那須朝日岳 東南稜

【日付】
2017年6月10日(土) 天候:晴のち雨

【メンバー】
こば(L)、つかみ、ささじ(記)

【行程】
峠の茶屋(8:55)→那須岳登山口 (9:00)→一般登山道分岐(9:20)-
朝日岳東南稜取り付き(9:40)-朝日岳山頂(10:55)-朝日岳山頂出発(11:05)-
峠の茶屋(12:05)

6月10日 行きの東北道が事故により渋滞に巻き込まれた。
駐車場に到着するも峠の茶屋無料駐車場は満車。その下の無料駐車場も満車であったが、峠の茶屋の有料駐車場に1台分空きがあり運よく駐車することが出来た。

今日の那須は快晴である。風はそれほど強くなく心地良い。絶好の登山日よりである。しかし今日は朝から那須地方に雷注意報が出ていたので天候を気にしながら予定通りの時刻に登山開始。
今回は朝日岳東南稜のバリエーションルートで朝日岳を目指す。
このルートは冬季の山行記録はあるものの、無雪期の山行記録はあまりない。

地図
始めは一般登山道で、峠の茶屋跡避難小屋手前にある【こんなとことに「高山植物」が?】の看板を目標に進む。今日は登山者も多い。看板の所で他の登山者の視線を気にしながら一般登山道から外れ谷へ下りて行く。

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朝日岳東南稜の取り付きでヘルメット、ハーネスを装着する。
このルートは朝日岳までの行程の1/3は非常にもろい岩場であり、少し力を入れただけでも崩れる茶褐色の岩が多いので、手をかける場合には見極めが必要である。またこのルートは岩のもろさに加え、浮石が非常に多いので、雪に覆われているか凍り付いている冬季とは違った注意が必要である。

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少々急なガレ場を登っていくと、前方に第一の核心の「門」と呼ばれる岩場がそびえ立つ。
この門を越えて朝日岳山頂を目指す。

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ここまで登ると岩はだいぶしっかりしてくる。しかしたまに茶褐色のもろい岩はあるので引き続き注意したい。門は約5mほど登った後、また5mほど下りる。この辺りから那須特有の風が出てきた。強風まではいかないが、そんなに広くない峰で突風に煽られないように注意をする。空はまだ快晴だ。

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下りるとまた5mほど登り返す。アルファベットの「M」のような形状である(正面から見てもMだが、横からみてもM)。登り返しは大きな岩で構成されている垂壁であるが、ステップはそれなりに確保できる。

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第一の核心部の門を無事に越えると、目前に朝日岳がそびえる。山頂はたくさんの登山者で賑わっている。

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ここから山頂までまるで北アルプスにいるようかの稜線が続く。風が吹くと気持ちがいい。バリエーションルートでなければ見ることの出来ない景色と時間を堪能する。山頂までもう少し。空はまだ快晴だ。

朝日岳山頂直下で第二の核心部が現れる。高低差15mぐらいであろうか。核心部と言ってもルート次第ではそれほど難しくは無い。どのルートで山頂を目指すかはあなた次第!我々は左側のルートを選択した。

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ここを登れば山頂にいる登山者と会話が出来るほどの距離。登山者に見られている・・・何だか少し恥ずかしい。と言う訳で無事に朝日岳山頂に立った。ここで軽めの昼食をとり、一般登山道で下山する。時間は11時。空が何だか鈍よりしてきた。

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天候を気にしながら一般登山道をさくさく下山。峠の茶屋跡避難小屋まで20分ぐらいであろうか、すっかり雲行きが怪しくなってきた。
峠の茶屋跡避難小屋を過ぎた辺りからとうとう雨が降ってきた。やはり山の天気は変わりやすい。我々の目的は快晴の中、無事に終えられたのは幸いだった。

これは家に帰ってから知ったのだが、今日は何やら胸に同じバッチを付けた登山者が多いと思っていたら、当日は「那須連山縦走フェスティバル」というものが開催されていたようで登山者が多かったらしい。また雹も降ったとの情報もあったので、我々は若干雨に降られたものの、早めの下山、下山後の鹿の湯での入浴と有意義且つ効率の良い山行が出来たと思う。

最後に、今回私自身はじめてのバリエーションルートでの山行でした。こばさんの計画ならびにこばさん、つかみさんのサポートのお陰で楽しく安全に一日を過ごすことが出来ました。自身の課題は盛り沢山ですが、まずは体力アップが当面の課題になりそうです。今回はとても貴重な経験をありがとうございました。これからも一座一座意味のある山行をし、自立出来るように邁進していきたく思います。

五竜岳(春合宿)

日程:2017年5月3日 – 2017年5月5日
天気: 終日快晴
メンバー:
ミナト(L)、サイトウ、ミヤノリ、とん、トヨタ、うえ、ザエモン、ゆみ、ジャンヌ (記)

3日 白馬五竜テレキャビン アルプス平駅 (8:50) – 地蔵の頭 (9:10) – 中遠見 (11:00) – 大遠見山 (12:20) – 遠見尾根付近にて幕営
4日 幕営地 (5:00) – 五竜山荘 (7:10) – 五龍岳山頂 (8:50) – 五竜山荘 (10:30) – 幕営地 (12:00)
5日 幕営地 (6:10) – 二の背 髪 (7:10) – アルプス平駅 (8:15)

記録:

5月2日 移動日

深夜、車3台に分乗し、各車 「ぽかぽかランド美麻」 にて仮眠

5月3日

7:30五竜とおみ駐車場にて準備をし、白馬五竜テレキャビンとおみ駅へ。
アルプス平駅で準備をし、地蔵の頭、小遠見山、中遠見山、大遠見山とノーマルルートをとり、幕営地に向かって出発。この時期特有の腐れ雪が延々と続く中、アイゼンを付けづ、ツボ足で歩く。ピンと張り詰めた風景の厳冬期とは異なり、春の雪山らしい柔らかい風景に癒されながら、しかし、紫外線の強さ、気温の高さから洪水のように汗をかきながら歩いた。
テン場に到着し、手分けをしてテント設営、ペグの代わりに割り箸を使うなど目から鱗の知識習得ができた。まだ明るいうちに夕食を済ませ、翌日の五龍岳登頂の準備をし、18:00には就寝していた。(ミナトさん、素敵なトイレをありがとうございました。)

5月4日

3:00起床、朝食のトマトリゾットを食し、アイゼン、スパッツ、ヘルメット、ピッケルなどなど忘れ物の無いように五龍岳登頂の準備をする。遅れないようにと焦れば焦るほど失敗をしてしまい、案の定、一番最後になってしまった。早く準備ができるようにもっと練習しなくては。
5:00テン場を出発し、表面クラストした雪道を五竜山頂に向けて歩く。アップダウンを繰り返し、五竜山荘に到着。休憩後、2グループに分け、山頂に向かう。

五竜山荘と白岳五竜山荘と白岳

山頂までのルートは、気温の上昇とともにザラメ雪が解け出し腐れ雪になり、固く締まった厳冬期の雪と比べると恐怖感は少なかった。また、多少の岩場があったが、しっかりとしたホールドがあったため登りやすかった(ミナトさんにアンザイレンをしていただいたおかげです。ありがとうございました。)。
五龍岳山頂に着き、アンザイレンを解かれ(リードを解かれた犬の気持ちがわかった。)、山頂碑にタッチ!360度展望を見渡すと剱岳、槍ヶ岳なども一望できた。山は素晴らしい!

五竜岳山頂五竜岳山頂

絶景を堪能し、いざ、下山!相変わらずの腐れ雪を注意深く降りていく。途中、サイトウさんから急な下りでのピッケルの使い方を伝授していただき、早速、行動に移す。なかなか楽しい!GW中ですれ違う人が多く、お互いに譲り合いながら進んだ。下りなのであっという間に五竜山荘に着いてしまった。
五竜山荘からテン場までは、気温が上がったことと紫外線が強くなったことで、頻繁に周囲の山で雪崩が起きていた。雪崩の音が雷のように響いていた。日の出間もない時間から登山を開始するのは雪崩に遭遇する確率を低くするためでもある。
12:00 テン場に到着し、暖かい春の日差しの中で、雪のテーブルセットを囲んで(これもミナトさん作です。)、お酒少々の宴会が始まった。学生時代に戻ったようなとりとめのない話に盛り上がり、あっという間に時間が過ぎた。夕食にキムチ鍋を食べて18:00就寝。

5月5日

今日は最終日、朝食を済ませ、各自荷物をまとめ、テントの撤収をし、下山の準備をした。出発前に全員で集合写真を撮った。

幕営地で記念撮影幕営地で記念撮影

いざ、出発!同時刻に下山するパーティーと追い越し、追い越されを繰り返しながらグサグサの雪をアイゼンを付けて降りた。サイトウさんはツボ足で、楽しそうにスケーティングをしながら降りていた。うらやましい・・・。強い日差しと高温で汗が洪水のように流れ出る。休憩を入れて2時間程度でアルプス平駅に到着。 下りは本当にあっという間でわずか2時間で下山。
五竜を後にし、「ぽかぽかランド美麻」に向かった。温泉がオープンするまで時間があったので、お土産コーナーでお土産を物色し、カフェ?でシュークリームとコーヒーを食した。温泉代は団体料金で少し安かった。温泉で3日間の汗を流し、レストランで食事をして解散となった。

早いもので楽しかった3日間の雪山もこれで終わり。もっと雪と戯れたい気持ちもあったが、来シーズンの雪山に楽しみを取っておこう。
テントでの2泊、朝食担当と記録担当、更に9人という大所帯の登山は、入会したばかりの私にとって緊張の連続だった。しかし、メンバーの皆にリラックスした雰囲気を作って頂き、仲間として受け入れて頂いたので、とても楽しい時間を過ごすことができた。

メンバーの皆様、本当にありがとうございました。

東北・飯豊連峰 石転び沢 山スキー

日程:2017年5月20日(土)~21日(日)
メンバー:ツノダ(記)

今回は白馬雪渓の2倍、約5キロを登って、下る修行をして来ました。

5月19日(金)

20時に石巻を出発し東北道、山形道、山形中央道から山形上山ICを降りて13号線へ。
南陽市から飯豊町、小国町を進み倉手山駐車場に深夜0時に到着。一人入山祝い。

5月20日(土)

6時に通行戸止めの舗装道3キロを、春合宿隊の下山尾根を思いながら休館中の飯豊温泉へ。
途中自転車活用の2名パーティーに抜かれる。後ろ姿に嫉妬を感じる。

銀輪隊銀輪隊
温見平より梅花皮雪渓温見平より梅花皮雪渓

温見平に7:10到着。遠くに梅花皮小屋が小さく見える。時々残雪交じりの登山道をへつり、平坦になった滝沢出合下から雪渓へ8:50降りる。
長靴からウロコ板に変えて焦らずゆっくり歩く。遠くに先行者2名確認。
雪渓が大きいので北股岳への門内沢と石転び沢が中々分からず、しばらく地図と照合する。
右の沢を少し行き門内沢を確認。途中から石転び沢へ戻ってデブリを避けながらクトーが効くまで斜面を登る。
石転び沢

石転び沢

斜度が45度になり板をザックへ固定しアイゼンで約1時間、やっとこ梅花皮小屋へ14:10到着。
梅花皮小屋にて

梅花皮小屋にて

ビールを雪渓で冷やす。きれいで美味しい水場があり2階で今夜の準備をする。
小屋からは大日岳は見えるが烏帽子岳があり飯豊本山が見えない。
明日は下るだけなのでその前に北股岳に登って杁差(えぶりさし)岳、頼母木(たもぎ)山も含めた飯豊の山々を見るため少々変更を考える。

北股岳より飯豊本山北股岳より飯豊本山
北股岳より大日岳北股岳より大日岳

夕食は仙台からの建築関係の人、新潟県土木職員、村上市消防隊員2名の方々と飯豊の山の話で盛り上がる。
飯豊の殆どの尾根は整備されていないが、やぶ道があるとの事。二王子岳から門内岳へ縦走する人もいるらしい?残雪期なら藪漕ぎはないのでは?

5月21日(日)

5時過ぎ小屋出発、気温が高くキックステップで6時に北股岳へ。遠く飯豊本山から
大日岳のゆったりした尾根を見る。真冬は豪雪と思うが春の飯豊は優しい山々を感じる。誰もいない小屋に戻り少し掃除をする。
ドロップ前

ドロップ前

石転び沢上部石転び沢上部
石転び沢下部石転び沢下部

7時過ぎ45度の斜面を慎重に下るが馴れて大回りもいれた滑りをする。
北股沢出合からは緩斜面なのでビデオや写真を撮りながら約50分で板を外す。途中、10名ほどの山スキーや登山者に会う。
みんなが登っているのに、こちらは一仕事を終え下るのは少し優越感を感じる。
4月に蔵王、秋山沢で会った白石の山スキーヤーの熊谷さんパーティー5名とすれ違う。
熊谷さん

熊谷さん

ソロも良いが仲間も良いもんだなぁ(笑)
7時50分、斜面が緩くなりシュルンドを気にしながら前日の山スキーの出発地点で板を外しザック脇に固定、重い。
夏に近い朝の登山道をゆっくり進む。カタクリの花が初々しい。
カタクリ

カタクリ

滑走終了滑走終了
ゲート手前・足が痛い(笑)ゲート手前・足が痛い(笑)

9時に温見平に着く。10時10分、倉手山駐車場に到着。
途中で採ったトリノアシをラーメンに入れ喰い梅花皮温泉の露天風呂で今回の山行をしみじみ思い出し石巻に白石経由で帰る。
石転び沢はアプローチは辛いが滑走は達成感があり、チャンスがあれば行きたい東北の山ですね。

霞沢岳

2017.05.05-06
メンバー:サブ(L)、アトム、タケ(記)

5/5 上高地(5:40) – 明神館(6:30) – 徳本小屋(9:20)-ジャンクションピーク(10:20)- K1(12:30)-霞沢岳(13:20)-K1 (14:15)-徳本小屋(16:50) <幕>
5/6 徳本小屋(起床6:00) – 撤収(8:15) -上高地BT(10:20)

5月4日、東京駅、夜。
サブさんは既に半袖である。アトムさんのリクエストにて、3列独立シートバスにて出発。
快適快適。そう思ったのもつかの間。同乗者のアラームが1時間置きになり、熟睡できないまま上高地に到着。

5月5日、上高地。
白沢出合からほどなく行くと、軽快に下りてくる二名と会う。これが噂に聞くSさんKさんかと山の狭さに驚く。
お二人とも若い。徳本小屋でデポして登っちゃったら~とのアドバイスをいただき、ひたすら登る。
サブさん、アトムさんは筋肉量が違う為か、この季節なのに汗を絞っている。。。

写真1白出沢登り
写真2徳本小屋

徳本峠につくと、すでにテントが数張り。アドバイス通り、登る事になった。
リーダーの指示で、ビーコン・プローブ、ショベル、ロープは持参。私のビーコンは電池が切れており、反省である。
ジャンクションピークは開けた平坦な場所で、雪も綺麗。穂高もはっきり見える。ここでテント張ると心地良さそうである。
ジャンクションピークから2261m地点まではアップダウンの連続。なかなか着かない。

写真3ジャンクションP
写真4アップダウン
写真5K1までの登り
写真6K1まであとちょっと

ようやくK1らしきピークが見え、テンションが上がり出す。(実際のK1はもう少し先)
K1ではすでに4名パーティが休憩していた。K1からは涸沢カールや笠ヶ岳がどーんと見える。圧巻である。
これが200名山だなんて、深田久弥はきっと、ガスった時に登ったに違いない。

写真7K2まで
写真8穂高が全部見える
写真9もう少しで頂上
写真10霞沢でぐりベルポーズ

隣に壮大な穂高を見つつ、頂上まで進む。風もほとんどなく、爽やかな尾根歩き。
途中、六百山から登ってきたとみられるトレースもあった。雪が腐っており、途中ズボズボと足が雪にはまった。雪庇もある。
頂上で写真撮影。サブさんに無理やり山ガール写真を一緒に撮ってもらった。
戻り道、先ほどの4名パーティとすれ違った。1名不慣れな人がいるらしい。足元も少し不安だった。
下山時、さぶさんが雪穴にはまった。雪が重く出られない。その中をアトムさん登場!アトムさんが背負ってくれたショベルで、サブさんの足を掘り起こす。三種の神器、どんな時でも重要だと感じた瞬間だった。
戻り道は長く、辛い道のりだった。ジャンクションピークにすら、なかなか着かない。3人でビールビールと叫びながらひたすら歩く。
到着は17時前。とりあえず、予定通りの日の入り前に到着。
テント設営、ビール。アトムさんが3本もビールを担いでくれていた。疲れかの為か、飲む量は少なく20時半に就寝。
K1で会った4人パーティは、結局21時に戻ってきたとの事。無事でよかった。

5月6日、徳本小屋。
温泉の時間に合わせて下山しよう、との事で朝はゆったり。外は既に雨が強くなっている。アトムさんのビーフンを朝ご飯に戴き、撤収。アルペンホテルで温泉に入ろうと思ったが、営業時間が7:00~10:30、12:00~14:30の為、入れず。
100円シャワーで済ませて帰京。

最後に。
久しぶりの出席の中、無理を言って参加させていただいた雪山山行。サブさん、アトムさんに深く御礼申し上げます。
山行中も雪山であってはならない事等、多々ご迷惑をお掛けしました。それにも関わらずお二人には、暖かく迎え入れて下さり、嬉しかったです。感謝申し上げます。

苗場・雁ヶ峰 山スキー

日程 : 2017年3月19日-20日
メンバー : アンドー(L)、いた、アトム、あず、ハギ(記)

【19日】
宿に前夜23時すぎ着、起きてみれば雨で、皆のモチベーションはだだ下がる。 とりあえず行ってみましょう、ということで出かけると、上は雪。雨でなくてよかった。 しかし本格的な降雪となり稜線にはガス、当初は本日が雁ヶ峰、明日は神楽峰ルートか中尾根ルートの予定だったが、ゲレンデスキーに変更した。 夕方宿に帰ると、私はすぐさま温泉入ってビールが飲みたくソワソワするが、そう簡単にはいかない。 裏庭でアンドーLによるビーコン訓練。ビーコンを使うのは久しぶりであやふやなこともあったのでありがたい。夕食後は部屋で宴会、すっかり気持ちよくなり、皆のたのしそうな声を聞きながら居眠り。

【20日】
第5ロマンスリフト上(10:15)=中尾根の頭(11:05)=清八の頭(12:25/12:40)=黒岩ノ平(12:55)=雁ヶ峰(14:25)=スキー場下山ルート終了地点(15:30)

GPSの軌跡

ロープウェー、ゴンドラ、リフトを乗り継いでスキー場トップに到着。 10:15計画書を提出し、ビーコンチェックを受けてゲートを通過。 ちょこっと登るだけでもダメなのか、と後ろでゲレンデボーダーのグループが交渉していたが、「ここから先は登山の領域ですから」とあえなく却下されている。 何年か前に来た時は計画書の提出のみで、ゲレンデから「ちょこっと」登る人も沢山いた。厳しくなってるんだなぁ。。。

神楽峰の方へ行くトレースと途中で分かれて、中尾根との鞍部へ向かう。昨日と打って変わっての天気で、既に汗ばみ、アトムさんの「脱いでいいですか!」を待っていたように揃って上着を脱ぐ。広い斜面をのんびり登って、中尾根の頭へ到着。 どうせすぐ登りだから、とシールをつけたまま、霧ノ塔手前の清八の頭の鞍部を目指して下る。ここは面倒でも、アンドーLに倣ってシールを外した方が楽しかったと思う。

清八の頭のピークまでは、今回のルート中、所要時間は短いが一番傾斜がキツい登り。ジグザグにゆっくり登る。雪が固い時はアイゼン必須だろう。暑い。日焼け防止に鼻まで覆っているせいもあるが汗だく。暑いよ〜。最年少のあずちゃんは山スキー2年目とは思えない巧みなスキーさばきで、サクサク登っていってしまい羨ましく見送る。汗だくの登りの後は、昨日の悪天候も今日の晴れのためだったに違いないぞと、景色最高のピークを堪能。存在感ありまくりの苗場山へと、稜線は続いている。

清八の頭への登り

ここから雁ヶ峰へと繋ぐルートを地図と実際の景色と照らし合わせて全員で共有して出発した。ピークを少し外してから、トラバースしてピーク直下の気持ちのよいオープンバーンの広い尾根に回り込み、黒岩ノ平という平坦な場所にすべりこんでいく。昨日の新雪で雪が思いのほかよく、フワフワの雪を満喫!といいたいところだが、ゲレンデの圧雪面のイメージで突っ込み、スキーを引っ掛けてまずしょっぱなからコケる。ふかふか!!と再認識して、雪まみれになりながらニヤニヤしてしまう。気を取り直し、まだ誰も滑っていない斜面をたのしく堪能して、傾斜が緩くなる大雪原へ。 ここらへんがテンションが最大上がったところ。

黒岩の平へ
黒岩ノ平から清八の頭を見上げる

黒岩ノ平の端まで来たら現在地を確認し、進行方向を切り替えて雁ヶ峰に向かう。右側の雪庇に近づきすぎないよう、左側の谷に下り過ぎないよう注意しながら下り、最後の登りへ。雁ヶ峰のピークは広く、のんびりしたい場所だ。真っ白な谷川の国境稜線が連なっているのがくっきりと見え、改めて今日の穏やかな好天に感謝。

中央左のPが清八の頭(たぶん)

あとはスキー場に向かって下るだけ、最後の滑りを楽しみたいが、雪は大分重くなってターンが難しくなってくる。 さらには段々傾斜がキツくなってきて、木々の間を縫いながら斜滑降+横滑り+キックターンで騙し騙し。もはや快適とは無縁、集中して黙々と下る。何度か進行方向を調整し、すぐ下にゲレンデが見える所まできた。最後の落差10M程度が一番緊張した下り、私的にはスキーを担いで後ろ向きに四つん這いで降りたくなる傾斜だったが、そういえばピッケルがない。残念。いたさんのルート取りを真似てなんとか降り、ゲレンデに合流。よかった〜。いやーまだまだだ。 まだまだだけど、好きこそものの、なんとやら。また、よろしくお願いいたします。

 

爺ヶ岳東尾根

日程:2017年3月18~19日
メンバー:コバ(L)、ウエ(記)

コースタイム
3/18 7:30 登山口〜10:40 JP〜11:40 P3〜14:00 P1
3/19 7:30 P1〜9:00 爺ヶ岳山頂〜9:45 P1〜10:15 下山開始〜12:00 P3〜13:00 JP〜15:00 登山口

3/18(土)快晴

前夜23時頃に都内を出発し途中のSAで仮眠をとった後、早朝旧鹿島山荘前へ。
7時頃到着の時点で6台ほどの駐車スペースはほぼ満車だ。
準備を整えて7:30に出発する。
民家の脇を通り抜け、おばばの碑が登山口の目印。
かつては鹿島槍の最も一般的な登山口はこの鹿島集落で、「おばば」こと鹿島山荘の狩野きく能さんは歴史的な登山家を幾人ももてなした有名な方なのだそう。
その向かいには「爺ヶ岳東尾根冬期登山口」の看板も。冬の北アルプス入門ルートとして人気のようで、同じ日に8パーティくらい入山していたのではないだろうか。

Ggatake01おばばの碑

登山口からはイキナリの急登だ。
稜線に出るまでの約2時間半、ひたすら登る。幸いトレースはしっかりだが、晴天すぎて暑さがつらい…

Ggatake02急登!

稜線に出てしばらくすると丸山から派生する尾根と交わるジャンクションピーク(JP)に出る。爺ヶ岳も鹿島槍も見える。素晴らしい展望にテンション上がる。

Ggatake03鹿島槍が見えてきた

山頂はすぐ近くのように見えるが、その手前にはこれから通る予定のP3、P2、P1が連なっている。手強そうな予感だ。

Ggatake04右奥から鹿島槍、爺ヶ岳北峰、中鋒、P1。その手前にP2、P3

今回の計画は初日P1でビバークし、2日目に爺ヶ岳経由で鹿島槍まで往復するA案と、初日にP1まで到達しない場合はP3に幕営し、2日目は爺ヶ岳だけを往復するというB案を用意していた。鹿島槍にアタックする場合は2日目に冷池で幕営する縦走スタイルが一般的なようだが、重荷での行動に不慣れな私のために、コバさんがP1からの往復を提案してくれたのだった。
なので、翌日の鹿島槍に希望を残すため、なんとしてもP3を目標タイムで通過してP1で幕営したいもの。
ペースを上げてP3の目標タイムはクリア。しかし…バテていた。
P3は本日の幕営の準備をするパーティーで賑わっていた。豪華な風除けが残置されていたり、なかなか寝心地が良さそう…

Ggatake05P3は快適そうなテン場だ

でももうひと頑張りして、さらに進む。
P2の手前は少し痩せ尾根。この日は幸い快晴無風なので風景を堪能しながら気持ちよく歩けた。

Ggatake06P2は高度感がある

その後再び樹林帯を通り、最後に急登を必死の思いで乗り超えるとP1の広大なテラスに到着だ。
P1は遮るものがなく、間近には爺ヶ岳の山頂と鹿島槍、遠く槍ヶ岳まで見渡せる絶景が広がっていた。

Ggatake07槍が見えた!

ここまで辿り着けた達成感を感じつつ、ビバーク準備を整える。
地面はアイスバーンの上に薄い雪が乗った状態。コバさんががんばって風除けを掘ってくれたが、だいぶ苦労した。

Ggatake08P1から爺ヶ岳山頂を背景に

テント内で宴会をしているうちに日が落ちて、気温が下がり、風がでてきた。
風がどんどん、どんどん強くなり、テントが傾き始めた…。
この風は激しくなる一方で、夜中中風がテントを煽る「ドドドド」というマシンガンのような音は止まず、ただただテントが飛ばされないことを祈って眠りについたのだった。

3/19(日)吹雪のち晴れ

翌朝、風は幾分収まったが、外は雪。視界はほぼゼロ。
出発を遅らせ様子をみたが、天候は回復しそうにないので、軽身での爺ヶ岳往復だけ決行することにした。
P1の広い尾根に一晩で30センチあまり雪が積もった為、シュルントや雪庇に注意しつつ歩いた。視界が悪くトレースも消えてルーファイも難しい。昨日とは何もかも違う状況の中、新雪と強風で思うように歩けない。
なんとか頂上に立ったものの視界ゼロ。証拠写真だけ撮影してそそくさと下山した。

Ggatake09撤収前のP1

撤収して、昨日通った道を下山していくが、ここからが長かった。
下山中に天候は回復し気温も上昇、雪はみるみるうちに腐っていく。涼しい顔でスタスタ降りていくコバさんを必死に追いかけながら、なかば滑り落ちるように無様に降りていく私であった。

最後に…
気長に見守ってくれたコバさんには感謝してもしきれない。
自分の歩きや雪山での振る舞いは大きな課題が見つかったが、天候によって全く違う姿を見せる冬の北アルプスを体感できたことは得難い経験だった。
そしてこの時、爺ヶ岳の山頂から見えるはずだった雪の劔を見たいと強く思い、GW合宿の五竜岳山行への参加を決めただった。

妙義 木戸壁右カンテ(西上州シリーズその2)

日程: 2016年12月30日
メンバー: みなと、けんた(記)

5:52 霞ヶ関駅(埼玉県)集合・出発
7:45 駐車場到着・準備
7:55 出発
8:30 取り付き
10:40 登頂
12:10 取り付き
12:55 下山

みなとリーダーにお誘い頂き、西上州シリーズその2である。
前回の筆頭岩からおよそ1ヶ月後、軽い気持ちで家を出たが、南浦和駅での電車の接続待ちが、寒い。朝霞台での電車の接続待ちが、ものすごく寒い。霞ヶ関駅でみなとリーダーと集合した際には、すでに戦意喪失。寒くて手がかじかんで、岩を登れないのではということで、ハイキングにしようという話になる。
国民宿舎の駐車場に到着して準備をする。気温は低いが向かう岩場は日が差しており、とりあえず行けるのではないかということで取り付き点へ向けて出発。取り付き点へ向けての登山道は、ちょっとした岩場のアップダウンを繰り返しながら進む。ところどころ、初心者は引き返してくださいという看板が見られ、さすが裏妙義という気がした。
30分強で取り付き点へ到着し、岩屋根の下で準備をする。この時点ですでにたどん状の岩が見られる。試しに、岩を握って力を込めてみると、取れた! 他の岩でも試してみるが、取れた!!
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この時、前評判通り、ここの岩場のホールドは、信じられないことを悟る。
ここでもやはり、みなとリーダーから何ピッチをリードしたいか聞かれ、即座に奇数ピッチを希望。事前の情報を見て、やはりラクに快適のモットーを優先させる。
とはいったものの、1ピッチ目は、全く持っての垂壁。ホールドはあるのだが、こいつ本当に信頼できるのという思いから「スタートできないんじゃね」という不安に駆られる。ネットの山行記録にあった3点支持を意識し、ホールドが取れないことを確認しながらおっかなびっくり登る。
2ピッチ目、たどん状のホールドやボルトが豊富にあることはあるのだが、みなとリーダーもなかなか進まない。やはりホールドが取れないか確認をしているようだ。

3ピッチ目は、松の木を目指して登るピッチで、ルートが分りやすく、また2ピッチ目より斜度も緩やか。登りやすいピッチであった。
4ピッチ目。全ピッチの中でいろいろな意味でここが一番登りづらいピッチであった。ルートを右上に取った後、カンテを左上するのだが、まず左に切り替わる地点がいやらしい。
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ホールドの少ない垂壁なのだが、1つだけいかにも乗ってくださいと言わんばかりのたどんが1個(上の写真でも見られます)出っ張っていた。みなとリーダーは、このたどんに足を乗せて良いものやら、大分悩まれていた。他にホールドがあれば、それに越したことはないのだが、どうやらこのたどんしかない。最後は思い切って、このたどんに足を乗せて、上へ上がられていた。ちなみに私は、みなとりーだーが乗って大丈夫なら、自分は確実に大丈夫なはず、ということで迷わず足を乗せることができた。また、みなとりーだーが登り切った後、私のフォローの際に、青のダブルロープがたどんに引っかかって、うまくロープが張れなかったため、赤ロープのみをたよりに登ることとなった。セカンドで登るにも緊張するピッチだった。
5ピッチ目も、3ピッチ目と同様、緩やかなルートかつ短いルートであっけなく終了。
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インターネット上の山行記録を見ると、5ピッチ目よりも上へ登られている記録もあるのだけれども、特に眺望が望めるわけではなく、このピッチで終了させ、懸垂下降に移る。懸垂下降ルートも上ったルートを辿るように降りる。たどんにロープが絡むことを恐れて、ダブルロープ一本で下降を開始。最初の3ピッチは問題なく降りられたのだけれども、次のピッチでロープが絡んでしまった。二人で力を入れて引いても、全然動かない。仕方なく、もう一本のロープでみなとリーダーが登り返し、事なきを得る。やはり本番のルートではダブルロープが必須である。
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振り返ってみると、それほど難しくはないルートではあったが、絶えず緊張が強いられたルートであった。ただ、その緊張のおかげで、岩を落とすことなく集中して登ることができた。今後の本番ルートに向けてのいい経験になったというのが実感である。

<ミナト記>
全てのホールドが信用できない… しかし、これでもか!という程打たれているボルトのおかげで登ることができた。もう見るからに「このホールドはヤバいな」という場面では、躊躇なくA0しちゃったし、「足を置いたホールドが落ちたら、ケンちゃんに直撃しちゃうかも」なんて場面でも、躊躇なくボルトに足を乗せちゃいました。
最初にこのルートを登った人は相当な精神力の持ち主だったに違いない!ハーケンは効かないので、取れちゃうかどうか判らない「たどん状ホールド」にスリングを掛けてランニングにして、登って行ったのだと想像すると…私には絶対に出来ません!!
でもこの岩場のロケーションは素晴らしいですよ。たかだか千メートル程の山とは思えない岩山景色です。南面なので日当たりは良く、赤城おろしの風も遮られてけっこう暖かいし、スカッとした高度感が最高です!ルートも易しいし(ホールドが大丈夫なら)、初級者のマルチピッチ練習にちょうどいいと思いました。ただ、アプローチがヒルの生息地なので5月~10月はNGですね。

2016年12月雪上訓練 谷川岳

日程:2016年12月17~18日

メンバー:サブ(CL)、ケンタ(SL)、ツカミ、ミナザ、ミヤユミ、ササ(記)

■12月17日(土)
9:30   谷川岳ロープウェイ駅集合(佐々木遅刻10:50着)
12:20  熊穴沢避難小屋到着
テント設営
14:20  テント内にてロープワーク復習
・ヒマラヤコンテ
・諸注意
16:40  夕食
20:00  就寝

しょっぱな電車遅延で遅刻。
本来の集合場所ではなく、谷川岳ロープウェイで待ってくれているサブさんと合流する。
他のメンバーは先に出発していたためすぐに追いかける。
雪はパラついて平地でもひざ下まで積もっていた。ロープウェイ側の斜面では5~6組ほどのパーティーがラッセルや滑落停止訓練を行っていた。

待ってくれていたメンバーと合流し、幕営予定の熊穴沢避難小屋を目指す。
道中は人もテントも多くトレースはばっちりついていたので歩行はかなり楽だった。

1日目テント幕営地熊穴沢小屋

ケンタ、ササが先行し熊穴沢小屋へ到着し幕営スペースを確保。
全員合流しテント設営。

テント設営後は中でサブ、ケンタにてロープワーク講習。
2日目の実習に備える。

夕食担当はツカミ。

ツカミさんの美味しい夕食

とてもおいしく品数も多かった為、少々食べ過ぎた。
各自持参の酒でささやかな宴会をし1日目終了。

 

■12月18日(日)
4:00   起床
6:00   出発
8:15   肩ノ小屋到着
8:45   トマの耳到着
9:50   熊穴沢避難小屋到着
・テント回収
・アイゼン装着
11:05  熊穴沢小屋出発
12:10  谷川岳ロープウェイ駅付近の斜面にて雪上訓練。
・滑落停止訓練・・・初期制動
・ヒマラヤコンテ
・スタンディングアックスビレイ(あくまで参考として)
12:40  谷川ロープウェイ駅発
日の出前の暗いうちから出発。

日の出。今日もお天気は良さそうだ
準備を整えて出発

風は強いが雪も降っていないので行動しやすかった。ふと気づくと既にずっと先まで
トレースがついていた。天狗の留まり場に到着する前にラッセルをしていたパーティーに合流した。若い男性3人のパーティーで話を聞くと早朝から延々ラッセルしていたという。
私たちも混じりラッセルする。やっと雪訓らしいことができた。

ようやく雪の量もそこそこになってきた

雪は時に腰までありとても深い。浅い部分は足を上げなくていいので疲れないが腰ラッセルは踏む→膝で固める→足で固めるこの一連の流れが辛く体力を消耗する。

交代しながらなんとかトマの耳へ到着。
強い風が吹いているが晴れていてとても眺めがよかった。

トマの耳

今回はトマの耳までで下山。
最後に谷川ロープウェイ駅の前の斜面で滑落停止、ヒマラヤコンテの練習をして
今回の雪上訓練は終了した。
谷川は積雪も多い為、多くのパーティーが訓練していて異様な光景だった。
だが実際歩いてみて雪訓にはもってこいだと感じた。

 

 

妙義 筆頭岩(西上州シリーズその1)

平成28年12月4日
【メンバー】みなと、けんた(記)

5:52 霞ヶ関駅(埼玉県)集合・出発
7:30 駐車場到着・準備
7:40 出発
10:20 登頂
11:30 下山

みなとリーダーにそそのかされてダブルロープを購入したのは、1年半以上前、それ以降ダブルロープを使ったのは、雪訓で1回とサブリーダーの元での岩トレで1回の2回のみ。今回、ようやくみなとリーダーにダブルロープの使い方をご指南頂く運びとなった。ちなみに今回ご案内頂いた筆頭岩は、日本の山を世界に紹介したかのウェルター・ウェストンさんも登られたということで、俄然やる気が出てくる。
早々に出発したことが奏功し、まだ人が少ない、駐車場に到着する。手早く準備を済ませ、出発。しばらくは車道歩きが続くが、だんだんと目の前に筆頭岩が迫ってくるのが圧巻だった。見た目はプチ槍ヶ岳。
車道から登山道に入るのだが、各種記録に見られるように、ここが核心であった。狭い道を進むのだが、浮き石がゴロゴロ、すぐ下には車道が走る。当然、岩を落としてはならないが、自分が落ちるのではないかという恐怖におののく。慎重に、慎重に進み、取り付き点へ。
みなとリーダーから何ピッチをリードしたいか聞かれ、即座に奇数ピッチを希望。事前の情報を見ていても、厳しいピッチは、偶数ピッチに集中していた。ラクに快適にがモットーです。
1ピッチ目は、階段状の登り。練習のため、こまめにランニングを取りながら登る。

1ピッチ目

2ピッチ目から斜度が増していくが、みなとリーダーの落ち着いたクライミングにより、難なくクリア。

2ピッチ目

3ピッチ目も傾斜は急であるが、ピークを越えた先がナイフリッジになっている。リードという事もあり、恥も外聞もかなぐり捨てて、這い這いで進む。みなとりーだーからは見えない位置だし、証拠写真は撮られないので安心だ。ちなみに、左側を見ると切れ落ちた崖なのだが、右側を見ると単なる雑木林になっていた。落ちるとしたら右だなと縁起でもないことを思いながら進んだ。

3ピッチ目

そして核心の4ピッチ目へ。垂壁に近い壁。自分はリードしたくないなあと思いながら見ていたが、みなとリーダーは淡々と登っていった。セカンドで登ると、安心感からすんなりと登ることができた。

4ピッチ目

頂上からの眺めは良く、遠くまでしっかりと見ることができた。

頂上

頂上で軽く食事を取り、下降を開始する。今回はダブルロープ2本を使用して、2ピッチで下降。1ピッチ目は岩を落とさないように注意しながら下降。特に問題なく降りたが、2ピッチ目で私が支点に思いっきり負担をかけてしてしまいながら、懸垂下降を行ってしまった。みなとリーダーから本ちゃんルートでの懸垂下降は支点に負担をかけないようにしっかりと教えて頂くことに。
取り付き点に戻ってから、また車道までの登山道を戻ることになるが、最初と同様、かなり注意しながら歩く。車道を見ると峠を攻める車やバイクが頻繁に登ってくる。岩を落としたら本当に大事故になってしまい、最初よりも緊張しながら慎重に歩く。車道についてようやっと安心できた。安心からか、帰りの車では爆睡してしまい、途中から記憶がない・・・。みなとリーダー失礼しました。
ダブルロープを使った本番のルートは、今回が初めて。筆頭岩はそれほど厳しくなく、経験を積むのにちょうど良かった。また、西上州の山々が楽しめ、関東からも近い。今後も西上州の岩場を楽しんでいきたいと思う。(ただし、ヒルの出ない時期で。)

筆頭岩
<みなと記>
初めての西上州なので、最も易しい岩場にしました。ちょっと岩慣れた人ならロープ無しでも行けちゃうと思う。一応の核心となる最終ピッチには鎖もあるし(ボロボロですが)。
ですので、岩登りの楽しさ的には期待できないが、ハイグレードハイキング的な面白さや、初心者のマルチピッチ練習にはちょうどいいと思います。あと、妙義の岩峰群の景色が素晴らしいです。新緑の頃にまた行きたい!

鶏冠尾根

日程:H28.8.19~20
10/15 東上線霞ヶ関駅集合9:30=圏央道=中央道=西沢渓谷駐車場0:00幕営
10/16 駐車場5:30~鶏冠第3岩峰11:00~鶏冠山12:00~木賊山15:30~徳ちゃん新道~駐車場19:30=帰玉
参加者:ミナト(L・記録)、ウエ、ユイ、ミヤユミ

10/15(土)晴れ

リーダー権限で私の最寄り駅で集合とし、レンタルした愚妻車で一路目的地へ。西沢渓谷駐車場の端っこの落ち葉の上にテントを張り、ユイさん持参のワインで軽く酒盛りしてAM1:00に就寝。この駐車場はトイレは遠いが快適な幕場だ。

10/16(日)快晴のち曇り

4:30起床、5:30出発。林道をしばらく歩き東沢を吊り橋で渡ると、すぐ右に東沢沿いの登山道があり、そこを行くと自然に鶏冠谷出合へ導かれる。心配していた東沢の徒渉は問題なく、道標に従い鶏冠尾根へ取付く。ここでヘルメットやハーネスを装着し気を引き締めるが、道は立派な登山道並みで、ちょっとガッカリしつつも黙々と稜線を目指す。天気は秋晴れ、空気も爽やかで急登も気にならない。「あんなところにブルーシートがある!」とウエちゃんが叫ぶと、「あれは青空だよ?」とユミちゃんに返され一同大爆笑!いったいどうしたらそこまで勘違いできるのだろうか?不思議だ…。
稜線手前の岩壁帯を登る所でちょっと迷うが、ウエちゃんから「ここに登った跡があるよ」と助言してもらい、めでたく稜線へ出られた。残置ストックの手書き道標によると、ここはチンネのコルという所らしい。ここから樹林帯をしばらく登るといよいよ岩稜帯のお出ましだ。

写真1登山道並みの良い道
写真2岩稜帯のお出ましだ

所々に鎖やトラロープが設置されているが、それらを使わずとも適所にガバホールドがあり、岩のフリクションも良いので快適に登れる。ちょっと怖い所もあるが、それもスパイスとして楽しみましょう!クライムアップ、ダウンを繰り返すと核心の第3岩峰に突き当たった。今までの岩稜・岩峰に比べ高さと角度が段違いで、鎖やロープも無く、これはクライミングの領域。不安そうな顔のユイさんとユミちゃんに「巻道で行くかい?」と問うと、二人とも思いっきりうなずいて笑顔に戻った。さてウエちゃんはどうかな?「私は登る!絶対に!!」、ハイハイわかりました。

写真3第2岩峰から第3岩峰を見る
写真4第3岩峰取付き

ユイさんとユミちゃんには巻道で行って上で待っててもらうこととし、私とウエちゃんは登攀の準備をしレッツ・クライム。正面フェースはフラットソールじゃないと無理。左へ回り込んでみると右上するクラックが中間テラスへ続いていて「ここを登りなさい」と岩が教えている。まず2m程上のピナクルでランニングを取り、適度にあるガバで順調に登りカムでランニングしようと思ったらハーケンが2枚打ってあった。1枚はヤバそうだが、もう1枚はガッチリ効いているので、それにランニングを取る。そこから2m程登ると中間テラスでビレイポイントも設置されていた。まだ10mも登っていないのでピッチを切らずそのまま上へ。このテラスから左の石を足場にして1段上がって正面フェースに取付く所が核心だろう。フェースに取付いてそのまま上がろうとしたら行き詰り、一旦テラスに降りて仕切り直し。下から「私のビレイで大丈夫ですかぁ~」と不安げなコール。大丈夫も何もここまで来たら行くっきゃないでしょ!真面目にルーファイすると、少し右に行くとガバっぽいのがある。再度取付いてそのガバ目指して登ってみると目論見通り、おまけにハーケンも打ってありヌンチャクでランニングしてひと安心。ここから上はガバの連続で快適なクライミングを楽しんで終了点に到着。
立木を確保支点にして、ウエちゃんに「登っていいよ」のコール。ウエちゃんはスルスルと順調に登ってきたが、例の核心で迷っている。よしよし、それでよいのよ。迷って自分で解決して、それで力が付いてくるのだから。何とか核心を解決し、完登したウエちゃんは満面の笑顔で「楽しかった~!」だって。すぐ上にはユイさんとユミちゃんが待っていてくれて、お待たせしました。そこからちょっと歩くと鶏冠山の山名標があって、登頂おめでとうございます!

写真5ニセ鶏冠山・山頂

時刻は11時。「来た道を戻るか、尾根伝いに木賊山へ登って一般道で下山するか、どっちにする?」と私。「戻るより進みたい!」との全員の意見。この先は特に危険な所も無いとの情報なので、それではそうしましょう!シャクナゲがうるさい踏み跡を1時間ほど登ると「あれれ、鶏冠山の看板がある!」ええっどうゆうこと??どうやらこっちが本当の鶏冠山頂みたい。木賊山到着が14時頃と見積もっていた私は「ヤバい、1時間まちがえた!これじゃ木賊山到着は15時過ぎで、ヘッデン下山確実かも」とひとり焦るが、皆が不安にならないよう「木賊山まであと1時間」と適当にうそぶいたら、ウエちゃんに「そんなに早く着くはずないじゃない!」とたしなめられてしまった。

写真6本当の鶏冠山・山頂
写真7藪漕ぎデビューのお姉さまたち

ここから先はシャクナゲがさらに濃くなり、おまけに下ったりもするものだから、遅々として進まず不安な空気が漂い始める。慣れない藪漕ぎと先が見えない行程に段々とお姉さまたちの機嫌が悪くなり、出てくる言葉は愚痴とため息ばかり。こんな時は申し訳ないが奴をネタにするしかない。そう、あの怪しい東洋人「キム兄」だ!「あいつはさ、あんな顔して…なんだぜ」と私。「そうなんですよね~、あれでも…なんですよ!アハハ~」とウエちゃん。「キム兄さんにはどうやったら会えるの?私も会いたい~♪」とユミちゃんも乗ってきて、あっという間に場は和やかになった。キム兄よ、キミは今、東北の山をさまよっていて知らないだろうが、こうして我々を癒してくれているのだよ!ありがとうキム兄!
先頭のユイさんの絶妙なルーファイで木賊山頂30m手前の登山道に飛び出してひと安心。ユイさんは、「藪漕ぎって面白いですね!」と言い放つ奇特な人で、私にとっては先が楽しみな人材だ。

写真8木賊山にやっと到着

下山は尾根ルートの「徳ちゃん新道」を選択し、途中からヘッデンを点けての下降になる。駐車場に辿り着いたのは19時半。14時間に及ぶ長い1日であった。
今回は、読図、岩稜、藪漕ぎ、夜間歩行、長時間歩行と大変内容の濃い山行であったが、いつの日か、この経験が今後の皆の山行に活かされる日が必ず来るであろうと思う。