北鎌尾根

2019/7/20〜22
メンバー:ウエ(L)、つかみ、あず(記録)

待ちに待った北鎌尾根!入会してから約5年、やっとクラシックルートへの第一歩を踏み出すことができました。

女性3人ということと、テン泊装備で挑むということから、今回は最も行程が短く体力的にイージーであると専らの噂である水俣乗越経由のルートを取ることとしました。
当初の予定では19日から入山し22日を予備日として残すということになっていましたが、ここ数週間ほど活発に活動しては登山者を苦しめている梅雨前線と、数日前から日本海へ近づいてきている台風の影響で、私たちも例外なく山行の日程を後退させざるを得なくなりました。
撤退やアタック待機に予備日を使用することができなくなってしまったので、行程は再確認が必要に。体力的、天候的に可能なら初日(20日)は北鎌のコルで幕営、体力的に辛かったり2日目(21日、アタック日)の天気予報が不明瞭で撤退覚悟の場合は北鎌沢出合で幕営、という大まかに2通りの行動目標を立てることとしました。

7/20
06:00 上高地
当日、5:30にバスターミナルに集合したのち共同装備の振り分けやトイレ休憩を済ませ、6:00には上高地を後に。
この時期に入ると一般登山道もハイシーズンとなるので、沢渡からのバスも05:30に上高地に着きます。早いことは良いことですね。

前夜の雨で川霧烟る河童橋
長雨のためか水量の多い梓川

10:45 大曲
それにしても、リーダーのウエさんの足がめちゃくちゃ早い。本来なら本日中に北鎌のコルへ辿り着くのが最善なので当然の速度なのですが、やはり普段からバリエーションに通っているウエさんと、最近サボりがちな上荷物の軽量化に失敗した(この件は後々他のメンバーが私のザックを持ち上げたことで発覚)私では、キャパシティが倍近く異なっていました。殿のつかみさんも「暑い」などと言いながら、あまり体力を消費した風ではないので余計に私の心をえぐる…。
大曲まではコースタイムより大分早く通過し、本日の核心部「水俣乗越までの登り」へ突入です。

水俣乗越への登り途中、上高地方面を振り返って

12:05 水俣乗越
途中、どこかの屈強な学生3人(内2人は女性…!)が100L近い大型ザックを背負い私たちを抜かしていったものの、コースタイムよりは巻き気味で到着。
彼らも21日に北鎌尾根へアタックするらしく、幕営は北鎌のコルとのこと。コルには2張程度幕営できるとは聞いていましたが、体力の消費具合も考えると今夜は北鎌沢出合で幕営かな、という雰囲気が隊の中に流れ始めました。

水俣乗越の道標

水俣乗越で15分ほどの大休止を取り、天上沢の下りが始まります。

天上沢の下りから針ノ木岳方面

天上沢の斜面からは、後立山南部と思しき山影が見え隠れします。こう見ると水俣川遡行の方が早いのでは、などと錯覚させられますが、騙されてはいけません。

天上沢から北鎌取り付きまでの下りは、ひたすら沢型を下るだけなので、基本的には迷ったりしないと思います。
一つ注意点があるとすれば、水俣乗越から天上沢の雪渓まで下る踏み跡が途中まで非常に脆いということでしょうか。水俣乗越から下り始めてすぐは斜度がきつく崩れやすい、いわゆる沢の詰めの様な雰囲気です。途中からはジグザグで歩きやすい踏み跡に変わりますが、これを見逃すと滑落必至の雪渓スケートリンクへご招待されてしまいます。

ここからは雪渓に下りて下降する。-ウエさん撮影

天上沢を下り始めて2,30分ほどすると、避けることができない雪渓が姿を現しました。私とウエさんは軽アイゼンを持参していたので、念のためそれを装着。つかみさんは軽アイゼンはなしとのことなので、ストックとキックステップで私達2人の後を追います。
思うに、この時使用した軽アイゼンももっと小型で軽量なものにできたはずなので、こういうところから軽量化失敗の流れができあがっていたのかもしれません。人によっては軽アイゼンも要らない程度の斜度と距離だったので、持ってこないというのも一つの手だと思います。

雪渓終了後の天上沢下降-ウエさん撮影

雪渓が終わってからは、ダラダラと無駄に長い天上沢と時々横断する枝沢に辟易しながら下降を続けます。

14:50 北鎌沢出合

北鎌沢出合のケルン

北鎌沢出合に到着したのは15時も近い時間帯でした。
これから北鎌沢を詰めれば、どんなに早くとも2時間半はかかること、そして北鎌沢の水量がなんだか思ったよりも多いことで、遡行へのモチベーションはだだ下がり。今日はここまでで行動を終了すべきだ!という意見は出合到着前には固まっていて、出合に着き次第幕営地探しが始まりました。
ちなみに、北鎌沢出合の幕営地はいくつか適地がある様で、私たちは出合に一番近く且つ一番広いと思われる砂地にテントを張りました。3人用テント(mont-bell ステラリッジ3型)で丁度入りきるくらいの面積だったので、それより大型だと設営に苦心するかもしれません。
また、ラジオ(NHK第2)なら電波が入ることも確認できました。

17:00頃 夕食

夕食の生姜焼きはウエさんお手製

今夜の食担はウエさんで、メニューは豚肉の生姜焼き。こういう手の込んだ山飯にこんな場所ですらありつけることに感謝しながら、明日への英気を養います。
天候は比較的良好。ヤマテンによると明日も日中降雨の可能性が低い様なので、安心して床に就く。19:30頃には就寝。

7/21
04:40 出発
北鎌沢遡行からの行動開始ということで、3時頃に起床し、ある程度明るくなったこの時間帯に行動開始しました。
無雪期のセオリー通り、コルに飛び出す右俣を遡行。

しっかり水の流れる北鎌沢右俣

それにしても、前日からわかっていたこととは言え北鎌沢の水が尽きる気配がありません。最初から最後まで普通の沢遡行と同じくらいの水量が流れている様に感じました。
過去の記録を検索していると、伏流している箇所があることや、途中で水が枯れる様な記述も散見されますが、前々日にも雨が降っていた今回は例外だった様子。とは言え、ぬめったりはしていなかったので遡行難度はそれほど高くなかった様に思います。日頃から沢遡行をしていたことがこんなところで生きるとは…。

遡行中の癒し、お花畑

沢の両岸には、ニッコウキスゲをはじめとする白や黄色の高山植物が咲き乱れ、朝から登り続けている私たちの心を癒してくれました。

それにしても、この水量だと前日にコルまで詰めあげたはずの学生3人はもっとびしょ濡れになったに違いありません。あれだけの荷物を背負ってこの沢を難なく登るとは、流石の体力だと終始関心しきりでした。
そうこうしている内に最後の詰めが近づいてきます。

もうすぐ沢の詰めに突入

この枯れそうな滝の上の詰めが、北鎌沢の中では一番の核心だったのではないかと思います。
地形図上は綺麗な沢型から崖表記となりコルへと詰めあげる部分です。
沢筋とニッコウキスゲに導かれるまま右方向へ詰め続けると、そこに待っていたのは草付きと岩壁のミックス。
後からわかったことですが、途中から少し左寄りに詰めていき踏み跡を見つけるのが正しいようで、草付きをなんとか攻略した私たちは、コルの北東側にある数メートル高い位置に飛び出してしまったのでした。それでも同じようなミスをした先人は何人もいるようで、詰め上げた稜線からコルへ下る踏み跡が明瞭についていたのには少し笑ってしまいました。

07:40 北鎌のコル

北鎌のコル付近に設置されたレリーフ

途中まで順調な進みでしたが、草付きに苦戦している間に行動開始から3時間が経過してしまっていたようです。
その後北鎌のコルから独標取付きまでは、ただひたすら明瞭な踏み跡を登り続けます。

右手は硫黄尾根と裏銀座方面の展望良し

尾根の右手側は、燃えるように赤い硫黄尾根と美しい緑の西鎌尾根から裏銀座の展望がよく飽きることはないものの、これに気を取られて撮影などしていると瞬く間に時間を取られてしまうので注意です。

09:35 天狗腰掛け辺りから独標を眺める

独標の全貌

この時私たちはまだ気付いていませんでしたが、この写真でも既に独標のトラバースラインがはっきりと見て取れます。

10:03 独標トラバースの取り付き

独標トラバースの目印の固定ロープ

いくつもの記録で見飽きるほど見た独標トラバースの固定ロープ。
様々な記録で「独標が核心!」と書かれているのでどんな困難が待ち受けているのかと思いましたが、このトラバース自体はそれほど難しいものでもありませんでした。問題はそのあとのルート取りにあったのですが、私たちはこの時点ではまだ気付いていません。

トラバースラインの明瞭な踏み跡

トラバースラインは近付くと非常にわかりやすく、遠くから見たとき何故わからなかったのかと思うほど。

10:25 独標トラバース中の小チムニー

トラバース終盤の小チムニー-ウエさん撮影

写真の残置スリングのかかったチムニー状の岩場を超えた後、草付きの壁へ取り付くと独標の尾根上に出られるらしいのですが、私たちには引き続き明瞭に存在を主張してくる巻道しか目に入らず、トラバースを続行。
この小チムニーを登る際、ザックが重くて登れそうになかったので荷揚げしてもらいましたが、この時に私のザック重すぎる問題が発覚。スミマセンデシタ。

10:56 トラバース終了直後、GPSと地形図を睨むウエさん

位置確認中

この後、小さなピークを都度巻きながら穂先の取り付きを目指します。
しかし、この巻き道が後々私たちに悲劇をもたらすこととなる…。

美しい稜線-ウエさん撮影

独標を過ぎてからは、終始このような稜線風景。まさに「北鎌尾根」といったような山容です。

ここからP15の尾根に乗るまでの詳しい写真を誰も撮っていないことからもわかりますが、この先は主張の激しすぎる巻道に惑わされては尾根に復帰し、というようなことを2、3回ほど行った為に無駄な体力と時間を消耗してしまいました。
巻道の多くは大きなピークの右側に付いており、入口付近は踏み跡が非常に明瞭。お花畑も美しく、ここから行くのが楽でいいよ!と登山者を誘い込みます。しかし、この巻きたい欲に惑わされず、稜線上を行くように心がけることが、北鎌尾根を安全かつ気分良く楽しむ為の秘訣だと思います。
巻きすぎた時に、最初に気付いて復帰経路を見つけ出すのはいつもリーダーのウエさんで、自分の読図能力やルーファイ経験値の低さを改めて実感させられました。

14:57 P15を過ぎた辺り

霧がかかり始める穂先

この辺りから穂先が時たま霧の中に隠れるようになり、いよいよ天候的にもタイムリミットが近づいていることを知らされます。できれば視界明瞭のまま穂先に取り付きたかったので、少し気持ちが焦り始めます。

諸君頑張れ

14:58、「諸君頑張れ」と記されているレリーフを発見し、いよいよ佳境か?などとぬか喜びをした私たちでしたが、ここから穂先の取り付きまでも意外と遠かった。当初の予定だと14時半か15時頃には山頂に立っているつもりだったので、コースタイム的には大幅に遅れていることになります。

15:25 北鎌平付近のビバーク適地
ビバーク適地の砂地の西面にはレンガのように石が積まれていて、風からテントやツエルトを守れる仕様になっていました。

ビバーク地から大槍を見上げる-つかみさん撮影

この登り返しは今見ると直登すべきだったと思えますが、その時は崩れそうなスタンスや少し急な傾斜から正面は無いと判断し、左手に付いた踏み跡から側面へアプローチしガレた左側面をよじ登る判断をしました。
結局浮石が多かった事には違いなかったので、もしかしたら正面を直登していた方が早かったかもしれません…。

15:50 北鎌平付近

横浜蝸牛山岳会慰霊レリーフ-ウエさん撮影

横浜蝸牛山岳会の慰霊レリーフ。先ほどの登り返しのすぐ後だったと思います。
後から調べると、このレリーフの設置箇所付近が北鎌平の入口であるらしいことが判明しました。

16:30 穂先取り付き

霧で先が見えない大槍の登り

身体的な疲れと神経を使う浮石に時間を取られて、穂先に取り付けたのは16:30近くでした。ここからが正念場。

チムニー手前の偽チムニー-ウエさん撮影

16:43「実工 TAC」と書かれた錆びた看板があり、その奥の尖塔の間にもチムニーらしきものがありますが、それはおそらく偽チムニー、騙しチムニーである、ということを声高に主張したい。登らなくても右から巻けたのに、例のチムニーかと思って登ってしまいました。完全なる登り損です。

16:58 山頂下のチムニー

例のチムニー

写真右側の亀裂が例のチムニー。もっと近づくと、大体人1人くらいがすっぽり収まっても少し余裕があるくらいのチムニーだとわかります。
ここを直登する方針でいくと少し時間がかかるのは重々承知でしたが、ここを登らないで「北鎌登った」は何となく反則な気がしたので、全会一致で直登することとなりました。
しかし不思議なもので、このチムニーを登ってから槍の肩に降りるその時まで、今まで疲れで悲鳴を上げていた体からありとあらゆる疲れが吹き飛んでしまい、アドレナリンというものの効果をひしひしと感じました。

17:10 山頂
チムニーを突破すると、頂上の祠がはっきりと見えるようになります。
そして何とこの霧の中、頂上に登山者が!
何となく嬉しくなってルーファイが適当になってきてしまいますが、最後は格好良く祠の裏から飛び出たい!そんな気持ちを込めて、祠の真後ろにある少し急な壁を最後の力を振り絞って登攀しました。

山頂記念撮影-つかみさんの写真フォルダから拝借

山頂では、私たちの登頂を見守っていた登山者の方々が親切にも撮影役を買って出てくれた上、一緒に登頂を喜んでくれました。北鎌から登頂しても不審に思われるだけだった、という話も聞くので不安でしたが、違うパーティなのにここまで祝ってくださる方々が居るとは、本当に運の良いタイミングで登頂できたと思います。

17:41 槍ヶ岳肩の小屋
山頂で少しの撮影タイムを取ってからそそくさと下山。
流石にもう肩の小屋の夕食には有り付けないだろうし、こんな時間にテント場の受付をする危険登山者として怒られるかなぁ…と思っていましたが、とても心優しい小屋のスタッフさんが受け付けてくださり、特別に夕食提供をしてもらえることに。何ということでしょう。今夜はα米とフリーズドライだと絶望していただけに、白米・味噌汁・ハンバーグ・生ビールという下界のような夕食にひどい安堵感を覚え、アドレナリンが抑えつけていた疲れがどっと出てきてしまいました。本当にありがとうございました。今度は安全な時間に再訪します。

20:00 就寝
夕飯で飲みきれなかったビールを片手に、余ったおつまみで短い晩酌をしてからこの日は20時頃に就寝しました。

7/22
この日は上高地へ下山するだけ。
雨の中暑苦しい雨具を着て発狂寸前の私が一人で騒いでいたこと以外は、何ら問題なく下山できました。
この下山でもう一つの課題、精神力を鍛えること(私限定)、が浮かび上がったのは言うまでもないです。
徳沢でソフトクリームとチャーハンの補給をしたりしながら、14時半前には上高地へ下山、無事に帰途へ着きました。

まとめ
クラシックルートの登竜門的存在、北鎌尾根を踏破することができたのは、私をこの山行に誘ってくださったウエさん・つかみさんの存在があったこと、そして今までバリエーションルートを経験させてくださった会の先輩方のおかげです。
尾根道に関しては全くのド素人でルーファイはリーダーに頼りきりであったことや、装備の取捨選択ができておらずつかみさんとウエさんの体力に頼ってしまったことなど、多くの反省点が見つかった山行でした。
北鎌尾根自体は浮石やザレが多く、こういったことを何度も経験している人でなければ精神力の消耗が激しいと思うので、そう何回も来ようとは思えませんでしたが、悔しい思いもいくつかしたので、再訪することがあればもっとスマートに攻略したいな、という目標が芽生えました。
何にせよ、稀有な体験をさせてくれた槍ヶ岳という山に感謝!また五体満足で相見えられることを願います。

あず

コースタイム
7/20

06:00上高地-10:45大曲り-12:05水俣乗越-14:50北鎌沢出合
7/21
04:40出発-07:40北鎌のコル-10:03独標取り付き-15:50横浜蝸牛山岳会慰霊碑(北鎌平付近)-16:58頂上直下のチムニー-17:41槍ヶ岳肩
7/22
09:00大曲-12:00頃徳沢-14:15頃上高地バスターミナル

北岐沢〜ブナ沢

2019/7/6〜7
メンバー:こば(L)、ササジ、ウエ、ユミ、セキ、キヨ(記)

尾瀬の北岐沢・ブナ沢に行ってまいりました。

大清水小屋に車を置き、1時間半ほど林道を歩き入渓地点へ到着。

入渓点

梅雨のせいか水量が多かったようだ。

1回目のロープ(1497m地点)。ビレイするウエさんと見守るササジさん

倒木から登ろうとするコバさんと諦めたコバさん
2回目のロープ地点(1522m地点)
18mの大滝

右側から巻いて進んだ。
巻きの場所は分かりにくく、下りもセルフビレイを取りながらの下降となった。

1790m地点あたりで野営。

こばさん特製ウェルカム焼き鳥とカレーを頂いた。
写真はブレブレになってしまったので割愛。(ごめんなさいコバさん)

夜から雨が降り出し、翌朝も小雨が残る天気。

朝食はウエさんが雑炊を作ってくれた。
冷えた体に染み渡る。

7時半ごろから小雨の中遡行再開。

ガスの中、小松湿原に到着。
木道のない自然なままの湿原は初めてで感動した。

湿原から登山道へ出て、2055と2069のピークを越え、少し下降した当たりに分かりにくかったが右手にブナ沢への入渓点を発見。

入渓点は荒れていて分かりにくかった。

下降沢は初めてだったがこちらも楽しく下ることができた。

1768地点あたりで約10mの滝と遭遇。

非常に急斜面でロープは使わなかったが巻くのも大変だった。
私はここが一番の核心部だと感じた。

下降した10m滝

あとは特に苦労することもなく林道に出て山行終了。

コバさんをはじめ、みなさま、ありがとうございました!

有笠山

5/25-26 有笠山RC
メンバー:エビ、サイトー、シゲ

<さわったルート>※グレードは、『日本100岩場』参照

5/25 南国エリア
・とうりゃんせ 10c
・足を開いていけいけ 10d
・旅館有笠 10a
・白と黒 11b
・予選落ち 11a/b

 

 

 

 

 

 

 

5/26 古谷ロック、サンダンスエリア
・夢の浮橋 11a
・不思議なルート 10c
・カシン 11b
・苔の庭 10b
・友よさらば 10a
・大地讃唱 11b

小川山・瑞牆

2019/5/2〜4
メンバー:ササキ(L)、エビ、アベ、トヨ(記録)

GWに小川山・瑞牆でクライミングをしてきました。
最終日のカサメリ沢が少し混んでいましたが、それ以外のエリアはほぼ独占状態でした。

5/2 小川山

▪️父岩
小川山物語 5.9
小川山ストリート 5.9
タジヤンII 5.10a

▪️兄岩北面
マウンテン・プロショップ岳 5.12b
森の緑にかこまれて 5.11b

▪️兄岩2F
もみじ 5.10a
マガジン 5.10a

 

 

 

 

 

5/3 瑞牆

▪️十一面岩左岩稜末端壁
ペガサス1P 5.10d
調和の幻想1P 5.10a
アストロドーム 5.11a

末端壁

 

 

 

 

 

 

 

5/4 瑞牆

カサメリ沢
▪️モツランド
たぬき 5.10a
ミルクミルク 5.10c
レーザーズエッジ 5.10c/d

▪️コセロック
無名ルート 10.b(白虎 5.10c)

レーザーズエッジ

阿弥陀北稜(積雪期)

2019/3/9(土)
メンバー:こば(L)、うえ(記録)
行程:
6:10〜8:05-8:40行者小屋〜9:40ジャンクションピーク〜10:10第1岩稜〜10:40第2岩稜〜11:50阿弥陀岳山頂〜12:15下山開始〜13:00中岳のコル〜13:30-14:00行者小屋15:30下山

6:10
登山口で前泊してスタート。
南沢登山道はすでに明るく、程よく雪がつき歩きやすい。
新調した4本爪スパイクが快適だ。
雪がついて歩きやすい
阿弥陀岳が顔を覗かせる

8:05
行者小屋に到着。
アイゼンを履いてビーコンチェックしたり身支度を整える。我々以外に4、5パーティいたが、我々と同じ阿弥陀北稜にアタックした人達はいなかった。

8:40
阿弥陀岳の登山道方面に歩き出す。
赤岳方面への分岐と、水場の分岐を通り過ぎて、中岳沢を目指す。
顕著な沢型に出たら、左岸の樹林帯に入る。ここが北稜の枝尾根で、尾根伝いにひたすら急登だ。
この辺りはトレースはバッチリで全く迷わなかった。樹林がまばらになってくると、第1岩稜がよく見える。

9:40
ジャンクションピークで小休止。
先行の1組が付けてくれたトレースを辿っていたが、彼らがこのあたりで撤退したため、ちょっとしたラッセルになった。
傾斜はますます急になるが、第1岩稜がよく見えるので迷わなかった

10:10
第1岩稜取付き

一段登った辺りにビレイポイントが見えたので、左に少し回り込んだ所の凹角から登ることにした。
ここはロープを出さずフリーで登ったので緊張…思い返すとロープを出してもよかったかもしれない。
ビレイポイントで一息ついて、そこからは右側の簡単な斜面をフリーで登る。
あっという間に第2岩稜だ。

10:40
第2岩稜取付き

ビレイポイントがあったのでロープを出した。
右側のピナクルを目指して一段上がり、そのあと左側に移り登っていく…
幸い暖かかったので、薄手の手袋になって雪からガバホールドを掘り出しながら登った。
私にとってはじめての雪山での登攀。簡単なのだが、自分のアイゼンと手の感覚に自信が持てず緊張した。
残置の中間支点はとくになかったので、ピナクルや灌木にスリングをかけて利用した。
短い岩稜を乗り越して、ナイフリッジを少し歩くと灌木帯で30mロープがいっぱいになった。ここでピッチを切り、こばさんを上げる。

11:15
2ピッチ目

こばさんには申し訳ないのだが、2ピッチ目は5mほど終わってしまった。
50mロープならば繋げていけただろう。
細い灌木がある平らな雪面で、腰がらみで上げてもらい、ロープを閉まって雪稜を詰めた。
太ももくらいのラッセルで、なかなか疲れる。先頭交代しながら登った。

11:50
阿弥陀岳山頂に登頂
360度完璧な展望に、100点満点の快晴!
八ヶ岳は日本山岳の中心じゃないかと思ってしまうくらい、北・中央・南アルプスも、上越の山々も東北の山まで見渡せた。
風もさほど強くなく、気持ちよかった。

12:15
下山開始
いったん北稜側を戻ってから、中岳のコルを目指して稜線を下る。
この日は北西稜方面には踏み跡があるが、中岳方面にはトレースがなかった
西側は中岳沢、東側はきれ落ちてる細尾根の急な下りだ。雪を崩さないように慎重に下る。
夏道の鎖とハシゴを降りたあたりでようやくトレースが出てくるが、どうやら赤岳方面から来て引き返したもののようだった。
下から見るとかなりの絶壁感がある。ある意味北稜よりも緊張した。

13:00
中岳のコル
当初は登り返して文三郎ルートで下る予定だったが、中岳沢を降ることにした。
まだ雪が腐ってないとはいえ、気温は上昇中なので、雪崩に注意を払いつつ素早く降りた。

13:30〜14:00
行者小屋
南沢ルートの雪はかなり溶けている。木の上からも雪がさらさら降ってきて綺麗だ。
後半は泥混じりになったので、アイゼンを脱ぎスパイクに履き替えてサクサク降った。

15:30
駐車場に到着。
快晴・無風でとても良い条件だったので楽しい登攀ができた。
これが寒かったり、ガスって視界がなかったりすると全く難易度は変わるのだろうと思う。
こばリーダー、ありがとうございました!

日光 社山~黒檜岳(残雪期)

■日  付:2019年4月6日(土)~4月7日(日)1泊2日
■天  候:各日快晴(1日目は強風)
■メンバー:こば(L)、うえ、ササジ(記)
■主 装 備:テント、軽アイゼン、スコップ
■行  程:
・4月6日(土)
5:15東京出発→7:30立木第二駐車場到着→7:45立木第二駐車場出発→9:00社山登山口→10:50社山山頂→14:30黒檜岳手前にて幕営(泊)
・4月7日(日)
5:00起床→6:45出発→7:10黒檜岳手前分岐→7:20黒檜岳→9:30黒檜岳登山口に下山→休憩の後、中禅寺湖湖畔を歩く→11:15竜頭の滝の地獄茶屋に到着→休憩→11:41竜頭の滝バス停(バス乗車)→立木観音入口(バス下車)→12:00立木第二駐車場着

4月6日(土)

7:45天気は快晴であるが風がとにかく強い。気温は10℃ぐらいであったが強風のせいで体感温度はぐっと低く感じる。地上でこの強風なので稜線ではどうなんだろうかと不安だった。雪は路肩に若干残っている程度。立木第二駐車場(公衆トイレ有り)から社山登山口を目指し中禅寺湖の湖畔の道を1時間ちょっと歩く。

立木第二駐車場

社山登山口

社山登山道は日当たりが良く雪はない。しかし少し登山道を登ると日陰の部分に雪が付いている。そして凍っている。注意して登ればアイゼンは不要かもしれないが、阿世潟峠に登り詰めるまで念のため軽アイゼンを装着したほうが良いと感じた。

阿世潟峠

男体山と中禅寺湖

男体山と中禅寺湖を眺めながら稜線を歩く

阿世潟峠~社山山頂にかけては景色が抜群だ。男体山と中禅寺湖が一望でき、右手に男体山と中禅寺湖を見ながら気持ちの良い稜線を歩き社山山頂を目指す。歩くルートには雪は無い。しかし今回のように強風の日には注意して歩きたい。

社山山頂1827m

社山山頂から黒檜岳は若干残雪がる。稜線付近の雪は凍っていないのでアイゼン無しで歩行ができるが、雪が腐っているところもあるので踏み抜きに注意が必要だ。また社山以降は破線ルートであるがリボンが付いているし、見通しが良く進むルートが良く確認出来るので安心して進むことが出来る。そしてちょっとした樹林帯を抜けると広々とした景観が現れ大変気持ちがいい。

進むルートが一望出来る気持ちの良い稜線

残雪状況

広々とした景観1

広々とした景観2

残雪状況

残雪状況とリボン

幕営地は黒檜岳手前の標高1930m付近に平らく開けた場所があるので、予定通りそこに幕営することにした。適度に木々もあり防風にも役に立つ。日当たりも良好なので早めにテントを設営することでテント内がポカポカして快適となる。ちなみに微弱ながらも携帯の電波が入る。

幕営状況

4月7日(日)

快晴、ほぼ無風。5:00に起床し6:45に出発した。出発後すぐに緩やかな登りになり樹林帯にはいる。樹林帯にはリボン、標識があり注意していれば道に迷うことは無いだろう。幕営地から30分程度で黒檜岳と黒檜岳登山口との分岐点に着く。ここには標識もある。また黒檜岳山頂は樹林帯と変わらず景観はまったく無い。

黒檜岳手前樹林帯標識

黒檜岳分岐

黒檜岳から黒檜岳登山口に向けて下山。標高の高いところは雪があるものの、アイゼンは不要で腐った雪に足を取られなければ快適だ。しかし標高を下げるにつれて雪は氷へと変わっていく。一旦雪が無くなり木の根っ子がむき出しになった道を進む。油断しているとそこから下が凍結した道となる。場所によってはトラバース気味なところもあり、また落ち葉で分かりづらいがその下はほぼ凍結しているので注意が必要。軽アイゼン装着は必要。
下山を続けていくと急に春の訪れを体感できるようになる。そこまでくれば中禅寺湖湖畔にある千手堂はすぐそこである。

黒檜岳からの下山

春の訪れ

千手堂付近からの眺め

下山後、千手堂付近の橋の上で休憩を取る。静かな湖畔で気持ちが良く下山したと一旦心がOFFになる…間違いだった。4月中は千手ヶ浜からのバスは無いので、湖畔を1時間以上かけてバスの走っている竜頭の滝もしくは菖蒲ヶ浜まで遊歩道を歩かなくてはならない。湖畔の遊歩道と言ってもそれなりにアップダウンがあり地味に疲れるので、下山後は心を切らさずに最後まで保つこと。

竜頭の滝から立木観音入口までバスに乗る。料金は失念したが、ICカード(SUICA、PASMO)が使える。立木観音入口から立木第二駐車場まで徒歩10分程度。2日間たっぷりと日光の山々と中禅寺湖を満喫した山行であった。

コバさん、うえさん有難う御座いました。いい山行が出来ました。

最後に
・軽アイゼン以上は必携
・強風に注意
・景観がとにかく抜群(秋にも期待!)低山のMy best 1かも
・真夏は厳しそう
・シカが多い
・とにかくシカが多い(どこもかしこもシカの糞で敷き詰められているほど)
・4月の残雪上に熊の足跡があった
・水場は無い
・携帯の電波は割と入る
・湖畔の遊歩道は長い

2019年4月 記録 ササジ

恵那山

【期間】2019年1月26~27日
【メンバー】つかみ(記)わだっち
【行程】
1/26 王子駅前(6:20)・・駐車場(11:08)~広河原登山口(11:40)~恵那山(15:40)~恵那山山頂小屋(15:55)幕営
1/27 恵那山山頂小屋(7:50)~広河原登山口(10:05)~駐車場(10:33)

東京から中央自動車道、飯田山本ICを降り、月川温泉を超え駐車場へと向かう。
駐車場までの林道は先行車が通った形跡があるが、道を外れると谷底に真っ逆さま。集中しながら、ゆっくり慎重に進む。
駐車場には既に2台の車が。ここのスペースには50台程度駐車可能と照会されているが、この時期は雪の都合もあり20台ぐらいが限界。
身支度を整えへ出発。峰越林道を歩く。崩落が激しい場所で、特に雪解け時期にはゴロゴロと石が転がっている。歩くこと40分程度で登山口に到着。

駐車場
駐車場から30分程のトンネル

登山口から河川へと下りる。そして、丸太の橋を渡り対岸へ進み、左手方向の斜面を登って行く。登山道は整備されている。この辺りは雪が10㎝程度だった為、アイゼンや輪かんを装着せず、ツボ足で登って行った。

登山口、左下河川へ
丸太の橋

4合目付近まで傾斜があるが、その後は比較的なだらかだ。時折、隙間から展望が楽しめる。5合目過ぎたころから、雲に覆われ粉雪が舞う。7~8mの風に吹かれ寒さを実感。汗をかいたせいか髪が凍ってバリバリになってる。しばらくするとおさまり、日差しが見えてきた。それにしても地味な登山道だ。しかし、コロコロ変わる天候に、気持が影響され退屈せずに歩くことが出来た。



樹林帯を歩く

恵那山頂上。2191m。展望がなく、テントが張れそうなぐらい広々している。
頂上から15分位少し下ると、恵那山山頂小屋に到着。




恵那山頂上

私達の他、8人のパーティがいて宴会山行とのことだった。心の奥底では、とにかく寒いし面倒だし、避難小屋がいいと思ったが、テントを張ることにした。
せっかく担いで来たし、練習にもなると思いせっせと整地を始める。
この日は上空に強い寒気が留まり、ザックにぶら下げている温度計はマイナ19
度。凍えながらテントを張り一段落。テント内にも内張りを装着したが、寒い夜を過ごした。

恵那山山頂小屋

翌日、避難小屋の裏手の岩場から展望が楽しめるスポットがある。行ってみたが、曇り空で見ることは出来なかった。
寒くて仕方がなかったので、さっさと下山を始める。
途中、吹きっさらしの箇所はトレースが消えており、その上を歩くのは気持ちがよく、最高である。楽しさが上回ると寒さも感じなくなっていた。と、いうより天気がよく、日差しもあり一気に下っていた。
下りも、アイゼンや輪かんを着用することなく終わった。


ふかふかの雪


素晴らしい景色

最後に、核心はなんと言っても相方の誕生日。無事に山頂で迎えることが出来た。
「おめでとう!」心に残る山行となった。

日光白根山

メンバー こば(L)、うえ、アトム、たま(記)

行程
12月23日
駐車場8:35~リフト乗り場8:50~外山分岐11:23~前白根山12:35~五色沼避難小屋13:15
12月23日
避難小屋7:45~山頂9:32~避難小屋10:30~11:05出発~前白根山11:58~外山分岐13:05~駐車場14:45

23日 曇り

駐車場を8:35出発 リフトが1本だけ動いていたので乗る。
降りてからアイゼンを付け、もくもくと登り始める。
途中、何組か下山して来ました。
前白根山の山頂は真っ白で何も見えない。
すぐに下りだし避難小屋へ、テントに泊まるか迷ったが避難小屋が空いていたので小屋
に泊まることにしました。
小屋の中に入ると、とても寒い…
時間があるので翌日歩くルートを途中まで偵察しました。
戻ってから雪を溶かし水作り、それから夕食… 夜の宴へ

24日 霧時々晴れ

雪が降り前日のトレースがなくなっていた。
アタックザックで山頂に向けて歩きだす。

稜線にでるととても風が強かったです。

9:32山頂に到着、自分達のグループだけで貸し切りでした。

写真を撮り早々に下山開始。
小屋周辺の今朝のトレースはすでに雪に埋まりなくなっていた。
小屋で荷物をまとめ下山開始。

前白根山周辺はとくに風が強く耐風姿勢を取りながら進みました。

無事に下山して日光湯元温泉で温まりました。

北アプルス裏銀座(烏帽子岳~槍ヶ岳)

【期間】2018年8月2日~5日
【メンバー】つかみ(記)わだっち
【行程】
8/1 毎日アルペン号 竹橋22:30発~
8/2 七倉ダム着(4:20)~高瀬ダム(5:50)ブナ立尾根登山口~烏帽子小屋着(10:55)
烏帽子岳小屋(11:30)~烏帽子岳(12:50)~烏帽子小屋(14:00)
8/3 烏帽子小屋(4:50)~野口五郎岳(7:20)~水晶小屋(10:50)~水晶岳(11:35)~
鷲羽岳(14:30)~三俣山荘(15:50)
8/4 三俣山荘(4:20)~双六小屋(7:20)~槍ヶ岳山荘(13:00)~槍が岳~槍ヶ岳山荘
8/5 槍が岳山荘(5:00)~槍平小屋(7:20)~滝谷出合(8:35)~白出沢出合(9:35)~
新穂岳ロープウェイ(11:05)
毎日アルペン号 新穂岳ロープウェイ発(14:45)~新宿着(22:10)

過去に小屋泊で裏銀座を歩いたわだっちと共に、今回はテント泊での計画を立てた。
どうしても日数がかかるので、休暇をとっての、無理のない王道の縦走路である。ただ前の月に常念岳から上高地に抜けたので、新穂高に降りるコースをとる。

 

深夜バスはここ七倉山荘着。そしてここからタクシーで七瀬ダムへ。
七瀬ダム。ここから歩きが始まる。
ブナ立尾根登山口。
烏帽子小屋。ザックをデポし烏帽子岳へ。
烏帽子岳山頂。
烏帽子小屋テン場。明け方のテント回収。
野口五郎岳に向かう道中、霧に見舞われる。
野口五郎小屋。
霧がなくなり晴天に。野口五郎岳山頂。
素敵な景色。水晶小屋に向かう。
水晶小屋。ここにザックをデポし水晶岳へ。
水晶岳への登山道は整備されてる。
水晶岳山頂。
鷲羽岳に向かう、圧巻の景色。
鷲羽岳山頂。
鷲羽池。
三俣山荘。黒部源流近くもあってテン場の水は最高だ。
三俣蓮華岳。

双六飛行場。見渡す限りの地平線。壮大な大自然に脱帽。
双六小屋。
少し登った所からの双六小屋。

少し登った所からの西鎌尾根。
千丈乗越。
西鎌尾根。
槍が岳山荘。
槍が岳山頂への梯子。ゆっくり慎重に。
槍が岳山頂から見える北鎌尾根。
槍が岳山荘テン場。週末で大賑わい。
前日歩いた西鎌尾根を見ながら槍平小屋に向かう。
槍平小屋テン場。
飛騨沢を何度か渡渉しながら新穂高へ。
新穂岳ロープウェイ到着。

アプローチにバスを利用。行きは、ほとんど寝れず、睡眠不足のままブナ立尾根。荷物も重かったしバテバテだった。帰りは、大渋滞に見舞われ、7時間以上軟禁状態だった。次回は電車がいい。
何度振り返っても壮大な山旅であった。個人的にはもう一度、双六飛行場を歩きたい。あっという間に通り過ぎてしまうのだけれども、あの景色は特別だ・・・。
裏銀座。歩いた距離は45キロにも及ぶ。毎日天気に恵まれ、壮大な景観を堪能しながらの縦走。なんとも贅沢な旅だった。

南八甲田 黄瀬川

日程:2018年9月22日(土)~24日(月)
メンバー:つりし、ハギ、ツノ、こば(記)

1日目
当初つりしさんとハギさんの2人でお盆に計画していた黄瀬川。前線の通過による天候悪化のため一旦中止となっていました。
再チャレンジということで今回の山行となりました。
しかし今回も初日は複数の低気圧が通過し荒れ模様。どうなることが不安を抱えながらの出発でした。
朝一番の新幹線で一路七戸十和田駅へ向かいます。七戸十和田には現在東北在住のツノさんが車で待っていてくれるという。何とも都合の良いアプローチ。しかし仙台を過ぎたあたりから雨脚が強くなってきます。予想通り七戸十和田は雨。車に乗り込みとりあえず猿倉温泉へ向かう。途中車窓から眺める奥入瀬の流れはコーヒー色。全員テンションさがりまくり。
猿倉温泉に着くとツノさんの車から何とウエルカムビールが。。。あーあと思いながらも手の施しようがない空を眺めながら一杯。
つりしさんは酸ヶ湯で温泉入ろうなどと言い出す始末。ツノサンもまんざらではない。そんなことしたら今日は無くなってしまうのでハギさんが抵抗。またとりあえず黄瀬川の林道に向かうバスに乗ることにしました。


<黄瀬川林道に続く橋の上から奥入瀬濁流>

奥入瀬の激しい眺めを見下ろしつつもとりあえず林道終点までは行こうということで出発。
きのこの収穫だけが期待の星なのですが、これもなかなか見つからない。びしょびしょになりながら松見の滝に向かう分岐についてしまいました。
分岐を入ってすぐのところ、右手に良さそうなテンバを発見。落ち葉が敷き詰められたブナの森にタープを張って焚火の準備をはじめます。実はここまで水を調達せずに来てしまいました。つりしさんとハギさんで谷っぽい所を少し降りて水を調達。黄色い水でしたが沸かせば飲めるでしょということでOK。
タープと焚火があるともうここは最高のテンバ。ツノさん持参の牛タンに癒されながら楽しい夜になりました。なんと夜半には月が出て、夜中には星もみえましたよ。


<山でたっぷりの牛タンとは何て贅沢>

2日目
朝5時ごろ起床、青空。水は引いたのか。不安いっぱいで流れに向かいます。テンバから谷側を見て右手にちょっとした谷型があります。昨日水を汲んだところですね。今日は全く流れていません。これを辿って降りて行きます。途中泥が滑りやすいですが、ちょっとした藪を抜けるとあっさりと入渓点に到着。なんと平水?


<すこーし笹濁りっぽいけど増水の雰囲気はない>

谷の奥に差し込む日の光が水面に反射して旅の幸先を祝福しているよう!やったー!
しばらくゴーロっぽい沢歩きが続きますが、一時間も歩くと岩盤が発達して来て小さな滝が現れ始めます。多くの記録にもある通り滝の取付きや淵では微妙なへつりが続き楽しませてくれます。


<へつり、へつり、へつり>

きれいな釜を持った滝や、高さ100m近くあるのではないかと思われるスラブから落ちる滝。景観も素晴らしい。


<ナメと奥にスラブ帯>


<滝を越えるのも楽しい>

へつりの緊張感も楽しくてしょうがないのですが、実は知らないうちにツノさんは何度か沈没した模様。休憩の度に荷物を全出しして乾かしていました。(そのくらいで乾くかあ?)
昼前頃、黄瀬川随一美しいという黄瀬松島に到着。灌木を乗せた巨大な岩がナメの上にいくつも立ち、たしかに松島の様でもあります。ここで昼飯。日の光が温かくてもう動きたくない。


<黄瀬松島>

さて今日のテンバは黄瀬沼に分かれる支流の出合付近ということ。素晴らしいテンバがあるとのうわさに皆わくわくしながら遡行していきます。出合の少し手前に広い河原を発見。増水したら厳しそうですが、居心地は良さそう。ここが天国のテンバではとひとしきり盛り上がりますが、つりしさんは気に入らなさそう。まだもっといい最高のテンバが有るはずだと先に進みます。少し歩くと出合。地形図ではこの先は両岸が迫ってきて良いテンバは期待薄に見えます。
出合にメンバーを残し、テンバハンターのつりしさんは更に上流を目指します。待つこと15分くらい。上流からゆっくり近づいてくるつりしさんが両手で大きな○を。さすが!っと全員でつりしさんが指し示すテンバへと向かいます。さて、テンバに足を踏み入れたハギさんがひところ「これが最高のテンバですか?」
実はこのテンバ、広くて平坦なのですが、地面は泥土質なのでした。ツノサンも気になるのかタープの下にシダ類の葉などをたっぷり敷き詰めていました。まあこんなこともあります。


<天国のテンバ>


<山で初めて食べたパンケーキ。ツノサンに感謝>

3日目
とうとう今日はハイライト黄瀬沼に向かいます。
黄瀬沼へ向かう支流はのっけから藪沢。こんなたくさんの水流があるのに両側から藪が覆いかぶさってきます。ここからはある意味東北の沢の本領発揮です。


<出合から支流方面>


<藪沢が黄瀬沼の湿原まで続く>

藪を抜けると突如として湿原が現れ視界が開けます。黄瀬沼です。
草紅葉が綺麗で遠く森の紅葉も始まっています。

さあここから下山。点線ですが一般道とのこと。最初はちゃんと木道もあります。


<もうすぐ自然に飲み込まれそうな木道>

湿原地帯を抜けるまではある程度木道が有ったりして歩きやすいのですが。。。
森を抜けると凶悪な藪との戦いになります。確かに踏み跡はしっかりしています。藪漕ぎを少しでも楽にするためか笹をテープで縛ってくれたりしています。しかしとても点線とはいえ道の印を地図に書いてはいけない藪道でした。


<一般道にあった黄瀬沼への案内「恨み節がいくつも刻まれてます」>


<下山道の途中にも湿原が点在>

2時間ほど藪を漕いで本当の登山道に合流。ここからは美しい森の中を猿倉温泉まで下ります。
初日の悪天はありましたが変化の多い楽しい沢でした。
そして僕としては初めての新幹線山行。帰りの盛岡で焼き肉、電車の中でも地酒で宴会。いやー堪能しました。