に上がります。なかなかの急坂が続き、露岩も点在するしっかりした登りです。松ノ木沢の頭前後から森も疎らになり、視界も開けてくるはずですが、今日は真っ白、ジジ岩・ババ岩も見えません。そのまま岩がちな山道を白毛門へと登り、稜線を伝って、笠ヶ岳へと歩いていきます。

白毛門へ、岩場を越える
白毛門山頂にて

笠ヶ岳へ向かうあたりから、霧が晴れてきた。パーティのメンバーから一斉に歓声があがります。霧が晴れると、周囲は紅葉した木々の山々、正面に笠ヶ岳から小烏帽子の稜線、稜線の笹が風に波打って風紋のよう。眺望は期待していなかっただけに喜びが湧いてきます。

紅葉の笠ヶ岳
笹原が波打つ笠ヶ岳の稜線

笠ヶ岳からは稜線を伝って、小烏帽子を抜けて朝日岳に到達。時折、晴れ間も出てきて、ぐるり360°の展望を楽しめる眺望山行となりました。朝日岳に到着して休憩。朝日岳周辺は広くてとても気持ちが良いところ、静かでとてもきれいな山頂です。休憩後はおだやかな池塘の広がる木道を進み、ジャンクションピークを抜けていきます。

笠ヶ岳山頂にて、山頂同定中のよう
笠ヶ岳山頂より白毛門方面、ジブリ調
崖上のミナトさん
朝日岳山頂にて
朝日岳池塘の木道
ジャンクションピークの先には、右手に巻機山のカッコいい稜線が続き、登山道の続く稜線には幕営予定地である清水峠が見えます。清水峠への下りは、トラバース気味なやや嫌らしい個所も幾つか越えるなど足元に気を使い、また、視界に清水峠にあるJRの巡視小屋と避難小屋を肉眼ではっきりと捉えるものの、なかなか清水峠に到着できませんでした。
ジャンクションピーク先の稜線
カッコいい巻機山
清水峠はあと少し
紅葉稜線
幕営地の清水峠は、穏やかな笹原にある心地よいところ。水場の水はとてもおいしく、幕営にちょうど良いです。この日の夕食は、ウエちゃんが、マイタケのスープ、エリンギとホタテのアヒージョ、トマトソースのペンネをふるまってくれました。アトムさんが持参して下さったビールで乾杯し、ウイスキーや焼酎をいただきながら、歓談のひと時を経て、22時頃に就寝しました。
清水峠に到着

2日目:翌朝は冷たい雨。起床時間を遅らせ、お湯を沸かして、アトムさんが作るコーンビーフサンドイッチをおいしくいただきました。この日は、風雨強く、早々に蓬峠から土合口への下山を決める。冷たい雨と風の中、七ツ石小屋山を越え、蓬峠から下山開始です。雨の谷川岳は、蛇紋岩がつるつる滑り、途端に難しくなります。崩落した岩のトラバース、増水した沢の渡渉などがあり、気を使いながら、慎重に対処します。雨に濡れた岩は、まるでアルカリ温泉にある浴槽と洗い場のようにつるつる滑り、また、沢も増水していて渡渉が難しく、下山は思ったより大変でした。

雨の清水峠
雨の白樺避難小屋
増水した沢の渡渉個所を探す

事前の天気予報では、両日とも雨予報でしたが、初日は山行日和になり、紅葉と眺望を楽しむことができました。2日間の歩きごたえあるルート、無事に楽しく歩けたのは、泊まり山行に慣れた会の皆さまのお陰です。今回は、荒天で蓬峠から下山となってしましましたので、次回は、好天の日に、是非とも谷川馬蹄形をコンプリートしたい、魅力的なルートと山行でした。